2019-11-22

人間は地球の磁気圏外で生き残ることはできない~生命の根源は磁気

 

細胞はバイオフォトン(生体光子)によって情報をやりとりしているhttp://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_344360

の記事にあったように 生命体は、エネルギーと情報の授受をバイオフォトンで行っている。その前提条件となるのが、磁気の存在である。生物史上の生物大量死滅は、地球磁場の「大幅な減衰による」や「地球と近似している火星に生命が生まれなかった理由は、(水は有ったが)磁場が殆ど無かった事による」との説がある。

生命の根源は磁気であると考えられる

 

 
 
 

ロシア科学アカデミーの科学者が、アメリカの過去の月探査ミッション、そして将来の火星ミッションの「すべてを不可能」と断定

https://indeep.jp/human-cannot-survive-outside-the-earth-magnetosphere/

その根拠は「人間は地球の磁気圏外で生き残ることはできない」

(前略)

これまで、宇宙空間での人体への脅威は、宇宙放射線が最大のものだとされてきたが、最大の問題はそれではないことが研究でわかっている。

問題は「地球の磁場から外に出る」ことなのだ。

ここから、スヴォーロフ博士のインタビューの一部を掲載する。

地球の磁場は人体を安定させる

地球の磁場の外側の空間に滞在する際の低磁気の問題は、いまだに解決されていません。

地球の磁気圏から外に出て、変化した磁気条件へ人間が暴露したときに何が起きるかは予測不可能です。低磁場状態にあるという実際の経験に関するデータは、ヒトに関しては、いまだ得られていないのです。

しかし、人間が低い磁場の条件に曝露することにより、体内の「水」の特性が変化し、予測出来ないプロセスが発生する可能性があります。

宇宙飛行士の脳の温度を知ることは非常に重要です。脳は誰にとっても最も重要な器官ですが、実験で得られた驚くべき発見としては、たとえば、宇宙飛行士は地球から遠ざかるにつれて、訓練センターのインジケータと比較して内臓の温度が上昇するのです。

なぜ、内臓の温度が上昇するのかは、専門家たちもわかっていません。

ロシアの生物学者たちは、人間の低磁場条件での予備実験においてでさえ、すでに実験の被験者たちの精神的な混乱を記録していると述べています。

つまり、地球の磁場から人間が遠く離れると、脳に強い影響が加わるのです。

磁場が存在しない場合は、宇宙飛行士の精神に影響が加わる

地球の磁場が存在しない場所、たとえば月への飛行や、火星への惑星間飛行などの移動中の宇宙空間に長時間滞在することは、宇宙飛行士の精神障害につながる可能性があります。

これは、ロシアの科学者たちが実施した実験の結果によって証明されています。

トムスク州立大学の生物学および生物物理学研究所とロシア科学アカデミーの生物医学問題研究所の研究者たちは、特別な装置により、ラットを地球の磁場から隔離する一連の実験を行いました。

実験の結果は、動物たちは社会的行動能力を失い、記憶障害を経験し、内臓の変化も観察したことを示したのです。

実験を行った生物物理学研究所の科学者たちは、地球の磁場はすべての生物に影響を与えていると述べています。

さらに、生物圏の歴史において、磁場は変化し、ある時点でゼロになりました。それは地球の生物相にいくつかの大惨事をもたらしました、たとえば恐竜の絶滅は、ある時点で磁場の消失と正確に関係しているという仮定があります。

磁場の欠如が生物にどのように影響するかを調査するために、科学者たちは電磁システムが地球の磁場を補償する特別な装置を作り、その内部の磁場が通常よりも 700 – 1000 倍弱くなるようにしました。

12匹の白い雄ラットをこの「超低磁場の装置」に 25日間入れ、その後さらに 10日間、別の 12匹のラットを対照グループにしました。両方のグループは、24時間体制のビデオ監視下にありました。

この実験で最初に目を引いたのは、ラットたちは、この磁場が弱い装置の中で「常に戦っていた」ということです。攻撃し続け、怒りを示し続けたのです。

普通は、ラットたちの戦いというのは、階層(立場の序列)を確立する手段です。ですので、グループ内の序列が確立されると、すぐに戦いは停止するものです。

ところが、科学者たちによると、地球の磁場を奪われたラットたちは、階層の確立方法を「忘れ」、社会的スキルを失っていました。

さらに、記憶障害がラットで観察されました。実験の前に、それらはすべて特別な装置内に短時間置かれ、励起または阻害が優勢であったかどうかを判定しました。

さらに、実験ラットに生理学的変化が観察されました。

以前、日本の科学者たちが、磁場の欠如がイモリの発達にどのように影響するかを研究したことがあります。その結果は、子孫の目と顔が誤って形成され、「双頭の個体」が現れたことを示しました。

地球の磁場は 50マイクロテスラで、地球の他の惑星、たとえば火星や水星の磁場よりも数千倍強いのです。

それは、太陽から発せられる荷電粒子の強力な流れから地球の表面とその上のすべての生命を保護する強力な磁場です。

既存の有人宇宙船や国際宇宙ステーションは比較的低い高度で飛行しているため、地球上より磁場は低いとはいえ、その欠如率は比率として 20%未満です。

ラットでの実験が示すように、磁場の欠如は生物の精神に強い影響を及ぼします。磁場がない状態では、生物に重大な結果が生じる可能性があるのです。

地球の高層大気でさえ問題を起こす

宇宙空間だけではなく、重力と磁場が弱められている地球の上層大気でも、人体に影響が出ることがわかっています。

宇宙船やステーションでの宇宙での長期滞在は、循環系に悪影響を及ぼし、深刻な健康問題を引き起こす可能性があることが国際的な科学者グループにより見出されているのです。

ロシア科学アカデミーの生物医学問題研究所のイリナ・アルエロバ博士たちの研究グループは、国際宇宙ステーションで平均で約 6ヶ月を費やした宇宙飛行士たちの健康状態をチェックしました。

フライトの前と、ISS滞在 50日目と 150日目および帰還後 40日目に、頭部の血管の超音波検査を実施しましたが、その結果、7人の被験者たちが血流の停滞を示し、人によっては、頸静脈の血液が「逆流」している場合があったのです。そのうちの 2人は脳に血栓が見出されました。

頸静脈は、人体で最も大きな血管の1つであり、首、顔、脳への血液供給に関与しています。潜在的に肺に到達する可能性のある血栓は、特に軌道上では致命的な状態です。

科学者たちは、このような血流障害は重力の欠如に関連している可能性が最も高いと指摘しています。地球の重力は私たちの体のほぼすべてのプロセスを調節しているため、無重力状態は深刻なストレスを引き起こします。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-11-22 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-11-21

生命を構成する糖を隕石から初めて検出!~宇宙に RNA の材料となる糖の存在を証明~

核酸(RNA)を構成する主要な糖分子リボースなどの糖が隕石から初めて検出されました。
これは、宇宙にも生命を構成する糖が存在することを示す発見とのことです。

東北大学プレスリリースhttps://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20191115_01web_RNA.pdf より。

生命を構成する糖を隕石から初めて検出 
  —宇宙に RNA の材料となる糖の存在を証明—

【発表のポイント】

•隕石から生命を構成するリボースなどの糖分子を初めて検出した。
•宇宙に生命を構成する糖分子が存在することを初めて証明した。
•地球外で非生物学的に作られた糖分子が地球にもたらされていた直接的な証拠を発見した。
•地球外で形成された糖分子が、原始地球で生命誕生の材料に使われた可能性を示す。

【概要】

東北大学の古川善博准教授らの研究グループは、2 種類の炭素質隕石から、リボースやアラビノースなどの糖を初めて検出しました。

リボースは核酸(RNA)を構成する主要な糖分子です。隕石からリボースなどの糖を検出したことは、宇宙にも生命を構成する糖が存在する ことを示す発見です。そのような糖は生命誕生前の地球にも飛来し、地球上の生命の起源につながる材料の一部となった可能性があります。

無題
図1左:糖が検出されたマーチソン隕石
図1右:リボースの構造模型とマーチソン隕石
Credit: Yoshihiro FURUKAWA

【詳細な説明】

隕石からはこれまでに、多くの有機物が検出され、タンパク質に含まれる一部のアミノ酸や核酸に含まれる一部の核酸塩基など、生命の原料になりうる有機分子も見つかってきました。核酸(RNA とDNA )は、核酸塩基と、リボースもしくはデオキシリボースという糖分子が結合したもので、遺伝情報の保存とその情報からタンパク質を作る役割を担っています。このように核酸には糖分子が必要ですが、核酸を形成しうる糖分子はこれまでに隕石を含む地球外由来の試料からは見つかっていませんでした。

