2008-11-27

11/23なんでや劇場レポート3

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画像は「細胞周期 細胞増殖の制御メカニズム」よりお借りしました。
本日は『生命の起源にせまる~細胞分裂の司令塔は誰?~』第三弾。最終回です。
中心体の役割について迫ります。
論点は3点★研究発表されている事実を元に追求しています(仮説)
原核細胞の中心体原基であった分子が、真核細胞では中心体に進化したのはなんで?
指令塔である中心体の役割とは?
指令塔が、単独のヌクレオチドやRNAではなりえなかったのはなんで?
=中心体という複合体(RNP)になったのはなんで?

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原核細胞の中心体原基であった分子が、真核細胞では中心体に進化したのはなんで?
外圧変化に伴い、真核生物では光合成生物や酸素生物、いずれも異物・異種を取り込み(細胞内共生説)、分化と統合機能を高度化させることで多様な進化への道を切り開いてきたわけです。
よって、細胞内小器官を含め、細胞分裂の精密化が生命維持にとって必要となり、細胞分裂全般を統合する器官として専門分化したのが中心体です。
指令塔である中心体の役割とは?
① 細胞分裂のコントロール
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上図は真核細胞の細胞周期です。
S期でDNA複製が行われるのですが、
実は、S期-1ではDNA複製に先がけて、自己複製により中心体の複製が行われます。
実験では、中心体の複製を人工的に阻害すると、DNA複製は起こらないということも明らかになっています。また、M期においては、中心体から伸びる紡錘糸によって正確に染色体が分配されることもわかっています。
このようなことから、中心体は細胞分裂の統合役を担っているのではないかと推測できるのです。
② 細胞内のリン酸(栄養分)の量を感知できるセンサー機能をもつ
細胞分裂の統合役であり、細胞分裂行為の際に必要となるエネルギー(リン酸)を感知できる機能があると考えられます。
S期-1では自己複製を行うため、細胞内のリン酸量(栄養分)を感知していると思われ、
その機能があることで、細胞内のリン酸量を感知し、自己複製を開始する合図になっていると考えられます。
③ 細胞内の小器官の位置決め
>細胞における細胞小器官の配置は一見乱雑でも,相対的な配置が厳密あるいは一定の範囲で決められています。 特に鞭毛の配置などは細胞運動や動物の正常な発生にも関わるために,厳密に決められる必要があります。緑藻植物門オオヒゲマワリ目)の変異体を用いて, 鞭毛を含め複数の細胞小器官の配置が中心小体(centriole)に依存して決まっていることを明らかにしました。
中心小体を中心に配置を決める(2007.07.04)
http://www2.tba.t-com.ne.jp/nakada/takashi/scripts/molcell.html
指令塔が、単独のヌクレオチドやRNAではなりえなかったのはなんで?=中心体という複合体(RNP)になったのはなんで?
>RNAとは、生命の遺伝情報を担っているDNAを設計図として、タンパク質を合成する物質。なぜ、このRNAが生命の起源となったのか?その理由は、RNAの活性度の高さ(=変異性の高さ)にある。
 RNA、DNAは共に生命に不可欠な「自らを複製し、その情報を次世代に伝える仕組み」を持っている。しかし、DNAは二重鎖で安定的→変異性に乏しいと言う特徴があり、一方でRNAは一本鎖で不安定(活性的)→変異性に富んでいると言う特徴がある。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=171252
変異(安定)進化論史① RNAワールド~原核生物
つまり、RNAは活性度が高い(変異性が高く)、情報伝達→タンパク質合成後なくなってしまうという現象から不安定である。
DNAは活性化しにくく安定しているが、DNAを合成することは大変である。
ヌクレオチドは、エネルギー交換を行い、活性度が高く、不安定である。
このような性質から考えられることは、
初期生命にとって、
RNA(活性度が高い)+タンパク質(安定性が高い)=糖タンパク複合体(RNP)を形成していくことが不可欠となったのではないのか?と推測できます。
以上が、今回のなんでや劇場で追求された内容です。
★次回のなんでや劇場の注目ポイント★
生命の起源は、膜(脂質)が先か、細胞骨格が先なのか?
様々な視点から仮説がでて盛り上がると想います。

List    投稿者 Hikaru | 2008-11-27 | Posted in ⑦なんでや劇場レポートNo Comments » 

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