2020-08-06

【実現塾】進化の原理、カンブリア大爆発から魚類

進化 これまで、『生命の起源と原理 1~生命の誕生』『生命の起源と原理 2~細胞膜の形成から分裂機能の獲得』『多細胞化から雌雄分化へ』で、主には生命の誕生から雌雄分化への進化を扱ってきた。 今回、カンブリア大爆発から魚類までの進化をを扱っていく。

ここではまず、わかりやすい形態に目が行くが『その背後に潜む共通の原理』=『自然の摂理』を読みと解くことが重要になる。

つまりそれは、進化の事実から、その背後に潜む共通の原理を読み解くことであり、進化とは何かを考えることである。

そうすることで、現在の人類の、『自然の摂理に適っている部分』と『自然の摂理を逸脱した部分』が明確になり、人類の進むべき道を追求することが可能になる。

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☆☆進化とはなにか?

第一部:前  史

イ.可能性への収束=統合

また進化とは、その存在を構成する多数の古い実現体の無数の組み換え可能性の中の一つの外圧適応的な実現である。その無数の可能性の内、外圧適応態たり得る可能性は極めて小さいが、しかし決して唯一ではなく、幾通りもの適応の仕方=進化の方向が存在する。と同時に、完全なる適応態など存在せず、全ての適応態は外部世界に対する不完全さを孕んでおり、それ故より高い適応を求めて進化を続けてゆくことになる。とりわけ外圧が変化した時に、存在の不完全さと進化が顕著に現れるのは当然である。

☆生物の大量絶滅と進化の発生

生物は外圧適応態であるため、外圧に適応できていない状況に追い込まれると、進化して外圧に適応してき延びるか、適応できずに絶滅するしかない。事実、地球史の中では大きな環境変化が5回あり、その都度70~95%の生物種が絶滅している。つまり、適応できずに絶滅した生物種の方が圧倒的に多い。

☆何億年も前から進化していない種も存在する

他方、単細胞生物・サメ・昆虫など、幾多の絶滅の間を縫って、何億年も進化していないで生き残ってる生物もいる。つまり、時間がたてば進化するというものではないことがわかる。

☆☆進化は外圧適応力に規定される

それではどんな時に進化するのか?それは外圧適応態という生命原理とつながっており、外圧適応力の大小に規定される。 例えば

① 単細胞生物:変異能力の高さにより、外圧変化に素早く適応。

② サメ(軟骨魚類):敏捷で持続力にある泳力を獲得した大型の軟骨魚類は、それ以降進化した俊敏だが小さな硬骨魚類や海生生物に駆逐されることもなく外圧適応。

のように、極めて高い外圧適応力をもっている種は、進化せずに生き残っている。 つまり『すでに外圧適応している生物はあえて進化する必要がないので、過去と同じ姿でいままで生き延びている』という事である。

反対に、外圧適応力が弱い生物種は、外圧変化に対して適応できない可能性が高く、それは絶滅を意味する。それを避けるため進化の必要性に迫られる。しかし、本当に進化して適応できるのは極めて少ない種に限られる。

つまり、 『適応力が外圧変化の対応できている場合は進化せず、

適応力が外圧変化に対応できない場合に進化する』

という関係にあり、これは逆境こそ進化の動因であることを表している。 それでは、具体的な進化事例である、カンブリア大爆発から見ていこう。

☆カンブリア紀の大爆発

Microsoft Word - 実現塾 カンブリア以降-01 - コピー 約5億5千万年前、それまで数十種類しかなかった生物が突如1万種にも爆発的に増加し、奇妙きてれつな形をした生物(=バージェスモンスター)が多数現れた。

シアノバクテリアの繁殖により、酸素濃度が上昇してゆき、それにつれて多細胞生物の多様化が進行していった。それまでは窒素呼吸による生物が主流であったが、エネルギー変換効率が悪かった。

これに変わってエネルギー変換効率が窒素の20倍にもおよぶ酸素呼吸を行う生物が登場し、大型化や運動性の高さを実現できるようになった。しかし酸素は生物にとって猛毒であり、その影響を抑える、修復システム等を同時に獲得した。

そして、先カンブリア紀には、酸素濃度は18%に達していたが、海底の酸素濃度は相変わらず数%に過ぎず、海底をうごめいていた多細胞生物たちは数十種類にしか多様化しなかった。但し、変異DNAの蓄積はこの期間にほぼ終了していた。

変異DNAとは、変異促進機能を強化するために、危機時に備え普段使わない蓄積してきた遺伝子のことである。危機時にこれを使うことで新種が登場し、その新種のうちの適応的なものがその後の世界を生き残っていく。

カンブリア紀に入ると、海中の酸素濃度がどんどん上昇してゆき、生物群が爆発的に多様化した。   カンブリア紀に多様化した主原因は、海中の酸素濃度の上昇であるが、もうひとつの原因として「視覚」を持つ生物が誕生したことが挙げられる。

そして、視覚を最初に備えた生物こそが、カンブリア紀最初期の三葉虫だった。この三葉虫が視覚を持ってしまったために、同時期のありとあらゆる生物が一挙に進化戦争に巻き込まれてしまった。

視覚のない生物ばかりの世界に視覚を持つ生物が発生した時、その生物は飛びぬけた能力を持つ恐るべき捕食者となる。 視覚を持つ捕食者から逃れるためには、捕食される側も視覚を備え、捕食者が近寄る姿をいち早く見つけなければ喰われてしまう。

