2019-12-05

『ダーウィンを越えて』 今西進化論講義 

地球深部に潜む膨大な生命体http://www.seibutsushi.net/blog/2019/11/5172.htmlの記事や

地中深くには、鉄を食べながら生息しているバクテリアがいる。成層圏にも生命体が存在しているhttps://www.tokyo-sports.co.jp/entame/538421/ 事が知られています」

この事実から、生命は海から誕生したという通説的な説明とは違い、地球の至るところで生命というものは同時多発的に誕生し、それぞれ独自に進化していったとかんがえるのが、自然な考え方ということになります。

今回は、今西錦司博士の進化論「棲み分け理論」を紹介します

「ある種から新しい種が生まれても、従来種は駆逐されることなく、新しい種と共存してゆくものであり、その発生事態も突然変異などによる偶発的なものでなく、環境の変化などによって、時期が来たら複数の個体が、あたかも化学反応のように、同時多発的に変化してゆく現象が進化である」

→、生物の進化の場は、「生物史から自然の摂理を読み解く」から見ても「競争の場」でなくて、「種社会の平和共存する場である」という考え方です。http://www.asahi-net.or.jp/~id8k-sgn/BAKA-9812/imanishi.html

書評:『ダーウィンを越えて』 今西進化論講義 より

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・・・ダーウィン流の進化理論が、自然科学的に証明されたものでも何でもない、単なる一説に過ぎないことを、・・・・世間一般の常識が、いかに脆弱な土台の上に築かれているものか、知っていただければ幸いです。

そもそも、ダーウィンの進化理論と言えば、『種の起源』に記されているように、知る人ぞ知る自然淘汰説であり、適者生存説なのですが、それを証明する化石等の証拠は、何一つ得られていないのが現状です。

『種の起源』によると、進化は種個体、あるいは少数の種個体から始まると考えられており、この特定の種個体のことを、今日のネオ・ダーウィニズムでは突然変異と呼んでいます。形態にしろ行動にしろ、この突然変異によって発生した個体が他者と比較して、生存するための優位性を持っていること、すなわち適者である場合にのみ競争に勝ち残り、その反面、生存競争に敗れたものは死滅するというのが、ダーウィニズムの本質であると言えます。しかし、この考え方は、もともとイギリスの経済学者のマルサスが、その著書『人口論』で述べた考え方を援用したことに過ぎず、人間社会の現象を生物社会に取り入れただけと考えられます。

そもそも、マルサスの人口論(正確には人口の原理と訳す)とは、「人口の増加は等比級数的であるのに対し、食料の生産は等差級数的にしか伸びないから、一部の人間の貧乏・飢餓は一種の自然現象として不可避である」と言うものであって、適者生存、自然淘汰(自然選択)を社会理論として唱えたものですが、資本主義が勃興し始めていた当時のヨーロッパには、この考え方は非常に都合が良く、ここちよく思えたに違いありません。そして、その流れは現代まで連綿と続いているのです。

今西氏の進化理論は、『棲み分け理論』と呼ばれるように、「進化とは、種社会の棲み分けの密度化であり、個体から始まるのではなく、種社会を構成している種個体の全体が、変わるべきときがきたら、皆一斉に変わるのである」と言う表現に要約できるかと思います。

正確さを欠くかもしれませんが、「ある種から新しい種が生まれても、従来種は駆逐されることなく、新しい種と共存してゆくものであり、その発生事態も突然変異などによる偶発的なものでなく、環境の変化などによって、時期が来たら複数の個体が、あたかも化学反応のように、同時多発的に変化してゆく現象が進化である」と、言い換えることができそうです。

ダーウィンの進化理論が競争原理に基づいているのと比較して、今西氏のそれは共存原理に基づいていると解釈することが可能ですし、特徴だとも言えます。

List    投稿者 seibutusi | 2019-12-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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