東北大学の古川善博准教授らの研究グループは、独自に開発した分析手法によって、マーチソン隕石と NWA801 隕石からリボースを含む複数の糖分子の検出に成功しました。また、検出された糖分子の安定炭素同位体組成分析から、これらの糖分子が宇宙由来であることを確認しました。これまでの研究では、生命と関係の薄いジヒドロキシアセトンという糖分子だけが見つかっていましたが、今回の研究では生命の根幹を担う核酸を構成する糖分子を検出しました。

このように糖分子は 40 億年以上前の太陽系初期に、地球外で形成されており、生命誕生前の地球にも降り注いでいたと考えられます。当時の地球上でも糖を生成する反応は起こっていたと考えられていますが、それがどのような種類の糖分子で、どれくらいの量が作られたのかを示す証拠は、残っていません。隕石からリボースなどの糖分子が検出されたことは、生命誕生前の地球での新たな糖分子の供給源を直接的に示す新たな証拠であり、地球外を起源とする糖分子が他の生命分子とともに生命の材料の一部となった可能性が出てきました

リボースの発見はさらに重要な意味を持ちます。現在多くの研究者が、初期の生命は、DNA-タンパク質が主役の複雑なシステムを持つ生命ではなく、RNAが DNA とタンパク質の両方の役割を担った単純な生命であったという RNA ワールド仮説を支持しています。本研究で DNA を構成するデオキシリボースではなく、RNA を構成するリボースが生物の関与しない宇宙空間で(非生物学的に)生成している証拠を得たことは、この点でも重要な意義を持っています。

今後の研究では NASA から新たに提供を受けた複数の隕石を分析し、地球外からどれだけの糖が地球にもたらされたのかを詳しく明らかにしていく予定です。

無題2

図 2:生命誕生前の海洋への隕石飛来の模式図

無題3

図 3:RNA の模式図

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-11-21 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-11-14

ソマチットによるCのNへの瞬時各種変更によるタンパク質解体

環境汚染ごみを焼却するごみ焼却装置を探していた所、全ての有機物を水と磁力を利用して1/300~1/600のサイズの灰にするごみ処理装置「磁性体流低温熱分解装置」が実用化されている事を見つけました。此れまでの焼却炉に代わる装置で化石燃料ゼロ、磁気を利用した低温熱分解装置というものです。

従来から、有機物は太陽光線や強力な磁気を受けると完全な昇華して消失する事が知られている様ですが、その理論的根拠が佐野千遥氏の「ソマチットによるCのNへの瞬時各種変更によるタンパク質解体」にありましたので転載します

>有機物の分子の分子構造は炭素原子Cが要と成って支えられている。双極磁場の元で原子番号が1だけ大きい窒素原子Nへと各種変更する事に依り、固体から気体に化した有機物分子は、分子構造の要の位置に有る炭素原子Cが窒素原子Nへ転換された結果、気体の窒素N2に転換されて有機物分子自体が全部気体化して昇華する。

 元素転換が起こる仕組みhttp://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_351012も参照願います。

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第1章 スミルノフ生命物理学のテーゼ1:ソマチットによるCのNへの瞬時核種変更によるタンパク質解体。

血液に解け込んでいるアンモニアの方が二酸化炭素より圧倒的に多い タンパク質解体はソマチットi.e.,S極磁気単極子によるC原子核のNへの瞬時核種変更による

日に実に大量に発生する古くなって滅却すべき細胞を、蛋白質一般をブドウ糖に変換する少量のコルチゾール以外、消化解体酵素なんぞ無いのにどの様にして抹消して体外に運び出すのか、その代謝過程は現代西洋医学に於いても従来から謎とされて来た。

ところで、血液に解け込んでいるアンモニアの方が二酸化炭素より圧倒的に多い事が知られている。

参考

https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/kori/pdf/bunseki_taisaku_h20.pdf

蛋白質の分子の分子構造を成す元素は炭素Cの方が窒素Nより圧倒的に多いにも拘らず、静脈の血液に解け込んでいるCとNの総量を比べると血液内に於いて何故その逆転が起こるのかが説明されねばならない。

生体内の物理過程ではないが、廃棄された有機物は太陽光や強力な双極磁場の照射を受けると完全に昇華して消失する事が従来から知られている。この現象はスミルノフ物理学・スミルノフ生命物理学によって、次の様に説明される。

有機物の分子の分子構造は炭素原子Cが要と成って支えられている。双極磁場または太陽黒点・輝点からのS極-、N極-磁気単極子が、原子番号14の炭素原子Cを、S極-、N極-磁気単極子を組み合わせて創生したN-S-Nの陽子とS-N-Sの中性子の対を追加する事に依り原子番号が1だけ大きい窒素原子Nへと各種変更する事に依り、固体から気体に化した有機物分子は、分子構造の要の位置に有る炭素原子Cが窒素原子Nへ転換された結果、気体の窒素N2に転換されて有機物分子自体が全部気体化して昇華する。

同様に生体内に於けるソマチットによる蛋白質解体、ガン細胞解体は次の様に行われる。

ソマチット=S極磁気単極子の幾つかが生物的外皮を纏った物であるソマチットが原子番号14の炭素原子Cを、S極-、N極-磁気単極子を組み合わせて創生したN-S-Nの陽子とS-N-Sの中性子の対を追加する事に依り原子番号が1だけ大きい窒素原子Nへと各種変更する事に依り、固体から気体に化した有機物分子は、分子構造の要の位置に有る炭素原子Cが窒素原子Nへ転換された結果、気体の窒素N2に転換されて有機物分子自体が全部気体化して昇華する。

特にガン細胞の跡形無い抹消は、免疫系のマクロファージがガン細胞を食べる事に依り掃除するプロセスが極々少量しか起こらない現実に鑑み、上述したエントロピー増大要因とソマチットによって認識されたガン細胞の蛋白質分子自体の炭素原子CのNへの核種変更によるガン細胞を成す蛋白質分子の昇華により為される。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-11-14 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-11-14

発生期の脳に地球と同じ「ちから・流れ」の原理を発見!

大脳の発生過程においては、扇状地や三角州など、川の流れが「土地の広がり」をもたらす仕組みにそっくりな「細胞集団の横流れ」が生じている。
そこには、地球と同じ力の「流れ」の原理が見られるという研究結果を紹介します。

名古屋大額プレスリリースhttps://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/Cel_Rep_20191106.pdf より以下引用。

発生期の脳に地球と同じ「ちから・流れ」の原理を発見

名古屋大学大学院医学系研究科細胞生物学の宮田卓樹教授、齋藤加奈子特任助教らの研究グループは、マウスの大脳が「正しい広さ」をもって形成される仕組みを研究するために、胎生期の細胞の様子を観察しました。その結果、扇状地や三角州など、川の流れが「土地の広がり」をもたらす仕組みにそっくりな「細胞集団の横流れ」を発見しました。この「横流れ」は、それ自身が「大脳の敷地広げ」に直接貢献するだけではなく、もう一つ間接的な役割をもつことも分かりました。

「細胞横流れ」は、まるで「風が立ち木を曲げる」ように、ケーブルカーのケーブルに似た「大脳細胞の移動をガイドするファイバー達」をぐにゃりと曲げます。この作用によって、ガイドファイバー達が「末広がり」になります。すると、大脳の細胞たちは、ふるさと(出発地)から目的地に近づくにつれて「広々と配置」されることになります。これも「最初の横流れ」のおかげです。こうして確保される「大脳皮質※1の広がり」は生後の機能、すなわち、運動、知覚など異なる多くの機能を「広い面積を使って果たす」ということに役立っています。

ポイント

大脳を広くつくる作業(大脳を広げながら作るという発生現象)には、地球上で観測される物理現象(川の流れで土砂が運ばれ土地が広がる、風が立ち木を曲げる等「ちから・流れ」の働き)に似た原理が深く関わっていることが、初めて明らかになりました。

20191106182546 背景

大脳皮質は、運動、皮膚感覚、視覚、聴覚、言語など、さまざまな異なる機能を、「広々と形成されたニューロン層」を使って制御しています。これは、「広大な敷地に、いろいろなジャンルの店が集うショッピングモール」に例えることができます。広い敷地が確保されているからこそ、「多くの異なる機能を一つの所でこなすことができる」わけです。

では、その「広さ」が、一体どのように確保されるのかという疑問に対しては、これまで「たくさんの細胞が作られれば、体積の増加分、所定の観察箇所における広がりが検出されるのは当たり前」であるとか、「パン生地を焼くと空気の加わった分、膨らむのと同様」といった想像があるだけで、具体的に調べられたことはありませんでした。

