2011-11-25

君もシャーマンになれるシリーズ4  ~シャーマンの誕生の背景 


君もシャーマンになれるシリーズ、第4段です 😉
前記事では先天的な事例と後天的な事例について扱いました。
現代でも沢山のシャーマンがいる訳ですが、とりわけ世界各地で事例が挙げられる未開部族のシャーマンは日常的な悩み相談から祭祀の長を担っており最も重要な役割を果たしています。同時に未開部族に見られるシャーマンはその歴史的も長いとされています。
今回は、大きく以下の3つの論点に絞り、シャーマンの世界に迫って行きたいと思います。
①シャーマン誕生の背景
②共同体とシャーマン
③東洋にみる共同体とシャーマン

それでは、本編に行く前に・・・
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【テーマ①:シャーマン誕生の背景】

祭祀を司る長とはシャーマンのことであり、古くは原始人類の精霊信仰にまで遡る。古代では王と祭祀長は分化しているが、原始人類ではどうだったのか? そもそも原始人類のリーダーの役割は何だったのか? そこから考える必要がある。
まず、この原始人類の生存状況に同化してみよう。
洞窟の中で餓えに苛まれなが暮らしている。主要な食糧は肉食動物が食べ残した動物の骨であったが、それを拾い集めるのは短時間で済み、何より洞窟の外は危険が一杯なので、長時間も居られなかった。つまり、大半の時間を洞窟の中で過ごしていたわけで、原始人類はその間、何をしていたのか?
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=258196

上記のようにシャーマンの誕生は古くは原始時代までさかのぼります。
ちなみに、ここで言う「原始人類」とは、人類誕生(約500万年前)から弓矢の発明(1~2万年前)までを指します。当時、人類は足の指が先祖帰りしたことによって木に登れなくなったカタワのサルでした。生存域を樹上から洞窟に移し、常時極度な怯えや飢えに苦しんでいたことでしょう。
そんな人類に必要不可欠だったもの。それは「充足」つまりは共認充足。
みなが求めていた「充足」をどんな形で満たして行ったのでしょうか?
そこにシャーマン誕生のカギがありそうです 😀

まず考えられることは、エネルギー源としての充足の追求であり、それによって人類は充足機能を発達させてきた。
カタワのサルである人類は地上で適応するために直立歩行の訓練を始め、それが踊りとなり、この右・左と足を踏み鳴らす踊り=祭りが日々の充足源(活力源)となった。
この踊り=祭りの中でトランス状態に入り、そこで観た幻覚の極致が精霊である。人類が万物の背後に見たこの精霊こそ、人類最初の観念であり、人類固有の観念機能の原点である。
精霊信仰に先端収束することによって統合された人類集団では、精霊への祈りが最も重要な課題であり、元々は二足歩行訓練という目的であった踊りや祭りも、精霊への祈りが主要な意味に変わっていったであろう。また、それに応えるために最も霊感能力の高い者(一般的には女)が集団のリーダーになったはずである
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=258196

二足歩行の訓練が踊りになりそして祭祀になっていったんですね。
徐々にトランス状態になっていき、「精霊」=人類最初の観念を見るにいたりました。ここで、特筆すべきは、集団のリーダーを女性が担っていたのではないかという点です。霊感が強いといわれる女性ですが、沖縄のユタにせよ、照ちゃんにせよ、現代でも女性シャーマンは多いようですね。
それは、霊感が強かったことと、そもそも集団の期待が充足にあったことが大きいと思われます。極限時代、極度な外圧状況下でみなが求めていた充足を作り出してたのはまさに女性シャーマンであったといえそうです。
ちなみに、ささいな充足に敏感なのは現代の女性からもうかがえますよね。
充足に敏感だから、常日ごろから充足可能性探索をしているといえます。
企業でも「女性が元気な会社はうまく行っている」とも言えそうです。現代でも女性にはシャーマン的な部分が備わっているのかもしれません。
参考投稿http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=67892
【テーマ②:共同体とシャーマン】
洞窟暮らしから外に出て、国家を作り出す過程で、シャーマンの位置付けはどのように変化していったのでしょう

