2007-07-16

ホルモンによる情報伝達

細胞間では、どのように情報が伝達されるのでしょうか?
細胞同士が情報伝達する方法はいくつかありますが、代表的な方法をみてみると、
①細胞同士がジャンクションで接続し、小さな分子が直接そのジャンクションを通過する。
②細胞膜の膜タンパク質を接触させて、情報交換する。
③細胞が信号となる分子を放出する。

以上の3つがあるようです 🙄
さらに③の分子を放出し情報伝達する方法を細かく分類すると、情報を伝達する範囲によって
・細胞の一部が特殊化した軸索の末端から放出され、ごく狭い範囲に効果を及ぼす方法。
・細胞の周囲の体液中に分泌され、比較的狭い範囲に効果を及ぼす方法。
・細胞から血管系に放出され、体中に効果を及ぼす方法。

以上3つの方法があります。これらの内分泌系の情報伝達には、ホルモンが使われています。
今日は、細胞でのホルモンによる情報伝達がどのように行なわれているか調べてみました。
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  投稿者 yooten | 2007-07-16 | Posted in 未分類 | No Comments » 

レジオネラ属菌は、二重(ふたえ)の膜に防護されている?!

レジオネラ症は、日本でも2000年頃から温泉施設や循環式24時間風呂などを感染源とするものとして、頻繁にニュースに取り上げられてきました。塩素耐性のないレジオネラ属菌なのに、ずっと猛威をふるっているのは、なんで? に関する答えが見えたので、その情報を抜粋してみます。(出典:*1

[レジオネラ症の発生報告数]
2002年~2004年の3年間で平均158(例/1年間)
2002年:295名が感染(疑いを含む)うち7名が死亡
      宮崎県の大型入浴施設を感染源とする集団感染事故
2005年:280例
2006年:303例(8/20現在)
患者報告数は年々増加傾向にある。
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写真:レジオネラニューモフィラの電顕像(出典:*1
 レジオネラ属菌は0.3~0.9×2~20μmの好気性グラム陰性桿菌(写真1)で、淡水や土壌中に広く生息しています。環境中では特に、循環式浴槽水、冷却塔水、加湿器、給湯水、噴水などの人工的な水環境から高率に検出されています
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 レジオネラ症は健康な成人が発症することはまれで、高齢者や乳幼児、基礎疾患を有する人など免疫機能が低下している人に発症がみられます。ヒトからヒトへの感染はありません。
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 レジオネラ属菌は浴槽水で通常使用する塩素濃度で死滅しますが、アメーバ内に寄生するレジオネラ属菌は外界から守られた状態にあるため、塩素などの薬剤は十分には効果を発揮することができません。さらに、宿主となるアメーバ自身は塩素などの消毒剤に強い耐性を持つため死滅しません。アメーバは浴槽環境中で、ぬめり(バイオフィルム)などに特に高率に存在しています。そのため、定期的な清掃、消毒によりバイオフィルムを除去し、レジオネラ属菌汚染の背景にある宿主となるアメーバを浴槽水中に定着させないことがレジオネラ属菌対策を行う上でとても重要となっています。(出典:*1

ということです。レジオネラ属菌が、なぜ塩素滅菌環境の温水循環系においても存在できるのか疑問に思っていましたが、少しずつ見えてきました。
後半に行く前に、よろしくお願いします
                  
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  投稿者 staff | 2007-07-13 | Posted in 未分類 | No Comments » 

脅威の「膜」機能

ないとうさんが「膜タンパクこそ最初の認識機能 膜タンパクの様々な働き」で細胞膜(膜タンパク)について詳しい投稿をしてくれていますが、今回は、細胞内外における「膜」の働きについて調べてみました。
その名もメンブレン・トラフィックです。
 このメンブレン・トラフィックは、膜融合型輸送とも呼ばれており、「膜の分裂や融合により、細胞膜とオルガネラ※の間、あるいはオルガネラ同士の間で分子(たんぱく質や脂質)が移動する過程」の事を言います。たんぱく質といえば、最近の投稿でもあるように私達の身体には無くてはならないもの。なんと!細胞膜間の移動だけでなく細胞間、細胞内の移動にも膜が関わっていたのです!恐るべし、膜機能
※オルガネラについてはこちらを参照 :真核細胞の細胞内小器官の機能と構造 メモhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=155364    
 私達の身体の中の細胞が正常に働くためには,新たに合成された様々なたんぱく質が前述の細胞内小器官に正しく運ばれなければなりません。それが妨げられると・・・・・種々の遺伝病の原因となってしまいます。 😥 また、ウイルス、細菌などの細胞内寄生体には,このメンブレン・トラフィックを利用して侵入するものや免疫機構に必要なたんぱく質の輸送を妨げることにより免疫系を逃れるものもいるそうです。
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            メンブレントラフィックの種類 メンブレン・トラフィック入門より
要するに、私達の身体は、このメンブレン・トラフィックは欠かせないというわけです。
さて、このメンブレン・トラフィックの仕組はいかに!?
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  投稿者 arinco | 2007-07-12 | Posted in 未分類 | 4 Comments » 