本研究チームは、地球の大陸が移動したり、大地が海に向けて広がる様子などにヒントを得ました。すなわち、地球上で大きなスケールで観測され、大気や地中プレート等さまざまな事象において認められるような「流れ」のようなものが、発生期の脳の中にもあり、それが「ちから」を(風や雪が木々を曲げたりするときのように、あるいはプレートが地中で歪みを生じさせたりするときのように)発揮して、大脳が広がるという現象を下支えするのではないか、との仮説を立てました。 20191106182703 研究成果

(1)「流れ」の発見

本研究は、まず、胎生早期の大脳皮質原基※2に「ニューロンの横流れ」があることを見出しました。このニューロンは、大脳皮質で最初に生まれるため、これまで解析が難しく、謎に包まれていまいしたが、本研究は「胎生早期の子宮内エレクトロポレーション法※3」という技術を用いて、この早生まれニューロンへうまく蛍光の標識を施すことに成功しました。その後の追跡観察を経て、背側から腹側に向けて早生まれニューロンが「流れる」ことをつきとめました。 大脳皮質原基の最初の(胎生期固有の一過的な)層の存在自体は古くから知られていて、「プレプレート」という名前がつけられていました。これまでは「動かない構造」として知られていた「プレプレート」が流れることを本研究が世界で初めて示し、「プレプレート流」という新しい概念をもたらしました。

(2)「流れ」の仕組み

早生まれニューロンの一員のプレプレート細胞※4の「流れ」方にいくつか異なるパターンがあることも分かりました。プレプレート細胞が積極的に這うように進む時もあれば、近くのプレプレート細胞の動きに「便乗」するように受動的に進むときもありました。また、這い進むだけでなく、長く伸ばした軸索※5に働く張力がこの「流れ」に貢献している可能性も示唆されました。

(3)「流れ」の意義

次いで、この「胎生早期のプレプレート流」の意義を明らかにすべく、「プレプレート流を奪って大脳皮質形成がどうなるのかを調べる」実験を、プレプレート細胞だけを死滅される仕掛けを通じて、行いました。すると、胎生中期から生後にかけて、いくつかの異常が生じました。 まず、胎生中期には「放射状ファイバー※6」と呼ばれる構造が、本来の「末広がり」なパターンをとることができなくなり(図中右下①)、「皮質板※7(ひしつばん)」と呼ばれる層(プレプレートニューロンよりも後で生まれるニューロンたちが、放射状ファイバーに沿って移動してたどりつく目的地)が、本来のように腹側へ伸びる・広がるということができなくなりました(図中右下②)。さらに、「胎生早期のプレプレート流」を奪ったマウスの生後時点での観察では、大脳皮質の「領野※8」形成(運動や知覚など、機能的な個性化成立)のパターンが、本来の場所よりも「背側にずれる・縮む」という結果になりました(図中右上③)。 これらの実験結果から、「背側→腹側」という本来の「プレプレート流」が胎生早期に起きることが、後々の大脳発生過程、ひいては生後における「広々とした大脳皮質」を使っての機能の発揮にとっての「準備・手配」として極めて重要であると判明しました。

今後の展開

脳の形成過程における力学的な現象・要因の意義については、まだ理解がほとんどできていません。地球科学や気象では、エルニーニョ現象や、黒潮蛇行など、「流れ」にまつわる現象が様々な問題を引き起すことが知られています。細胞が密集した状況における「流れ」やそこでの「ちから」が正常な形態形成現象、あるいは、異常な病態に関わるのかについて、一層の研究が望まれます。

用語説明

※1大脳皮質

大脳の表面にある、神経細胞(ニューロン)が存在する灰白質の薄い層。

※2大脳皮質原基

形態や機能が出来上がっていない発生段階(胎生期)の大脳皮質。

※3子宮内エレクトロポレーション法

子宮の中で発生中の脳原基などへ効率的に遺伝子を導入することができる手法。細いガラス針でDNAを注入し、短時間通電することで、細胞に瞬間的に穴をあけ、かつ遺伝子を細胞の側へ引き寄せることで、細胞内に遺伝子を入れることができる。

※4プレプレート細胞

大脳皮質原基において最も早期(マウスでは胎生10日ころ)に産生されるニューロン(神経細胞)。プレプレートと称される胎生期に限り存在する一過性の層(発生中期以降は、プレプレートは2つの層に分割される)を構成する。

※5軸索

ニューロンから伸びる長いファイバー様の構造。次のニューロンなどに興奮を伝える。

※6放射状ファイバー

神経幹細胞は、脳原基の壁の内面(脳室面)から外面(脳膜面)までをつなぐ細長い形をしている(別名「放射状グリア」)。そのような「細長い幹細胞」の形態のうち、脳膜側の半分程度がとくに「放射状ファイバー」と呼ばれる。この「ファイバー」部分に沿って、胎生中期以降に生まれた(プレプレート細胞にとっては「後輩」にあたる)ニューロンが、「放射状に移動」する。

※7皮質板

胎生中期以降に生まれた(プレプレート細胞にとっては「後輩」にあたる)ニューロンが「放射状ファイバー」に沿って(にガイドされつつ)移動し、到着地点で形成する層。プレプレートの存在をもとにして、それを「2つに分割」しながら生じるのが、この皮質板である。 ※8領野 運動野、体性感覚野、聴覚野、視覚野、言語野等、さまざまな機能に特化した皮質小区域。ニューロンの個性(遺伝子発現パターンなどで把握できる)も、異なる領野ごとに変わってくる。本研究の領野形成パターンの評価・判定(胎生早期にプレプレート流をなくす実験をした際、領野形成がずれた・縮んだ)は、そうした遺伝子発現の検出に基づいて行った。

 

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-11-14 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-11-08

「植物体内(負の誘電率)で炭素原子Cと酸素原子0を創出し自ら利用するCO2を算出する」との新説

地球上の酸素の大半は、植物により供給されていると通説となっている。

大気の酸素濃度21%をCO2(大気から)+H2O(地中から)+光⇒植物の炭水化物+O2としているが、大気中の二酸化炭素CO2含有率は植物が利用できる水H2Oの分量に比べ微量過ぎる(大気中0.039%つまり0.039/100 = 3.9/10000)事から整合しない。

佐野千遥氏から新説が記載されていたので引用します。

>植物は日光を浴びながら、自己の炭素原子Cの複製を含めた有機物質の創生を続けて来たとしなければ、現在地表にこれ程の分量の炭素原子と炭素化合物つまり有機物質が出現している事を説明出来ない。

生物は体内で炭素原子Cと酸素原子Oを創生することが出来る

https://ameblo.jp/allahakbar231/entry-12535166043.html(佐野千遥)

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第0章 植物に依る炭素原子と有機物質の創生

 

1 植物が体内で炭水化物を造る上で、大気中の二酸化炭素CO2含有率は植物が利用できる水H2Oの分量に比べ微量過ぎる(大気中0.039%つまり0.039/100 = 3.9/10000)。

 

2 又、草木が急成長する温暖な季節にも、山林地域に於ける二酸化炭素CO2の大気中含有率は草木の殆ど無い都市部の大気中の含有率に大差ない。空気の粘性は水の粘性より大きいのだから、“直ちに混ざってしまうから大差なくなる”なる説は成り立たない、つまり大気中の微量二酸化炭素を植物は殆ど使わない儘に光合成活動をしている事と成る。

 

3 大気中の二酸化炭素CO2を基に光合成をし、酸素O2を生産しているとすると、何故これ程までの分量の酸素をどんどん生産しているかの説明も付かない。

 

上記1,2,3より、草木は日光を浴びながら、その身体の有機物質の炭素原子Cを基に独自に別の炭素原子Cと酸素原子Oを創生して二酸化炭素CO2を創り出していると見るのが順当である。その二酸化炭素CO2と土から根を使って吸い上げた水H2Oを光合成して、炭水化物を創り出し、余分に成った酸素O2を放出生産していると見る音が出来る。

 

地表に於いて火山が炭素Cを創る事も有るが 炭素生成の大半は電離層で為されており 最初の有機物質の創造も電離層が成したと見るのが順当である。

 

火山による炭素Cの生成、電離層による炭素Cの生成だけでは、地表の生物の身体のC原子のこれ程大きな総量が現在出現している現実を説明する事ができない。

 

生物が自己の炭素原子Cの複製を含めた有機物質の創生を続けて来たとしなければ、現在地表にこれ程の分量の炭素原子と炭素化合物つまり有機物質が出現している事を説明出来ない。

 

大気中の二酸化炭素CO2含有率は植物が利用できる水H2Oの分量に比べ微量過ぎて(大気中0.039%つまり0.039/100 = 3.9/10000)、植物のC原子核がCO2を生成してH2Oと光合成する事に依って炭水化物を生成していると言わざるを得ない。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-11-08 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-10-31

光をエネルギーとするシアノバクテリアは暗闇の環境でも生きている

シアノバクテリア(二酸化炭素と光合成する事で、有機物の創造と不要になった酸素を外部に放出する)の繁殖により地球の酸素濃度を劇的に上昇させた。そのシアノバクテリアは「暗闇の極限環境にも生存していた」とのニュースがあった。光の無い世界でどうして生存できるのか?

