2007-10-26

多細胞生物はなぜ登場したのか?~高度化の戦略(前編)

😀 お待たせしました。前回のないとうさんの減数分裂の意味に続いて第2回、今日は多細胞生物への変遷を見ていきます。
単細胞生物(真核細胞生物)は刻々と変化する外圧環境に適応する為に少しだけ変化させて変異体を作り出す方法、同類他者=変異体を「確実」に、かつ「安定」して生み出すことに成功しました。
その為に生み出されたのが減数分裂というややっこしい細胞分裂の方法です。ある時は単純分裂、ある時は減数分裂、またある時は群生によって共に生き延びるといった、同じ生物なのに外圧の状況によって分裂方法を変える事でたった一つの細胞でもさまざまな環境に対応して生き延びようとしてきました。このように単細胞とはさまざまな課題を全て自ら担う万能細胞として存在していたのです。単細胞えらい! と思った人も多いと思います。しかしちょっと待ってください。 8)
実は全てを担う万能細胞は仕事をこなすのに精一杯の個人商店と同じで全然高度化していかないのです。 🙁 全てが中途半端なのです。 またさらなる外圧が来たときにはついにその万能能力も力尽きて全滅 😥 という事態も迎えたかもしれません。このように常に厳しい環境下で精一杯生きていたのが単細胞なんです。えらいけど大変だったわけです。
多細胞生物への進化はその外圧の中で登場しました。歴史的には極端に外圧が高まった地球全体が凍結した全凍時代の23億年前に登場します。
では単細胞生物から多細胞生物へなぜ進化することができたのでしょう。
ポチッと押す前に考えてみてください。
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  投稿者 tano | 2007-10-26 | Posted in ①進化・適応の原理2 Comments » 

生活環~・植物編・~

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生物の一生、ある個体が発生・成長(生長)し次の世代の個体を生じるまでをその生物の生活環(生活史)といいます。

多くの動物は有性生殖のみを行うので生活環は単純ですが、大部分の植物は生活環の中で無性生殖をする世代と有性生殖する世代を繰り返します。このため生活環は複雑になります。

このように、生活環の中で無性生殖をする世代と有性生殖をする世代が代わることを世代交代といいます。

植物の無性生殖は一般に胞子で行われ、胞子をつくり無性生殖をする個体を胞子体、配偶子をつくり有性生殖をする個体を配偶体とよびます。

胞子体の核相は複相(2n)で配偶体の核相は単相(n)です。
このように、生活環の中で核相も単相と複相が代わることもあります。これを、核相交代といいます。

植物の生活環は大きく分けて次の3種類があります。
以下に見ていきます。が、その前にポッチ とお願いします。
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  投稿者 yoriya | 2007-10-25 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

安定して変異体を作り出す減数分裂→有性生殖システムが進化を促進した

07/10/21(日)のなんでや劇場<生物史から学ぶ自然の摂理④
有性生殖への道のり2>
のおさらいレポートをこれから3回に分けてお送りします。今日はその1回目、減数分裂の意味です。

世界には多種多様な生物がいます。この多様性を生み出しているのは、環境(≒外圧)の変化への適応の戦略・方法の違いといえます。DNA(≒遺伝子)の組み換えにより多様な同類他者(非自己)を作り出すことで、環境(≒外圧)に適応し続けてきました。
DNAの修復と組み替えが、生物の進化を推し進める原動力です。次代の子孫を残す際に必ず発生する『分裂』の時の、DNAの修復と組み換えが進化の源泉です。

初期生物は単純分裂でしか次代に子孫を残す事はできません。ランダムに発生する突然変異でだけ、変異体を次代に子孫を残す事ができます。

この後の真核単細胞生物では、単純分裂だけではなく、「減数分裂」と「接合(受精)」によって、同類他者=変異体を「確実」に、かつ「安定」して生み出すことに成功しました。意図的に「安定」的な「変異」をつくり出すシステム=有性生殖システムを生み出したのです。この減数分裂(と接合)の仕組みが、その後の多細胞生物への進化に決定的な位置を占めています。

それを細かく見ていきましょう。
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  投稿者 tnaito | 2007-10-24 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

したたかで、しぶといアメーバの生存戦略

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アメーバって下等生物だと思ってませんか?
実は、とってもかしこい生物なんですよ。
飢餓状態になるとあちこちからワラワラと集まってきて、
多くは優秀な仲間に自らを捧げ、後のことを託して死んでいく・・。
託された者は、みんなの期待を一身に受けて、
種の保存に全力を尽くす・・。
うーん、かしこい。
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  投稿者 trend | 2007-10-21 | Posted in 未分類 | No Comments » 

