2008-03-01

両生類の受精様式

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画像はコチラよりお借りしました
 脊椎動物への進化過程において、魚類以前の段階では「放精放卵」による「水」を介した体外受精が基本になります。
では、水のない陸上に進出した脊椎動物はどのように「受精」を実現していったのでしょうか?
「体内受精」というと「交尾」を思い浮かべがちですが、そこに至る前に様々な「受精様式」を模索してい
るのです。
今回は水中→陸上適応の過程にある両生類の受精様式に注目したいと思います。
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■両生類の受精様式
 両生類は無尾目のほとんどと、一部の有尾目は魚類以前と同様、産卵時に水中にて体外受精を行いますが、その他の多くが陸上での様々な受精様式を獲得しています。
☆包接~カエルの例~
 カエルは、オスがメスの背中の上に乗り、前肢でメスの腹を抱きかかえます。これは“抱接”と呼ばれる行動で、体外受精のカエルは“交尾”はしません。
 オスがメスの腹を強く押すことにより、メスは卵を放出します。オスはその上から精子を放出して受精させるのです。
参考:http://jinen-juku.hp.infoseek.co.jp/aka-gaeru-housetsu.gif
☆コモリカエル(上記の「包接」行為の発展版)
 コモリカエルのオスとメスは水中で抱接しながら後方に何度も宙返りし、背泳ぎの状態になったときに産卵した卵をオスの腹部で受け止めて受精させ、回転が終了したときに受精卵をメスの背中の肥厚した皮膚組織に押し付け、埋めこみます。
参考:受精の様子が良くわかる写真 
「ピパピパの繁殖」
(番外)コモリガエルの卵保護
 コモリガエルの仲間は基本的にメスが自分の背中の皮膚の中で卵を保護します。
つまり、メスが産んだ卵を、オスが精子で受精させた後、オスは腹部や前肢を使ってメスの背中に卵を押しつけます。この時にメスの背中の皮膚はスポンジ状に軟らかくなっていて押しつけられた卵はメスの背中の皮膚に付着します。
 卵は次第にメスの背中の皮膚の中に埋没していき最終的には完全に皮膚の中に埋もれてしまいます。卵はメスの皮膚の中で発生を続け、孵化してオタマジャクシの時代も皮膚の中で成長をします。
変態をして仔ガエルになると、メスの背中の皮膚を破って外の世界に散っていきます。
参考:
All about「ピパピパ」
孵化→生体となった仔カエルが背中から出て行く様子(動画)
☆精抱の受け渡しによる体内受精~アカハライモリの例~
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写真はコチラよりお借りしました。
 日本を代表する有尾両生類であるアカハライモリは、その受精はメスの体内で起こります。体内受精を行う種のメスは、オスから受け取った精子を保持するため総排泄孔に精子嚢といわれる器官を持つ。
 オスは精子の塊である精包を生み落とし、メスはこれを総排泄腔に取り込みます。
 精子は輸卵管の出口付近の精嚢に蓄えられ、輸卵管を通過してきた卵に媒精されて受精し、水中に産み落とされます。
 このように、直接雄雌が交尾をしなくても、精子袋を取り込む様式が取られています。
この方法は、水中から陸に動物が上がった時にも、精子の乾燥を防ぐ意味では有効な戦略です。
参考:イモリ全書 イモリの繁殖 
YAHOO!きっず図鑑(受精時の動画があります)
☆交接器挿入による体内受精~アシナシイモリイモリの例
 無足類のアシナシイモリの雄は、総排泄腔の後部が反転して陰茎状の交接器 (phallodeum) になり、メスの総排泄腔に2~3時間挿入して精子を渡します。
無足類(アシナシイモリ)ではヘビに見られるような交接器が確認されていますが、他の両生類は感心してしまうようなオスメスの連携で見事、受精を実現しているのですね。
オスメスと躯体分化を進める一方で、こうした調和的な行動も進化していくのも面白いところです。

List    投稿者 shimicho | 2008-03-01 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

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コメント1件

 なでしこ☆ | 2008.03.25 18:49

ホント、免疫群の連携プレーには驚かされます(@0@)!!
まるでそれは、一つの組織論にでもつながるくらい奥が深そうですよね。
>マクロファージはどうやって食べる対象(病原体、死細胞、破損細胞)
を認識しているのでしょうか?
続きを楽しみにしていまぁ~す☆

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