2007-07-16

ホルモンによる情報伝達

細胞間では、どのように情報が伝達されるのでしょうか?
細胞同士が情報伝達する方法はいくつかありますが、代表的な方法をみてみると、
①細胞同士がジャンクションで接続し、小さな分子が直接そのジャンクションを通過する。
②細胞膜の膜タンパク質を接触させて、情報交換する。
③細胞が信号となる分子を放出する。

以上の3つがあるようです 🙄
さらに③の分子を放出し情報伝達する方法を細かく分類すると、情報を伝達する範囲によって
・細胞の一部が特殊化した軸索の末端から放出され、ごく狭い範囲に効果を及ぼす方法。
・細胞の周囲の体液中に分泌され、比較的狭い範囲に効果を及ぼす方法。
・細胞から血管系に放出され、体中に効果を及ぼす方法。

以上3つの方法があります。これらの内分泌系の情報伝達には、ホルモンが使われています。
今日は、細胞でのホルモンによる情報伝達がどのように行なわれているか調べてみました。
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●細胞の受容体(アンテナ)とホルモン
細胞は、ホルモンからの信号を受ける受容体(アンテナ)を持っています。
その受容体は、細胞膜にある受容体と細胞内にある受容体に分かれます。
また、信号となるホルモンにも様々な種類があり、あるホルモンに反応する細胞も決まっています。このような細胞をそのホルモンに対する標的細胞と呼びます。
細胞段階で高度な認識機能を持っているんですね 🙄

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(上記図は、こちらからお借りしました。)

分子の大きな水溶性のペプチド系のホルモンは、細胞膜の受容体に結合し、その情報を細胞内の反応のリレーによって伝えます(上図左側)。
分子の小さな脂溶性のステロイドホルモン等は、細胞膜を通過して直接、核・細胞内の受容体と結合し情報を伝えます(上図右側)
受容体と結合して核に運ばれた情報は、核内で遺伝子群の発現を促します。遺伝子群の発現により、メッセンジャーRNA(mRNA)が、DNAの情報を読みとり、核から細胞質へ出てリボゾームで新しいタンパク質の合成を始めます。
●ホルモンの種類
ホルモンの種類について、もう少し詳細に見てみましょう。
 日本内分泌学会 が分かりやすかったので紹介します。
ペプチドホルモン

成長を促す成長ホルモンや血糖をさげるインスリンなど大部分のホルモンのほかリンパ球などに作用するサイトカインもこの仲間。
多くは、栄養素の1つ、タンパク質のもとになるアミノ酸が数個から百個以上つながっ形のペプチドというものから出来ています。たとえば、血液中のブドウ糖、血糖を下げるホルモンとしてインスリンがあります。子どもさんの成長をうながす成長ホルモンもこの中にはいります。

 
ペプチド系ホルモンは水溶性です。これらのホルモンは,細胞膜に存在する受容体と結合して作用を発揮します。
ステロイドホルモン

副腎皮質ホルモン、性腺ホルモン、ビタミンD3など
血液中のコレステロールを材料として、副腎や卵巣・睾丸などでステロイドホルモンがつくられます。膠原病や免疫の病気、気管支喘息、湿疹などの治療に使われる副腎皮質ステロイドホルモンは、この合成品にあたります。血液中のカルシウム量や骨の量を調節するビタミンであるVitD3も、口からとったビタミンのもとから加工されて体の中でつくられます。

ステロイド系ホルモンは、脂溶性です。脂溶性ホルモンや脂溶性ビタミンなどは細胞膜を自由に通過し,標的遺伝子の転写を制御する核の受容体(グルココルチコイドのみ細胞質受容体)に結合します。受容体は,転写制御因子を兼ねているので,特定の遺伝子の転写を促進します。
 
アミノ酸誘導体:神経伝達物質

副腎髄質ホルモン:アドレナリン、ノルアドレナリン、甲状腺ホルモン
副腎髄質ホルモンはアミンの仲間で、アドレナリン、ノルアドレナリンという名前がついています。この他にも、免疫を担当する血液細胞であるリンパ球にはたらくサイトカインなども広い意味でホルモンに入ります。

これらは、脳内等の神経の情報伝達物質としてこのブログでも、よく紹介されています。
●環境ホルモン(内分泌撹乱物質)ってなんだったんでしょう?
最後に、以前テレビ等で環境ホルモンが話題になりましたが、この環境ホルモンとは、どんな仕組みで人体に悪影響を及ぼすと言われてたのでしょうか?

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環境ホルモンは、細胞内に入り込み受容体に対してホルモンと同じような働きをする。
不必要な時に遺伝子群を発現させタンパク質を合成したり、正常ホルモンの働きを阻害して必要な時にタンパク質合成を遮断したりする。その結果、不要なものが過剰にできたり、必要なものが不足したり、生体の正常な機能が果たせなくなる。
環境ホルモンそのものの特定については、いろいろ問題があります。
参照:環境問題の本質は事実が闇の中という問題。(環境ホルモンの事例から)
受容体とホルモンの関係から、上記仕組みは納得はできるのですが、はたして人体に入った化学物質が、そのままで正常ホルモンと同じような動きをするのか?標的細胞をどう定めるのか?疑問はつきません。このあたりの事実はどうなんでしょう?
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List    投稿者 yooten | 2007-07-16 | Posted in 未分類 | No Comments » 

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