2019-02-22

脳回路の仕組み7 把握(認識)の二元化と類型化

脳回路の仕組み7ブログ図解-01

◎照準収束とは本質収束であり、それが手順律を下敷きにして感覚把握の二元化と類型化を生み出し、それらが抽象化を生み出した。この感覚機能の二元化と類型化および抽象化は、脊椎動物以来細胞質(おそらく中心体)に刻印されている。

◎意識は、類型に先端収束し、類型だけが深く意識に定着して先天機能となり、全ての対象を類型発で捉えるようになった。つまり、背景と対象に二元化したり、共通部を抽出して類型化したり、抽象化するのは、本能に備わった根元的な把握機能であり、カエルも、ネズミも、ネコも、無意識にそうしている。

 

◎本質収束とは最も重要な部分への収束であるが、その重要度を指示しているのは基盤神経や判断核etc.が放出する駆動物質である。

◎現実対象に対する照準収束→本質収束→抽象化の極北に生み出されたのが「精霊」を原観念とする観念機能である(100万~60万年前)。観念機能は仲間内で交信する必要から発声機能の発達を促し、それにつれて原観念は言葉として発信されていった。

◎原観念は共認機能の最先端に形成された窮極の抽象概念の像であり、それを音声化したものが、言葉=観念である。

 

 

(岡田淳三郎)

 

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2019-02-21

霊長類の大脳は、DNA(塩基配列)変化の伴わない進化形態である。

 

 

DNAの発見以降、生物の進化はDNAの変化に支配されていると言われていましたが、近年の分子生物学では、DNAに依らない進化(エピジェネティクス)≒ラマルクの進化論(要不要説 生物には「向上性」が内在していてこれが進化の要因と考えている。これが作用して、環境との相互作用の結果進化が起こる)

その代表例が人の大脳の進化であると思われる

霊長類の大脳は、DNA(塩基配列)変化の伴わない進化形態である。

http://www.nibb.ac.jp/press/2013/12/19.htmlより

 

霊長類大脳皮質領野で特定の遺伝子のON/OFFが調節される仕組みの解明

大脳皮質は、ほ乳類の高次脳機能に中心的役割を担うものであり、霊長類、特にヒトで良く発達し、脳全体を覆うに至ります。大脳皮質はその場所によって異なる機能を持つことが知られており、それぞれ連合野、運動野、視覚野などの「領野」として区別されています。領野ごとの違いがどのように形成されるのかは、大変興味深いテーマですが、未だ多くの謎に包まれています。

基礎生物学研究所の脳生物学研究部門では、これまでに霊長類を用いて、脳の領野によって異なる発現パターンを示す遺伝子を発見してきました。それらの遺伝子は、例えば、連合野で発現し(ONになり)、視覚野では発現しない(OFFになる)、という発現の調節が行われていますが、領野の違いによって特定の遺伝子のONとOFFが調整される仕組みは、全く不明でした。

今回、畑克介研究員と山森哲雄教授らは、マカクザルの連合野ではONになり、視覚野ではOFFになる遺伝子の領野特異的な発現調節の仕組みの一端を明らかにしました。連合野特異的にONになる遺伝子のグループは、遺伝子発現を調節するプロモーター領域が高い割合でメチル化されていること、および、メチル化DNA結合タンパク質の一つとして知られるMBD4が連合野特異的に存在していることがわかりました。また、メチル化されたプロモーター領域にMBD4が結合することで、連合野特異的に遺伝子がONになることも明らかとなりました。これは霊長類の脳において、領野特異的な遺伝子のON/OFFの調節機構が明らかとなった初めての例です。

高度な認知機能を司る霊長類連合野に特異的に発現する遺伝子の発現機構はこれまで全く判っておらず、今回の成果は、今後の霊長類の大脳皮質の発達に関する研究と精神疾患の病因解明や治療等の研究につながる可能性が期待されます。この成果は、米国神経科学会誌Journal of Neuroscience(ジャーナルオブニューロサイエンス)2013年12月11日号にて発表され、「This Week in The Journal」として紹介されました。

 [本研究の背景]

大脳皮質は「領野」と呼ばれる50程の区分に分けられ、それぞれの領野は、視覚や聴覚、運動機能などの機能を司ります。山森研究室では、霊長類の大脳皮質の領域特異的な機能分担や、脳の進化を探ることを目的として、マカクザル大脳皮質領野に特異的に発現する遺伝子の探索を行ってきました。霊長類大脳皮質の代表的領野である前頭連合野、側頭連合野、運動野、一次視覚野間で顕著な差のある遺伝子発現を比較検討し、RBP4遺伝子、PNMA5遺伝子、SLIT1遺伝子が連合野特異的に発現していること、HTR1B遺伝子、HTR2A遺伝子、FSTL1/OCC1遺伝子が一次視覚野特異的に発現していることを明らかにしてきました。

霊長類以外(例えばネズミやウサギやフェレットなど)では、これらの遺伝子は、領野特異的な発現を示しません。このことは、霊長類大脳皮質の領野特異的遺伝子の発現メカニズムは霊長類への進化の過程で備わったものであり、この機構を明らかにすることは、霊長類の脳の発達や進化のメカニズムの解明に重要な知見をもたらすものと期待されます。これら領野特異的遺伝子の発現パターンが各グループで良く似ていることから、共通の発現制御機構があると推測してその解明を目指しました。

[本研究の内容]

研究グループは、連合野において特異的に発現する遺伝子のグループ(RBP4遺伝子, PNMA5遺伝子, SLIT1遺伝子)と、一次視覚野において特異的に発現する遺伝子のグループ(HTR1B遺伝子, HTR2A遺伝子, FSTL1遺伝子)の、プロモーター領域のDNAメチル化の程度を解析しました。その結果、連合野に特異的な発現をする遺伝子グループのプロモーター領域は高度にメチル化されているが、一次視覚野に特異的な発現をする遺伝子グループのプロモーター領域はメチル化の程度が低いことを発見しました。

さらに、メチル化DNA結合タンパク質の一つとして知られるMBD4の遺伝子発現が連合野特異的遺伝子と非常に似た発現を示すことがわかりました。

また、メチル化DNA結合タンパク質MBD4が連合野特異的遺伝子の高度にメチル化されたプロモーターに結合し、その結果として連合野に特異的な遺伝子発現を促すことが明らかとなりました。DNAのメチル化による遺伝子発現の制御は、DNAの塩基配列の変化を伴わないエピジェネティクスな機構として、生物の多様な表現型の形成や、種々の発達障害、がん化などに関わることが近年明らかになってきています。本研究は、霊長類の脳において、領野特異的な遺伝子のON/OFFの調節機構が明らかとなった初めての例であり、その調節がDNAのメチル化によるエピジェネティクスな機構でコントロールされていることを示しました。

