2014-12-21

【放射性物質を無害化する微生物vol.5】~乳癌の発生状況から見る内部被爆の日米比較~

【放射性物質を無害化する微生物vol.1】~放射性物質を吸収する微生物編~
【放射性物質を無害化する微生物vol.2】~放射性物質を分解する微生物編~
【放射性物質を無害化する微生物vol.3】~原爆と原発の違いと放射能耐性微生物の効果~
【放射性物質を無害化する微生物vol.4】~放射性物質による被害~

これまで、地球の誕生から現在までの環境を作ってきた微生物の活動を、様々な事例を基に見てきました。現在我々が直面している放射線の問題も、この微生物が鍵を握ることは明白です。

放射性物質の被害による発症の場合、症状が出るまで時間がかかるケースが多く、その相関も統計的に判断しなければなりませんが、多人数・長期間の調査が必要で、コストも多く、その調査は十分行われていないのが現状です。ですから、「どれだけ放射性物質を取り込んだら危険なのか?」はまったくの未知です。未知なので、だれも内部被曝の危険性については詳しく触れないでいるのが実態です。

今回は前回に引き続き放射性物質による人体への影響を、乳癌の発生状況から内部被爆の実態を日米比較という形で見ていこうと思います。

■許容範囲内の放射線量の原発付近で、乳癌が大量発生

では内部被曝の影響は小さいのではないのか?と思われるかもしれません。しかし、こんなデータもあります。アメリカの原発周辺では、乳がんでの死亡率がとても高い(乳がんは放射線の影響により発病する代表的な疾患です)。

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図の黒い部分は原発の100マイル(およそ160キロ)以内を示しています。1985~89年のアメリカの乳ガン死亡者のうち3分の2はその郡の住民である、との報告があります。面積にしてみれば、30%前後しかないんです。それなのに、乳がんでの死亡率が異常に高い。これは原発の影響と見て間違いないでしょう。(もちろん、日本でも原発増設にともない乳がん患者が増加しています。日本では沖縄や離島以外、全て”原発の近隣”なのです。)

このデータが示す本当の恐ろしさは・・・これら乳がんの死亡率が、「原発事故による健康被害ではない」ということです。定められた安全基準に従い、正常に運転された原発による影響なんです。これらの原発から放出された放射線が「一年間に浴びていい量」を超過したわけではありません。測定値は安全値を示しているのです。

ではなぜ乳がんが急増したのか?僕は内部被曝の影響と見ています。実は厳重に密閉していても、”「放射性廃棄物」の一部はどうしても原子炉外部へ出て行かざるを得ない”んです。外部被曝による健康被害が考えられない以上、内部被曝の影響と見るのが自然ですし、内部被曝は少量だろうと影響は大きいです。だから線量は安全度のあてにならないのです。

現在でも「線量は一年に浴びていい値の何百分の一だから安心しろ」という論調がありますが、これは内部被曝を全く度外視した乱暴な意見なんです。

『マスコミは決して語らない、内部被爆の危険性』より引用。

内部被爆は外部被爆より明らかに人体への影響が大きい。内部被爆に関する基礎情報を整理する必要性があります。

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■日本での乳癌発症状況

2002年に私は統計学者のJ.M.グールドに倣い、日本に52基ある原子力発電所ではどのようなことになっているのか、調べてみた。ところが日本全土が原発を中心にして100マイルの円を描くとすっぽり入ってしまい、原発のある県とない県を比較することができなかった。

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同時に、戦後50年間(1950~2000年)の日本女性の全国及び各県別の乳癌死亡数をグラフ化し、次の事実が明らかになった。(死者数は10万対)

1)全国死者数は1950年の1.7人から2000年の7.3人まで一定の勾配で右上がりに上昇し、4.3倍になっている。

2)1997~1999年の3年間は、青森県15人、岩手県13人、秋田県13人、山形県13人、茨城県14人、新潟県12人と、六県の乳癌死者数が12~15 人と突出して増加している。