なんでや劇場「有性生殖へのみちのり」直前復習~減数分裂という不思議

なんでや劇場を明日に控えて、直前復習をしておきたいと思います。
前回のなんでや劇場のミソは既にNANNOKIさんが投稿して下さっています。
原核単細胞から真核単細胞に進化を遂げた事によって、真核単細胞は多様化した各組織の統合と、その仕組みを正確に分裂させ子孫を残す必要に迫られます。そこで獲得した仕組みが有糸分裂です。有糸分裂によって真核単細胞は原核単細胞に比べて格段に変わらない事を獲得することができました。
しかし・・生物とは変わり続けることも同時に求められています。栄養枯渇時や環境悪化時には変わる必要がある。そこで獲得した仕組みが合体です。そしてその合体した細胞がお互いの遺伝子を少しずつ組み換えて少し変化した細胞を作り出す仕組みが減数分裂です。

そこで、減数分裂の仕組みについて復習しておきましょう。(以下は東京医科歯科大学のHPからの引用です。)

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  投稿者 yama3 | 2007-10-20 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

多細胞生物の機能分化

今日は10月13日の記事「細胞接着の重要性」に続けて、多細胞生物の機能分化について追求したいと思います。
単細胞生物では、細胞1個が生殖機能=保存機能と体細胞機能=仕事機能を担っており、全能性細胞そのものと言えます。9月1日の記事に書かれているように、この全能性の単細胞から、多細胞への進化過程で、真っ先に役割分化した機能は生殖(保存)細胞体細胞(仕事)です。
単細胞は全能性細胞そのものですが、群体→多細胞となった段階では、体細胞は全能性を制御し、機能に応じた働きのみを発現しています。(生殖細胞のみ全能性を維持)このような体細胞の「全能性制御」は、”遺伝子マーカー”と呼ばれる機能によって実現されています。
(詳細はこちらを参照:リンク
体細胞と生殖細胞の機能分化の後、体細胞は、この遺伝子マーカーによる「全能性抑制機構」によって、外圧状況に応じて複雑に役割分化しながら進化していきます。
体細胞の機能分化はどのように進化していったのか?中身に迫る前にポチポチっとよろしくお願いします
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  投稿者 crz2316 | 2007-10-20 | Posted in 未分類 | No Comments » 

ゲノム変化

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ヒトゲノムは、約30億塩基対のDNAからなる。大腸菌ゲノムが約480万塩基対であるのに対し、桁違いに大きい。初期生命体のゲノムが大腸菌と同サイズだったとすると、ゲノムサイズを35億年で約1000倍にしたことになる。
種の形態変化は、ゲノム構成の変化によってもたらされる。では、ゲノム自体はどのように変化するのだろうか?
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  投稿者 tanizaki | 2007-10-18 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

植物の上陸

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昨日はボルボックスのインバージョンについてでしたが、今回はその後、植物が上陸する過程について考えてみたいと思います
 
植物 」と言えばなんとなく土から生えてきて緑の葉っぱがあって…etc.というイメージがありますが、これは陸上の植物の特徴で、上の写真のように上陸する前は必ずしもそうとは言えません。
 
そして、植物の多細胞化と上陸は実は密接に関連しているようです。
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  投稿者 hadou | 2007-10-16 | Posted in 未分類 | 1 Comment » 

ボルボックスのインバージョン(反転)と微小管

このブログで、今までボルボックスが何度か紹介されていますが、今日は、ボルボックスのインバージョン(反転)から、多細胞化を見てみましょう。

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画像引用「微小藻の世界

まず、ボルボックスってどんな生物?過去の記事等から2つ復習しておきます
まず生殖細胞が分化した
ボルボックスの不思議
でボルボックスの特徴について整理すると、
池や川、沼、田んぼなどの淡水に見られる緑藻の一種。
栄養状態が良ければ、雄と雌はそれぞれ無性生殖を行い、どんどん増えていく。
栄養状態が悪くなり飢餓状態になると、有性生殖を行う
細胞が集まって球形の群体を形成する生きも。直径は1ミリにも満たないが、約数千個の体細胞が、一層になってゼラチン状の基質の表面に集まっている。その内に約16個の大きな生殖細胞を包み込んでいる。ボルボックスの体細胞は1種類だけ。
鞭毛(べんもう)を使って回転しながら泳ぐ。
5000万年前から現在までの間に、クラミドモナスという単細胞生物から細胞群体へと進化した。
今日は、このボルボックスの一種類の体細胞に注目します。
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  投稿者 yooten | 2007-10-15 | Posted in 未分類 | No Comments » 

細胞接着の重要性

我々多細胞生物(人類)は、約60兆もの細胞が集まり、各細胞それぞれが機能分化し、かつその分化した細胞それぞれの役割を統合する事によって、活動を行っている。
では、この60兆もの細胞が、まとまった一つの生命体を維持し、活動させる具体的な構造はどのような仕組みによって支えられているのだろうか?
単細胞から多細胞への進化の過程を遡る事で、その仕組みが少しづつ解明されている。
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  投稿者 kawait | 2007-10-13 | Posted in 未分類 | 2 Comments »