[今後の展開]

高度な認知機能を司る霊長類連合野に特異的に発現する遺伝子の発現機構はこれまで全く判っておらず、今回の成果は、今後、霊長類の大脳皮質の発達に関する研究、精神疾患の病因解明や治療等につながる可能性があります。

以上です。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-02-21

脳回路の仕組み6 成績圧力と文字脳・公式脳

・誰もが文字を読めるようになって、たった150年で言語能力がドン底にまで劣化してしまった原因は、「そもそも文字は潜在思念とのつながりが貧弱である」という文字の根本欠陥だけにあるのではない。

・私権社会に特有の私権の強制圧力→学校の強制圧力→勉強の強制圧力が、子供の意欲や追求心を封鎖してしまうという現実の圧力の方が、はるかに大きな原因として在る。

・貧困が消滅して、すでに50年。貧困の圧力に基づく私権の強制圧力(私権を獲得しなければ生きていけないという否も応もない強制圧力)はとことん衰弱し、代わって仲間充足と追求充足が新しい活力源として、すでに顕現している。従って、今や私権の強制圧力を土台とする「いい生活⇒いい大学⇒いい成績」では全く意欲が湧かないどころか、その強制圧力が仲間充足・追求充足という活力源を封じ込めるので、子どもたちの肉体的な拒絶反応を引き起こし、それが年を追って深刻な状態になってきている。

・しかし、嫌だから引きこもるでは答えにならない。それでは敗け犬にしかならない。実は目先の成績に囚われている親→子ほど、より強く時代遅れの私権の強制圧力に囚われており、それ故、子供の肉体的な拒絶反応はより深刻な状態にあるので、何かのきっかけで簡単に引きこもり状態に陥る。

学校や塾の教師が生徒を潰す-01

・私権社会の共認形成は、窮乏(きゅうぼう)圧力であれ、利益誘導であれ、あるいはいじめ集団の親分・子分であれ、学校の教師の脅しであれ、国家の権力であれ、全て私権の強制圧力を基盤とする脅し→騙しによって成り立っている。脅されると、脳の危機逃避の回路が強く作動し、その逃避先として与えられた所に簡単に収束するからである。

・学校について言えば、私権の強制圧力を背景とする成績圧力で親と子供を脅して、「ノートを取れ」「公式で解け」と誘導し、そうして意欲も追求心も奪い取り、ひたすら暗記脳・文字脳・公式脳に染め上げてゆく。その結果が、

意欲も追求心も失い、思考停止に陥った子供たち→大人たちである。

・しかし、今や暗記脳の試験エリートなど、社会に出れば使い物にならない。だから、これは大いなる騙しである。しかし、それが騙しであることに気付く人は少ない。親も子供も、大半が学校の脅しに騙されている。だから、「脅しに騙されるな」、「今や学校は、国民を無能化する装置でしかない」ことを、声を大にして周りに訴える必要がある。

・しかし、現に学校の強制圧力に晒されている生徒たちは、どうしたら良い?

まずは、脅しに騙されないこと=目先の成績から脱却すること、そして、本来の追求心を解放して強制圧力を突き抜けてしまうこと。

・追求力さえ身につけば、(1年ぐらいで)追求力が成績圧力を突き抜けて、実は簡単に成績も上がってゆく。もっとも、学校の成績を上げる気が全くない生徒は、別に上げなくても追求力さえ身に付ければそれで良いが。

目先の成績から脱却-01

・自分の頭で追求して得た認識は、その答えに達するまでに関連する認識群を何度も反復しているので、3~5回ほど反復するだけで永久回路として定着する。

・教科書etc.で与えられた認識は、内識と殆ど繋がっていないので、100回以上反復しないと定着しない。しかも、100回反復しても半永久回路にしかならず、1年後、3年後、10年後には曖昧にしか思い出せない。

・言語能力を形成する秘訣は、赤ん坊が言語を習得する過程に凝縮されている。即ち、聞いて、真似して、しゃべるを繰り返すこと。それが最も効率的な言葉の習得法である。国語の成績を上げる秘訣も同様で、ひたすら相手の表情や口元を真似して(文字は見ずに)高速で音読すること。そうすれば封鎖された潜在思念が解放されて能力が上昇する。

・又、英語などの新しい言葉を吸収する場合も、赤ん坊と同様にゼロから直結回路を形成してゆくのが最も効率的である。この場合、既存の日本語を媒介にしていると、スピードが遅すぎて会話についてゆけないだけではなく、直結回路の形成が疎かになり、捨象されてしまう。従って、あくまでゼロから(聞いて、真似して、しゃべるを繰り返して)英語脳を形成してゆくことが、外国語を吸収する最短の道である。

 

(岡田淳三郎)

 

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-02-14

長期記憶形成に必須な分子メカニズムを特定

長期にわたる記憶形成するためには、ニューロンの樹状突起を肥大化しシナプスと呼ばれるつなぎ目と繋がりやすくする必要があります。そのメカニズムの一端を明らかにした研究報告が有りましたので転載します。

基礎生物学研究所 http://www.nibb.ac.jp/press/2017/11/21.html 2017年11月

長期記憶形成に必須な分子メカニズムを特定 ~タンパク質の設計図を神経樹状突起へ局在化させる因子が不可欠~

(前略)

 我々が物事を覚える際に、数時間、数日間、あるいは数年間という長期に渡る記憶を形成するためには、脳内でのタンパク質合成が不可欠であることが知られています。しかし、そのタンパク質合成の分子メカニズムは四半世紀に渡って未解明の問題として残されていました。神経細胞におけるタンパク質合成には、細胞全体で起こる一般的な制御と、神経細胞間の興奮伝達を仲介する樹状突起上のシナプスの近傍でのみ起こる局所的な制御とが存在します。本研究では、後者の局所的制御に関わる因子「RNG105」に着目し、マウスを用いて、RNG105の欠損が長期記憶や伝令RNAに及ぼす影響について解析を行いました。その結果、RNG105欠損マウスでは、特定の伝令RNAの樹状突起への局在化が低下し、長期記憶が著しく低下することが明らかになりました。これら特定の伝令RNAをもとに合成されるタンパク質には、シナプスでの興奮伝達を担う「AMPA受容体」を制御するタンパク質が多く含まれていました。RNG105欠損マウスでは、このAMPA受容体が上手く機能できず、シナプスを介した興奮伝達も著しく低下しました。以上の結果から、RNG105によって伝令RNAを樹状突起に局在化させ、その伝令RNAをもとにしてAMPA受容体制御タンパク質の合成を樹状突起上のシナプス近傍で起こすことが、シナプスの正常な興奮伝達、ひいては長期記憶の形成に不可欠であるという新たな分子メカニズムを提唱しました。

 

本研究成果は、2017年11月21日付けで英国オンライン科学誌eLifeに掲載されます。

 

