2007-10-24

安定して変異体を作り出す減数分裂→有性生殖システムが進化を促進した

07/10/21(日)のなんでや劇場<生物史から学ぶ自然の摂理④
有性生殖への道のり2>
のおさらいレポートをこれから3回に分けてお送りします。今日はその1回目、減数分裂の意味です。

世界には多種多様な生物がいます。この多様性を生み出しているのは、環境(≒外圧)の変化への適応の戦略・方法の違いといえます。DNA(≒遺伝子)の組み換えにより多様な同類他者(非自己)を作り出すことで、環境(≒外圧)に適応し続けてきました。
DNAの修復と組み替えが、生物の進化を推し進める原動力です。次代の子孫を残す際に必ず発生する『分裂』の時の、DNAの修復と組み換えが進化の源泉です。

初期生物は単純分裂でしか次代に子孫を残す事はできません。ランダムに発生する突然変異でだけ、変異体を次代に子孫を残す事ができます。

この後の真核単細胞生物では、単純分裂だけではなく、「減数分裂」と「接合(受精)」によって、同類他者=変異体を「確実」に、かつ「安定」して生み出すことに成功しました。意図的に「安定」的な「変異」をつくり出すシステム=有性生殖システムを生み出したのです。この減数分裂(と接合)の仕組みが、その後の多細胞生物への進化に決定的な位置を占めています。

それを細かく見ていきましょう。

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(なんでや劇場資料28を編集)


上図のように、原核生物では1セットのDNAを2倍に、つまり2セットにした後、分裂する「単純分裂」で次代に子孫を残します。単純分裂で発生する変異体は、紫外線などによるDNAの損傷によるものか、分裂時の突然変異のどちらかによるものです。

(なんでや劇場資料28を編集)


普段、1倍体(n)単細胞状態で動き回っている生物は、単純分裂によって子孫を残し(≒数を増やし)ています。しかし、周囲の環境が変化し飢餓状態に陥ると同種の1倍体単細胞生物と「接合」し、一種の冬眠状態に入ります。再び周囲の栄養状態が良くなると、「減数分裂」により、4匹の1倍体単細胞生物に戻って、動き始めます。この減数分裂時に遺伝子の組み換えが発生するので、元の2匹と全く同じものは誕生しません。4匹とも全て変異体です。これは、環境の変化に対して、必ず変異体を作り出す仕組みを獲得したことを意味します。

(なんでや劇場資料28を編集)


この後、2倍体(2n)の状態で動き回る単細胞生物が発生します。現存するものではゾウリムシなどが当たります。この2倍体単細胞生物は、通常状態では単純分裂によって子孫を残し(≒増殖し)ます。しかし、これだけだと安定的に変異体を作り出すことができません。そこで、減数分裂により1倍体細胞を作り出し、同種で別の細胞から発生した1倍体細胞と接合することで、次世代の2倍体単細胞生物となります。
(※ここで、上二つの図を見比べると、右側は全く同じサイクルで、スタートの位置がズレているだけです。”通常状態”が1nか2nかを分けています。)
この2倍体単細胞生物の中から、多細胞生物が生まれます。この多細胞生物は、上図の左側の単純分裂の仕組みを子孫を残すためではなく「体細胞を作り出すためだけ」に使います。また、右側の減数分裂は「子孫を残すためだけ=受精卵を作り出すためだけ」に使われます。

次回はこの減数分裂が多細胞生物を生み出す大きな動因となった理由についてお送りします。

ないとう@なんで屋でした。

List    投稿者 tnaito | 2007-10-24 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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