>シアノバクテリアは主に水素ガスを食べて生存していると考えられる。水素ガスは、微生物の一般的な食べ物だ。特に、ほかに選択肢のない地下では貴重な栄養源になる。 地下のシアノバクテリアは、地上の仲間が光合成に使うのと同じ仕組みを利用して水素を処理し、電子を放出させているようだった。

→微生物の環境能力の高さ(今ある機能を変化させて環境適応)に驚くと共に、全ての生物は「退化する事で進化する」事を実践している。

 

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/100300428/ より

光合成する微生物を地下深くで発見、定説覆す

太古の地球で酸素を増やしたシアノバクテリア、暗闇の極限環境に生存の意味は

スペイン南西部のイベリア黄鉄鉱ベルト地帯は、まるでエイリアン映画のセットのようだ。鉄を豊富に含んだ大地にさび色の湖が点在し、スペイン語で「赤い川」という意味のリオ・ティント川が、暗い色の岩石の間を縫いながら鮮やかな赤色に輝いている。だが、その足元にはさらに奇妙な世界が広がっていた。

この黄鉄鉱ベルトでボーリング調査を行い、岩石コアサンプルを取り出したところ、太陽の光も届かず、水や栄養も乏しい地下600メートル付近でシアノバクテリアが大量に見つかり、研究者らを驚かせた。シアノバクテリアは環境適応力が高く、地球上のあらゆる場所で見つかっているが、これまで太陽光がなければ生きられないと考えられてきた。この研究成果は、10月1日付けの学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された。(参考記事:「シアノバクテリアはこんな微生物」

「砂漠へ行っても海へ潜っても、シアノバクテリアを見つけることはできます。国際宇宙ステーションへ持って行って、生きたまま連れ帰ることだって可能です」。論文の筆頭著者で、スペインの国立生物工学センターの博士研究員であるフェルナンド・プエンテ・サンチェス氏は言う。

「見つけられなかった場所は、地下だけです」

光合成を行うシアノバクテリアは、地球の歴史において重要な役割を果たしてきた。大気中へ酸素を送り出し、そのおかげで生物が繁栄し、泳ぎ、這い、跳ね、走り、飛ぶように進化してきた。この新たな研究は、地下深くに何が生存できるのか、そればかりか火星やその向こうの世界にどんな生命体を探し求めるべきかについて、研究者に再考を迫ることになるだろう。(参考記事:「【解説】火星に複雑な有機物を発見、生命の材料か」

太古の地球で酸素を増やしたシアノバクテリア、暗闇の極限環境に生存の意味は

さらに、見つかったシアノバクテリアは今も生きていることが確認された。これには、細胞のなかの遺伝物質を特定できるCARD-FISH法と呼ばれる手法を用いた。細胞が死ねば、デリケートな遺伝物質はあっという間に崩壊してしまう。

シアノバクテリアが生きていることは分かったが、「ならばあんなところで一体何をやっていたのか、どうやって生存していたのかという疑問が持ち上がります」と、プエンテ・サンチェス氏は問う。

暗闇のなかどうやって生きているのか

シアノバクテリアの様子は、地表で生きる同様の微生物とさほど変わらない。メタゲノム解析を行ったところ、その祖先は砂漠や暗い洞窟のなかなど厳しい環境で岩石に付着して生きる種だったことが示唆された。

しかし、洞窟のなかの最も暗い場所でさえ、シアノバクテリアは光合成を行うと考えられてきた。すなわち、飛び込んできたわずかな光子を捕らえ、その光エネルギーを使って水を酸素と水素イオンに分解し、電子を放出させて化学エネルギーを得ていると。だが、太陽の光が全く届かない地下でどうやって微生物は生き延びるというのだろうか。(参考記事:「光合成ウミウシが激減、危機的状況、研究に支障も」

コアサンプルを見ると、シアノバクテリアが集中していた部分は水素が不足していた。つまり、シアノバクテリアは主に水素ガスを食べて生存していると考えられる。水素ガスは、微生物の一般的な食べ物だ。特に、ほかに選択肢のない地下では貴重な栄養源になる。

地下のシアノバクテリアは、地上の仲間が光合成に使うのと同じ仕組みを利用して水素を処理し、電子を放出させているようだった。厳密には、その仕組みが持つ「安全弁」機能が作るエネルギーを利用している。

太陽光が豊富な地上の微生物には、安全弁が作るエネルギーは必要ない。ただ光が当たりすぎた時だけ、細胞が焦げ付いてしまわないように安全弁を使って余剰エネルギーを逃がしてやる。一方、地下のシアノバクテリアは、安全弁が電子を放出することで発生するこのごくわずかなエネルギーに、ある程度頼って生存しているようなのだ。

光合成の機能を再利用

米デラウェア大学微生物生態学者のジェニファー・ビドル氏は、今回の研究には関わっていないが、「もともと備わっている機能を大きく変えることなく適応するという、すぐれたやり方だと思います」と述べている。

一方、海洋・地下生物圏を専門とする微生物学者のバージニア・エッジコム氏は、光合成機能の再利用はそれほど意外なことでもないと語る。厳しい環境にすむ微生物は、生存するために高い適応能力を持っていなければならない。エッジコム氏もまた、研究には関わっていない。(参考記事:「海底下1万mに生命か、深海の火山から有機物」

 

 

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List    投稿者 seibutusi | 2019-10-31 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-10-31

「酸素」が手足の形作りの進化に重要な役割を果たしている!

>肺魚の登場から両生類が陸上に本格進出するまで、たった5千万年。つまり、5千万年で肺呼吸を強化し、ヒレを足に作り変えることができたことになる。<(実現塾10月26日)

魚類から両生類への急激な進化。手足の形作りの進化に「酸素」が重要な役割を果たしていたようです。

東工大ニュースhttps://www.titech.ac.jp/news/2019/044484.htmlより以下引用。生物進化と酸素が密接に関係していることが分かります。

「酸素」が手足の形作りの進化に重要な役割を果たしていることを発見

四肢動物の陸上進出に伴う環境変化によって、手足を形作るメカニズム「指間細胞死」が誕生

【要点】
手足を形作るメカニズムとして「指間細胞死(しかんさいぼうし)」が知られているが、生物の進化と共に、なぜそのような仕組みが生まれたのかは、これまで解き明かされていなかった。
「指間細胞死」は通常アフリカツメガエルの手足では起こらないが、幼生(オタマジャクシ)を高酸素濃度の環境に曝すと起こるようになる。
通常、ニワトリの足には「指間細胞死」が起こるため、水かきはできないが、低酸素濃度の環境では、ニワトリの足でも「指間細胞死」が起こらなくなる。
手足ができる幼生期を陸で過ごすコキコヤスガエルでは「指間細胞死」が起こる。
「指間細胞死」は、進化の過程において陸で幼生期を過ごす四肢動物が出てきたことで、高濃度の酸素に曝されて誕生した発生メカニズムであるようだ。
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指間細胞死によって水かきのない足ができるためには、酸素が必要である。

【概要】
東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の田中幹子准教授とイングリッド・ローゼンバーグ・コルデイロ(Ingrid Rosenburg Cordeiro)大学院生らは、山形大学医学部の越智陽城准教授、ハーバード大学のジェームス・ハンケン(James Hanken)教授らと共同で、大気中の酸素が手足を形作るのに重要な役割を担っていることを明らかにした。田中准教授らは、指の間の細胞が細胞死によって取り除かれる「指間細胞死」が起こるためには、活性酸素種が必要であること、さらに、発生中の胚が高濃度の酸素に曝される必要があることを見いだした。
今回の研究成果は、生物の進化の過程で、手足を形作るメカニズム「指間細胞死」が誕生した謎を解き明かすものである。また、生物の陸上進出に伴う環境の変化が、体の形成において新たなメカニズムを誕生させうることを示すものとなった。研究成果は6月13日(米国東部時間)に国際科学誌「Developmental Cell」で公開された。