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【背景】

私たちの脳を構成する神経細胞(ニューロン)は、2種類の長い突起(軸索・樹状突起)を持ち、あるニューロンの軸索と異なるニューロンの樹状突起がシナプスと呼ばれるつなぎ目で結合しています(図1)。長期記憶の形成には、樹状突起上にある後シナプス(スパイン)を肥大させ、そこにAMPA受容体*1を増やすという「シナプス強化」が不可欠です(図1)。このシナプス強化のためには、樹状突起のスパイン近傍で「局所的タンパク質合成」が起こることが重要だと考えられています(図1)。局所的タンパク質合成が起こるためには、タンパク質合成の設計図である伝令RNAが、「RNA顆粒」と呼ばれる複合体により細胞体から樹状突起へと輸送されることが必要です(図1)。しかし、RNA顆粒の働きが実際に長期記憶に必要かどうかは、長年の間、未解明の問題として残されていました。

 

fig1.jpg

本研究では、RNA顆粒の主要な構成因子“RNG105”(別名Caprin1)に着目しました。これまで、RNG105を恒常的に欠損したマウスは生後まもなく死亡するため、成体マウスにおけるRNG105の機能は不明のままでした。そこで本研究では、RNG105を胎仔期後期以降、脳で欠損させたRNG105コンディショナル欠損 (cKO) マウスを作製し、成体マウスを得ることに成功しました。このマウスを用いて、RNG105が長期記憶に与える影響、およびその基盤となる分子メカニズムの解明を目指して研究を行いました。

 

【研究成果】

・RNG105コンディショナル欠損 (cKO) マウスでは長期記憶が低下する

RNG105 cKOマウスの学習・記憶能力について、モリス水迷路テストおよび条件付け文脈学習テストにより測定を行いました。モリス水迷路テストは、円形プールの特定の場所にマウスが回避できるプラットホームを隠して置き、その回避場所を数日かけて覚える長期記憶テストです。正常マウスはテストを重ねるごとにプラットホームの位置を学習して記憶したのに対し、RNG105 cKOマウスはテスト回数を重ねてもほぼ全く記憶ができませんでした(図2)。

 

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条件付け文脈学習テストでは、明るい部屋と暗い部屋とを自由に行き来できる装置を用います。通常、マウスは暗い場所を好み、そこに長く滞在します。しかし、暗い部屋に入った際に弱い電流を経験すると、マウスは嫌悪の経験を記憶し、その後は電流が流れなくても暗い部屋の滞在時間が減少します。この暗い部屋の滞在時間を計測した結果、RNG105 cKOマウスは5分間の短期記憶は正常に形成されるのに対し、1日から1週間に渡る長期記憶の形成は著しく障害されていることが明らかになりました(図3)。

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・RNG105 cKOニューロンではシナプス強化 (スパイン肥大) が減弱する

RNG105 cKOのシナプス強化に対する影響を調べるために、興奮刺激を受けた際のスパインの肥大化(図1)を計測しました。正常ニューロンでは刺激によりスパインが肥大し、そのサイズは刺激後1時間経っても維持されました。一方、RNG105 cKOニューロンでは刺激によりスパインは一度肥大したものの、時間経過とともに次第に縮小しました(図4)。よって、RNG105は長期的なスパイン肥大化(シナプス強化)に必要であることが示されました。

 

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・RNG105 cKOニューロンではシナプス興奮伝達が低下する

次に、シナプス興奮伝達の指標となる興奮性シナプス後電位(fEPSP)の測定を行いました。その結果、RNG105 cKOマウスは正常マウスと比較し、fEPSPの大きさが約半分に低下しました(図5)。このことは、RNG105 cKOマウスでは、シナプスの興奮伝達を担うAMPA受容体が上手く機能できず、興奮伝達が低下していることを示しました。

 

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・RNG105 cKOニューロンでは樹状突起への伝令RNAの局在化が低下する

以上のようなRNG105 cKOマウスの表現型の基盤となる分子メカニズムを解明するため、RNG105 cKOが伝令RNAに及ぼす影響を解析しました。その結果、通常ではニューロンの樹状突起へ局在化する特定の伝令RNA群が、RNG105 cKOニューロンの樹状突起では局在化が低下していることを見出しました(図6)。そのような伝令RNA群の中には、AMPA受容体を制御するタンパク質の設計図である伝令RNAが多数含まれていました。以上のことから、RNG105 cKOニューロンでは、樹状突起上のスパイン付近へ本来供給されるべき伝令RNAが不足し、それをもとに合成されるAMPA受容体制御タンパク質もスパイン付近では不足していると考えられました。

 

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・RNG105の欠損は樹状突起におけるAMPA受容体の表面提示制御を低下させる

AMPA受容体制御タンパク質は、樹状突起内のエンドソームに隔離されたAMPA受容体を細胞表面に提示し、そこにつなぎ止めることによって、シナプス強化に関わることが知られています(図7)。そこで、AMPA受容体が樹状突起の表面にどのくらい提示されているかを定量解析しました。その結果、RNG105欠損ニューロンでは、樹状突起の表面にAMPA受容体を提示する制御機構が上手く機能せず、正常ニューロンに比べて表面のAMPA受容体が減少していることが明らかになりました。

 

fig7.jpg

以上の知見をまとめると、RNG105によって特定の伝令RNAが樹状突起に局在化し、樹状突起上のシナプス近傍でその伝令RNAをもとにしてAMPA受容体制御タンパク質を合成することが、シナプス強化、すなわち、スパインを肥大させてその表面に多くのAMPA受容体を提示させるのに必要だと考えられます。本研究は、このメカニズムにともなう分子が、シナプス興奮伝達ひいては長期記憶の形成のために必要であるという新たなモデルを提唱しました。

【本研究の意義と今後の展開】

長期記憶形成にはタンパク質合成が必要であることが知られていたものの、両者をつなぐ分子メカニズムはこれまで明確に示されていませんでした。本研究は、RNA顆粒の構成因子であるRNG105が長期記憶の形成に不可欠であることを明らかにしました。さらに、その基盤となる分子メカニズムとして、RNG105は樹状突起への特定の伝令RNAの局在化を制御し、AMPA受容体の樹状突起における表面提示制御に関与することを示しました。

 

記憶は生物の生存や精神活動の基盤となる脳機能です。記憶の障害は様々な精神神経疾患とも関連しています。また、RNA顆粒の構成因子には、筋委縮性側索硬化症(ALS)等の神経変性疾患の他、精神遅滞症、自閉症スペクトラム(ASD)などの原因因子が数多く含まれています。RNG105の変異も、ASD様の行動を引き起こす原因の一つです。したがって、RNG105およびRNG105が樹状突起へ輸送する伝令RNA群は臨床的なマーカーや創薬のターゲットとなりうる可能性を有しており、本研究の成果は、記憶形成の分子メカニズムのさらなる解明に加え、臨床・創薬分野において役立つことが期待されます。