脂質から細胞の機能メカニズムを解明する

細胞膜の秘密に迫る研究が理化学研究所で行われています。今日は、理研NEWS2003年4月号から「最先端研究の現場」の紹介です。
http://www.riken.jp/r-world/info/release/news/2003/apr/index.html
>私たちの体を作る物質で、水、タンパク質の次に多いのが脂質である。脂質には、エネルギー源となる脂肪や、細胞膜などの生体膜の主成分であるリン脂質が含まれる。このリン脂質をはじめ脂質は数千種類にも上るが、人工的に膜を再現するなら、たった1種類の脂質でも可能である。では生体膜にはなぜ数千種類もの脂質が必要なのか? 「生体膜ではさまざまな種類の脂質が集まって、それぞれドメイン(領域)を作り、細胞の機能に重要な役割を果たしていることが分かってきました。
>「細胞膜ができた時が生命が誕生した時だと言っても言い過ぎではないと思います」と小林チームリーダーは語る。・・・細胞膜で囲まれていて内側と外側が仕切られていることが、少なくとも生命にとって必要な条件であるといえる。では、なぜ細胞膜は内側と外側を仕切ることができるのか? 細胞膜の主成分はリン脂質である。リン脂質など膜を作る脂質分子には、水になじむ親水性の頭部と水を避ける疎水性の尾部があって、2つの脂質分子が疎水性の尾部で向き合い、親水性の頭部を細胞の内側と外側に向ける形で二重膜を作る。このように親水性の層の間に疎水性の層を挟み込んだ脂質二重膜構造により、細胞膜は内側と外側を仕切ることができるのだ。
>しかし脂質二重膜は、細胞に必要な物や情報を取り入れたり、不要なものを外に出したりすることができない。物の輸送や情報伝達は、脂質二重膜に埋め込まれたタンパク質がつかさどっている。
この内外の仕切り役としての脂質と、内外の渡し役としてのタンパク質という構造は、ここ数回、紹介されていますので、もう皆さんお分かりだと思います。しかし、脂質は単に固定的なものではなく、実は液晶のように半固体半液体状態を保っていて流動しており、その流動性がタンパク質による物質輸送を活性化させているということが判ってきたのです!
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  投稿者 yama3 | 2007-07-11 | Posted in 未分類 | No Comments » 

光合成生物の進化の過程を示す、貴重な事例発見!!

>『膜を形成することで、好気性細菌(ミトコンドリア)、葉緑体(シアノバクテリア)小胞体(原始真核細胞)などを取り込むことが可能となった』という諸説と整合する。
2007年06月21日 第79回なんで屋劇場「生物から学ぶ自然の摂理」メモより)

別の生物を自分の中に取り込んじゃうってどういうこと~ ??
そんなことできるのかしら ???…と思ったのは、私だけではないはず。
ところが、この「別の生物を取り込んで新たな機能を獲得⇒進化」
を裏付けるような生物が、ほんとうにいるそうです!!
朝日新聞「be on Sunday」2007年7月8日に掲載の
「日曜ナントカ学2」に載っていましたので、引用して紹介しますね☆
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  投稿者 zakky | 2007-07-10 | Posted in 未分類 | No Comments » 

飢餓外圧への適応、同類合体(接合)及び生殖の登場

久しぶりのエントリーです。
「二倍体の登場」と重複しますが、真核生物段階で、外圧の高まりに対し、同類が合体することで外圧を凌ぐ過程から、生殖と二倍体真核生物が登場したという展開をしている研究者が、団まりな女史である。
「生物の複雑さを読む・階層性の生物学」(団まりな著、1996年2月平凡社発行)から、栄養飢餓状態から接合による二倍体の登場、一倍体・二倍体の両生活サイクルをもつ場合の栄養飢餓状態と接合・減数分裂を紹介します。

まずは、一倍体真核生物、クラミドモナスの接合

有性生殖は、しばしば外部環境の寒冷化や、乾燥や、栄養源の枯渇などの悪条件と結びづいて起こる。この点に着目したのJones(R.F.Jones)は、クラミドモナスの同調培養の系から窒素源だけを取り除いてみた。温度も光もその他の栄養源もすべて同じ条件で、窒素源だけなくなった刺激に遭遇して、クラミドモナスたちは数時間以内にいっせいに接合してしまった。窒素源がないことは、たんぱく質を作る素材がないことを意味する。温度の低下も、乾燥も、結局は化学反応過程(代謝)を抑えるのであるが、体制の簡単なクラミドモナスたちのこの明解な反応は、細胞がたんぱく質合成の障害にいかに敏感であるかを物語っている。

接合してディプロイド(二倍体)となったクラミドモナスたちは、さっそく固い殻を分泌し閉じこもってしまう(図4-1)。二匹が協力して悪循環に耐えるためと考えられる。当初の原始的な接合過程では、細胞たちは核まで融合させず、二核のままとどまったかも知れない(メイナード・スミス、1978年・性の進化:マーギリス&セーガン、1986年・性の起源:佐藤七郎、細胞進化論・1988年)。必ず同種の細胞同士が接合したか、また、いつも必ず二匹であったかどうかも分からない。当時のハプロイド細胞(一倍体細胞)は、まだ出現して間もなく、原核細胞時代の融合の記憶も新しかったであろうし、お互いの識別能力もまだ十分に発達していなかったと考えられる。かなり無差別に融合できた可能性がある。