3)次に気象庁の放射性降下物定点観測所(全国12ヶ所)におけるセシウム137の降下線量(1960~1998年)を調べた。降下量が増加しているのはつぎの通りである。

  a  第1期(1961~1963年)米ソ英仏が頻回に大気圏核実験を行った時期。

  b  第2期(1964~1981年)1963年に大気圏核実験禁止条約発効で実験が中止,代わって中国が1964から核実験開始。セシウム137はわずかに増加。

  c  第3期(1968~1986年[チェルノブイリ事故の年])秋田観測所でのセシウム137が単年度に極端に増加した

4)秋田観測所でセシウム137の降下量が著明に増加しているのは1986年だけである。原子力発電所運転管理年報によれば、この年には国内の原発にはどこも大きな事故の報告はなく、県別乳癌死者数分布図(図9、略)から推定して、1986年のチェルノブイリ原発事故から放出された放射性物質が死の灰の雲となって日本の東北部に濃厚に降下したものと考えられる。

5)2の東北四県と茨城、新潟両県の乳癌死亡の異様な増加は3-cの1986年、秋田観測所が観測したセシウム137の異常増加のちょうど10~12年後に起こっている。これは1996年~1998年にセシウム137をふくむ空気、飲料水を摂取した上記六県の女性が、乳癌を発病して死亡するまでの平均時間に一致している。当該県民の医療知識水準と医療機関の状況からみて、乳癌死亡の高騰とセシウム137の大量降下の間にきわめて高い相関があるものと推定される。

6)もちろん、これだけのデータだけで上記六県の乳癌死亡増加の原因がチェルノブイリ原発からの放射線であると断定することはできないが、しかし、かなり広範な地域に大量の死者を出す原因は、地理的な関係から大気汚染以外に考えられず、欧州各国の大量の乳児に甲状腺癌を発生させたチェルノブイリの死の灰の存在を有力な犯人と推定せざるを得ない。

くり返すが、これだけのデータでは「上記の県の乳癌死亡の原因がチェルノブイリ原発からの放射線である」と断定はできないが、低線量内部被曝の危険性を知るうえでの、一つの参考資料とはなり得ると考える。つまり、当時は言及されることのなかった、微量な放射性物質の内部被曝が10~12年かかって現れたといえるからだ。

一方、世界的に乳癌は急激に増えている。日本では25人から30人に一人という発症率で毎年3万5000人の女性がこの癌にかかるといわれている。30歳以上の女性の死因の一位となり、年間に9600人が亡くなる。40年前の6倍になっている。欧米では8人に一人の女性が乳癌となり、年間37万人が亡くなる。つまり、90秒に一人亡くなる計算だ。この乳癌増加の影に世界規模の内部被曝が影響を与えているのではないだろうか。

『「内部被曝の脅威」(肥田 舜太郎、鎌仲ひとみ著)より~乳がん死亡増加の原因の隠蔽~の紹介』より引用。

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原子力発電における乳癌の発生状況から内部被爆の実態を日米比較で見てきました。原子力発電の危険性と実態が掴みきれていない内部被爆ですが、実は恐ろしい実態が現実にはありそうです。内部被爆による発癌の構造は、放射線によって細胞死が生じさせないレベルで染色体DNA の鎖を切断し、遺伝子を損傷させることが原因だと一般的には言われていますが、そこには矛盾点も多々あります。その実態を抑えるためには、癌の原因構造を探る必要があります。今後、癌化の原因構造を抑え、食生活を含めた対策を考えていきたいと思います。

 

List    投稿者 若林 | 2014-12-21 | Posted in ⑩微生物の世界, ⑪福島原発問題1 Comment » 

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コメント1件

 空弁者 | 2015.01.07 20:58

人工量って何でしょうか?

人口の間違いでしょうか?

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