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免疫が敵を攻撃するしくみ

私達の体内にウイルスが侵入した時、体内にあるマクロファージや、Bリンパ球、Tリンパ球などの免疫細胞が、情報伝達物質や抗体などを分泌しながら、悪いバイキンをやっつけてくれます。
今日はその仕組みを、arincoさんが作ってくれた図で解説しながら、簡単に紹介します!


免疫応答の概要
(「カラー図解 見てわかる生化学」ヤン コールマン、クラウス-ハインリッヒ レーム著 メディカル・サイエンス・インターナショナル発行を参考にしました。)
まずは、マクロファージから見てみます。
ウイルスなど身体に侵入した病原体は、マクロファージ(抗原提示細胞:APC)に取り込まれ、たんぱく質分解を受けます。
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このようにしてできたウイルス断片は、MHCという膜たんぱく質によって、細胞表面に提示されます。
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マクロファージの表面上に提示された、MHCたんぱく質とウイルス断片の複合体は、この抗原に対応する受容体を持つT細胞に認識されます。
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MHC-抗原複合体とT細胞受容体が結合すると、T細胞が活性化され、抗原特異的T細胞が選択的に増殖します。
免疫細胞の増殖は、インターロイキンというサイトカイン(情報伝達物質)によって刺激されます。
(免疫細胞は、20を越えるサイトカインを使いわけて互いに情報伝達を行っているのです。)
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※例えば、ウイルスを取り込んで活性化しているマクロファージは、インターロイキン1を分泌し、T細胞を活性化させ、活性化されたT細胞は、インターロイキン2を分泌して、T細胞自身と他の免疫細胞の増殖を刺激します。
※T細胞にはいくつかのタイプがあり、活性化した際の機能がそれぞれ異なります。
 キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)は、ウイルスが感染した細胞や、腫瘍細胞を認識して結合し、それらの細胞にアポトーシスを起こしたり、「パーフォリン」と呼ばれるたんぱく質で標的細胞の細胞膜に穴を開けて、それらを殺してしまいます。
次に、Bリンパ球を見てみます。
マクロファージと同じように、Bリンパ球(抗原提示細胞:APC)も、ウイルスなど身体に侵入した病原体を取り込み、たんぱく質分解します。
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Bリンパ球もまた、抗原提示細胞としてウイルス断片を細胞表面に提示します。
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次いで、抗原に対応した受容体をもつB細胞が、インターロイキンの刺激で選択的にクローン増殖します。
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これらのB細胞は成熟して形質細胞となり、大量の可溶性抗体を分泌します。
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抗体の付着したウイルスは、再びマクロファージなどに貪食されたりして、退治されていきます。
そして、ここからもまた重要。
一度免疫応答すると、次にまた同じウイルスに感染した時にすぐに対応できるよう“記憶”する機能も持っています。リンパ球から発生する寿命の長い特殊な記憶細胞がそれを担います。
免疫応答のダイジェストはこちら↓↓
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