 

【用語説明】

*1AMPA受容体:興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸の受容体の一種。中枢神経系のシナプス興奮伝達は主にこの受容体が担い、学習・記憶に必須の役割を果たしている。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-14 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-02-09

脳内にある、やる気のスイッチを発見

脳内でやる気を起こす部位を見つけたとする論文が有りましたので転載します

、2017年2月1日に総合科学雑誌であるNature Communicationsに掲載されたものです。

http://www.nips.ac.jp/release/2017/02/post_335.html

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脳内にある、やる気のスイッチを発見

1.研究の背景と概要

認知症などの神経変性疾患、脳血管障害や脳外傷などの脳の障害では、いずれも高い頻度で意欲障害が認められます。いわゆる「やる気がない」という症状であり、リハビリテーションの阻害因子として患者さん本人のQOL(quality of life)を低下させるのみならず、介護者の意欲を削ぐ要因にもなります。うつ病の意欲障害には、抗うつ薬という治療の選択肢がありますが、損傷脳の意欲障害にはどの薬が有効で、何が無効かなど治療薬選択について全く分かっていません。その一つの要因として、損傷脳の意欲障害がどのようなメカニズムによって発生するのか全く分かっていないので、候補薬さえも挙げられない状況です。
研究グループは、脳の特定部位である線条体(注1)の損傷によって意欲障害を起こす頻度が高い臨床結果を参考にして、線条体を構成する一つの細胞集団、ドパミン受容体2型陽性中型有棘ニューロン(注2)(以下D2-MSN)に注目しました。実験者が任意のタイミングでD2-MSNを除去することができる遺伝子改変マウスを作出し、意欲評価の実験を行いました。マウスの意欲の評価には比率累進課題(注3)と呼ばれる餌報酬を用いた行動実験を用いました。

あらかじめマウスに課題を学習させておき、マウスの意欲レベルを調べます。その後、D2-MSNだけに神経毒を発現させて徐々に細胞死させます。もしもD2-MSNが意欲行動をコントロールするならば、D2-MSNの細胞死によって、マウスの意欲レベルは下がるはずです。また、意欲の低下が線条体のどの部位の損傷で、どの程度の損傷の大きさで起こるのかわかるはずです。
研究の結果、線条体の腹外側(注4)の障害で、かつ、その領域のわずか17%の細胞死によって意欲障害が起こることが分かりました(図1)。研究グループは、神経毒以外の方法、すなわちオプトジェネティクス(注5)によるD2-MSNの機能抑制、オプトジェネティクスによるD2-MSNの破壊という2つの異なる方法によっても、腹外側線条体のD2-MSNが意欲行動に必須であることを見出しました。

図1

20170201pressSano_1.jpg

2.研究の成果と意義・今後の展開

動物を使った意欲の研究では、おいしい餌を報酬とする場合と、覚せい剤のような依存性薬物を報酬とする場合があります。依存性薬物を希求する意欲の責任脳部位として線条体の腹内側部が知られていましたが、おいしい餌のような生理的な欲求に対する意欲の責任脳部位は分かっていませんでした。本研究によって、その責任脳部位が線条体腹外側部であること、中でもD2-MSNが意欲の制御に働いていることが明らかになりました。他にもいくつかの部位が「やる気」を生むのに必要であると想像されていますが、本研究によって初めて、やる気を維持する脳部位・細胞種を明確に示しました。
損傷脳の意欲障害のモデル動物が樹立できましたので、今後はこのモデル動物を用いて、意欲障害を改善する薬剤を探索することができます(図2)。

図2

20170201pressSano_2.jpg

【用語解説】

(注1)大脳基底核・線条体:運動制御や報酬を計算する脳部位で、大脳皮質に囲まれた脳深部(基底)にある。いくつかの脳部位から成る。線条体はそのうちの一つ。

(注2)ドパミン受容体2型陽性中型有棘ニューロン:線条体から情報を外に送る神経に2種類あり、一つがドパミン受容体1型陽性中型有棘ニューロンで、もう一つがドパミン受容体2型陽性中型有棘ニューロンである。ドパミン受容体2型陽性中型有棘ニューロンはこれまで、意欲を押さえる役割を果たすと考えられてきた。

(注3)比率累進課題:1個の餌報酬を得るのに、課されるレバー押し回数が増えていく課題。はじめは1回レバーを押せば1個の餌をもらえるが、2個目の餌を得るのには2回レバーを、3個目の餌を得るには4回、4個目の餌を得るには6回という具合にレバーを押す回数が増えていく。たとえば14個目の餌を1つ得るのに95回レバーを押す必要がある。
課題中のマウスはいずれ餌を得ることをあきらめる。諦めるまで頑張った回数が意欲の程度を表す。意欲が下がると諦めるまでのレバー押し回数が減る。

(注4)線条体腹外側:線条体の下部(腹側)かつ外側の領域のこと。一方で、線条体腹内側は、線条体の下部で内側の領域(図3)。

図3

20170201pressSano_3.jpg

(注5)オプトジェネティクス:光を用いて特定の細胞集団の活動を操作する技術。このケースでは、ドパミン受容体2型陽性中型有棘ニューロンの活動を光で操作した。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-09 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-02-07

ダーウィンの進化論が崩壊:進化は不連続に起こる。ミッシングリングは存在しない。

 

学校の教科書で、生物の進化は「ダーウィンの進化論(連続的に徐々に進化)」と記載されている。ただ人類の進化には、ミッシングリングという謎(猿から類人猿そして現生人類をつなぐ中間体の化石が見つからない)が有ると教えられてきた。

しかし近年の遺伝子検査により生物の進化は「急激に進み新種が誕生し、いったん誕生した新種は滅びるまでほとんど変化しない」ようである。

そもそも中間体というのは存在せず、昆虫は太古から変化してない。又シーラカンスもワニもライオンも何十万年も形態は変わってない。進化は不連続に突然起こるのではないかと考えられる。

生物の主要な構成物質である水も周囲の環境(エネルギーの授受で)で個体・液体・蒸気・プラズマ(水素と酸素)状態へ瞬時に変化する。そして素粒子さえも不連続に誕生したり消滅したりしている。

とすると、生物も、外部環境に適応できない種は滅亡し、先祖返りして適応した種を作り出す戦略(≒進化は不連続に起こる)を採っていると思える。

[特報]ダーウィンの進化論が崩壊:かつてない大規模な生物種の遺伝子検査により「ヒトを含む地球の生物種の90%以上は、地上に現れたのがこの20万年以内」だと結論される。つまり、ほぼすべての生物は「進化してきていない」