写真はこちらからお借りしました。http://mohariza6.exblog.jp/10363342/
まず洞窟時代からの人類の進化状況を簡単にみてみると、人類は、観念機能(火・調理具・戦闘具・栽培・飼育)の進化によって生存力を強化し、約2万~1万年前、弓矢の発明によって外敵と互角以上に闘えるようになりました。そこから洞窟を出て地上に進出し、繁殖していきました。そして繁殖による集団の拡大と分化を繰り返し、人類には自然外圧に変わる同類闘争の緊張圧力が働き始め、戦争へ突入していったという歴史があります。
そのような状況下での集団とシャーマンの役割は、

10/30なんでや劇場1 原始人類集団のリーダーは、精霊信仰⇒祭祀を司る女であった
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=258196
より引用
>同類闘争圧力→戦争圧力が高まると、戦闘集団の長(男)が部族長になり、戦争の果てに古代初期に王国が誕生すると、武装勢力を率いてきた部族長が王となる。
このように、元々の人類集団では祭祀長が部族長だったのが、闘争圧力が上昇したことにより、戦闘隊長が部族長に昇格し、その下or横並びに祭祀長(シャーマン)が控えるという形に逆転した。(なお、東洋では神官集団はほとんど例外なく女集団である。)<
>このような長(リーダー)の役割の交代の背後にあるのは、大衆の期待の変化である。
原始時代~採集生産時代は自然圧力に適応することが集団の成員の期待であって、それに応えるために長には祭祀能力が求められた。
同類闘争圧力が高まり戦争が始まると、防衛や闘争勝利が大衆の期待となり、それに応えて武装勢力の長がリーダーに変わったのである。<
引用終わり

観念機能獲得以降の人類の外圧状況は、極限時代に比べて自然外圧が緩み、その結果同類闘争圧力が高まり、やがて武力国家が形成されました。極限時代と入れ替わり戦闘隊長が部族長になるので、部族の長ではない特定の人のみシャーマンとして存在します。
この状況は特に西洋では顕著でしたが、東洋では外圧が変わっても村落共同体と集団の長であるシャーマンが残り続けました。東洋の共同体社会を見てみると、シャーマンとの深い関係があります。もう少し詳しく見ていきます。
【テーマ③:東洋にみる共同体とシャーマン】
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写真はこちらからお借りしました。http://blog.livedoor.jp/yurariburari/archives/cat_40047.html
外圧状況が変わるなかで、集団形態も大きく変わっていきます。
まず西洋では、古代国家から中世時代にかけて武力戦争の皆殺しにより共同体は完全に解体され、集団(国家)をまとめる為の観念(=宗教)が必要になり、大衆まで浸透して国家が統合されていきました。
一方、東洋では村落共同体が残り続け、その地域では、集団第一とした共認充足、役割共認が成員の最大の目的でした。そのような共同体では、誰もが認める長(シャーマン)によって、祭祀を司り、予知によって集団が保たれていました。それは集団の大きな問題から、病の悩みまで、予知能力はみなに支持されていたことでしょう。その意味で共認充足による集団維持には、シャーマンが必要だったのです。このように武力国家の形態ができてからも、共同体体質が残り続けた地域には、シャーマンが存在していきました。
★女集団がシャーマンを育てる~沖縄ユタの例
では、現代社会において、シャーマンが誕生する基盤はどこにあるのでしょうか?現存するシャーマンの中で特に有名な沖縄ユタの例を元に、シャーマンが誕生する基盤を探っていきます。
沖縄には「医者半分、ユタ半分」ということわざが古くからあり、災難や原因不明の病気、人知を超える問題を解決したいときにユタに相談します。
ユタになる人の理由はさまざまですが、その多くが「巫病(ふびょう)」と呼ばれる精神疾患に侵され、幻聴を体験した後に霊的資質を備えていきます。沖縄では、この神がかり的な体験を「カミダーリ」と呼び、精神病と見なすのではなく、ユタになるための通過儀礼として捉える規範が存在しています。
巫病期間は精神的に不安定な状況が続くため、オヤユタの支えが不可欠です(巫病にかかると幻覚・幻聴に苛まれるため、何を仕出かすか分からない)。自らも同じ苦しみを味わったオヤユタが、若い見習いユタの苦しみを受け止め、支えることで、精神をコントロールする術を覚え、特殊能力を開花させていくことのです。
つまり、ユタが誕生する条件として、巫病期間を支える安心基盤(支え合い、シャーマンに対する理解)が不可欠であることがわかります。それがなければ、たちまち精神病と見なされ病院送りです。
そして、その安心基盤の中心は、やはりオヤユタを中心とした女集団ではないでしょうか?女達のもつ充足性が、精神的に不安定な見習いユタを包み込み、皆が期待するシャーマンへと成長していくのだと考えられます。
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オヤユタと見習いユタ                 
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久高島では、30歳になると全員が神女となる
写真の引用元:NHKサイエンススペシャル:驚異の小宇宙・人体Ⅱ・脳と心「果てしなき脳宇宙」

