2012-01-07

シリーズ 超極小『素粒子』の世界11 ~身近な極小世界:リニアモーターカーってどうやって動くの?~

お久しぶりです♪takesyoです。
今、進めている超極小「素粒子」の世界シリーズですが、たくさんのシリーズが順次投稿されています。
バックナンバーは最後にまとめおきますので、是非ご覧下さい。
     
さて今回は意外に身近にある見えない力に焦点をあてて事例をご紹介したいと思います♪
焦点を当てるのはコレ↓↓↓
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画像はコチラからお借りしました♪
リニアモーターカー!!
     
最新のものはタイヤは緊急停止用にあるぐらいで、常に浮いているんです。駅に停まっている時も、次の駅に向かって走っているときも、常に浮いているリニアモーターカー。
     
不思議じゃないですかぁぁぁぁぁぁ あんな鉄の塊が浮いているんですよ
     
おっと、テンションが空回り気味になってしまいましたので、一度落ち着いて深呼吸しましょう。。。
スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)スー( ̄。 ̄)ハー( ̄0 ̄)シンコキュウ
     
それでは取り直して、どんな原理で浮いて、走ってるのか どうやって停まっているのか 見ていくことにしましょう
     
リニアモータ-カーにご乗車のお客様はチケット(クリック)を拝見致しまぁ~す
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ご乗車ありがとうございます。それでは発車いたします
     
まず一口に“リニアモーターカー”と言っても実はいくつかの種類があるの知ってました
    
■リニアモーターカーってどんな種類のものがあるの
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日本のMLU002型
MLU002 型はガイドウェイ側壁にあるコイルに作用する超伝導磁石をもつ。1991年に火災を起こして壊れた。磁石の磁界がコイルに反発力を生み出し、この力で車両をガイドウェイから10cm浮上させ、安定させる。
     
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ドイツのトランスラピッド07型
トランスラピッド07型は車両に超伝導磁石を利用している。営業運転に近い段階まできている。この磁石はガイドウエーの鉄レールを吸引し、その空隙を2.5cm以内に保つ。
     
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アメリカのマグネプレーン
アメリカのマグネプレーンの超伝導磁石はガイドウエーのアルミシートに反発力を誘起させ、車両を15cm浮上させる。樋(とい)形の案内路であるため、45度までの車両の横傾斜が可能である。
     
コレだけの種類が日夜研究され、実験走行して実用化へ向けて一歩ずつ前進しているのです。今回注目するのは日本のMLU002型のものになります。リニアモーターカーは力を伝える媒体に、ギアやベルトなどほとんど使わずに済むために、力の損失が少なく、効率の良いモーターとして注目が集まっています。そして2003年12月には有人走行で鉄道の世界最速記録となる581km/hを達成し、2007年には累計走行距離が60万kmを突破しているなど、着実に実用化に向けて進めているところです。
では、ココから一番皆さんが知りたい「どうやって浮いているの?」「どうやって進むの?」「どうやって停まるの?」を見ていくことにしましょう。
     
■どうやって浮いて、進んで、停まるの
車体やガイドウェイ(車体を覆う壁)には電磁石が搭載されています。この電磁石によって、引っ張ったり、押し上げたりして、浮いたり、進んだりしています。もう少し詳しく説明すると、ガイドウェイに設けられている電磁石が、車体に搭載されている電磁石を上から引っ張り、下から押し上げて浮いている状態になります。この時、車体に搭載されている電磁石の力と、ガイドウェイの電磁石の力が釣り合うと、その場に浮いたまま停止している状態になります。更に、発車する時は電磁石の力で前に引っ張って進み出し、逆に止まるときは回生ブレーキを使って停まるのが一般的です。
     
※ウィキペディア参照
電磁石
回生ブレーキ
     
それではもう少し細部に目を向けていきましょう♪
     
■ガイドウェイ全体像
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車体の側面にあるガイドウェイのイラストです。その中に横長のピンクと黄色になっている電磁石が前に進むための推進コイルです。また、推進コイルの手前にある四角い上下二段に設置されている紺色のコイル車体を浮かせたり、ズレた時に安定させるための浮上・案内コイルです。
     
■推進コイル
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車体の超伝導電磁石が斜め前方向の電磁石の引力に引っ張られる形で前進し、斜め後ろの電磁石が押し出すようにになっています。これを交互に繰り返すことによって前進する推進力に変えています。
     
■浮上・案内コイル
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真正面から見た断面のイメージイラストです。左右にあるピンクが浮上・案内コイルです。車体は磁極を書いているところに超伝導電磁石があると思ってください。その車体の超伝導電磁石をガイドウェイの上段にある電磁石が車体を引っ張り上げ、下段の電磁石が車体を押し上げることで設置面から約10cm浮くことが出来ます。
     