との研究発表がありましたので転載します。

IN DEEP https://ameblo.jp/glamzanzedeus/entry-12420093747.html

 

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(前略)

これはつまり、この地球の生物の 90%以上は「それ以前への遺伝子的なつながりがない」ということでもあり、もっといえば、

・地球のほとんどの生物は 20万年前以降に「この世に現れた」

これがどういう意味かといいますと・・・。たとえば・・・「現行の科学で言われている人類誕生までの地球の歴史」というものは下のようにされています。

46億年前から始まり、35億年前くらいの最初の生物が誕生し、そこから「徐々に」進化してきた……というものです。

しかし、今回の大調査の結果からわかることは、

「徐々に」進化していないということなのです。

つまり、20万年より前の部分は、「現在の地球の生物とほとんど関係ない」としか言いようがないのです。

とにかく、ほぼすべての生物種が 10万年から 20万年前に地球に登場しているという可能性が極めて強くなったのです。

生物の全面的な大規模遺伝子調査により、生物進化の新しい側面が明らかに

これは、アメリカ政府が運営する遺伝子データバンク(GenBank)にある、世界中から数百人の科学者たちによって集められた 10万種の生物種の DNA と、500万の遺伝子断片である DNA バーコードと呼ばれるマーカーが徹底的に調べ尽くされたのだ。

それを行い、その「結果」を報告したのは、米ニューヨーク・ロックフェラー大学のマーク・ストークル(Mark Stoeckle)氏と、スイス・バーゼル大学のデビッド・タラー(David Thaler)氏であり、共同でその内容が発表された。

そして、その内容は「生物の進化がどのように展開されたか」についてのこれまでの定説を揺らがせるものだったのだ。

定説とは何か?

現在の生物学の教科書では、たとえば、アリでもネズミでもヒトでもいいのだが、大規模な個体群を持つ生物種は時間が経過するほど遺伝的多様性が増すとされている。このように時間の経過と共に、生物が進化してきたというのが定説だ。

しかし、それは本当なのだろうか?

その問いに対して、今回の研究の主任著者であるマーク・ストークル氏は次のように述べた。

「いいえ、それは違います」

ストークル氏は、地球上に住む 76億人のヒトも、5億羽生息しているスズメも、あるいは、10万羽生息しているシギたちも、その遺伝的多様性は「ほぼ同じくらいなのです」と AFP に語った。

動物には 2種類の DNA がある。核 DNA とミトコンドリア DNA だ。しかし、すべての動物はミトコンドリア内に DNA を持っている。

ミトコンドリアは、細胞からのエネルギーを食物から細胞が使用できる形に変換する各細胞内の小さな構造体だ。生物の種と種の間で大きく異なる可能性のある核 DNA 遺伝子とは異なり、ミトコンドリア DNAにはすべての動物が持つ共通の DNA 配列が存在する。

この共通の DNA 配列が比較のための基盤を提供するのだ。

カナダの分子生物学者であるポール・エイバート(Paul Hebert)氏は、2002年頃に「 DNA バーコード」という用語を作り出し、COI 遺伝子を解析することで種を同定する方法を描いた。

そして、研究者が目にしたものは、いわゆる「中立」な遺伝子変異にばらつきがないことだ。この中立突然変異が、互いにどれほど類似してるかは樹木の年輪を見るようなもので、これにより一つの種のおおよその年齢が明らかになる。知られているところでは、最後の地球での大量絶滅事象は、6550万年前に小惑星だと思われる巨大天体の衝突によって発生した。

この時の大量絶滅では、地球上の恐竜と、すべての生物種の大半が消滅した。「最も簡単な解釈は、生命は常に進化しているということです。進化の過程の中では、いつでも、その時点で生きている動物が比較的最近出現したものであるという可能性が高いのです」

この論文は、人類進化学の専門誌「ヒューマン・エボリューション(Journal of Human Evolution)」に掲載された。

この見解では、ある種が持続するのは一定の期間でしかなく、その後、新しいものに進化しなければ絶滅するということになる。

 

(後略)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-07 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-02-01

「何を見ても何かを思い出す」 – サルの脳活動からわかった記憶をささえる柔軟な神経回路

 歳を取ると覚えていた筈の記憶を思いだせなくなります。例えば会社の同僚の名前など。老化と言えばそれまでですが、やはり「もの忘れ≒記憶のメカニズム」を知りたいと思っていました。ちょうど「ものをみて思い出す記憶メカニズム」を研究した報告書が有りましたので転載します。

仮設モデル1:ものを見ている際も、ものを思い出す際も同じ神経回路(同じ部位)を同じニューロン群から情報を受け取り、また同じニューロン群に情報を送っている

(知覚回路≒記憶回路となっており記憶回路は常に塗り重ねていく。)

仮設モデル2:ものを見ている際と、ものを思い出す際では、別の神経回路を構成しており、別々のニューロン群に情報を送っている

(知覚回路は大脳の表面にあり、記憶回路は少し深い位置にあり、反復して確認している)

どちらでしょうか?モデル2の方が進化しているように思いますが・・・

 

「何を見ても何かを思い出す」サルの脳活動からわかった記憶をささえる柔軟な神経回路

竹田真己 2018年12月17日「何を見ても何かを思い出す」 – サルの脳活動からわかった記憶をささえる柔軟な神経回路

https://academist-cf.com/journal/?p=9255

「ものを見て、ものを思い出す」

私たちは、目にしたものから関連した他のものを思い出すことができます。「小さかったころの写真を見て、当時のことを思い出す」といった経験は多くの人にあるでしょう。こうした「ものを見て、ものを思い出す」といった2つの認知プロセスには、大脳の側頭葉とよばれる領域の神経細胞(ニューロン)が関与していると考えられています。

これまでの研究により、側頭葉ニューロンは記憶の記銘(覚える)や想起(思い出す)の際に強く活動することが知られています。しかし、これらの側頭葉ニューロン群が、「ものを見た」知覚情報から記憶を想起する際にどのように協調して働くのか、その背景にある神経回路や動作原理はほとんどわかっていませんでした。

そこで本研究では、それらの記憶メカニズムを明らかにすることを目的に、記憶課題を学習したサルを用いて、「ものを見て、ものを思い出す」(cued recallとよばれます)際の側頭葉神経回路のはたらきについて調べました。

[脳のはたらきに関する仮説]

神経回路のはたらきを調べる際に、私たちは複数の脳内モデル(仮説)を立てました。

ひとつ目のモデルは、ある側頭葉ニューロンは、ものを見ている際も、ものを思い出す際も同じ神経回路に組み込まれていて、cued recallの2つの認知プロセスとも同じニューロン群から情報を受け取り、また同じニューロン群に情報を送っているというモデルです。こうしたニューロンが複数存在することで、さまざまなものを見て、さまざまなものを思い出す私たちのこころのはたらきが実現していると考えました。

