2008-04-13
虫を知ってヒトを知る。~微小脳と巨大脳~
虫を知ってヒトを知る。
ヒトの脳は成人で約1400kg、しわを伸ばすと表面積は2500cm3、新聞紙をひろげた大きさになります。ニューロンの数も1000億。一方、虫、たとえばバッタの脳は幅2mmたらずで、容積にして約6mm3、ニューロンの数は約40万です。まさに、微小脳と巨大脳。
しかし、巨大脳は微小脳の進化したものではありません。というのも、動物は進化系統上、旧口動物と新口動物は5億年前から6億年前に分化しており、その両雄(トップ)に君臨するのが虫と哺乳類なのです。つまり、それぞれ独自の道をあゆんで出来上がったもので、デザインのコンセプトが違っているということです。
昆虫を代表とする微小脳の情報処理システムは速い、けど粗い。脳とそれぞれの神経節がある程度の独立性をもった並列的な情報システムとなっています。一方、ヒトを代表とする巨大脳の情報処理システムは、大容量の大脳を頂点とする階層的なシステムで、しかも大脳にはたくさんの並列的な情報処理システムが配置され、同時に複数のシステムで情報を精密に処理・統合することができるシステムです。
もう少し詳しくみてみましょう。
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脳内の免疫細胞 ミクログリア
こんにちは NISHIです。
tanoさんが3月17日の記事で「グリア細胞」について書かれています。
この記事を読んで、グリア細胞について興味を持ったので、更に色々調べて見ました。
3月17日の「グリア細胞って何?」では触れられていない、グリア細胞の働きについて補足的に書きたいと思いますので、ぜひ3月17日記事と一緒に読んで欲しいと思います。
アルツハイマー病の原因となる海馬に溜まったタンパク質のゴミ、アミロイド(青色部分)を貪食するミクログリア(緑色部分)
写真はこちらからお借りしました。リンク
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皮膚の免疫監視役:ランゲルハンス細胞
皮膚は、一番外側にあり、様々な外圧状況(細菌、ウイルス、太陽光、暑さ、寒さ、湿気、乾燥etc)の変化に適応するために進化してきた臓器です。もともと多細胞生物の初期段階に作られた外胚葉から進化していますが、その中味を見ていくと驚きの連続でした。
この機能によって、私達多細胞生物は、大きく変化する外圧の中で生きていけるんですね。
この皮膚の表皮に近い部分には、樹枝状細胞があります。一つが神経細胞、もう一つがランゲルハンス細胞です。この2つの樹枝状細胞が網の目のように手足を伸ばし、外圧状況を監視しています。神経細胞の樹枝状形状は、まだ脳が存在しない生物の段階から外圧をキャッチする機能を作っています。
また、ランゲルハンス細胞は、皮膚の表面から入ってきた外敵を網の目の監視により素早くキャッチするセンサーとして機能しています。これらの表皮にある樹枝状細胞からの信号が、免疫系・中枢神経系と密接に関係し私達の体全体のバランスを維持しています。いかに皮膚が重要か?を再認識しました。
今日は、この中で、免疫監視役「ランゲルハンス細胞」について見ていきましょう。
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多細胞生物の体細胞分化過程~まとめ~
数回にわたり、「体細胞分化史」を探求してきましたが、本日で特集はおしまい。
最後に進化系統別にまとめておきます。
多細胞生物の体細胞分化過程~節足動物~
本日は、線形動物から進化した節足動物に迫ってみます。代表例は昆虫類。地球上で80万~100万種存在すると言われ、陸上、淡水、海水、他生体内(寄生)と、あらゆる場所に生存域を持つ、多様性の高い動物です。
多細胞生物の体細胞分化過程~軟体動物~
4月8日の脊索動物の体細胞分化に続いて今回は軟体動物の体細胞分化を見ていこうと思います。
軟体動物というのは、貝類、ウミウシ、イカ、タコなどの動物の総称で、体は骨格がなく、皮ふは粘膜におおわれていて、体が乾燥すると生きることができない動物です。
では、さっそく彼らの体細胞分化を見ていきましょう
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多細胞生物の体細胞分化過程~脊索動物~
3/14のナマコ・ウニ・ヒトデに続いて今回は脊索動物の体細胞分化を見ていこうと思います 😀
脊索動物というのは、脊椎動物とナメクジウオなどの頭索動物、ホヤなどの尾索動物の総称です。今回は便宜上、大きく脊椎動物と原索動物(頭索動物+尾索動物)というふうに分けて考えてみようと思います。
ちなみに、ナメクジウオというのは上の写真のような生物で、簡単に言えば、魚類の一歩手前といった感じの生物です。
では、さっそく原索動物から見ていきましょう
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免疫が敵を攻撃するしくみ
こんにちは。
今日の記事は免疫細胞についてお伝えします。
免疫細胞には自然免疫と獲得免疫あります。
①なぜ2つの免疫をたどる必要があったのか?
②免疫が記憶されていく構造はどのようになっているのか?
の2点に注目していきます。
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脊椎動物以前の血球系細胞の進化(1)
血球系細胞に焦点を当て、脊椎動物以前の進化について論及している書籍やサイトはなかなか見つからない。現存する種もそれぞれに進化しているであろうから、それらを参考にしながらも全体を俯瞰する論理で繋げていく必要があろう。
その点を意識しながら、先ずは、基本情報を浮き彫りにするため、光文堂発行「生命を支えるマクロファージ」の『4.マクロファージの系統発生』から抜粋することで概観してみたい。
関連参考記事:免疫系の進化1(系統樹編)
◆腔腸動物(ヒドラ、クラゲ、イソギンチャクなど)
ヒドラの仲間における遊走細胞(間細胞)は、「血球」と呼ばれてもよい細胞であるが、貪食能をもっていない。海綿動物の間細胞(原生細胞)のように多分化能をもった幹細胞として機能している。
サンゴやイソギンチャクでは、間充ゲル中にアメーボサイトと呼ばれる遊走細胞が存在している。この細胞は通常は弱い貪食能しかもっていないが、再生実験を行うと顕著な貪食作用を示すようになり、自己の死細胞や異物を貪食するという。
◆三胚葉動物:環形動物(ゴカイ、ミミズ、ヒルなど)
前口動物の中では唯一の閉鎖血管系をもっており、血液は血色素をもち、酸素運搬の機能を有する。ゴカイ(多毛類)やミミズ(貧毛類)には、好中球、好塩基球、好酸球、顆粒球、黄細胞などの血球が血管内や体腔内に見られるようだ。
しかし、血管の中には固有の血球はなく、血管中に存在する血球は体腔液中から遊出して入り込んだいわゆる体腔細胞(血球)であるといわれている。体腔細胞は体腔上皮から直接遊離してくるが、それは発生学的に見ると中胚葉由来の細胞であるらしい。
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ナチュラルキラー細胞って何?
ナチュラルキラー細胞
なんか、すごい名前ですよね。殺し屋 8) なんだけど実は自然志向の優しい奴 みたいな。
ナチュラルキラー細胞(通称NK細胞)はネットや本で検索すると、ガン細胞を殺す頼もしい奴 笑ってストレスなくせばNK細胞が増えてガンも予防 😀 のような形で取り上げられる事が多い免疫細胞ですが、NK細胞ってそもそもどんな奴? 🙄 と調べてみると、比較的新しく発見(1975年)された免疫細胞でまだまだ研究途上のようです。今日は基礎的なNK細胞の仕組みについて紹介したいと思います。
画像は『がんサポート情報センター』からいただきました。