2022-04-01

【番外編】光合成~色素体とは何か?

【番外編】光合成~シアノバクテリアと葉緑体の『光合成を行っているのは葉緑体だけではないのです!』というように、光合成を行う細胞小器官(オルガネラ)のことを「葉緑体」または「色素体 」といいます。
というと、葉緑体と色素体は別もののように捉えますが、実は色素体の一つが葉緑体なんです。

『葉緑体の起源はシアノバクテリア!?』っていうのも間違いではないのですが、色素体と言った方がより正確なんです。

では、もう少し色素体を追求します。

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私達が学校で習った「葉緑体」という名称及び機能は多くの方が知っていると思いますが、厳密に言うと「葉緑体」という名称は、緑色をした色素体を指し、緑色植物のみに用いられいるのです。

色素体とは緑色植物(藻類などを含む)の細胞に含まれる葉緑体と,その類縁で色素を含むことで特徴づけられる半自律的な細胞小器官の総称です。その役割は光合成をはじめとする同化作用、糖や脂肪などの貯蔵、様々な種類の化合物の合成などをになっています。

その中で代表的なものが葉緑体ですが、その色や機能によって白色体、有色体なども分けられ、固定されたものではありません。

原色素体

画像は「バイオハックch」よりお借りしました

すべての植物は、細胞内に色素体と呼ばれる細胞小器官(オルガネラ)を持っています。

単細胞生物の藻類などでは、色素体は専ら光合成を行う葉緑体として存在し、生育や増殖に必要なエネルギーを太陽の光から獲得しています。

それに対し、多細胞生物の高等植物では、色素体は葉緑体だけでなく、細胞の種類に応じて様々なタイプへと分化します。種子や分裂組織の未分化な細胞などでは、色素体は原色素体と呼ばれる未分化な形に退化しています。その後、植物の発達に伴い、葉などの光合成器官では葉緑体に、根などの非光合成器官では光合成する能力を持たない白色体などの色素体に分化します。また、これらの色素体の分化は一方通行ではなく、発達過程や生育環境に応じて相互に変換し得ることが知られています。

例えば、八百屋に並ぶ大根の根(白い部分)は、光が当たっていても葉のように緑色にはなりません。多くの植物では、根は光合成を行なわない器官(非光合成器官)として機能し、光合成を行なう葉緑体の発達が起こらないからなのです。

根は通常、エネルギー源を地上部の葉に依存しています(細胞における葉緑体の分化は抑制されています)が、地上部を失うと、光により葉緑体の分化が誘導され、緑化することが分かっています。
(※この調節には植物ホルモンであるオーキシンとサイトカイニンが深く関与。植物の発達や環境に応じて葉緑体の分化をコントロール)

■動物の一部でも光合成
光合成と言うと植物のように思われますが、動物の一部でも光合成を行っています。

エリシア・クロロティカというウミウシの仲間がそれにあたります。といっても、生まれつき光合成ができるわけではなく、成長の過程で特殊な”藻”を食べることで、後天的に光合成能力を獲得しているとのことです。
また、スポットサラマンダーというサンショウウオも、生まれつき細胞に葉緑素を含んだ”藻”が含まれていて、日光をエネルギーに変換できます。

おそらく動物は植物に比べて、表面積の割に大きなエネルギーが必要となるため、捕食によるエネルギー獲得という方向に舵をとったと思われるが、人類も日光浴をすることでビタミンDを合成していることからも、太陽光をエネルギーに変換できる力を抑制している可能性も考えられます。
今後追求をしてみたいと思います。
 

List    投稿者 m-yoriya | 2022-04-01 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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