太陽系を探検しよう11.彗星~尾っぽの不思議~
こんにちは~ 😀
97年に観測されたへール・ボップ彗星(杉山剛英さん撮影)
尾が2本出ているのが、はっきりと見てとれます。
「太陽系を探検しよう」シリーズ、前回の「10.彗星~太陽の外圧を伝える輝き~」では、
・彗星の尾は何で出来ているのか
・なぜ尾が出来るのか
について、追求してきました。
続く今回は、
・彗星に生じる2本の尾の向きが、軌道を回るなかでどのように変化するのか
・尾の動きを規定する要因は何なのか
について、書いていきます。
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いつもありがとうございます
彗星には未だに未解明な部分が多く、尾の動きの原因についても、いくつかの説が唱えられています。
今回、特に「彗星の尾の軌道」について探索する中で、高校で科学を教えておられる杉山剛英先生のサイト(「杉山剛英の科学実践」)に出会いました。
そうして、質問のお手紙を差し上げたところ、親切なご回答を頂きました。
↑先生から頂いたお手紙。ヘールボップ彗星の写真まで同封して下さいました!
今回は、杉山先生の説をご紹介させて頂きます。
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前回の記事で述べたように、彗星は太陽から3天文単位付近(=地球と太陽の距離のほぼ3倍程度)まで近づくと、核表面の物質が蒸発し、その成分によって2本の尾が生じます。
2本の尾は、どのような向きで生じ、太陽付近を回りながらどのように変化していくのでしょうか?
(以下、杉山さんの資料より引用)
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太陽表面からは500~1000km/sの高速で電子や水素イオン等の荷電粒子が飛び出しており、これを太陽風と言います。
火星軌道付近まで接近した彗星の表面からは、太陽光に炙られて、水や二酸化炭素、ちりなどが吹き出しています。
軽いガスは太陽風に流され、ほぼ太陽と正反対の方向に青く輝く尾として観察できます。尾はあたかも彗星がジェット噴射して進んでいるようなイメージを与えますが、全く関係ありません。
彗星自体の移動速度は、地球軌道付近で30km/sで太陽風より格段に遅いため、ほぼ太陽風の通りの向きに輝いて見えます。
彗星表面から吹き出したちりや砂は重いため、太陽風によって吹き飛ばされる速度が遅くなります。その間に彗星本体が移動しているので、軌道上に残される様に分布し、太陽光を反射して白っぽい尾(図の点線)になります。こうして、太陽を回りこむにつれて、2つの尾の角度は開いていきます。
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尾を構成する物質あるいはプラズマの重さによって、太陽風の影響度が変わるために、2本の尾の向きに差が生じていくのですね。
杉山先生の説では、太陽風が原因とのことですが、
巷では、磁場が原因であるとする説や、太陽光の光圧が原因であるとする説もあります。これら諸説については、今後も継続して追求していきたいと思います。
最後に、今回の記事作成を快諾頂きました杉山先生、大変貴重な資料をありがとうございました。
今後も、協働の機会を持てることを楽しみにしております。宜しくお願いいたします。
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