2008-03-07
西原克成氏の「免疫、生命の渦」
自らの系譜を「ヘッケル→三木成夫→西原克成」と公言してはばからない西原氏ゆえに、[トンデモ]なことになりゃせんか? と思いつつ、「免疫、生命の渦」を読んでいますが・・・、『免疫機能』や『進化』を紐解く上で触発されたことを紹介してみます。
◆医療場面での混迷の原因
20世紀においては、微小世界の研究で明らかになった多くの事実はあるが、個体のなかでどのように統合されているのかを考える学者が存在しなかったことは嘆かわしいこと、とする西原氏の指摘は的を射ています。
病気を治すために疫学や病因や病態の研究が進められるのではなく、特殊な動物実験から出発しているのは、考え方が逆転している。そして分子のレベルと細胞のレベルと多細胞動物のレベルとではその反応系に天と地ほどの違いがあるのに、そのことを全く自覚していない。というのも、同じく頷けます。
◆生命とは、何か?
生命とは、燐脂質の半透膜に覆われた核酸・酵素系の水溶性コロイドから成り、栄養を分解して得られるエネルギーによって自らリモデリング(新陳代謝)を追求するシステムであり、宇宙における最も繊細な電気反応系である。個体丸ごとのリモデリングが生殖で、遺伝現象である。【中略】
(生命世界は、)「空間」と「時間」と「質量のある物質」と、これに備わった本性としての「重力(引力)・力学エネルギー」と「温熱・電磁・波動エネルギー(大略は太陽エネルギー)」の5種類から成っている。
質量のある物質と無いエネルギーの仲を取り持つのは、エレクトロンである。
ミトコンドリアは、太古の時代に大型の真核生物(ユーカリオータ)に寄生した原核生物=細菌(プロカリオータ)と考えられている。このことから明らかなように、多細胞生物は細胞内にも細胞間質にも、血液や体液にも、細菌やウィルス・原虫や寄生虫が自在に住みつく。感染が起こるということは、ある種の細菌が動物や人に住みついたという事でもある。(「免疫、生命の渦」西原克成)
ふむ・ふむ・・・この辺までは、何とかついていけてます。
応援、よろしくお願いします。
新聞記事紹介(レトロポゾンに注目)
今日は免疫進化にも関わる新聞記事の紹介をします。
哺乳類の免疫進化の特徴は抗体の多様性が挙げられます。
arincoさんの前回の記事を見てみると、遺伝子が動いて配列を組み換えたり、DNAを切って繋げたりという事をやって多様な抗体を実現しているようですね。
紹介する新聞の記事は、主に脳進化に関わるレトロポゾンを取り上げたものですが、レトロポゾンは上記のような抗体多様性を作る為の遺伝子配列の組み換え、切り張りにも関係しているはず!と思い紹介させていただきます。
「変異」を追及した抗体
こんにちわ。arinco 😉 です。本日は、継続して調べております「免疫」シリーズです。
今回は体の中に侵入したウイルスをやっつけてくれる抗体についてです。僕らの体内ではウイルスに合わせて様々な抗体を作りだします。
あの多様性はどこから来るのか?それを追求してみました。
続きが気になる方は、ポチっ :blush: のあとどうぞ。
免疫が敵を攻撃するしくみ
私達の体内にウイルスが侵入した時、体内にあるマクロファージや、Bリンパ球、Tリンパ球などの免疫細胞が、情報伝達物質や抗体などを分泌しながら、悪いバイキンをやっつけてくれます。
今日はその仕組みを、arincoさんが作ってくれた図で解説しながら、簡単に紹介します!
両生類の受精様式
画像はコチラよりお借りしました
脊椎動物への進化過程において、魚類以前の段階では「放精放卵」による「水」を介した体外受精が基本になります。
では、水のない陸上に進出した脊椎動物はどのように「受精」を実現していったのでしょうか?
「体内受精」というと「交尾」を思い浮かべがちですが、そこに至る前に様々な「受精様式」を模索してい
るのです。
今回は水中→陸上適応の過程にある両生類の受精様式に注目したいと思います。
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体外受精から体内受精への進化
生物が水中から陸上に進出するにあたって様々な機能進化が見られますが、生殖様式は体外受精から 体内受精へと進化してゆきます。
<ウニの体外受精:リンクより引用>
今日は、その進化の流れを見てゆきます。
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卵の膜
こんにちは。今日の話題は「たまご」です 🙄
魚の卵は、とても小さくてシンプルなつくりですが、、、ニワトリの卵となると、硬い殻と何重もの膜に包まれて非常に精密な構造をしています。
今日は、これらの卵の「膜」の進化に注目してみます
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汗腺⇒乳腺の獲得
(上:カモノハシの授乳 中:カモノハシの子供が直接乳腺からしみ出る母乳をなめる図 下:ディキノドンの授乳イメージ)
<『哺乳類型爬虫類』 金子隆一著 朝日選書 1998年9月 より引用>
以前、追跡したカモノハシという動物を覚えてらっしゃいますか
カモノハシが哺乳類に分類されている理由は、産後に授乳(哺乳)を行うからだそうです
哺乳類しか行わない哺乳行為についてネットや書籍でいろいろ調べてみると、なんと、乳腺は汗腺から派生しているとのことです
そこで、今回は、汗腺⇒乳腺についてレポします
その前にいつものやつをお願いします
単孔類・有袋類・有胎盤類の比較
両生類から哺乳類への進化の中で、哺乳類は他の動物には無い恒温性、授乳、横隔膜、胎盤といった機能を進化させて行きました。これらの機能をどのような形で発達させてきたのか探るために、単孔類、有袋類、有胎盤類でそれぞれの機能がどうなっているか調べてみました。興味のある方は応援をお願いします。
この画像はウィキペディアよりお借りしました。
「記憶」を持つ粘菌
多細胞生物の起源を解き明かして行く上で、粘菌の研究が進んでいます。この粘菌は不思議な生物で、植物のように胞子を出して子孫を増やす一方で、動物のように移動します。
この粘菌が注目される理由は他にもあって、飢餓状態になると10万個ほどのアメーバが集合し、ナメクジのような多核体となります(!)。
しかし、集合しただけでは飢餓状態を突破できるわけではありません。全滅です。
集合して多細胞体となった粘菌はどうするかというと、胞子となる細胞と胞子を放出するための細胞に分化し、子実体を作り出し、胞子を放出します。つまり、ここでは生殖細胞と体細胞の分化、つまり多細胞生物の基礎を見ることができます。
不思議生物-細胞性粘菌の謎にせまる
分化⇔統合(=組織化)が多細胞生物の進化史
この不思議な不思議な粘菌が、実は「記憶」を持っているという興味深い記事がありました。
The Swingy Brain 「Rhythms without the Brain 」