2011-11-11

シリーズ 超極小『素粒子』の世界9 ~静電気って何?~

さて、ここまでシリーズ 超極小『素粒子』の世界としてお送りしてきたシリーズも、今回で9回目を迎えました
現在は、「電磁力って何?」リンクリンク「重力って何?」リンクを追求中ですが、今回は、「電磁力って何?」に関連して、ちょっと身近な話と引き付けて、「静電気って何?」を、扱ってみたいと思います

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画像はこちらからお借りしました
皆さん、もちろん、静電気って何なのかについてはイメージできますよね
そうそう、誰しも一度は、下敷きで頭をこすってみたり、冬場に服を脱ぐときにパチパチしたり、ドアノブでバチ っとなったりという経験があるのではないでしょうか 😀
でも、なんで静電気が起こるの どういうメカニズムなの と言われると、答えられなかったりしますよね(*> <*)
せっかく、電磁力って何?を追求してるから、答えられるようになりたいですよね
では早速、初めてみます
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■静電気って何?
「物と物とをこすり合わせることで何かが発生した」
この物体どうしの摩擦によって発生した『何か』こそが静電気というものなのです。

ほっほ~と思って、思わず、机をこすった皆さん、机と手だと(働いてるけど?)感じられないみたいです
「電荷の空間的移動がわずかであって、それによる磁界の効果が電界の効果に比べて無視できるような電気」 のことを静電気といいます。
う・・・ん、分かるような分からないような・・・
(ちょっとおさらい 電荷(電子)という単体が回転して、磁界が出来るというのを前回学びましたね
静電気とは「物体に電気がたまる現象、もしくはその電気のこと」です。

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 【静電気ってどんな電気?】
本来電気が通らない物質にたまった電気を静電気と言います。
全ての物質には、マイナスの電気をおびた電子という小さな粒が含まれています。物質どうしをこすり合わせると、摩擦力によって電子が物質をはなれて隣の物質に移動します。このようにして電気が通らない物質にたまった電気を静電気と言います。
ドアノブを触った時にビリッとくるのも静電気ですが、こちらは摩擦力と関係なく、人体にたまっている電気が他の物質に流れたことが原因です。

月イチ理科実験さんより引用させていただきました
実は電気は大きく二種類に分かれるのです。
ひとつは私たちが普段使用している『動く電気』です。これがなくては今の私たちの生活は成り立ちません。これを動電気と呼びます。もうひとつの電気はその場にとどまって動きません。これが『とどまる電気』、つまり静電気です。
「どうして物体が電気を持つ事になったのか 🙄 」
物体はこのふたつの電気のバランスが保たれる事で安定しています。
しかし、物と物が触れ合ったりこすれ合ったりすると安定が弱いマイナスの電気が片方からもう片方に移動します。このことを帯電といいます。また、物体が帯電した時に持つ電気の量を電荷、もしくは電気量といいます。
マイナスの電気が取られた方はマイナスの電気がプラスの電気より不足するのでプラスの電気を帯び、マイナスの電気を受け取った方はマイナスの電気がプラスの電気より多くなるのでマイナスの電気を帯びます。この帯電状態を静電気状態といいます。
物体が持つ正負の電荷は等しい
        こすれあったり触れ合ったりした物体は帯電する
        帯電したときに持つ電気の量を電荷(電気量)という
このようにして電荷どうしの間にはたらく力のことを静電気力(クーロン力)といいます。
静電気が原因となって働く力だから、静電気力。簡単ですね
静電気力の中でもお互いに反発する力を斥力、引き合う力を引力といいます。また、静電気力の単位にはクーロンが用いられます。
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画像はこちらからお借りしました
電気には
「同じ種類の電気はお互いに反発し合い、違う種類の電気はお互いに引き合う」
という性質があります。
<同種の電気は反発し合い、異種の電気は引き合う=静電気力が働く>
また、静電誘導(※電磁誘導とは全く別)とは、
「金属に触れようとしたら、静電気が発生していやな思いをした」
「導体に、帯電体を近づけると、キャリア(電荷を運ぶ自由な粒子。電子やイオンのこと。)が移動し、近い側に異符号、遠い側に同符号の電荷が現れる現象」
です。
ふつう日常生活では、冬場に金属に触れようとしてバチッ ときた時に「うわっ、静電気だ 」なんて言うと思います。これはつまり「静電気が起こった 」と言っているわけです。
しかし厳密に言うとこの表現は正しくありません。静電気の定義を思い出してください。静電気とは物体に電気がたまる現象のこと、もしくはその電気のことを指します。
つまりこういうときは正しくは「静電気によって火花 が起こった」と言うべきです。
なぜこんな話をしたのかといえば、この『静電気によって発生する火花』が問題だからです。
では詳しく解説していきましょう
まずは”放電”という現象を知っておいてください
放電というのは帯電して静電気状態になった物体がその物体と逆の電気を帯びた物体(プラスとマイナスのこと?)と接触する時に電気が飛び散ることです。
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画像はこちらからお借りしました
ではなぜ金属に触れようとすると放電が起こるのでしょうか?
それに関わってくるのが静電誘導です。
プラスの電気を帯びた人間の手が金属に近づくと、静電誘導によってその金属の表面にマイナスの電気が集まります。
このとき、プラス電気は金属に集まったマイナス電気と結合しようとします。
その瞬間に普段私たちが静電気と呼ぶ『静電気によって発生する火花』、つまり放電が発生します。
静電気状態の物体が逆の電気を帯びた物体と接触する時に電気が飛び散ることを放電という
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画像はこちらからお借りしました
さて、原子は本来、陽子と電子の数が等しいため中性です。しかし、電子は簡単に外に放出されたり、外から取り込まれたりします。電子が増えたり、減ったりした原子をイオンと呼びます。
<電子を受け取った方を陰イオン、電子を失ったほうを陽イオンと呼ぶ>
物体が帯電する原因となっているのがこのようなイオンや電子です。(導体が電気を流すのも、実はこのイオンや電子のおかげです)そして、他の物体と電子やイオンのやり取りをして、電子の数が陽子より多いか少ないかの状態のものが帯電している物体というわけです。
つまり、電荷の移動は電子やイオンの移動で起こるので、帯電体どうしが電気をやり取りするときはその前後で電気量の総和は変わりません 🙄
これを電気量保存の法則といいます。