【研究の背景】
カエルやイモリなどの両生類は、指や指間の成長(細胞増殖)の違いで手足の形を作っている。一方、鳥類や哺乳類などの羊膜類[用語1]では、これに加えて「細胞死」によっても手足が形作られる。手足の細胞の一部が細胞死によって削り取られるようになると、手足の形は多様に進化した。例えば、オオバンと呼ばれる水鳥は細胞死によって木の葉の形をした水かきを持つように進化し、馬やラクダは数本の指を細胞死で削り取るように進化した。しかし、こうした「細胞死」による形作りのメカニズムがどのように出現したのかについては、これまで明らかにされていなかった。今回、田中幹子准教授らは、四肢動物の進化の過程で出現した指間細胞死に、驚くべき要素が必要であったことを見いだした。それが、大気中の「酸素」である。

【研究成果】
手足の形作りに「酸素」が重要な役割を果たす

研究チームは、大気中の酸素が手足の形作りに果たす役割を解明するため、まず、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)という足に水かきを持つ両生類の幼生(オタマジャクシ)に注目した。アフリカツメガエルの幼生を高濃度の酸素環境で飼育した結果、足の指の間で、本来起こらないはずの細胞死が起こっていることが観察された。さらに、指の間の血管―すなわち酸素の供給源―を増やした幼生でも、指間細胞死が起こることが明らかとなった。これらの結果は、幼生の育つ「環境」が変わるという一つの要因だけで、体の特定の部位の発生様式を変化させることがあると示していた。

さらに面白いことに、このプロセスには「活性酸素種[用語2]」が作られる必要があった。一般的に、活性酸素種は、老化や不妊の原因になるなど、健康を害する毒として知られている。しかし、活性酸素種は常に悪者というわけではなく、細胞内のシグナル経路を活性化するという重要な役割も持っている。研究チームは、ニワトリの胚において、指間細胞死のスイッチをオンにするシグナル経路を活性化するためには、指間で活性酸素種が産生される必要があることを示した。活性酸素種による指間細胞死の活性化は、マウスの胚でも報告されていることから、ヒトを含む羊膜類に共通する機構である可能性がある。一方で、アフリカツメガエルやアカハライモリのように、通常は指間細胞死の見られない動物の指間では、活性酸素種の産生は認められなかった。

【研究の経緯】
両生類の生態と手足の進化

多くの両生類は、そのライフサイクルの中で幼生期には水棲であり、水中にわずかに溶けた酸素を使って呼吸を行う。彼らの手足は、水中で過ごしている幼生期に形作られる。一方で、ニワトリのような卵の中で発生する胚の場合は、卵の中で胚を取り囲むように血管が発達しており、大気中の酸素が取り込まれる。また、マウスやヒトのような哺乳類の胚の場合は、胎盤を介して、母親が取り込んだ酸素を得ている。このように羊膜類は、幼生期を水中で過ごす両生類よりも、とても効率的に酸素を取り込むことができる。そこで、研究チームは、両生類が幼生期に水棲であることが指間細胞死の有無に関係しているのではないかと考え、幼生期に陸棲である両生類で解析を行った。

そこで研究チームが注目したのが、ハーバード大学自然史博物館でコロニーを維持しているコキコヤスガエルだ。コキコヤスガエルは、オタマジャクシとしての幼生期がない珍しいライフサイクルのカエルだ。陸で産み落とされた卵の中で小さなカエルの形をした幼生となる「直接発生」を経るため、幼生は大気からの酸素を得て呼吸する。面白いことに、この幼生の足の指間には、ニワトリ胚の指間で見られるように、高レベルの活性酸素種を生成し、細胞死を起こしている細胞が確認された。この結果は、胚の置かれる環境特性 ―すなわち、どれだけの酸素に囲まれているか― が、手足に指間細胞死が起こるか・起こらないかに直接関わっていることを示していた。

【今後の展開】
四肢動物の陸上進出に伴う環境の変化と共に、手足を形作るメカニズム「指間細胞死」が誕生

生物の進化の過程で、指間領域を細胞死によって取り除くということが、鳥類や哺乳類のような羊膜類の手足の発生プログラムに必須のメカニズムになったということです」と田中准教授は強調する。
今後は「指間細胞死」が羊膜類の手足の発生プログラムに欠かせないものとなるまでに、どのように酸化ストレスへの応答経路が発生プログラムに組み込まれていったかを明らかにする必要があるだろう。

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図1.手足の形の作り方の違い:両生類の場合、指の成長(黒矢印)と指間の成長(赤矢印)のバランスで水かきができるかどうかが決まる。一方、羊膜類の場合、指間を細胞死(青紫)によって削り取る(「指間細胞死」)。アヒルやオオバンなどでは、指間細胞死を阻害することで(薄青)水かきができる。.

 

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図2.「指間細胞死」という発生システムが誕生するまでのモデル。「指間細胞死」は、陸で幼生期を過ごす四肢動物が出現したことで生成された活性酸素種による副産物として誕生したのであろう。羊膜類になると、「指間細胞死」は手足の形作りに必須なプロセスとなった。.

【用語説明】
[用語1] 羊膜類 : 有羊膜類とも呼ぶ。初期の発生過程において、羊膜が形成される四肢動物の総称。爬虫類、鳥類、哺乳類が含まれる。
[用語2] 活性酸素種 : 酸素分子から生成される反応性の高い化合物の総称。Reactive Oxygen Species(ROS)。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-10-31 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-10-25

DNAオリガミを融合した分子人工筋肉を開発!~分子ロボットの研究成果と可能性~

機械によるロボットではなく「化学的な部品(分子)」を組み立てた「分子ロボット」をつくり、生体内での任務を行うことを目指した研究が進められています。その研究の結果、世界最小の分子ロボットを作ることに成功したそうです。
小さなロボットが命を救うか 分子ロボットがもつ無限の可能性

以下、北海道大学・関西大学・東京工業大学プレスリリースhttps://www.hokudai.ac.jp/news/190507_pr.pdfより研究の概要を紹介します。

世界初!DNA オリガミを融合した分子人工筋肉を開発
~ナノからマクロスケールまで広範に適応する再生可能なソフトアクチュエーターとして期待~

【ポイント】
・バイオテクノ口ジーとDNAナノテクノ口ジーの融合で自在にサイズ変更できる分子人工筋肉を開発。
・再生可能な化学エネルギーを力学エネルギーへと高効率に変換可能。
・医療用マイク口口ポッ卜や昆虫型ド口ーンなどへの動力源として期待。

【概要】
北海道大学大学院理学研究院の角五彰准教授、関西大学化学生命工学部の葛谷明紀教授、東京工業大学情報理工学院情報工学系の小長谷明彦教授らの研究グループは、モータータンパク質*1 とDNA*2 からなるオリガミ*3 を組み合わせることで、化学エネルギーを力学エネルギーに直接変換する分子人工筋肉の開発に世界で初めて成功しました。

モータータンパク質は,化学エネルギーを力学的な仕事へと変換するナノメー卜ルサイズの分子機械です。バイオテクノ口ジーの発展によりモータータンパク質の合成が可能となり,優れたエネルギー変換効率と高い比出力特性( 般的な電磁モーターの 20 倍)を有しているため,マイク口マシンや分子口ポッ卜の動力源として期待されています。しかし,ナノメー卜ルサイズのモータータンパク質を秩序立てて目に見える大きさにまで組み上げることはこれまで不可能でした。

本研究では,バイオテクノ口ジーにより合成されるモータータンパク質と DNA ナノテクノ口ジーにより合成される DNA ナノ構造体(DNA オリガミ)を組み合わせることで,自在にサイズを制御可能な分子人工筋肉の開発に成功しました。これにより,化学エネルギーで駆動するミリメー卜ルからセンチメー卜ルサイズの動力システムが実現し,将来的には医療用マイク口口ポッ卜や昆虫型ド口ーンなどの動力源として期待されます。

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分子人工筋肉のイメージ図

【背景】
現在,超スマー卜社会*4 に向け,人工知能(Al)や情報通信技術(lCT)により進化するサイバー空間(仮想空間)とマテリアルの革新によるフィジ力ル空間(現実社会)の融合が求められています。特に、仮想空間からの情報を現実世界に作用させるアクチュエーター*5 技術の開発が強く望まれています。

これまで、有機材料を用いたソフ卜アクチュエーター(人工筋肉)が数多く開発されてきましたが、比出力特性(重量当たり出力)や設計サイズの自由度の低さ,電気エネルギーへの依存などが課題でした。

これらの課題を解決するキーマテリアルとして、再生可能な化学エネルギーを高効率で力学エネルギーに変換する生体由来の分子機械「モータータンパク質」などが,近年特に注目されています(発動分子科学“http://www.molecular-engine.bio.titech.ac.jp/”)。

しかし、ナノメー卜ルサイズの分子機械を巨視的(マク口)な構造にまで組み上げることは大変難しく,高いスケーラビリティやデザイン性, 造型性を有する合理的な設計法の確立が望まれていました。

