2009-04-22

書籍紹介『新しい生物学の教科書』~なんでや劇場を踏まえて今後の追究課題を発掘してみます~

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なんでや劇場に参加して、生物学って奥が深いなぁと感心しきりのandyです。
生物についてもっと知りたい、追求してみたいと思う今日この頃ですが、いかんせん知識が足りない、今生物学では何がホットなテーマなのかがわからないという現実の壁が横たわります :cry:
ということで、まずは書籍から勉強してみました :roll:
今回はまずは、初心者にやさしい(!?)『新しい生物学の教科書』なるものから、現在生物学で議論されている最新テーマを把握し、なんで屋劇場で勉強した事を踏まえて、今後の追求課題を発掘してみたいと思います。
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書籍の構成は、『新しい生物学の教科書』池田清彦著「基礎から最先端まで、生物学入門に最適!」』を参照してほしいと思いますが、この書籍の目的を簡単に説明すると、無味乾燥で言葉足らず、勝手な決めつけの多い現在の高校の教科書に替わって21世紀にふさわしい教科書を作る事が目的のようです。
そして、もう一つ特徴的な視点があり、それは筆者の生物進化に対する捉え方です。
彼は「構造主義進化論」と銘打って、現在の生物学では説明できない諸現象を別のアプローチを用いて説明しようと試みています。
詳しく中味は今後追求したいと思いますが、簡単にいうと、『生物進化にとって、最も重要なのは遺伝子の変化ではなく、システムの定立とその変化であり、遺伝子はシステムに拘束された部品に過ぎない』という大胆な捉え方です。確かに現在の生物学はDNAだけでは説明できない現象が次々と発見されているようですからね。
以上前置きはこれぐらいにしておいて、書籍を読んで特に興味を惹かれた項目について、なんでや劇場で勉強したことを踏まえつつ、今後の追求課題を発掘してみたいと思います。

■ネオダーウィニズムでは説明できない生物進化
現在生物学会で最も主流といわれる進化論は「ネオダーウィニズム(突然変異・自然選択説)」と言われている。その内容は凡そ以下の考えに纏められます。
①遺伝子に無方向な突然変異が起こる
②この突然変異が環境に適応的ならば集団中に広がり、不適応ならば集団から除去される
③この繰り返しにより生物は徐々に進化する
しかし、「ネオダーウィニズム」では説明できない進化現象が存在します。
その代表例が、原核生物から真核生物への進化であり、異なる細胞同士が共生することによって起こったとされる共生説(マーギュリス 1967)は、突然変異とも自然選択とも異なるメカニズムで起きた進化といえます。
原核生物から真核生物へと進化は、分裂システムの変化(単純分裂から有糸分裂)、代謝機能の変化(細胞内小器官の登場)、そしてその後の性分化という複製システムの起点となった進化であり、なんでや劇場では生物史に残る大進化として位置づけました。このような大進化の意味を説明できないネオダーウィニズムは、進化の一断片を切り取ったに過ぎないのではないか?とも考えられます。
■遺伝現象と発現システム
進化の源泉はDNAの多様性にあり、自己ではなく出来る限り多様な同類他者(非自己)を作り出すことが生物における環境適応の基幹戦略である。
この時、多様な同類他者を生み出す形質の違いを決める最終決定者はDNAとは言い切れないらしい。
書籍によると、例えば脊椎動物の目の形成に関与する親玉遺伝子(パックス6遺伝子)と、ショウジョウバエの眼の形成に関与する親玉遺伝子(アイレス遺伝子)は、DNAの塩基配列が同じであるが、その遺伝子から発現される形質は異なることがわかっている。ほぼ同じ遺伝子でありながら、脊椎動物ではレンズ眼をつくり、ショウジョウバエでは複眼をつくる。仮にパックス6遺伝子をショウジョウバエに入れて強制的に目を作らせると、複眼ができるということが確認されている。
これは、遺伝子を発現させる解釈システムなるものがなんらかの影響を与えているらしい。
このことから遺伝現象は、遺伝因子と環境因子の両者の作用を受けて発現するのがセオリーのようであるが、果たして形質発現システム(解釈系)とは一体どのようなシステムのことをいうのだろうか?
■大量絶滅と生物の多様化、その内的メカニズムとは?
生物の進化は決して直線的なものではなく、前進的・連続的に下等生物から高等生物に進化したわけではない。
環境の激変(地球環境の変化や旧制覇種の異常繁殖等)により、新たな環境に適応しうる機能を獲得した生物が奇跡的に生き延び、その後適応放散して多様化の道を歩むことができたと言われている。
参照投稿:逆境下で生物は進化した。
例えば、生物の多様化の代名詞であるカンブリア大爆発は、全球凍結という環境の激変があったといわれているが、果たして外的要因だけで生物は進化を遂げるのだろうか?生物の内的メカニズムがあるとすればそれは一体どのようなものなのだろうか?
近年分子生物学の分野から、熱ショックたんぱく質(HSP90)が初期発生や形態形成の異常を隠す機能がある事が見いだされている。この論に従えば、カンブリア大爆発は、HSP90の存在下で隠されていた変異蓄積が、何らかの環境変動で一気に発現したという考えができる。
では、その変異蓄積は一体どこに蓄積されるのだろうか?なんでや劇場では精子の中心体になんらかの変異情報が蓄積されており、環境の激変と共に発現するという仮説が提示されていたが、このあたりの関連性を追求してみると変異メカニズムの解明に近づけるかもしれない。

以上、やや五月雨的になってしまいましたが(汗)、今後の追求課題を発掘してみました。もし上記の問題提起に対する答え・意見をお持ちの方がいましたら、是非コメント下さい!
お待ちしております

List    投稿者 andy | 2009-04-22 | Posted in ⑦なんでや劇場レポート11 Comments » 

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コメント11件

 かじか蛙 | 2009.06.26 1:22

サイトカイン・ストームについて詳しく書いて頂き本当にありがとうございます。
私が求めていた、解答はこのようなものでした。
スペイン風邪の犠牲者の多くは、アスピリンの副作用だと私も思っておりました。
そして、今回のメキシコのインフルによる犠牲者も若い年齢層に多い(20~40代)もこのNSAIDsの影響によるものだと思っております。
余計なことですが、文章中に第一次世界大戦が第二次世界大戦となっていましたね。
弘法も筆の誤りといったところですね(笑)
でも全体の文で第一次と分かります。
どうもありがとうございます。こらからも楽しみにしております。よろしくお願いします。
かじか

 andy | 2009.06.26 10:47

>かじか蛙さま
コメント&ご指摘ありがとうございます。
お役に立てて嬉しいです。
インフルエンザ問題を調べれば調べるほど、ウイルスの脅威は人類自らが作り出しているように思えてきます。
かじか蛙さまも非常にインフルエンザ問題にお詳しそうに見受けられます。
このサイトはみなで作っていくサイトですので、会員登録されてみてはいかがでしょう?
ご指摘の点は、早速修正させて頂きました。
ありがとうございます。

 かじか蛙 | 2009.06.26 23:47

「かじか」でございます。
お礼を言うのは私の方です。ありがとうございます。
「インフル問題に詳しい」とのお言葉まで頂戴しまして、大変恐縮しております。
私は、本当に無知な人間です。
そのせいか、自分の関心事の一つでも分かった時は、大変うれしい思いもしております。
インフル騒ぎのおかげで、貴ブログを知ることが出来ました、豚フル君ありがとうって…言うのは、感染死亡された方々に不謹慎でした…。
会員のお誘いも、重ねてありがとうございます。
会員にならせていただくのは光栄ですけれど、会員と非会員の違いすら分かっていない私でございます。 
 かじか蛙

 andy | 2009.06.27 23:58

会員・非会員の違いは、当サイトに記事を投稿できるかできないかの違いです。
サイトの設立主旨については、一番上の記事を是非読んでいた頂きたいと思いますが、端的に言えば、「様々な現代問題を解決するために、従来の定説や専門家の言説に縛られる事なく、素人が追求していく」サイトです。
かじか蛙さまが今までに追求された内容を記事として投稿されると、多くの方の役に立つものになるのではないか、と思った次第です。
是非ご検討&今後とも応援よろしくお願いします!

 かじか蛙 | 2009.06.28 22:17

なるほど!会員の件について、理解できました。
私は知識のストックが乏しいので、ここで学ばせて頂きたいと存じます。
文章もさることながら、画像やイラストもあり、楽しく勉強させて頂いてます。
今は、本ブログをずっと遡り、そこからゆったり現在までカヌーに乗った気分で流れて見たいと思っております。よろしくお願いします。

 あゆせんせい | 2009.08.20 10:54

様々貴重なるご指導ありがとうございます。とても理解しやすかったです。以前研究生活でアメリカにいたとき、その類の研究していた友人がノックアウトマウスで奮闘していました。さて、先生、現実に戻りますが、脳血管障害、心疾患等々でアスピリン製剤=100mg・81mgの2種類がありますが、アスピリンの影響はこの量では、大丈夫でしょうか?新型インフルエンザが疑われた場合には休止が望ましいのでししょうか?初歩的な事ですみません。ご教示くださると幸いに存じます。以外とお若い方でも御内服が必要な方々がおられます。

 andy | 2009.08.26 20:24

>あゆせんせい
コメントありがとうございます。
ご質問に関して、私は医療の専門家ではないので、より現場に即した回答を求めるのであれば、事前研究+仮説をもって、医師又は学会に相談されるのがよいと思います。
以下、補足的見解として回答しておきます。
アスピリンの副作用は、ライ症候群との因果関係で、82年に米国で報告されています。日本でも15歳未満は原則使用禁止とされていますが、現状、日本国内の研究では明確な因果関係を見つけられていないようです。それは、米国と日本では薬の使用量が大きく異なることが要因のようです(米国は多量に薬を使う)。
ですので、81mgと100mgの2種類の薬の使用量によって、明確な副作用が出るかどうかはわかりません。そもそも、サイトカイン・ストームは免疫の過剰反応が原因ですから、患者の体調・心理状況を鑑みて判断するのが良いと思います。
【アスピリン関連ガイドライン】
http://www.bayaspirin.jp/antiplatelet/guideline/index.html

 あゆ | 2009.08.27 11:29

先生ありがとうございます!確かにどのくらいの量が脳血管障害の再発予防に、血小板凝集のコンロトールに良いのか?、歴史的にいろいろな臨床試験が行われ現在の量となりました。私自身参加して行った試験ではないため失礼な質問でした。アスピリンジレンマ。COX1.2.3・・古い言葉になりましたが、温故知新?ということでどうか御勘弁下さい。ある疾患にて大学生に内服して頂いています。その他にも沢山の方々が内服しておられ、診療のおりもしも聞かれた時には、より良い返答できるように今後も勉強します。感謝。

 かじか | 2009.09.18 8:13

コメントを入力してください
いつもありがとうございます。
またインフルのことで疑問が湧いてきました。
今騒ぎの(豚)新型インフルは肺でウイルスが増殖するって言われていますが、本当なのでしょうか?
従来の季節性インフルとは違うとは思えないのですが…
かじか

 かじか蛙 | 2009.09.18 21:57

今晩は!
今朝の質問ですけど出勤間際だったためあせってしまい、
「コメントを入力してください」の部分まで入れてしまいました(笑)。大変失礼いたしました。
改めましてご意見を享けたまわりたいと存じます。
☆(豚)インフルは肺でも増殖すると言われたりしていますが、実際のところどうなんでしょう?
私には信じられません。
どうか教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。

 かじか蛙 | 2009.09.18 21:58

今晩は!
今朝の質問ですけど出勤間際だった為あせってしまい、
「コメントを入力してください」の部分まで入れてしまいました(笑)。大変失礼いたしました。
改めまして、ご意見を享けたまわりたいと存じます。
☆(豚)インフルは「肺」でも増殖すると言われたりしていますが、実際のところどうなんでしょう?
私には信じられません。
どうか教えていただけませんでしょうか?
よろしくお願い申し上げます。

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