<POINT> 電気量保存の法則・・・電気のやり取りの前後で電気量の総和は変わらない
さて、今回の内容はこれで終わりです。
どうだったでしょう 😀 理解できましたか
静電気って何 って聞かれたら、ぜひ答えてみてくださいね
ではまた~
☆参考☆
静電気の仕組み
電荷保存則(=電気量保存の法則)とは、電荷の総量は永遠に変わらないという法則である。 電荷が化学反応から原子核反応、粒子の崩壊や対生成・対消滅に至るまで、現在確認されている全ての反応で保存しており、今までに反例が見つかっていないと言う経験的事実から導き出された法則である。
とはいえ、電荷保存則はゲージ変換対称性の現れであり、ひいては光子の質量が 0 である根拠となっている(例えば、もし電荷保存則が成り立たないことがあれば特殊相対論などの現代物理学は根本的な見直しを迫られる。無論、電荷保存則の確認は技術の進歩に伴い、常に確認が繰り返されている)。
ゆえに、エネルギー保存則などと共に自然界の基本法則であると考えられている。
この法則はマクスウェルの方程式から導き出せる。

List    投稿者 tateko | 2011-11-11 | Posted in ⑬相対性理論・量子力学・素粒子2 Comments » 

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コメント2件

 匿名 | 2013.09.26 22:54

なぜ物質波はソースの運動には影響を受けず、観測者の運動だけは反映された計測結果になるのでしょうか?
物質波の伝搬メカニズムが原因。波が発生するときに媒質となる物質にどのぐらいのエネルギーが加わるで波の強さは変わるが、物質波の伝搬速度は変わらない。
しかし、波の早さが一定でも、観測者が波に近づいていけば、波は早く観測者に到達するので観測者の運動は反映される。 のでは?

 member | 2013.10.17 23:00

コメントありがとうございます&返信が遅くなって申し訳ありませんでした。
私の解釈は、ソースから出る波動は光も音もすべて真空中と同じ原理で発生すると考えています。つまり、音などの物質波に転換する前のステップがあって、それはすべて光と同じような電場と磁場による横波です。そして、そのエネルギーが物質=媒体に転写されて物質波ができる・・・したがってソースの速度は加算されないという解釈です。
反対に観測者の速度の方はあなたとほぼ同じ考え方です。

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