2014-07-03

【放射性物質を無害化する微生物vol.1】~放射性物質を吸収する微生物編~

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かつて日本が経験した原爆投下による放射能地獄も、70年を経た現在、広島・長崎共に見事に復興を遂げています。放射性物質は半減期をもって徐々に安定した物質へと変化していく性質を持ち、その期間は途方もない年月を要するようです。しかし、広島・長崎のわずか数十年で放射性物質が減衰したという現象事実から、おそらく他の因果が深く関わっているという視点にたつ必要がありそうです。環境微生物学博士の高嶋康豪氏は、耐放射線微生物により放射性物質の除染・浄化・消失が出来ると強く提唱する方で、氏曰く、なんと広島・長崎の原爆投下時、この対策方法は当時国の機関が認め、その効果を実証していたようなのです。

広島・長崎での放射性物質の軽減消失については、昭和30年代初頭に大蔵省滝野川醸造試験所において、政府機関の科学者により連合軍の資料に基づき耐放射性細菌の微生物触媒による放射性物質、放射能の除染・浄化・消失が発表されています。

今日は、放射性物質を吸収する微生物を紹介したいと思います。地球上に無数に存在する微生物たちは、人間が生み出した科学技術や想像を遙かに超える営みを行っているようです。

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■放射線が飛び交う地球を微生物が現在のような環境に変えた

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地球は50億年前に誕生した惑星で、それから10億年後、つまり今から40億年前には微生物の誕生が確認されている。

最初はDNAを所有しない生命体が現生し、それがDNAを獲得したことで微生物(化学光合成細菌光合成細菌等)となり、この最初の微生物の誕生こそが、地球の生物界の原点であり、今日までの40億年間の生物の源である。

当時、地球の大気は600℃、大気中には酸素はなく、電子、熱エネルギー、放射線、γ線、X線が飛び交い、陸は鉱物マテリアル、無機物のみで有機物はほとんどなく、海は濃硫酸等々、今で言うエントロピー(汚染物質)の世界であった。

その時現生していた微生物群にとって、まさにこのエントロピー空間こそが快適な世界であった。今日までの40億年間のすべての生物界は、遺伝学的進化論においても、この原点の微生物群のDNA(遺伝子)が組み込まれており、それ以外の何ものでもないということをご認識、ご確認いただきたい。

なお、人間の生体内においても、約70%の水とともに約60兆の細胞と約100兆の微生物群が共存、共栄、共生している。また、南米のアマゾン川流域で、人間が片足を踏めば、その片足のスペース内には、地球上に存在する60億の人間より多くの数の微生物群が生存している。従って、地球生物界の微生物群の数は、天文学的数字を上回る大宇宙的規模であり、その生命活動と情報活動は、無限に等しい情報性とエネルギー性を共有している。なお、地球大陸の創生は、化学的風化の主人公であるすべての微生物であり、この肥沃な大地を創出したのである。

また、土壌微生物によって植物を生産し、また動物界等、全生物界においてすべての生命活動の司りは、この微生物群の共存、共栄、共生によるエネルギー活動と情報活動によって出来上がった世界である。

※『蘇生回帰の科学』①より引用。

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そんな過酷な環境で生命は誕生し、彼ら微生物はあらゆる物質やエネルギーを活かし、原生し進化して現在のような環境に変えていったのです。そういった過酷な環境から現代まで生き続ける微生物を研究をすることは、福島の放射能の除染・浄化も含め、これからの循環型の地球環境を考える上で、微生物は大きな可能性を秘めているのではないでしょうか?

 

■光合成菌が放射能物質を減らすメカニズム! 

光合成細菌(光合成を行う真正細菌の総称)の中でも活性が優れている「ロドバクター・スフェロイド」を利用した次世代の放射能除去技術を、広島国際学院大学の佐々木健教授が発見したとのことです。

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この除去技術は簡単に言ってしまうと、光合成細菌が持っている「重金属イオン吸着能力」を使って、放射能などの物質を集めて除去する技術です。私も詳しいことはよく分からないのですが、広島国際学院大学に設置されている「バイオ放射能研究所」で行われた実験調査によると、光合成細菌をビーズ状に丸めて固め、放射能に汚染されたヘドロの中に入れると、3日間で最大90%の放射性物質を除去することが出来たようです。
★佐々木健教授のバイオ技術を活用した放射性物質の除去のメカニズム
吸着
①光合成細菌を使って泥の中の放射性セシウムを回収する。
②光合成細菌の表面に放射性物質を磁石のように引き寄せる性質があり、プラス電気のセシウムを吸着する。
③細菌はカリウムを取り込んで生きるが、取り込まれる際に似たような動きをするセシウムも吸収したとみられる。
④光合成細菌の重金属イオン吸着能力は高く、1トンの水に含まれるCs・Srを速やかに吸着・除去している。
⑤細菌を混ぜた粒状物質は、乾燥して焼却すると容量は75分の1、重さは100分の1に減る。

セシウムは温度640度でガス化し拡散するが、500度以下なら拡散しない。

★ササケンプロジェクトのメリット

・常温常圧で、現地で除去作業ができる。
・汚染された土壌にも使える技術
・安全で低コストでなおかつ高効率に放射性物質を除染できる。
・使用後の光合成細菌ビーズは1/100以下に減容でき、焼却時に放射性物質は拡散しません。
・中間保管場所が少なくてすむ画期的な技術