もうひとつのモデルは、ある側頭葉ニューロンは、ものを見ている際と、ものを思い出す際では、別の神経回路を構成しており、cued recallの2つの認知プロセスでは、別々のニューロン群に情報を送っているというモデルです。

これらのモデルを検証することは、私たちが日常で無意識に行っているcued recallの脳内処理過程を解明するために必須だと考えました。特に、後者のモデルが正しいとすると、情報を送るニューロン群は皮質層単位に異なるのではないかと考えました。皮質層とは、解剖学的に決定される脳の構造であり、各皮質層には異なる情報処理過程を担うニューロン群が存在することが知られています。

Cued recall情報処理における脳内情報処理モデル
(左)Cued recallの2つの認知プロセスで皮質層がスイッチしないモデル
(右)Cued recallの2つの認知プロセスで皮質層がスイッチするモデル

神経回路は皮質層レベルで柔軟に切り替わる

解析の結果、36野ニューロンの神経活動の一部は、図形を見たときにはTE野の浅層とよばれる皮質層と協調的に働くことがわかりました。一方、対となる図形を思い出す際にはTE野の浅層との協調的な活動は消失し、かわりにTE野の深層とよばれる別の皮質層と協調的に働くことがわかりました。つまり、ものを見たときはTE野の浅層、思い出す際にはTE野の深層に神経回路を切り替えることを発見しました。

図形を見ているときと図形を思い出しているときで、協調的な神経活動を示す皮質層が切り替わる一例。この36野ニューロンは、サルが図形を見ている際には、TE野の浅層と協調的な活動(上段の矢印)を示した。ところが、対の図形を思い出している際には、TE野浅層との協調的な活動は消え、替わってTE野深層との協調的な活動(下段の矢印)が現れた。

また、こうした性質を示す36野ニューロンの活動は、想起する図形そのものを表象していることがわかりました。

さらに、これらの領野間を伝達する信号は、図形の知覚時、想起時ともにTE野の皮質浅層のニューロン活動に影響を与えていることがわかりました。サルが正しく対の図形を思い出したときと思い出すのに失敗したときのこの信号カスケードを比較したところ、この神経回路の切り替えがうまくいかないとサルは正しく図形を思い出すことができないことも明らかとなりました。

本研究で明らかになった皮質層レベルの記憶神経回路の動作
作図形知覚時には、36野はTE野浅層と協調的な活動を示し、図形想起時には、TE深層と協調的な活動を示し、さらに浅層のニューロン活動に影響を与える。この信号の経路の切り替えが不十分なときには、サルは正しく図形を想起できないことが明らかとなった。

今回の研究では、私たち人間を含む霊長類が、「ものを見て、ものを思い出す」際に、神経回路が大脳の皮質層レベルで柔軟に働きを切り替えている記憶メカニズムを発見しました。

このメカニズムの解明は、記憶の想起に関わる大脳ネットワークの動作原理がより理解されるだけではなく、記憶障害時の側頭葉の神経回路の働きを皮質層レベルで見ることで、脳の活動をもとにしたより精度の高い治療にもつながると期待されます。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-02-01 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-01-25

自分のDNAを分解して栄養にする植物たち

 

生物にとってDNAは最も重要な物質であるが、そのDNAさえも一つの栄養素として利用する生物の戦略(DNAの情報が重要である)には驚きます

自分のDNAを分解して栄養にする植物たち

岡山大学などプレスリリース「DNA を自己分解してリン栄養分にする生命現象の発見 ~種子植物の普遍現象・細胞内共生由来の DNA で~

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 親から子へ、子から孫へと遺伝的に受け継がれていく性質や特徴。これらは、炭素や酸素、窒素などの原子が複雑に組み合わされたDNAという物質を介して、子孫に受け継がれていく。DNAは、自分の存在のあり方を決めるとともに、その情報を後世に伝える、生物にとって非常に重要な物質なのだ。だが、それにもかかわらず、多くの生物がDNAを自分で分解しているという。いったい何のためにそんなことをするのだろう。岡山大学、神戸大学、広島大学の研究チームが、この問いに対する答えを植物から引き出した。

栄養が足りなくなった植物は・・・・・・

私たち人間の三大栄養素は、たんぱく質、糖質、脂質だ。では、植物の三大栄養素はなんだろう。答えは、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)。植物は、太陽の光を使う「光合成」で水と二酸化炭素から栄養分を作り出すことができるが、それ以外にもこの三つの栄養素が必須なのだ。そのため、これらの栄養素を外部から吸収して使っているのである。

図1 リン(P)は、植物にとって窒素(N)、カリウム(K)と並ぶ大事な栄養素。(図はいずれも研究グループ提供)
図1 リン(P)は、植物にとって窒素(N)、カリウム(K)と並ぶ大事な栄養素。(図はいずれも研究グループ提供)

じつは、植物の中でリンを多く含む物質の一つがDNAである。遺伝情報を子孫に伝えていく重要な物質ではあるが、外部から栄養分として吸収するリンが足りなくなれば、自分のDNAを分解してリンを再利用できるのではないだろうか。窮地に追い込まれた植物は、大切なDNAを、実際に分解して栄養に使っているのではないだろうか。

研究グループは、細胞内でエネルギーを生み出す「ミトコンドリア」という小さな器官と、光合成によりエネルギーを生み出す「葉緑体」が持っているDNAに注目した。これらのDNAは必要以上にたくさん存在している。それならば、遺伝情報の担い手としての働き以外に、なにか別の役割があるのではないか。そう考えたのだ。

研究グループはまず、シロイヌナズナとポプラを使い、これらのDNAが実際に植物自身の酵素によって分解されることを突き止めた。もし、この酵素がなくてDNAが分解できなくなれば、植物の体にどんな異変がおこるのだろう。それを確かめるため、この酵素をつくれないように遺伝子を操作したものと何も操作していないもの(野生型)の両方を、リンが欠乏している条件のもとで栽培してみた。

すると、酵素をつくれないものだけ葉が茶色に変化した。これは、リンが足りないときに植物に現れる症状の一つだ。酵素をつくれる野生型は葉の様子に大きな変化はなく、リン不足になっていなかった。どうやら、植物は本当にDNAを分解して栄養であるリンを使おうとしているようなのだ。

図2 リン不足の状態で育てると、ふつうの状態(野生型)だと問題なく育つが、DNAを分解する酵素が働かない状態(DPD1の欠損株)のものは、葉が茶色に変色してしまう。ふたたび酵素が働くように遺伝子を変えると、ふつうの状態に戻る。
図2 リン不足の状態で育てると、ふつうの状態(野生型)だと問題なく育つが、DNAを分解する酵素が働かない状態(DPD1の欠損株)のものは、葉が茶色に変色してしまう。ふたたび酵素が働くように遺伝子を変えると、ふつうの状態に戻る。