視覚の性能を上げ、運動機能を向上させ、防御系を強固にし、より高度な神経系を持つしかなくなり、捕食者と被捕食者の競争は激化してゆく。 実際、この時期に硬い殻を持つ、岩陰や砂中に隠れる(そのために保護色を使う)等多様な攻撃防御の方法と多様な形状を持つ生物群が登場する。

ここでのもう一つの変化は、 先カンブリア紀までは、目もなく動かない藻のような生物や、ゆっくりと海底を這う生物しかいなかったため、主な外圧は水温や栄養の多寡などの環境外圧が主だった。しかし、この時代になって、自分を襲ってくる他の種の外圧=種間外圧が最大外圧になったということである。

☆脊椎動物の誕生

Microsoft Word - 実現塾 カンブリア以降-01 バージェスモンスターの中に体の中に脊索を持つものがいた。この生物から後に脊椎動物が誕生する。 脊索動物は現在でもホヤとして残っている。ホヤの成体は岩にくっついているが、幼体は岩に自分で泳いでたどりつく。ホヤの先祖と人間の先祖は元をたどればこのとき誕生した生物にたどり着くのである。

☆魚類の誕生

Microsoft Word - 実現塾 カンブリア以降-01 - コピー (4) 4.8億年前頃に魚類が出現する。

最初の魚はひれも顎もなく、魚としては不完全だった。 当時の海の覇者はオウムガイというイカの祖先で、魚が海の覇者となるのはもう少し後のことになる。

☆魚類の進化

【1】巨大オウムガイと6メートルの甲冑(かっちゅう)魚が支配する世界

Microsoft Word - 実現塾 カンブリア以降-01 - コピー (5) 4億年~3.5億年前頃、海を支配していたのは、体長0.5m~5mにも及ぶ巨大なオウムガイであった。当時の運動能力の弱い魚たちは、オウムガイの餌食になっていた。 それに対して魚の中にも、頭部や胸部を厚い骨の板で武装した甲冑魚と呼ばれる種類が出現した。

彼らの最大の武器は「あご」である。それまでの魚は、現在のヤツメウナギのようにあごを持たない魚だったが、甲冑魚は力強いあごで捕えた魚をかみ砕くことができた。 生態系の頂点に立った甲冑魚の中には、6メートルを超えるような巨大な体で悠々と泳ぐものもいた。

次いで、厚い骨の板を無くした撓る胴体と、流線型の体で、より敏捷な泳力を獲得したサメのような大型の軟骨魚類が現れ甲冑魚に代って海の王者の地位を奪った。

【2】過酷な汽水域に追いやられた弱者たち

弱い魚たちは、川の河口の汽水域に追いやられた。海水と淡水が混じる汽水域は、浸透圧が異なるため、海に棲む天敵も追ってくることはできないからである。しかし、そこは海水魚が生存できない過酷な環境である。幾たび挑戦しても、多くの魚たちは汽水域の環境に適応できずに死滅していった。

汽水域で最初に問題となるのは浸透圧である。海中で進化した生物の細胞は、海の中の塩分濃度と同程度の浸透圧になっている。ところが、汽水域では細胞内の塩分濃度が体外より高いので、水が細胞の中へ侵入する。 そこで魚たちは塩分濃度の薄い水が体内に入るのを防ぐために、うろこで身を守るようになった。

さらに、外から入ってきた淡水を体外に排出し、体内の塩分濃度を一定にするために腎臓を発達させた。 それだけではない。海の中には生命活動を維持するためのカルシウムなどのミネラル分が豊富にあるが、汽水域ではミネラル分が足りない。

そこで魚たちは体内にミネラルを蓄積するための貯蔵施設として骨を使った。 こうして生まれたのが、骨を充実させた硬骨魚である。こうして、弱い魚たちは逆境を乗り越え、汽水域への進出を果たした。

【3】汽水域から川や海へ追いやられた硬骨魚たち

Microsoft Word - 実現塾 カンブリア以降-02 しかし、汽水域に逃れた弱い魚たちの中にも強者、弱者が存在し、より強い魚が生態系の上位に陣取る。

より弱い魚たちは、より塩分濃度の薄い川の河口へと侵入を始める。しかし、そこでも弱肉強食の世界は築かれる。

さらに弱い弱者中の弱者は、天敵に追われながら川の上流へと新天地を求めていった。

中には、同じ食われるのであれば、海も同じだとばかりに、再び海へと戻った種も現れた。

浅瀬で泳ぎ回る敏捷性を発達させていた魚たちは、海に戻ってからも、サメなどから身を守る泳力を身につけていたため、海でも適応できたのである。

こうして、汽水域に追いやられて進化を遂げた硬骨魚の中から、川や湖を棲みかとする淡水魚と、海で暮らす海水魚とが分かれてゆく。サケやマスなどが、川を遡って産卵をするのは、彼らが淡水を起源とするからである。

ちなみに、清流に住む小型のマスと海まで戻り大きくなって帰ってくるサケは『現在でも』同じ種である。それは、孵化後に縄張り闘争に敗れ川を下ったのがサケであり、縄張り闘争に勝ち、川に残ったのがマスであるからである。

そして、清流に住む小さなマスも、遡上したサケの川での産卵に際して、大きなオスのサケに交じり、メスのサケの産卵中に精子をかけて子孫をのこす。同じ種であっても、ミネラルや栄養豊富な海で育つと巨大になり、それがない川で過ごすと別種のように見えるくらい小さなままという不思議な生態をしている。

List    投稿者 sinsin | 2020-08-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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