2014-12-30

微生物の力~真似するべきか!?薬を作り出す微生~

放線菌

画像はこちらから(http://common.pref.akita.lg.jp/kagakukan/2f/nousan/3/menu2/c.html)

微生物は様々な力を持っています。腸内細菌は人間が食べた食事を分解し、人間にとって必要な成分を作り出します。それらを吸収することで人間は栄養素を得ることが出来ます。

又、酵母菌やイースト菌など食品を発酵させ、より健康的な食品へと作り替えてくれるものも存在します。

そして今日は薬(抗生物質)をつくりだす微生物を紹介したいと思います。

体に入ってきた異物を駆除してくれる微生物(腸内細菌)もいるのでイメージはしやすいかと思います。

名前は放線菌です。しかしその力を本当に人間にとって有用なものなのか!?

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■微生物いろいろ/放線菌

http://www.nite.go.jp/kids/bio/04_04.htmlから引用

1)放線菌

主に土壌(どじょう)中に生息する原核(げんかく)微生物で、細胞(さいぼう)の構造や大きさは細菌(さいきん)類と似ているが、糸状菌(しじょうきん)(カビ)のように放射状に菌糸(きんし)が生育しその先端(せんたん)に様々な形の胞子(ほうし)を形成する。生態系においては、落葉などの有機物の分解や物質循環(ぶっしつじゅんかん)に関わる分解者として大きな役割を果たしている。

 

2)放線菌の魅力とその利用

放線菌の培養液(ばいようえき)から見つかったストレプトマイシンは結核(けっかく)の化学療法剤(かがくりょうほうざい)として広く用いられている。この発見をきっかけにして、今日までに放線菌から数多くの抗生物質(こうせいぶっしつ)や工業的に重要な二次代謝産物が発見された。これまでに発見された新規微生物代謝産物の約7割が放線菌から発見されている。放線菌が生産する抗生物質・生理活性物質は医薬品だけでなく、農薬、動物薬、酵素阻害剤(こうそそがいざい)など多岐(たき)にわたっており、工業的に極(きわ)めて魅力的な微生物資源である。実用化された主な抗生物質にはバンコマイシン〔抗(こう)MRSA〕、ストレプトマイシン〔抗結核(こうけっかく)〕、エバーメクチン〔抗寄生虫(こうきせいちゅう)〕などがある。

これまでは主に、Streptomyces属放線菌の生産する抗生物質の開発が活発に行われてきたが、近年ではより特異性が強く細胞毒性(さいぼうどくせい)の無い新規抗生物質、新しい生理活性のある物質を取得するために、Streptomyces属放線菌だけでなく、Streptomyces属以外の放線菌(希少放線菌)もあわせてスクリーニング研究が行われている。

 

3)放線菌の生態とその特性

放線菌は土壌中で胞子の状態で休眠(きゅうみん)しており、栄養源などの条件がそろったときだけ菌糸状の生育を行うと考えられる。また、空気中に伸長(しんちょう)する気菌糸が分化する際に、二次代謝産物の生産が向上することが明らかとなっている。

 

4)放線菌の種類

放線菌は気菌糸上に胞子(ほうし)のうを形成するタイプ、分節胞子(ぶんせつほうし)を形成するタイプなど様々な形態を示す。その種類は多く、現在までにおよそ1,000種が知られている。〔SEM:Scanning Electron Microscope 走査型電子顕微鏡(そうさがたでんしけんびきょう)〕

 

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放線菌はその多様性と生態系の特徴から他の微生物とは別格として扱われてきました。

そして人間にとって必要だと考えられてきた抗生物質を作り出せることも重要な要素でした。しかし彼らの多様性と生態系は様々な外敵(ウイルス等)に襲われてもどれかの種が生き残る形をとっているのではないでしょうか。

また単細胞生物特有の外敵への適応の早さが、その特性に表れているのではないでしょうか。

以下は抗生物質が人間にもたらす害をご紹介します。

抗生物質

画像はこちらから(http://wired.jp/2013/02/07/antibiotic-vs-bacteria/)

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抗生物質 乱用の恐ろしさ

http://www.berabera.info/en/node/1787

抗生物質を乱用した結果、耐性(耐性とは薬物を繰り返し投与することによって薬が効かなくなる事)ができ抗生物質が効かなくなるという事実を知り恐ろしくなり、それからは抗生物質を極力飲まないようにしています。
また、近頃では耐性菌という、抗生物質の乱用により突然変異した菌が増えて来ています。耐性菌の院内感染による死亡ニュースを時々目にします。(院内感染の原因になっています)
風邪のときに病院に行けば安易に処方される抗生物質は風邪を治すために飲んでいるのではなく、風邪が悪化して肺炎等になることを防ぐために予防的に飲んでいるだけなのです。
日本はすぐに抗生物質を処方しますが、風邪ではアメリカやヨーロッパでは処方しません。また、夫の母国、フランスでは「STOP抗生物質!とキャンペーンをしていたり、抗生物質が処方された場合、医師に本当に必要ですか?と尋ねましょう」と抗生物質を慎重に扱うようにテレビでコマーシャルが流れているくらいです。
そもそも、風邪は約9割がウィルスによって引き起こされるため抗生物質は菌に対して効く薬なので風邪を引き起こしているウィルスには効きません。

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免疫力

画像はこちらから(http://eonet.jp/health/special/special56_1.html)

抗生物質との付き合い方、そして微生物との共生を改めて考える必要があります。

何においても目先の課題をこなすだけの科学の進歩では、この先生き残れません。人間本来が持っている力を発揮する微生物の応用を考えて行く必要があります。

 

 

List    投稿者 seibutusi | 2014-12-30 | Posted in ⑩微生物の世界No Comments » 

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