さらに詳しく調べたところ、酵素をつくれるものの場合は、リンが極端に不足したとき、酵素をつくるしくみが活発に働いていた。やはり、これらの植物は、リンが不足すると、DNAを分解する酵素を活発に働かせて、出てきたリンを栄養として利用する性質をもっていることに間違いなさそうだ。

DNAを分解するこの酵素は年に一度、必ず活躍する時期がある。それは、11月ごろの落葉のときだ。植物は寒い冬を乗り越えるため、余計なエネルギーを使わないように自分の葉を落とす。じつはこのとき、必要なくなったDNAを分解し、リンを栄養分として回収している。この研究で、DNAは遺伝情報に関わるだけでなく、落葉のとき以外にも、不足したリンの供給源になっていることがわかった。

新たなリン資源としてのDNA

リンが足りなくなったとき、自分自身の中に余っているDNAからリンを取り出して使える。これは、植物が過酷な環境を生き抜くために大事なことだ。そしてこれは、私たちの未来にとっても重要なことなのだ。リン資源枯渇の抑制と、リンが環境に及ぼす悪影響を軽減できる可能性があるからだ。

リンは植物の栄養に不可欠な要素であり、肥料として与えられることもある。実際に、農業生産を上げるために毎年たくさんのリンが肥料として使われており、かつてないほどのスピードでリン資源が消費されている。そのため、リンの原料となる鉱石の枯渇が心配されている。もしリン資源がなくなってしまうと、新しくリン肥料を作ることは難しくなり、農業生産量はかつてないほど低下してしまう。それだけではない。肥料として使ったリンが大量に河川に流れ込めば、リンは水中の藻の栄養分でもあるので藻が大量に発生する。その結果、藻が水中の酸素を消費して、そこに住む魚やそのほかの生物が死んでしまうという環境汚染も発生する。

こういった問題を解決するために、自分のDNAを分解してリンを取り込むという植物のたくましさをもっと生かせば、リン肥料がなくても良く育つ作物を開発できるのではないか。今回の研究には、そうした期待も寄せられている。

(サイエンスライター 大谷有史)

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    List    投稿者 seibutusi | 2019-01-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
    2019-01-10

    生物の進化と感覚・感情・知性そして意識

    生物史をベースに、ヒトの意識構造について調べてみました

    語感言語学  言語学試論「新しい哲学」

    http://theory.gokanbunseki.com/index.php?%A5%B3%A5%C8%A5%D0%A4%CE%BD%D0%CD%E8%CA%FDから引用した内容を記載します

    【生物の進化と感覚・感情・知性そして意識】

    生物が35億年前にいろいろな分子が集まって、分子同士が繋がり、細胞膜を得て単細胞となり、多細胞になり、代謝、自己増殖、核も持って生物へと進化してきた。そして海洋生物、爬虫類が現れ、哺乳動物、猿、類人猿、原人、ついにホモサピエンスが現れた。

     人間を含めた生物の持つ本質的な志向性は、より外圧に適応するように進化してきた。そして哺乳類は「感覚が発達し、感情が発生し、最後に知性が生まれた。構造的には、脳幹などの古脳の上に辺縁系などの旧脳が出来、最後に大脳新皮質が加わったもので、生物の本質とすれば、もっとも重要なのは、本能、そして感覚、感情、最後に知性である。

    生物学的には、まず無意識があって、その一部が顕在化されて意識となり、顕在化されないものが無意識として存在するのではないかと思う。したがって、生物としては、無意識が主で、意識は従である。 無意識から意識が浮かび上がるのである。あえていえば、無意識が考えるのである。

    (前略)

    日本語では、無意識層での思考を‘気がする’と言い、意識層での思考を‘考える’と言い、その両方にまたがっているあたりの思考を‘思う’と言い分けている。意識しか重要視しない欧米では、思考は‘think’しかない。生物である人間も、まず無意識に動かされ、意識がそれを合理化するのである。抑圧されたものだけが無意識ではない。サールもフロイトにたぶらかされているようだ。意識を主と考えてしまう。知を主と考えてしまう。西欧文化の悪癖である。人間を生物とは考えたくない。感情を劣ったものと考える。知至上主義の極みである。自然についても、人間を自然の一部と考えるのではなく、自然を人間に対立するものと考える、偏狭な人間中心主義である。

    (中略)

    旧脳の上に新しい脳が加わることによって、自分である新脳が同じく自分である旧脳を監視することが出来るようになって、すなわち自分を自分が見ること、自分を客観視することが出来るようになって、自分という意識が生まれた。そして、それが自我にまで肥大してしまった。そもそもは、旧脳が主体である。新脳はその監視装置に過ぎない。その監視装置が主体であるがごとき錯覚をしたのが、知至上主義、人間中心主義の西欧文化である。

    (後略)

    【コトバの起源についての試論 】

    私は意識が顕在化したのは言語によってだと思っている。言語の出来る以前の意識は当然表現することは出来なかった。意識そのものを複雑に操作、演算することは出来なかった。表情、ジェスチャーで表現出来るのは、せいぜい気持である。意識の前段階、すなわち前意識、precosciousの段階である。言語を獲得したことによって初めて前意識が顕在化出来、顕在意識(conscious)、すなわち意識が出来たということを明らかにしたいと思った。言語の無い世界にいる人間がどのように考えるかを知るため、「ヘレン・ケラー自伝」「マリーナ・チャップマン」を取り寄せ読んでみた。

    ★ヘレン・ケラーは1歳7カ月のとき熱病により突然目が見えなくなり、耳も聞こえなくなった。その彼女が7歳のときサリバン先生に出会い、先生が掌に書いた‘w・a・t・e・r’という文字によってものには名前があることに気付き、それが切っ掛けで言葉を覚え、ハーバートを出るまでになった。突然、無音の暗闇に陥れられた彼女がいら立ちの中で‘light! Give me light!’と乞い求めたことが‘the desire to express myself’、そしてそれを実現するために求めたものが‘some means of communication’であった。もちろん、この時彼女はコトバを知らないのであるから‘light! Give me light!’は‘wordless cry’である。なお、その時の彼女は‘a wordless sensation’を‘a thought’とも言っている。コトバのない感情を‘考え’と言っているのだ。そして、それを現実化する突破口が‘everything had a name.’の気付きであり、いろいろの‘name’を覚えていくにつれ、‘each name gave birth to a new thought.’に繋がっていったのである。ものごとを概念化することを理解したのである。知への大きな飛躍である。彼女の場合、ものには名前があることが分かったことが論理思考へと繋がったのである。そして、論理思考、すなわち論理展開は、コトバから言語への進化であり、知としての意識の始まりでもある。ヘレン・ケラーの場合、最初のコトバは、‘w・a・t・e・r’、という‘a name’、すなわち名詞である。そして、これが彼女にとっての概念化の第一歩であった。

