2008-09-14
原核生物の染色体分配に用いられる細胞骨格
原核生物の細胞分裂の解明に取り組んできていますが、今日はMreBについて紹介します。
原核生物の細胞骨格はチューブリンの原型と思われるFtsZ、アクチンの原型がMreBと考えられています。(FtsZは当ブログ「分裂形成を担うZリング(タンパク質集合体)」で詳しく紹介されています。)
白いらせんがMreB
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酵素の基本理解
こんにちわarincoです。zakkyさんに引き続き酵素について投稿したいと思います。
今回はちょっと立ち戻って酵素の基本的な仕組みを紹介します。酵素という言葉は僕たちの日常でも色々な所で出てきますよね。洗剤の酵素パワー等は身近な事例です。
その仕組み、知っていると言う方も、そうでない方もぽちっと押して読んでみて下さいな。
酵素が化学反応を触媒するしくみ
>分子生物学のことを勉強すると、至るところで「タンパク質」に出くわし、その機能の多様さに驚きを禁じ得ません…
「「タンパク質の一生・・・・生命活動の裏舞台」を読んで
」より
びんさんの言うとおり、タンパク質って、生物にとって欠かせない様々なはたらき を担っています。
洗剤などでおなじみの分解酵素もその一つ。汚れ を溶かして洗濯物 が真っ白けっけ になる魔法 くらいにしか思っていませんでしたが、今回はそこはもう少し科学的にみてみたいと思います。
今日は、リゾチームという酵素の働きをみながら、酵素タンパク質の持つ“かたち”が、どうやって物質の反応に関わっているのか、紹介します!
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「タンパク質の一生・・・・生命活動の裏舞台」を読んで(2)
前回 のつづきです。
◆分子シャペロンは「ゆりかご」とは?
分子シャペロン が必要なことの最大の理由は、サイトゾルの大部分が水であることによります。前述のとおり、疎水性アミノ酸クラスター同士が集まったり、直ぐ近くのリブソームで作られている別のポリペプチドの疎水性アミノ酸クラスターと結合してミスホールドしかねないということなります。
また、ミスフォールドしたタンパク質は、疎水性のクラスターが外側に露出しやすいので、別のミスフォールドしたタンパク質と分子間の集合を作ってしまう(=タンパク質の凝集)。
それというのも、細胞内の、たんぱく質などの分子の濃度はきわめて高く、「細胞の中はジャングルである:月田承一郎」からです。
一人前のタンパク質に育てるためには、廻りから隔離して、順調に然るべき構造を形成するようにしてやる必要があるので、「ゆりかご」だというわけです。合点!
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「タンパク質の一生・・・・生命活動の裏舞台」を読んで(1)
分子生物学のことを勉強すると、至るところで「タンパク質」に出くわし、その機
能の多様さに驚きを禁じ得ませんが、「何者であるか?」を知りたくて「タンパク
質の一生――生命活動の裏舞台」(永田和宏著 岩波新書)を読みました。
益々謎が深まる感もしないではありませんが、そのレポートをしてみます。
●タンパク質の基礎情報
動物生体の構成成分は、生重量で水(67%)、タンパク質(15%)、脂質(13%)、無機質(3%)、淡水化物・核酸・その他(2%)といわれます。
タンパク質は生体内に多量に存在し、細胞の構成成分であり、代謝の反応と調整の主役です。その無限に近い多様性と変幻自在な構造が、生物の多様性と常に変化する生命現象を支えています。
ヒトは、約10万種類のタンパク質を持つといいいます。その主だった働きとかかわるタンパク質は、ざっとあげてみても、◆〔構造〕細胞や個体の構造物をつくる、コラーゲン、ヒストン、ケラチンなど。◆〔酵素〕生体内で触媒として化学反応を進める、アミラーゼ、キモトリプシン、DNAポリメラーゼなど。◆〔運動〕生物の運動や構造の変化を起こす、アクチン、ミオシン、チューブリンなど。◆〔輸送〕特定の物質と結合してからだの各部へと輸送する、キネシン、ヘモグロビン、ナトリウムポンプなど。◆〔防御〕免疫として生体防御に働く、免疫グロブリン(群)、主要組織適合性抗原複合体、フィブリンなど。◆〔ホルモン〕情報を伝達する、インスリン、成長ホルモンなど。◆〔受容体〕特定の物質と結合して細胞内部に情報を伝達する、成長ホルモン受容体、アセチルコリン受容体など。◆〔調整〕特定の物質と結合して様々な生命活動を調整する、リプレッサーなど。◆〔栄養貯蔵〕胚やからだの成長に利用される、アルブミンなど。