いずれにせよ、たんぱく質合成が脅かされる環境下で二匹(以上?)が細胞質を出し合って協力することは、単独で休眠するそれまでのやり方に比べて、微小な生物たちの生き延びるチャンスを拡大したに違いない。

こうして生き続けていくうちに細胞メカニズムも次第に洗練され、同種の細胞を確実に見分け、染色体を混合するかたちでの接合が定着したのであろう。そしてついには接合を支配する遺伝的メカニズム(雄雌)が出来上がっていったと考えられる。

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同書の<図4-1 クラミドモナスの生活環>から転載

ふだんハプロイド状態で栄養生活を営んでいるが、外気の冷却、乾燥、栄養源の枯渇などの環境条件の悪化に対応して二匹が合体(接合)してディプロイド状態に変わる。しかし、こうして生じたディプロイド細胞(接合子)は、直ちに硬い殻を分泌して閉じこもってしまい、その状態で環境条件の改善を待つ。そして、環境条件が良くなると、彼等は殻の中で減数分裂を行ない、四匹のハプロイド細胞となって殻を破り、ふたたび外に出て栄養活動を再開する。

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  投稿者 leonrosa | 2007-07-09 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

有性生殖と遺伝子の多様性

mimov2.gif減数分裂動画(東京医科大学Genetics Study Groupより)
これまで見てきたように、生物が増える方法には無性生殖と有性生殖があります。無性生殖の場合は単純にもとの細胞のコピーを作る体細胞分裂により行われており、有性生殖は多様な変異をもった新たな子孫を生む生殖細胞をつくる減数分裂という過程を経て行われています。
同じ細胞分裂という名前ですが、そのときに遺伝情報を担っている染色体がどの様な動きをしているかを見ると大きな違いがあります。そこに生命の多様性の秘密があります。
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  投稿者 nodayuji | 2007-07-07 | Posted in ①進化・適応の原理1 Comment » 

ゾウリムシの不思議

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※『ゾウリムシ』図版引用元:水中微小生物図鑑

今日は、有性生殖へのあゆみのなかで、変わり者の生物ゾウリムシについてです
ゾウリムシはその名のとおり、草履のような形をした原生生物(真核単細胞生物)です。

ゾウリムシは、基本的には細胞分裂=無性生殖によってどんどん増え、遺伝的に全く同じ個体のクローン集団を作ります。しかしある程度分裂をくり返すと、それ以上分裂できなくなり、すべての細胞が死滅してしまうそうです。
(分裂回数は種類にもよるが、約700回程度が限界といわれている)

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  投稿者 iwaiy | 2007-07-06 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

有性生殖のあゆみ

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※『アオミドロ』図版引用元:理科ネットワーク 素材リスト

大腸菌や酵母菌って不思議な生き物ですね(生物の世界って奥が深い・・・
さて本日は、無性生殖から有性生殖へのあゆみについてです 🙄
有性生殖とは・・・からだの一部に生殖細胞(配偶子)ができ、2つの配偶子の合体によってできた細胞から新個体ができる生殖法。動物(ヒト含む)の受精はもちろん有性生殖です。

有性生殖(→雌雄分化)は、生物史上の画期的大進化であり、その後の生物多様性と進化を推進する、極めて重要なしくみとなりました。  

この有性生殖の原初的形態は藻類の接合あたりにあると考えられています。

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  投稿者 iwaiy | 2007-07-05 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

酵母菌の不思議

今回は、前回の大腸菌に引き続き、酵母菌の生殖について、詳しく扱ってみます。 🙂
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<ウィキペディアより引用 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%85%B5%E6%AF%8D>
酵母菌は、基本的には単細胞真核微生物(菌類)で、運動性はなく、細胞壁を持っている。光合成能力は無く、栄養は外部の有機物を分解吸収することによる。形態的には特徴の少ない円形か楕円形をしています。
これらは、出芽または分裂によって増える。また、それによって増殖した細胞が、互いに不完全にくっついて樹枝状を呈する場合もあるそうです。
遺伝学の対象として使われる代表的な種として、 『出芽酵母』 (パンやビール、ワインの醸造に利用される)と、 『分裂酵母』があります。
両者は同じ酵母とは言っても、進化的には大変にかけ離れた存在で、出芽で増える出芽酵母に対して、分裂酵母は隔壁形成による2分裂で増殖するのです。
ちなみに分裂酵母は、出芽酵母とは3~4億年以上前に分化したと考えられ、これは分裂酵母を動物との違いに比べられるほど大きな差と言われています。
今回は、酵母菌の中でも、 『分裂酵母』について、詳しく扱ってみます。
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  投稿者 marlboro | 2007-07-04 | Posted in 未分類 | No Comments »