2021-12-29

サル社会の構造⑫~真猿の進化史~

サル社会の構造シリーズでは、原猿の進化過程とその過程で獲得した機能などを追求してきました。

直近のブログでは同一視回路→共認回路を獲得した原猿の「オス・メス関係」や「オス・オス関係」がどのように変化したのか?を追求し、オスメス単独からサル集団へ至る過程と獲得した機能を追求しました。

サル社会の構造⑨ ~共感機能→期待応合回路を獲得した後、オス・メスの関係はどのように変化したか~

サル社会の構造⑩ ~オス同士の集団化はどのようにして形成されのか?~

そして、原猿弱者同士が闘争共認してできたサル集団を「真猿」と呼んでいます。次のブログから「原猿と真猿の違い」を追求テーマに進めていくため、今日のブログでは「真猿の進化史」について扱い、原猿と真猿の違いを追求する基礎としていきます。

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真猿の進化(系統分化)は以下のような軌跡を辿っています。

①オモミス類(原猿)からメガネザル系統と初期真猿(の祖先)が分化

②4000~4500万年前真猿登場

③その後広鼻猿類(新世界ザル)と狭鼻猿類が分化。3500万年前?

狭鼻猿類がアフリカ大陸からアメリカ大陸に渡ったのは約2500年前と言われており(最古の化石がそれ)、当時はアフリカとアメリカ大陸は既に分離しており約500kmしか距離がなかったとはいえ、島伝いに奇跡的に渡った模様。おそらく狭鼻猿類に追われたものと考えられます。

④狭鼻猿類が旧世界ザルとホミノイド(類人猿含むテナガザル系)に分化(約2500~3000万年前)

その後旧世界ザルは尾長ザル系とコロブス系に分化

⑤ホミノイド(原テナガザル)から類人猿分化(1000~1500万年前)

 

これらの過程では概ね進化するにつれて、大型化する傾向が見られます。(例えば新世界ザル<尾長ザル<テナガザル系<チンパンジー)

この過程を推測するに、南方の樹上という特権的世界を独占したサル類は、主要な敵が異種のサルとなったと考えられます。そして、大型の新たな種が登場する度に、従来の種がその場を追われ、(もしくは淘汰され)追われた種は新天地を求めて、新たな環境に適応するという過程を辿ったのではないかと類推されます。

また大型化のベクトルは種間の闘争のみならず、サルの集団内の序列闘争(ボス争い)でも有利に働く=より大型の血統が多く残るので進化と大型化の相関関係により拍車をかけたと考えられます。

加えて原猿から追うとこの進化過程は単体→オスメス同棲の単雄複雌集団→複雄複雌の集団という過程です。つまり種間の闘争に勝ち残るために、概ね大型化と、集団化⇒知能の発達と言う二つのベクトルで発達してきた。これが、サルの進化史の大きな流れだと思われます。

参考:霊長類の進化とその系統樹

 

以上

List    投稿者 t-kenta | 2021-12-29 | Posted in 4)サルから人類へ…, ①進化・適応の原理No Comments » 

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