★福島での実験内容

2012年9月に福島市内で採取したヘドロでの実験では、セシウムを約90%除染することに成功。福島市内の公立学校のプールからヘドロを採取し現地で実験。細菌90グラムをアルギン酸などに混ぜた粒状物質をビー玉大にし、濃縮したヘドロ50リットルに投入。 3日間の放射線量を計測した結果、実験開始前に毎時12.04~14.54マイクロシーベルトだった放射線量は同2.6~4.1マイクロシーベルトまで減少した。実験中、プール周辺では福島第1原発事故の影響で同1.2マイクロシーベルトの放射線量が測定されていたが、差し引くと最大89.4%の除去に成功した。

※『光合成菌は放射能物質を減らす!微生物の力を借りて放射能を無害化する方法』より引用。

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光合成菌は、もともと窒素固定、脱窒作用、硫化物の酸化などの働きをするため、臭気、汚水処理に用いられていますが、光合成菌は放射能を吸着するだけでなく、放射能を減少させ無害化させる可能性もあることが発見されたようです。今後、メカニズムの解明が期待されます。

 

■微生物・細菌による環境浄化作用

微生物・細菌を利用した環境浄化として現在最も期待される、放射性物質の除却。いくつか研究が進んでいるが、確実な有効性が確認されているものに「バイノス」と「Closterium moniliferum(ミカヅキモの一種)」がある。

○バイノス

北里研や東邦大学、山梨大学の分析では、バイノスは約20種類の放射性物質を細胞に取り込む性質がある。福島第1原発事故で問題となっているものと同等の高濃度汚染水1リットルに乾燥させたバイノス5グラムを投入すると、約10分でセシウムやヨウ素を40%、ストロンチウムを80%除去できる。放射性物質の種類によって、ゼオライトなどの5~20倍の量を吸着することも判明したという。

取り込んだ放射性物質は細胞外に溶け出さず、浄化後に脱水して水と放射性廃棄物を簡単に分離できる。ゼオライトを使う場合に比べ廃棄物量や処理コストも大幅に減らせる見通し。これらの作用の詳細なメカニズムは今後、解析を進める。

○Closterium moniliferum(ミカヅキモの一種)

アメリカのノースウェスタン大学の研究員たちはミカヅキモ(Closterium moniliferum)がストロンチウムを結晶化して隔離する事を発見しました。

この藻はバリウムを必要としますが、ストロンチウム90はバリウムとも構造が似ているので、その藻はストロ ンチウム90を吸い上げ結晶化するというわけです。そこで研究者達はバリウムと一緒に藻を汚染された地域にまくことでこのプロセスを加速させれば、ストロ ンチウムの除去ができるのではと考えたそうです。

藻が放射線に耐えられるかどうかなどの問題もありますが、この方法が成功すれば、1時間足らずでストロンチウムを除去することができ、コストと時間の大幅な節約になると期待されてます。

○ロドコッカス・エリスロポリス

この細菌はセシウム137を約10分の1まで、減少させることを国立環境研究所の冨岡典子主任研究員らのグループが、過去の研究で実証確認しているという。

何故、過去にその研究をしていたかというと、チェルノブイリ事故では当時、今程、高性能に放射能(放射線)を調べるモニタリング(監視)装置が無かった。そこで冨岡研究員は土壌に広く生息する放線菌の一種ロドコッカス・エリスロポリスという細菌がセシウム137の放射物質を吸収することを発見したことで、当初はそれによる微生物センサーの位置付けで土壌における放射能の吸収のモニタリング用としてしての転用可否の研究が主だったらしい。

超簡単に説明すると、この細菌の生命活動に必要なカリウムを水分から取り込む際のイオンのサイズが、水中に溶け込んだ放射物質のセシウムのイオンと似ていることで細菌がセシウムのイオンも細胞内に取り入れることを突き止めた。これを約10年掛けて研究されたスゴイ人なのだ。つまり細菌は勘違いしてセシウムを取り込むということになるらしい。

※『微生物・細菌による環境浄化作用①』より引用

※『微生物・細菌による環境浄化作用②』より引用

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吸着したり、取り込んだりした放射性物質はどのようになっていくのだろうか?結晶化とはどういった状態になっているのだろうか?非常に興味が沸きますね。

しかし、現在主流といわれる科学者達は「理論的にあり得ない」と真っ向から、こういった大半の現象を否定しています。しかしながら、本来科学というものは、眼前の自然現象に同化し、その背後にある法則を見出すことで、世界をより深く理解することにあります。

そして、微生物利用による放射線の低減という現象事実は確かに存在する訳ですから「理論的にあり得ない」という意見は、既存の理論を絶対視し、その理論から現象を解釈するという倒錯した世界の認識法になっています。このような、認識法は到底科学とよべるものではなく、新しい可能性を閉ざしてしまいます。

また、原発事故による放射線被害は、このような倒錯した認識を内包する現代科学が生み出したものですから、今こそ本来の科学認識法に回帰し、謙虚に微生物の営みに同化することで、放射線低減の可能性を探っていく必要があるのではないでしょうか?

 

・・・次回は、【放射性物質を無害化する微生物vol.2】~放射性物質を減少させる微生物編~をご紹介します。

List    投稿者 yidaki | 2014-07-03 | Posted in ⑩微生物の世界, ⑪福島原発問題2 Comments » 

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コメント2件

 サニナ | 2014.07.28 2:48

>原発事故による放射線被害は、このような倒錯した認識を内包する現代科学が生み出したものですから、今こそ本来の科学認識法に回帰し、謙虚に微生物の営みに同化することで、放射線低減の可能性を探っていく必要があるのではないでしょうか?

素晴らしいですね!
ブログに紹介させていただきます。

 ひろ | 2017.10.07 4:53

素晴らしい内容ですね。
書き留めていただいてありがとうございます。
参考になります。

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