2014-02-23

シリーズ 人類と病気 アレルギー(1)~皮膚の進化~

誕生直後から病原体の幹線に晒されてきた生物が、それに対抗するための手段を進化させる一方、病原体も感染を成功させるための進化を続けています。従って、生物の歴史は病原体とのたたかいの歴史であると言えます。

アレルギーと言うと病原体とは少し違っているように思えるかもしれませんが、病原体に対抗する抗体が誤作動、過剰反応していることを考えれば、人類と病原体がたたかってきた進化について考える必要があります。

免疫系で抗体(イムノグロブリン)と称されるものには、IgA、IgD、IgE、IgM、IgGがあります。これらの抗体のうち、通説では外部刺激に対して、アレルギー症状を引き起こすメカニズムに関与している主な抗体がIgEとされています。

【脊索動物以降の進化史】
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※図をクリックすると拡大します。

このIgE獲得の起源は哺乳類段階と言われていますが、この機能獲得の以前、つまり、哺乳類以前の両生類からの進化について見てみたいと思います。

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哺乳類は寒冷適応によって両生類から進化した種と言われています。

哺乳類に進化する以前、生命体が生存に適した環境(熱帯、亜熱帯地域)は、肉食両生類、大型爬虫類が制覇していました。したがって、両生類の弱者種は爬虫類が生存できない寒冷地に逃げ延び、その環境に適応する為に獲得した機能が恒温機能です。(参考:両生類から爬虫類へ

恒温機能によって哺乳類は何を失い、何を獲得し進化したのでしょうか?

ヌメヌメの粘液によって身体を保護してきた両生類
脊椎動物で陸上への進出を成し遂げたのは、魚類の一部から新たに出現した両生類の仲間です。両生類は3億6千万年前に誕生し、その後の爬虫類、鳥類、哺乳類へ進化していきます。

両生類とは、その名の通り「水中と陸の両方で生きる」ということです。幼生(子)の時は水中でエラ呼吸を行い生活していますが、成体(親)になると多くは陸に上がり、肺と皮膚で呼吸をします。ただし、乾燥に強くないので、水辺や湿ったところで生活します。

成体の体表は粘液で覆われています。これは、肺の機能が不十分で、その分を皮膚呼吸(その割合は3~7割に及ぶ)で補っており、酸素が溶け込みやすいように、皮膚が湿っている(ヌメヌメしている)必要があります。
また、ほとんどの両生類には皮膚に粒状の腺を持ち、刺激性または毒性の化合物を分泌しています。

つまり、両生類のヌメヌメの粘液は、皮膚呼吸を助ける役割と、外敵から身を守る役割があったのです。

ヌメヌメを捨て“て寒冷化に適応した哺乳類
両生類は比較的温暖な地域に生息していたため「変温動物」として適応(低温時には冬眠などで対応が可能)してきましたが、寒冷地に逃げ延びた弱者の哺乳類は常時、低温時の中で適応することが求められます。この時に獲得したのが恒温機能です。

この恒温機能を獲得に際して妨げとなったのがヌメヌメの粘膜だったのです。

例えば、お風呂上がりに濡れたままにしていると体が冷えてきます。これは、体についた水分が気体になろうとするときに、周囲から熱を吸収するために体が冷えることによって起こります(液体が気体になるときに周囲から吸収する熱のことを気化熱と言います)。

つまり、温暖地域では皮膚呼吸の役割を果たしていたヌメヌメの粘液は、寒冷地では体温を奪い、体温低下→機能低下・死を招くことになるのです。

そこで、ヌメヌメの粘液を取止め、肺呼吸機能(横隔膜の獲得)を高める方向で進化します。

つまり、ヌメヌメの粘液を取止め、現在ような乾燥したさらさらの柔らかな皮膚を作り外部環境に適応してきたのです。




哺乳類は寒冷化に対して、ヌメヌメの粘液を無くすことで対応しましたが、もう一つ役割「外敵から身を守る機能」を失うことになります。
では、この外敵に対してどのように適応してきたのでしょうか?
次回以降に扱いたいと思います。

List    投稿者 yoriya | 2014-02-23 | Posted in ①進化・適応の原理, ⑤免疫機能の不思議1 Comment » 

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コメント1件

 あれっくちゅ | 2015.02.27 4:28

それにしては、蛙の北限ってかなり北ですよね。
それと哺乳類に変化したグループはいつごろまで鱗を持っていたんでしょうね。

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