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分裂形成を担うZリング(タンパク質集合体)
09月05日の記事、「原核細胞の分裂」で紹介された分裂行為の役割を担う、【FtsZタンパク質】で構成されたZリングについて書きたいと思います。
>DNA複製が終了し、新DNAの一方が、膜結合型DNA転位酵素(=FtsK)被膜を通過すると、真核生物のチューブリン(=管状繊維束)と似たタンパク質(=FtsZ)が、細胞中央部で働き始めます。FtsZは収縮環を形成し、リング状に絞り込むような動きで、細胞中央部にくびれを生じさせ、細胞間隔壁をつくり分裂します。
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進化系統樹作成の根拠となっているDNA解析ってどの程度あてになるの?
ひきつづき雅無乱です。
前のエントリーで、進化系統樹の根拠となっているDNA解析の基本概念を押さえなおしたが、よくよく考えてみると疑問も多々浮かんでくる。
ヒトと類人猿の分岐は、研究者の間でも世間でも関心が高かったので、様々な分子で研究され、そこで確認された値がほとんど一致したので、ほぼ正しいと言われている。
確かに、地質年代を測定する様々な手法(放射年代測定など)と化石や地層での分析により、何重にもチェックされている…と研究者は胸を張っているらしいのだが、全てはその解析の前提になっている「分子変化率は一定」(100万年に2%~4%で突然変異が起こる、というのが定説)という仮説の上での計算であって、本来ならその分子変化率が一定かどうかを別に立証しなくてはならない。
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進化系統樹作成の根拠となっているDNA解析ってどんな手法?根拠は何?
どうも、雅無乱です。
先月のエントリー“現代人は、たった15万年前にアフリカにいたわずか数千の母集団から始まった”の議論の根拠となっている、遺跡から発掘される人骨から抽出したDNAを解析して系統樹を作成する手法について、「いったいどんな手法?」「どんな考え方?」「系統樹をつくれる根拠は?」「それってホントにあてになるの?(科学的なの?)」という質問を受けたので、あらためて調べてみた。
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原核生物の細胞分裂
画像はコチラからお借りしました。
生命定義の一つに「自己複製」があります。細胞分裂は、その壮大なテーマの重要な要素。原核生物の細胞分裂は、まだ未解明な点が多いようですが、現在わかっている内容をまとめてみたいと思います。原核生物は、非常に種が多く、多岐に進化しているため、一番研究が進んでいる大腸菌ではじめます。
イントロンの起源について、ある仮説より
イントロンの起源に入る前に前に、まず、今まで調べた中で、イントロンの役割及びメリットを整理してみます。
○イントロンから核小体低分子RNA(snoRNA)が生まれる。(リンク)
これは、驚きでした
○遺伝子組み換え時にアミノ酸配列情報が壊される確率が下がる。
イントロン部分で遺伝子組み換えが起こると、もとのアミノ酸配列は破壊されない。
○多くのタンパク質合成を可能としている。
選択的スプライシングが可能であり、エキソンの組み合わせにより多くのタンパク質の
合成が可能。
○結果的に、トランスポゾンやウイルスの侵入からDNAを守っている。
タンパク質合成に直接関係しないイントロンが多くあることにより、レトロトランスポゾンや
外部から侵入 するウイルスによるタンパク質合成情報の破壊確率が低下する。(以上、リンク)
では、イントロンは、どのように真核生物の中に入ってきたのでしょうか?
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