    ★マリーナ・チャップマンは、5歳の頃人攫いに攫われ一人密林に取り残され、10歳の頃人間社会に復帰した女性であるが、その間ナキガオオマキザルの群れと行動を共にし、仲間のサルたちと会話を楽しむまでになったという。人間のコトバはすべて忘れてしまい自分の名前すら思い出せなくなってしまったという。彼女によると、サルたちは非常におしゃべりで、おしゃべりを楽しんでいるという。そして、彼らの間ではサル語も存在するのだという。ナキガオオマキザルが言語を持っていたのである。彼女が悪い食べ物を食べて苦しんでいた時、仲間の年老いた一匹のサルが、彼女を滝壺の処へ連れて行き、無理やり泥水を飲ませて、胃の中のものを吐き出させて、命を救ってくれたという。しかし、この間この老サルはコトバを発してはいない。すべて行動である。この老サルには知識もある、意図もある。他人の苦しみの分かる‘心の理論’もあるのかもしれない。少なくとも意識はあるのである。しかし、ものごとを指し示すことは出来なかった。コトバはなかったのである。彼女の言うサル語は、ものごとを指し示すことは出来ないが、気持を表現できるコトバなのだろう。言語の前段階、コトバの始まりの一つではないだろうか。

    ________________________________________

    以上です

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    List    投稿者 seibutusi | 2019-01-10 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
    2019-01-05

    脳回路の仕組み5 文字と書き言葉の弊害

    <文字と書き言葉の根本的欠陥>

    ・文字は約3000年前に、徴税のため⇒記録するために作られた。つまり、文字や書き言葉は、もともと支配の道具として生み出され、使われてきた。従って、文字は長い間、支配階級の占有物であった。

    ・そこから、誰もが使う話し言葉より、支配階級だけが使う文字や書き言葉の方が上等(位が高い)という価値観が形成されていったが、それは大いなる錯覚である。上等=位が高いのは身分であって、決して文字ではない。むしろ、文字は話し言葉に比べて、使い易さという点でも、反復(定着)のし易さという点でも、肉体化(大脳中枢とのつながり)という点でも、悉く劣っている、言わば劣化道具である。

    ・徴兵制の一環として学校教育が始まり、それによって文字と書き言葉がようやく国民一般に広く使われるようになったが、それ以来わずか150年しか経ていないのに、早くも文字の致命的な欠陥が露呈してきた。その一つが、聴覚脳から文字脳への転換による追求力の著しい劣化と言語能力の低下である。そして、もう一つが、文字脳化した人々に対する完全なる観念支配と思考停止である。

    ・しかし、支配者たちも、はじめから文字と書き言葉を頭脳支配の道具にしようと考えていた訳ではない。文字の最大の利点はその記録機能とそれによる言葉の固定度の高さにある。しかし、文字を生み出した者たちは、その利点が致命的な欠陥を孕んでいることに全く気付かなかった。

    ・話し言葉が形成する聴覚脳に比べて、書き言葉が形成する文字脳は、大脳中枢(≒潜在思念)とのつながりが浅くて貧弱であるという根本的な欠陥を孕んでいる。しかも、文字は記録性と固定度が強い。その結果、文字を読む者を、理解が浅いまま文字面だけでわかった気にさせる。と同時に、全ゆる言語を固定観念化させ(そこで打ち止めとなり)、人々を思考停止させてゆく。追求力の劣化も言語能力の低下も、思考停止も観念支配も、全ては文字が支配の道具であることに起因しているが、支配の道具と化したことも含めて、全ては文字面だけの理解に終始するという文字と書き言葉に潜む根本的な欠陥の故である。

     

    <暗記脳の弊害>

    ・しかも、大半の人々は試験圧力を駆動力として文字脳(映像毎の専用神経)を形成しているので、文字面で理解するための探求回路(≒暗記回路)しか持ち合わせておらず、本来の「何?何で?どうする?」という探求回路が殆ど形成されていない。しかも、その文字脳は大脳中枢の外識や内識(の駆動物質回路)と殆どつながっていないので、その知識は殆ど肉体化されておらず、従って現実には殆ど使えない。これが暗記脳である。

    要するに、試験圧力発で勉強すればするほど=文字脳の形成に集中すればするほど無能化してゆくということであり、当然こういう人材は(難関大学卒に多いが)社会に出れば全く使い物にならない。

     

    <文字は頭脳支配の道具に堕ちた>

    ・書き言葉の弊害はそれだけでは止まらなかった。上記の文字脳の欠陥ゆえに、書き言葉は頭脳支配の道具となってゆく。そして、至る所で捏造や騙しや詭弁が横行してゆくことになった。

    ・日本書紀に象徴されるように、文字と書き言葉はその記録機能=固定度の高さ故に、支配階級に都合の良い捏造の歴史を固定してゆく。歴史だけではない。実は人類は生物についても宇宙についても、せいぜい1%程度しか分かっていない。ところが、生物学にせよ物理学にせよ、せいぜい1%の断片的なあちこちの小枝や葉っぱを何のつながりもなく羅列して生物学・物理学を僭称している。これも人々に「これが生命(or宇宙)だ」と思わせる大いなる騙しのパターンである。

    せめて、教科書の1頁目に、「これは全体や本質を示すものではなく、断片的な事実の羅列であること」および「全ては仮説(or実験室という非現実空間で作られた特殊限定事実)にすぎないこと」を明記しておくべきだろう。まして、生物の摂理も脳の仕組みも、殆ど分かっていないAI技術者などが、狂った機械を作り出すなどということは人類を破滅に導く確率が極めて高い、あってはならない行為である。直ちに禁止すべきであろう。

    ・又、書き言葉は人々を文字面だけで分かったつもりにさせることが出来るので、とりわけ近代観念=架空観念に支配された近代人・現代人が書いた文章は(教科書も含めて)大半が論理整合していない。それらの文章を図解化してみればいい。全く論理が整合していないことに気付くだろう。つまり、書き言葉は、殆どが詭弁であり騙しなのである。中でも深刻なのは裁判である。そこでやり取りされる書面を見れば明らかなように、今や裁判はほぼ100%詭弁の応酬に堕している。

    ・観念機能を最先端機能として生き延び、進化してきた人類にとって、追求力の劣化と思考停止は致命的である。現に、放射能や電磁波や人工物質による精子激減、あるいは迫りくる国債経済の最終破局etc.人類滅亡に直結するような問題が山積しているにもかかわらず、世界中誰一人、どうする?の答を出せないでいる。

     

    脳回路の仕組み文字と書き言葉の弊害-01

     

     

     

    (岡田淳三郎)

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    List    投稿者 seibutusi | 2019-01-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »