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書籍紹介『新しい生物学の教科書』~なんでや劇場を踏まえて今後の追究課題を発掘してみます~

Posted By andy On 2009年4月22日 @ 11:45 PM In ⑦なんでや劇場レポート | 11 Comments

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なんでや劇場に参加して、生物学って奥が深いなぁと感心しきりのandyです。
生物についてもっと知りたい、追求してみたいと思う今日この頃ですが、いかんせん知識が足りない、今生物学では何がホットなテーマなのかがわからないという現実の壁が横たわります :cry:
ということで、まずは書籍から勉強してみました :roll:
今回はまずは、初心者にやさしい(!?)『新しい生物学の教科書』なるものから、現在生物学で議論されている最新テーマを把握し、なんで屋劇場で勉強した事を踏まえて、今後の追求課題を発掘してみたいと思います。
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書籍の構成は、『新しい生物学の教科書』池田清彦著「基礎から最先端まで、生物学入門に最適!」』 [4]を参照してほしいと思いますが、この書籍の目的を簡単に説明すると、無味乾燥で言葉足らず、勝手な決めつけの多い現在の高校の教科書に替わって21世紀にふさわしい教科書を作る事が目的のようです。
そして、もう一つ特徴的な視点があり、それは筆者の生物進化に対する捉え方です。
彼は「構造主義進化論」と銘打って、現在の生物学では説明できない諸現象を別のアプローチを用いて説明しようと試みています。
詳しく中味は今後追求したいと思いますが、簡単にいうと、『生物進化にとって、最も重要なのは遺伝子の変化ではなく、システムの定立とその変化であり、遺伝子はシステムに拘束された部品に過ぎない』という大胆な捉え方です。確かに現在の生物学はDNAだけでは説明できない現象が次々と発見されているようですからね。
以上前置きはこれぐらいにしておいて、書籍を読んで特に興味を惹かれた項目について、なんでや劇場で勉強したことを踏まえつつ、今後の追求課題を発掘してみたいと思います。

■ネオダーウィニズムでは説明できない生物進化
現在生物学会で最も主流といわれる進化論は「ネオダーウィニズム(突然変異・自然選択説)」と言われている。その内容は凡そ以下の考えに纏められます。
①遺伝子に無方向な突然変異が起こる
②この突然変異が環境に適応的ならば集団中に広がり、不適応ならば集団から除去される
③この繰り返しにより生物は徐々に進化する
しかし、「ネオダーウィニズム」では説明できない進化現象が存在します。
その代表例が、原核生物から真核生物への進化であり、異なる細胞同士が共生することによって起こったとされる共生説(マーギュリス 1967)は、突然変異とも自然選択とも異なるメカニズムで起きた進化といえます。
原核生物から真核生物へと進化は、分裂システムの変化(単純分裂から有糸分裂)、代謝機能の変化(細胞内小器官の登場)、そしてその後の性分化という複製システムの起点となった進化であり、なんでや劇場では生物史に残る大進化として位置づけました。このような大進化の意味を説明できないネオダーウィニズムは、進化の一断片を切り取ったに過ぎないのではないか?とも考えられます。
■遺伝現象と発現システム
進化の源泉はDNAの多様性にあり、自己ではなく出来る限り多様な同類他者(非自己)を作り出すことが生物における環境適応の基幹戦略である。
この時、多様な同類他者を生み出す形質の違いを決める最終決定者はDNAとは言い切れないらしい。
書籍によると、例えば脊椎動物の目の形成に関与する親玉遺伝子(パックス6遺伝子)と、ショウジョウバエの眼の形成に関与する親玉遺伝子(アイレス遺伝子)は、DNAの塩基配列が同じであるが、その遺伝子から発現される形質は異なることがわかっている。ほぼ同じ遺伝子でありながら、脊椎動物ではレンズ眼をつくり、ショウジョウバエでは複眼をつくる。仮にパックス6遺伝子をショウジョウバエに入れて強制的に目を作らせると、複眼ができるということが確認されている。
これは、遺伝子を発現させる解釈システムなるものがなんらかの影響を与えているらしい。
このことから遺伝現象は、遺伝因子と環境因子の両者の作用を受けて発現するのがセオリーのようであるが、果たして形質発現システム(解釈系)とは一体どのようなシステムのことをいうのだろうか?
■大量絶滅と生物の多様化、その内的メカニズムとは?
生物の進化は決して直線的なものではなく、前進的・連続的に下等生物から高等生物に進化したわけではない。
環境の激変(地球環境の変化や旧制覇種の異常繁殖等)により、新たな環境に適応しうる機能を獲得した生物が奇跡的に生き延び、その後適応放散して多様化の道を歩むことができたと言われている。
参照投稿:逆境下で生物は進化した。 [5]
例えば、生物の多様化の代名詞であるカンブリア大爆発は、全球凍結という環境の激変があったといわれているが、果たして外的要因だけで生物は進化を遂げるのだろうか?生物の内的メカニズムがあるとすればそれは一体どのようなものなのだろうか?
近年分子生物学の分野から、熱ショックたんぱく質(HSP90)が初期発生や形態形成の異常を隠す機能がある事が見いだされている。この論に従えば、カンブリア大爆発は、HSP90の存在下で隠されていた変異蓄積が、何らかの環境変動で一気に発現したという考えができる。
では、その変異蓄積は一体どこに蓄積されるのだろうか?なんでや劇場では精子の中心体になんらかの変異情報が蓄積されており、環境の激変と共に発現するという仮説が提示されていたが、このあたりの関連性を追求してみると変異メカニズムの解明に近づけるかもしれない。

以上、やや五月雨的になってしまいましたが(汗)、今後の追求課題を発掘してみました。もし上記の問題提起に対する答え・意見をお持ちの方がいましたら、是非コメント下さい!
お待ちしております


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[4] 『新しい生物学の教科書』池田清彦著「基礎から最先端まで、生物学入門に最適!」』: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=155779

[5] 逆境下で生物は進化した。: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=125976

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