研究チームはこれまでに、口ポッ卜の三要素であるアクチュエーター、センサー、プ口セッサーをそれぞれモータータンパク質と DNA を化学的な手法で組み合わせることで,外部からの信号に応答して自発的に群れをっくる世界初の”分子群口ポッ卜”を開発してきました(Nature Commun. 2018,9,453)。

本研究では,この分子群口ポッ卜と同じ素材を用い,分子パーツから組み上げることで,数千倍までスケールアップし,実際に駆動可能であることを実証しました。

~(中略)~

【用語解説】
*1 モータータンパク質 … アデノシン三リン酸(ATP)の加水分解によって生じる化学エネルギーを運動に変換するタンパク質。生物のほぼ全ての細胞に存在しており,物質の輸送や細胞分裂に関わっている。アクチン上を動くミオシン,微小管上を動くキネシンやダイニンが知られている。本研究では微小管とキネシンを使用した。

*2 DNA … デオキシリポ核酸の略。ATGC の四種の塩基配列情報に基づく高度な分子認識能力をもち, 生体内で遺伝子情報の保存と伝達を担っている。近年,DNA の化学合成が容易になってきたことから,この分子認識能力を活用して,複雑なナノ構造体(DNA オリガミ)やデジタルデータの記録のほか,数学的問題を解くことのできるDNA コンビューター(計算機)などへも応用されるようになった。

*3 オリガミ … 非常に長い 本鎖の DNA を 筆書き状に折りたたんで,これを多数の短い相補的なDNA でかたちを固定化することにより,メゾスケール(サブミリメー卜ル)の望みの構造体を作る技術。2006 年の発明当初は平面構造しか作ることができなかったが,近年は複雑な立体構造を作ることもできるようになってきた。

*4 超スマー卜社会 … 必要なもの・サービスを,必要な人に,必要な時に,必要なだけ提供し, 社会の様々なニーズにきめ細やかに対応でき,あらゆる人が質の高いサービスを受けられ,年齢, 性別,地域,言語といった様々な制約を乗り越え,活き活きと快適に暮らすことのできる社会。

*5 アクチュエーター … さまざまなエネルギーを機械的な動きに変換し,メ力卜口ニクス機器を正確に動かす駆動装置。

*6 アデノシン三リン酸(ATP) … 動物,植物,菌類からバクテリアまで全ての生き物が利用する 再生可能なエネルギー。筋収縮だけなく,細胞内物質輸送やイオンポンプ,発光などにも使われ, 生体のエネルギー通貨とも形容される。

【参考図】

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図 1.分子人工筋肉の概略図

DNA 修飾微小管と DNA オリガミ構造体を混合させることでアスター構造が自発的に形成される。さらに,ス卜レプ卜アビジンタンパクで四量化したキネシンを加えると,アスター構造がさらに自発的に組織化し,ミリメー卜ルサイズの網目構造が形成される。ここにアデノシン三リン酸(ATP)を加えると,アスター構造同士がキネシンにより引き寄せられ収縮が起こる。
(右) ATP の導入により収縮する分子人工筋肉の蛍光顕微鏡写真。スケールバー:500 マイク口メー卜ル(=0.5 ミリメー卜ル)。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-10-25 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-10-17

ヒストン遺伝子を全セット持つ巨大ウイルスの発見~DNA関連遺伝子のウイルス起源に新たな証拠~

☆進化⇒変異の仕組みは、大・中・小の3段階 (実現塾10月5日より)
小:紫外線で傷いたり、分裂時のコピーミスで起きる変異
中:駆動物質の指令による漸進的進化
大:他の生物(ex.ウイルス)が飛び込んできて、そのまま遺伝子を蓄積していくことによる劇的な進化

ウイルスの他の生物への侵入は劇的な進化⇒変異を引き起こすという。
ウイルスと生物進化はどのように関わっているのか? そもそもウイルスとは何か?
ウイルスに関する追求が進められています。

ヒトの細胞は細菌とウイルスと表裏一体の関係にある。
巨大ウイルスから見える新たな生物界の姿②
ウイルスとは何か1~生物と非生物の境界~

そして、京都大学・東京理科大学・生理学研究所・東京工業大学らの共同研究チームが、アメーバに感染する新規巨大ウイルスを発見しました。この巨大ウイルスは、なんとヒストン遺伝子を全セット持っているそうです。

以下、東工大ニュース(2019.02.08)https://www.titech.ac.jp/news/2019/043535.html より紹介します。

ヒストン遺伝子を全セット持つ巨大ウイルスの発見
DNA関連遺伝子のウイルス起源に新たな証拠

【概要】
・・・・・(前略)・・・・・
メドゥーサウイルスと名づけられたこの巨大ウイルスは、全セットのヒストン遺伝子をゲノム内に保持しており、特異な粒子形態とゲノム組成から新たな「科」に属することが明らかになりました。
ヒストンは真核生物がDNAを折り畳んで核内に収納するために必須な5種類のタンパク質で、その一部を持つウイルスはこれまでに知られていました。しかし、ヒストン遺伝子全セットを保持するウイルスはメドゥーサウイルスが初めてです。
真核生物のDNA関連遺伝子がウイルスに由来するという仮説が提唱されていますが、本研究成果はそうした仮説を支持する結果と考えられます。今後、ウイルスヒストンの役割などメドゥーサウイルスの感染過程を分子レベルで解明することにより、巨大ウイルスと真核生物の太古以来の共進化誌が紐解かれるのではないかと期待されます。
本研究成果は、2019年2月6日に米国の国際学術誌「Journal of Virology」にオンライン掲載されました。

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図1. 左はメドゥーサウイルスの粒子構造。右はヒストン遺伝子やDNA複製酵素の系統樹の模式図。真核生物の系統樹の根本からウイルスの遺伝子の系統が派生している。DNA複製酵素(真核生物のDNAポリメラーゼδ)遺伝子やヒストン遺伝子は、遺伝子水平移動によってウイルスから真核生物にもたらされたのかもしれない。

【背景】
今世紀初頭、生物学の常識を覆すウイルスが発見されました。ミミウイルスと呼ばれるそのウイルスは、単細胞真核生物(原生生物)であるアメーバを宿主として増殖します。粒子サイズとゲノム長で数多くの単細胞生物を凌ぐ大きさと複雑さを誇るミミウイルスの発見は、「ウイルスは小さくて単純なものだ」という生物学者の固定観念を覆し、大きなインパクトを与えました。

ミミウイルスの発見を端緒に、世界中の研究者が巨大ウイルスハンティングを開始し、パンドラウイルス、ピソウイルス、マルセイユウイルスなど様々な巨大ウイルスの発見が相次ぎ、日本では東京理科大学 武村政春教授らのグループにより、トーキョーウイルス(マルセイユウイルスの仲間)やミミウイルス・シラコマエ(ミミウイルスの仲間)などの発見がなされました。

こうした巨大ウイルスは調べれば調べるほど、その生き生きとした多様で複雑な「生き様」が伺え、その結果、「ウイルスは生命なのか?」といった根本的疑問が沸き上がると同時に[参考文献1]、ウイルスは細胞から進化したのではないか[参考文献2]、ウイルスがDNAを発明したのではないか[参考文献3]、細胞核はウイルス由来ではないか[参考文献4]という挑戦的かつ挑発的な仮説が提唱されました。

今回、共同研究チームは、北海道にある温泉地域の湯溜まりとその水底の泥土サンプルから、アメーバを宿主として新しい巨大ウイルスを分離し、その感染過程、粒子構造、ゲノム組成の詳細を調査しました。その結果、この巨大ウイルスが、これまでに知られていた巨大ウイルスと多くの点で異なることが明らかになりました。

【研究手法・成果】

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図2. メドゥーサウイルス粒子のクライオ電子顕微鏡による単粒子解析
(a)クライオ電子顕微鏡で見たメドゥーサウイルス粒子。(b)3D構築した粒子の断面図。赤矢印は核を覆う脂質二重膜がカプシドと結合している部分を表す。(c)図bの黄色い四角部分の拡大図。(d)単粒子解析による3D構築した粒子像。白矢印は粒子の大きさ(T=277)を算出するためのk値、h値。(e)図dの黒い四角部分を切り出した拡大図。

新規巨大ウイルスはアメーバを宿主として増殖しますが、感染過程で一部のアメーバ細胞が厚い膜を被り休眠状態に入る(シスト化する)ことが明らかになりました。これが、見たものを石に変える能力を持つギリシア神話の怪物「メドゥーサ」をイメージさせることから、この新規巨大ウイルスをメドゥーサウイルスと名づけました。

