2022-03-29

【番外編】光合成~シアノバクテリアと葉緑体

今回は「光合成」について詳しく扱っていきます。
誰もが一度は聞いたことのある、小学生でも習う「光合成」。
皆さんは光合成と聞いてどんなイメージをしますか?

植物しかできない!葉緑体が行っている!などをイメージするはず!
自身もそうでした!

しかし改めて光合成について詳しく調べていくと、光合成を行っているのは葉緑体だけではないのです!
なんと植物の根や、赤くなったトマトの実、大根なども光合成を行っているんです!驚きですよね!

ではそもそも光合成とはどういう化学反応なのでしょうか?

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■光合成とは?
https://www.rd.ntt/se/media/article/0020.htmlより引用。
光合成とは、植物などが光のエネルギーを使い、デンプンなどの養分(有機物)を作ることです。植物などが行う「酸素発生型光合成」は、水を分解して酸素を発生し、二酸化炭素を有機物に固定します。一方、光合成細菌などが行う「非酸素発生型光合成」では、水でなく硫化水素(H2S)などを分解し、酸素ではなく硫黄(S)を作るものもあります。

一般的に習う光合成は、「空気中の二酸化炭素と水から、植物に含まれる“葉緑体”を介して、でんぷん(養分)と酸素を作り出す反応」と言われています。

ここで
葉緑体って何?そもそも緑じゃないと光合成はできないの?
葉緑体ってどうやってできたの?

などたくさんの疑問が出てきます。

今回は、葉緑体の起源にも迫りたいと思います。

■葉緑体の起源はシアノバクテリア!?

葉緑体を調べていくと、シアノバクテリアが関係していることが分かりました。

シアノバクテリアとは?
以前の本ブログhttp://www.seibutsushi.net/blog/2013/03/1374.htmlより、

27億年くらい前、水を分解して酸素を発生する生物が出現した。これが酸素発生型の光合成生物シアノバクテリアです。
水は極めて安定な物質なので、それを分解するためには大きなエネルギーが必要です。光合成細菌は単独では水を分解することができなかったが、新たに現れたシアノバクテリアは、2種類の光合成細菌が合体したような生物で、光のエネルギーをいわば二重に使うことによって水を分解するエネルギーを得ています。
これによって、硫化水素や有機物といった存在場所が限られる物質に依存せず、水と光のあるところであれば、ほとんどどこででも生育できる生物が誕生したのです。
シアノバクテリアは、光合成細菌と同様、単細胞の原核生物(真正細菌)ですが、光合成という点から見ると、陸上植物(真核生物)と同じ酸素発生型の光合成を営み、持っている色素もクロロフィルです。
つまり、光合成細菌からシアノバクテリアに進化する過程で、
(1)2種類の光合成細菌が合体し(光化学系が1つから2つへ)、
(2)水を分解できるようになり、
(3)色素がバクテリオクロロフィルからクロロフィルに置き換わった
という3つの極めて大きな変化が起こっています。

シアノバクテリアは細菌自体で、光合成を行うことができるのですね!

ではシアノバクテリアと葉緑体の関係はどうなっているのでしょうか?
以前のブログhttp://www.seibutsushi.net/blog/2008/07/524.htmlより引用

ほとんどの生物学者は、
 『真核細胞はアメーバ状の原核細胞と、ミトコンドリアや葉緑体のもととなった原核細胞との「共生」によって進化した』 
ことを認めおり、これを、 「細胞共生進化説」と言っています
細胞共生進化説は、以下のようなステップを踏んで真核細胞が誕生したという説です。
アメーバ状の原核細胞(古細菌)に、DNAを結合した細胞膜が陥入して核膜となった  

そこに原核細胞である好気性細菌(真正細菌)がやってきて、細胞内に取り込まれ、「共生」するようになった(→取り込まれた細菌がミトコンドリアになる)

次に、藍藻が細胞内に取り込まれて、それが葉緑体となった
このような「共生」によって、原核細胞は真核細胞に変化していったという説が、「細胞共生進化説」です

藍藻とよばれているのが、シアノバクテリア。
シアノバクテリアが原核細胞に“共生”して、それが葉緑体になったということなのですね!今回は以前のブログからシアノバクテリアや葉緑体について紹介しました!
今後の追求をお楽しみに!

 

List    投稿者 takayama | 2022-03-29 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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