List    投稿者 wata-sin | 2011-11-25 | Posted in ⑬宇宙人・スピリチャル6 Comments » 

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コメント6件

 匿名 | 2013.10.10 0:07

大変勉強になりました。たとえが分かりやすくて私みたいな門外漢にもすぐイメージ出来ました。

 kumana | 2013.10.10 20:59

コメントありがとうございます。
このブログは、素人仲間で作っていて、自分達が分かったことだけを記事にしています。今後も、わかやすい記事作りをしていきますので、応援よろしくお願いします。

 あれっくちゅ。 | 2013.10.11 4:03

今日は2つあります。
① 真空中はいいのですが、物質中では2つの光速の定義が存在してしまいますよね。一つはその場での光の速度で、もう一つはニュートリノもそれに近いんですが、無質量かそれに近い素粒子の通過速度。
こういうのってどう呼んでるんでしょうか????。
これって前の記事のコメントの方がよかったかな?
② パチンコ玉でもサッカーボールでも、投げるものより的の方がはるかに大きい場合、当てる為には同じような精度が必要ですが、っていうか投げるものが小さい方が人間にはコントロールしやすいですよね。
ニュートリノでも中性子でも、水素以外の原子核からみればはるかに小さいのですが、ウランでもプルトニウムでも、臨界質量は地球から見たらはるかに小さいのに、一回の核分裂で発生する2~3個の中性子のうち最低一個他の原子核に当たる質量ってことだから、かなり高確率ですよね。
即発中性子はチェレンコフ光が出るくらいの速度があるくらいだからそれなりの速度なんだけど、なにか原子核に引き寄せられるような力でも働いているのでしょうか?

 はく | 2013.10.16 19:53

貞子とニュートリノが関連していることをみんな知らない。
素粒子からみるリングーらせんーループは至高の作品だとおもっています。

 くまな | 2013.10.18 1:08

あれっくちゅ。さんへ
①について
少し調べてみましたが、とくに呼び名や概念などはないようですね。呼び方としては、真空での光速、水中での光速、水中でのニュートリノの速度、ということだと思います。
②について
核分裂中性子の場合は、上の記事でいうと山と山がぶつかるようなイメージです。それぐらいの大きさになると引力が無視できなくなるようです。
核分裂で原子核から飛び出した中性子は、原子核の間を「飛行」する間に徐々に原子核が並んでいる「軌道」へと吸い寄せられます。
原子核がウランともなると体積で200倍以上ですから、さらに引力の影響は大きく、中性子の飛行時間は短くなります。
更に、これは想像ですが、中性子は不安定で、放っておくと陽子と電子になってしまうといいますから、時間の経過とともに、荷電粒子の様相を徐々に垣間見せながら、ある種の揺らぎを拡大させながら飛行していることも考えられ、相互作用が生じているかもしれないのでは?などと考えています。
追加の質問などありましたら、またお寄せ下さい。

 くまな | 2013.10.18 1:15

はくさんへ
貞子のその作品は、まだ存じ上げませんが、記事にも書いたように、いわゆる超常現象といわれるものは素粒子の世界とつながっていると思います。
それは、恐らく、私達の身体の中に存在するミクロ宇宙ともつながっているはずです。

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