メドゥーサウイルスは、粒子径が260ナノメートル、ゲノム長が38万塩基対とこれまでに記録されている巨大ウイルスの中では小型の巨大ウイルスでした。しかし、クライオ電顕単粒子解析により、先端が球状のスパイクでウイルス粒子表面が覆われているなど、独特の粒子形態が浮き彫りになりました。ゲノムの遺伝子組成にも特徴があり、ゲノム内の461個のタンパク質遺伝子のうちなんと61%(279個)が、データベースに類似した遺伝子がない新規遺伝子であることが判明しました。

また、感染過程の観察から、ウイルスゲノムの複製がアメーバの細胞核内で完了していることも伺え、これまでに報告されてきた巨大ウイルスとは様相を異にしていました。こうした結果と遺伝子解析(分子系統解析)の結果を総合し、共同研究チームは、メドゥーサウイルスが新しい「科(family)」つまり「メドゥーサウイルス科」に属するウイルスだと結論しました。「科」はウイルスの分類体系において事実上最上位の分類群です。

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図3. ヒストン遺伝子の系統樹
赤:メドゥーサウイルス、青:その他のウイルス、黒:ヒトを含む真核生物と古細菌。

メドゥーサウイルスのゲノムで最も際立った特徴は、ヒストン遺伝子を全セット(ヒストンH1, H2A, H2B, H3, H4の5種類)保持していたことです。これまでにマルセイユウイルスやパンドラウイルスがヒストン遺伝子の一部を保持していることは知られていましたが、ヒストン遺伝子全セットを保持するウイルスはメドゥーサウイルスが初めてです。

ウイルス粒子からもウイルス由来のヒストンタンパク質が検出されました。分子系統解析の結果はさらに興味深いものでした。これらのヒストン遺伝子はその進化の枝が、真核生物の系統樹の根っこの部分から派生しており、その起源が真核生物の共通祖先よりも古いことが明らかになりました。つまり、ウイルスのヒストン遺伝子は、真核生物の特定の系統から獲得されたものではないのです。このことは、真核生物の先祖がヒストン遺伝子を古代のウイルスから獲得した可能性を示唆しています。同様の進化シナリオがメドゥーサウイルスのDNA複製酵素遺伝子の解析からも浮き彫りになりました。

さらに、アメーバとメドゥーサウイルスのゲノム比較から、進化の過程で数多くの遺伝子の受け渡し(遺伝子水平移動)が両者の間で起こっていたことも明らかになりました。遺伝子の受け渡しの方向は、アメーバからウイルス、ウイルスからアメーバへの両方向の事例がありました。アメーバがウイルスから受け取った遺伝子の中にはウイルスの殻を作るためカプシドタンパク質遺伝子もありました。メドゥーサウイルスは、宿主と遺伝子をやり取りするのが得意なのかもしれません。

・・・・・(以下略)・・・・・

参考文献は、プレスリリースhttps://www.titech.ac.jp/news/pdf/WEBTokyoTechPR20190207_mochizuki.pdfを参照願います。

(以上)

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List    投稿者 seibutusi | 2019-10-17 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 
2019-10-10

脳の進化の5億年~誕生からヒトまでの軌跡

生物史を通して、生命体は肉体的強化(運動能力UP・巨大化)と情報能力高度化(大脳の進化)の2方向の進化をして来た。

現生動物で、陸上の王者(ライオン)と大脳を進化させた人間を見比べると、肉体的強化をしたライオンを大脳進化した人間が凌駕している。

事実、現代人は類猿人と比較して、肉体的能力については劣るが、大脳は優れていると考えられる。生物の進化形態は、大脳の進化(情報収取→共認→観念)であると考えられる。

地球規模の環境大変化に対して、肉体的に対応出来ない多くの生物(肉体的変化はDNAに依る為急激な変化はできない)は死滅している。将来、環境の大変化が有っても、観念を働かせ対応できる可能性は大きい。

そこで脳の進化について以下の記事が有ったので転載します

5億年の進化を遂げて

今から5億年前に生命が獲得した神経管は、進化を経て“脳”となった。脳は生物の進化と共に新たな領域を形成し、機能や役割を生み出していった。こうして魚類、両生類、爬虫類、哺乳類、そして霊長類へと進化を遂げ、5億年という歳月を経て現在のヒトの脳へと進化した。

【脳の進化の5億年~誕生からヒトまでの軌跡~】

https://japan-brain-science.com/archives/112

地球上に存在する全ての動物は、脳を持つ。動物は脳を持つことで、高度な情報処理を可能としている。たとえば、心臓の動きや呼吸、消化、代謝のような生命活動を維持する機能を実現している。また、ヒトのように脳が極めて高度に発達した動物であれば、記憶・認知・想像・創造・判断・伝達・論理的思考・抽象的思考など、さまざまな精神(=思考)活動も可能としている。

地球上に脳という器官が誕生したのは、今から5億年ほど前である。脳を獲得した生命は5億年にわたって進化を続け、その果てに現在のヒトへと至った。以下では、生命が脳を獲得するに至った過程と今日までの進化の歴史を辿る。

神経の獲得と、ヒトに至るまでの進化の歴史

脳の誕生と進化の歴史を振り返るためには、生命の誕生の歴史にまで遡る必要がある。地球上に初めて生命が誕生したのは、今から38億年前である。このときに誕生した“原始生命”は、脳を持っていなかった。原始生命が脳と呼ばれる器官を獲得するまでには、30億年以上の歳月が必要だった。

38億年前:生命の誕生

海中に、“リボ核酸”や“タンパク質”が誕生した。このリボ核酸とタンパク質によって、初期の生命は構成された。生命はその後、DNA(デオキシリボ核酸)を形成し、これによってDNAを持つ“あらゆる生命の共通祖先”が誕生した。共通祖先は後に、原始的な単細胞生物へと進化していった。初期の単細胞生物は、神経や脳を有していなかった。

10億年前:単細胞生物の分岐(1

単細胞生物が、“従来のままの単細胞生物”と“植物・菌類の祖先になる単細胞生物”とに分岐した。

9億年前:単細胞生物の分岐(2

“植物・菌類の祖先になる単細胞生物”に分岐しなかった単細胞生物のグループが、原始的な動物であるカイメン(海綿)と分岐した。このカイメンには、まだ神経系らしきものはなかった。

8億年~65000万年前:多細胞生物の誕生

複数の単細胞生物が集まり、多細胞生物が誕生するようになった。当時の大気には紫外線を防ぐオゾン層がなかったため、太陽からの紫外線が減衰することなく地表に降り注いでいた。そのため、大気中の酸素は毒性の強い活性化状態になり、紫外線とともに生物のDNAに損害を与えていた。損害を受けたDNAは回復を繰り返すことで新しい遺伝子の組み合わせを構成し、多様性を増していった。

63000万年前:刺胞動物の登場

この頃に誕生した刺胞動物(イソギンチャクやクラゲなど祖先)には、『散在神経系』と呼ばれる神経網が存在していた。散在神経系とは、神経細胞が体全体に網目状となって存在している神経系を指す。

54200万年前:カンブリア紀の開始

今から5億4200万年ほど前のカンブリア紀になると、海中には多様な生物があふれるようになった。カンブリア紀に誕生した多くの生物は、体を動かすために神経細胞が集合した“神経節”を獲得した。

6億3000万年前に誕生した刺胞動物は神経細胞が体全体に網目状に分布した散在神経系を獲得したが、さらに進化した生物は神経が集まった『集中神経系』を獲得した。この集中神経系が、一般的に『脳』と呼ばれる器官となる。カンブリア紀には、こうした“原始的な脳”といえる構造を持つ生物が誕生した。ここから、5億年に渡る脳の進化の歴史が始まる。

この時期以降に登場した魚類・両生類・爬虫類・哺乳類などの脊椎動物(多数の椎骨(ついこつ)がつながった脊椎を有する動物)の脳は、どの動物でも基本構造が似ている。どの動物の脳も『脳幹』『小脳』『大脳』から構成され、動物ごとにその大きさが異なった進化を遂げることになる。すなわち、現在までの脳の進化は、基本構造が変化するのではなく新しい機能が付け加わることで実現してきた。

52400万年前:無顎類の登場

顎を持たない『無顎類(ヤツメウナギの祖先)』などが生息していた。 無顎類の脳にはニューロンの活動を補佐するグリア細胞が存在しているが、ニューロンの一部である軸索を覆うミエリン鞘(=軸索を流れる電気信号が拡散することを防ぐ鞘)の存在は確認されていない。ミエリン鞘がないことから、脳内での神経伝達速度は速くなかったと推測されている。