もう少しこの車体の超伝導電磁石と浮上・案内コイルについて詳しく見てみましょう♪
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浮上・案内コイルに使われているのは8の字形コイルといわれるもので、上段と下段のコイルの巻き方が逆。つまり、磁極の向きが反対になるように作られています。車体の超伝導磁石によって出来た磁場がガイドウェイにある浮上・案内コイルの中を高速で移動することにより、浮上・安定コイルに電流が流れ上下反対の磁極を持つ電磁石が出来上がるということです。
     
超伝導電磁石と同じ向きに撒かれているコイルでは引っ張り合う力が生まれ、逆方向に電流が流れるコイルでは反発する力が生まれます。このようにして、車体の超伝導電磁石と同じ向きの引っ張り合う力が生まれる方を上段に設置し、反発する力が生まれるコイルを下段に設置することで、車体を地上から約10cm浮かせることが出来るのです。
     
さて、ここまでお話してきたリニアモーターカーの世界ですが、超伝導電磁石って何でしょうか?なんかすごそうな感じですね(^^ゞ
     
■超伝導電磁石って何
超伝導電磁石はリニアモーターカーの車体に搭載されている永久電磁石のことです。順を追ってご説明しましょう♪まずは超伝導の説明から♪
     
超伝導とは特定の金属や化合物などの物質を超低温に冷却したときに、電気抵抗がゼロになる現象の事を指しています。電気抵抗がゼロになると電流はスイスイとコイルを進むことができるために元々持っているエネルギーを失うことなく永久的に流れるということですね♪
     
また、電磁石とは巻いたコイルに電流を流すことで、一時的に磁力を発生させる磁石のことです。電流を流した時にだけ磁力が発生し、通電を止めると磁力はほぼゼロになります。また、同じサイズの永久磁石よりもより強い磁力を発生させることが出来ることができ、更に電流の向きを変えることによって磁力の向きを変えることができるなど、色々とメリットの多い磁石です。
     
ただ一方で、電流を流し続けないと磁力が失われるというデメリットもあります。この電流を流し続けないといけないというデメリットを突破するために、電気抵抗がゼロになる超伝導状態を作り出し、強い電流を流すことで非常に強い永久磁石を作り出しました。この超伝導を使った電磁石のことを超伝導電磁石と言います。
     
※ウィキペディア参照
超伝導
電磁石
     
この超伝導電磁石が車体に搭載されており、ガイドウェイ(車体の側面の電車で言う線路)のコイルに反応して引っ張られたり、押し上げたりされてるうです!!
     
では、このリニアモーターカーの原理はどこから生まれたのでしょうか?
     
■どんな原理なの
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ココまで見て頂いたリニアモーターカーの原理ですが、全て平面での出来事ですね♪実は、この原理が使われているのは、円筒型のモーターなんです。男性なら一度は経験したであろう、あのミニ四駆に使われているモーターが、リニアモーターカーの原理になっているのです!!
     
円筒型のモーターは図のようになっており、周りに磁石があり中心にあるコイルに電流を流すことにより、クルクルと回ります。この回転を推進力へと変換したのが、リニアモーターカーの原理です。
     
このリニアモーターカーが実用化されると、大阪と東京の間が1時間という短時間で繋がることができます。今、東京での通勤時間は1~1.5時間程度と思いますが、これからは東京から大阪へ、大阪から東京への通勤が可能になる日も来るかもしれませんね♪
     
以上、電磁力を使った身近な事例をご紹介しました(^・^)
最後まで読んで頂きありがとうございました♪
     
参照サイト(画像もコチラから借りております。ありがとうございます。)
夢の超特急
LINEAR-EXPRESS
ネオマグ株式会社
アメリカのリニア
     
バックナンバー
シリーズ 1 基礎編①
シリーズ 2 基礎編②
シリーズ 3 基礎編③
シリーズ 4 「弱い力」「強い力」って何?
シリーズ 5 「電磁力(電磁波)」って何?①
シリーズ 6 「重力」って何?① ~古典的な重力理論~
シリーズ 7 素粒子をエネルギーから捉え直すと可能性が拡がる!
シリーズ 8 「電磁力(電磁波)」って何?②
シリーズ 9 静電気って何?
シリーズ10 「重力」って何?② ~水星の近日点移動とアインシュタイン~

List    投稿者 takesyo | 2012-01-07 | Posted in ⑬相対性理論・量子力学・素粒子No Comments » 

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