46000万年~2000万年前:顎口類の登場

生物の中に、顎を持つ『顎口類』が登場した。顎口類は、ミエリン鞘を獲得していたと考えられている。軸索のミエリン化は神経伝達速度を高めるため、顎の獲得と神経伝達速度の向上が、生存競争に有利に作用したといえる。こうした要因から、顎口類は進化を有利に進めることができたと考えられている。

顎口類のその後の進化により、脳の形態に大きな変化がみられるようになった。特に終脳(=大脳)は、前方に大きく拡大するようになった。 顎口類の祖先の段階で、頭部を形成する胚葉(=受精卵が卵割することで生じる細胞層)に変化が生じ、脳の前方に存在していた鼻孔の位置が移動し、さらには下垂体(=さまざまなホルモンを分泌する内分泌器官)の位置も移動した。これによって脳の前方が開け、終脳を形成する空間が確保されて終脳の発達が加速していったと考えられている。こうして脳の発達が加速した顎口類は後に、両生類・爬虫類・哺乳類へと進化していくことになる。

37000万年前:両生類の登場

海中で誕生した脊椎動物である魚類の一部が両生類となり、陸上へと進出した。 両生類は大脳と小脳の割合が小さく、本能や反射を司る脳幹が大部分を占めていた。特徴としては、嗅覚に関係する『嗅球』が大きい点があげられる。

31500万年前:爬虫類の登場

陸上で生活するようになった両生類の一部は、『羊膜』を獲得したことによって地上での繁殖を可能とした。羊膜は、胚(胚子:多細胞生物の個体発生における初期段階の個体)を乾燥から守る役割を果たす膜である。この膜を獲得したことによって、それまで海中や水辺でしか生活できなかった魚類や両生類のような脊椎動物は水から離れ、地上の至るところで繁殖できるようになった。

羊膜を獲得した種は、それまでの脊椎動物が住むことのできなかった乾燥地帯や砂漠にまで生息範囲を拡大していった。この羊膜を持つ種(羊膜類)が、後に爬虫類へと進化した。 爬虫類の脳は両生類と同様に、反射やエサの捕獲、交尾といった本能的な行動を司る部位である脳幹が脳全体の大きな部分を占めており、大脳と小脳が小さい点が特徴である。また、中脳の後にある“視葉”が小さく嗅球が大きいため、物を見ることよりも匂いを嗅ぐ方が得意という特徴を持つ。

爬虫類の大脳は小さく、大脳の構成は動物が生きていくために必要な本能や恐怖などの原始的な感情を司る『大脳辺縁系』が主である。爬虫類の大脳辺縁系は主に、においを感じ、本能的行動に直結する部分だけが形成されているに過ぎなかった。なお、大脳辺縁系は進化的に古いことから『古皮質』と呼ばれる。

22500万年前:哺乳類の登場

魚類から両生類、爬虫類へと進化を遂げた後、爬虫類から哺乳類へと進化する直前の段階で、大脳の『新皮質』をつくる基になる部分が形成された。 哺乳類の特徴は、それまでの生物と比較して大脳が大きく、そして小脳の割合が小さいという点にある。大脳の表面を覆う大脳皮質にしわができたことで大きな容量(広い表面積)が確保され、新たに発達した大脳新皮質に視覚野や聴覚野といった感覚を司る『感覚野』や、運動機能を司る『運動野』が誕生した。 爬虫類が哺乳類へと進化したことで、大脳新皮質は大幅に拡大していった。これにより、嗅覚以外にも視覚などの情報が脳に多く取り込まれるようになった。こうして哺乳類は、陸上で迅速な行動が可能となった。 大脳辺縁系も主に嗅覚以外の感覚に対応するようになり、喜怒哀楽が豊かになった。また、情報を記憶する能力も向上した。こうして、哺乳類特有の怒りや恐怖、攻撃、愛、嫌悪などの感情が出現した。

6000万年前:哺乳類(霊長類)の登場

哺乳類の進化の過程で、霊長類に進化する種が現れた。ニホンザルやチンパンジーなどの祖先にあたる霊長類は新皮質がさらに発達して大きくなり、『連合野』が出現し、より高度な認知や行動が可能となった。

連合野の発達はヒトの進化における重要や領域の1つである。霊長類の脳は連合野のみならず、感覚野や運動野も複雑な機能を担うようになった。こうした霊長類が獲得した情報処理機能を土台として、後にヒトの脳が誕生することになる。

霊長類の大脳の発達は、当時の霊長類が身を置いた環境に起因している。樹上で生活するサルには、枝から枝に移る能力が必要だった。そのため、大脳にある手の指や手のひらなどを中心とした腕の運動や感覚を司る領域が発達している個体が、生存競争において有利であった。また、樹上で行動するためには立体視が可能な優れた視覚が必要とされた。こうした要因から、大脳の視覚や聴覚に関わる部位が発達した。これにともない、脳の周辺領域も拡大・進化していくことになった。 類人猿に進化して以降は、指や手のひらを司る領域と隣り合う“脳の顔面筋”や、“舌・唇の運動や感覚”に関わる領域が拡大されたため、表情が豊かになった。その後、さらにその周辺の領域が拡大・発達し、『ブローカーの中枢』と呼ばれる運動性言語中枢が形成された。

ヒトの祖先の登場

440万年前:アルディピテクス・ラミダスの登場

哺乳類の中から霊長類が登場して5500万年程が経過すると、直立二足歩行を可能とする初期の人類の一種である『アルディピテクス・ラミダス』が登場した。身長は120cm、頭蓋容量は300cm^3程度だった。なお、直立歩行をすることなく森に留まった種族は、その後は脳が拡大することなく、現在のチンパンジーやボノボへと進化していった。

250万年~160万年前:ホモ・ハビリスの登場

木材や石を加工して道具を作り出すべく、眼と手を正確に連動させ、手先を器用に動かすようになった。こうした活動により、頭蓋容量は600cm^3程度にまで拡大した。この頃になると、言語を司る『ブローカー野(運動性言語中枢)』が目立つようになった。

ホモ・ハビリスは脳の進化によって自身を取り巻く世界を認識し、言語を用いて周囲の個体に自身の考えを正しく伝える能力を持つようになった。こうした能力は『心』を生み出す生物的基礎となり、現在のヒトに通じる能力となった。

180万年~5万年前:ホモ・エレクトゥスの登場

頭蓋容量がさらに拡大し、950cm^3程度になった。石器をより高度に加工し、槍などもつくるようになった。ホモ・エレクトゥスが加工した石器は、ホモ・ハビリスが加工した石器と異なり石の両面が削られて先端が鋭利に尖っている特徴を持っていた。 ホモ・エレクトゥスは道具を巧みに操っただけでなく、火を使うことも覚えた。火は夜間に肉食動物を寄せ付けない役割を果たし、さらにはそれまで摂取できなかった食糧を調理して摂取できるようになった。また、直立二足歩行によって骨格が変化し、発声気管が従来よりも低い位置に下がった。この変化によって発声が容易になり、言語の発達が加速した。脳内では、言語を司る部位であるブローカー野がますます発達した。さらに、聴覚を司る部位に隣り合う部位も拡大し、『ウェルニッケ野』と呼ばれる感覚的言語中枢に発展した。

20万年前~現代:ホモ・サピエンスの登場

脊椎動物の進化の初期の段階では、脳は神経細胞が集まった“膨らみ”のようなものに過ぎなかった。やがてこの膨らみはヒトへの進化の過程で大脳、間脳、中脳、小脳、延髄、脊髄からなる複雑な構造を形づくり、個体の維持だけでなく高度な精神活動を可能とする器官となった。

原始的な霊長類からホモ・サピエンスへと進化する過程で、大脳皮質は厚みが増しただけでなく表面積も著しく拡大した。また、大脳皮質はより深く複雑なしわをつくって容量を増やし、大脳新皮質の感覚野、連合野がさらに発達した。小脳も大きくなり、ヒトの複雑な動きを可能にした。 霊長類の登場から現在にかけて、大脳新皮質はそれまでの生物史に例がない速度で拡大・発達していった。大脳皮質の中でも新しい皮質(新皮質)は高等動物ほど発達しており、霊長類では認知や思考、判断といった知的活動を司る部位となっている。 こうした変化によって頭蓋容量は1400cm^3まで拡大し、ヒトは抽象的な思考が可能となった。

脳が進化したことにより、思考や創作活動の幅が広がった。たとえば、動物の骨や牙・角を利用してネックレスやペンダントなどの装飾品やフルートのような楽器、裁縫に用いる縫い針、油を燃やすオイルランプなどがつくられるようになった。今から2万5000年前には、動物の油を用いて絵の具を作成し、洞窟の壁に様々な色で牛の絵を描くことも可能となった。

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List    投稿者 seibutusi | 2019-10-10 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments »