2010-12-03

脳の進化と活用、その可能性を探る~「相手の心がわかる共認機能」、脳の発達からそれを解明する~

「脳の進化と活用、その可能性を探る」シリーズ、始まりましたね
今回からはより、みなさんにぐっと身近になるお話を紐解いていきます 😀
突然ですが、みなさん、何かペット などを飼っておられますか?昔は、飼っていた方が多いですよね
ペットって、「私の気持ち分かってくれている~(^^)気持ち通じ合っている~ 」って、思うことありますよね?
あれって、実は、錯覚だって知っていました?(私も信じ込んでいました )
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私は、猫 を飼っていたのですが、旅行に行くとき、一匹でお留守させてみたことがあります。
帰ってきて、猫のところに行ったら、涙 をながしたことがあるんです!
その時、私は「寂しかったんだね~。ごめんね~。会えて嬉かったんだね~。」って思ったのですが、どうやらちがったようです。
感情が高ぶって、涙を流すって、実は人間ぐらいなんです。動物はこういった感情を伴って、涙を流しません。おそらく家の猫は、目にゴミが入ったりしただけなのだと思います
動物には、本能からくる「恐怖、怯え」などの感情はありますが、「感情相手の気持ちが分かって同じ気持ちになる」etcの高度な感情はありません。
ヒトとサルには、『共認機能』という「相手の心がかわる機能」があるから、相手の様子をみて同化して、「こう思ってくれているんだ~」って、思うことができるんです。
実際、サル・ヒト以外の哺乳類の脳と、サル・ヒトの脳では、発達具合も異なっています!単に脳が大きくなっただけでなく、ある変化もみられます。
まずは、サル・ヒトがどうやってこの「共認機能」を獲得してきたのか?
そこから紐解いていきたいと思います☆
ではでは、みなさん、「共認機能」獲得段階のサルのお気持ちになって、以下を読み進んで下さいね
サル・ヒトを含む哺乳類。この哺乳類の最大の特徴は、性闘争=縄張り闘争の本能を著しく強いということです。従って、性闘争に敗け縄張りを獲得できなかった個体(=大半の個体)は、エサを確保できずに死んでいきます。
まず、この前提状況を頭に入れながら、読み進めて下さい☆
サルのご先祖さまは「原モグラ」です。原モグラは、弱者ゆえ、縄張りを追われ、樹上に逃避します。そこで、樹上機能(後ろ足の指で手と同じ様に枝を掴める)を発達させて原猿に進化します。

●ノタルクトゥス(5000万年前)
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・樹の枝を足でつかめる猿の祖先。キツネザルやロリスなどの原猿類の祖先にあたるアダピス類に属する。他のアダピス類と同じく長い指に母指と足指をもち、物を握ることができ、樹上生活をしていたものと思われる。また、尾は長く、長い四肢、柔軟な背中をもち、敏しょうに動いたと考えられる。生息年代 は、古第三紀(始新世前期~中期)。化石の発見地は北アメリカ。体長は40cm。

樹上に逃げて、すごくよかったことがあります!なんだか分かりますか?
♪~think time~♪
正解は、
●樹上は、外敵がいない!
●豊富な果実や木の実がたくさんある♪

ことなんです。
つまり、最高の、防衛力、生産力を手に入れたんです!!
こうして、好条件に恵まれた原猿は、またたくまに森林という森林を埋め尽くして、繁殖していきました。
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一見、すごくよさそうなこの状況、それがのちに大問題へとつながっていくんです。
またたくまに森林という森林を埋め尽くして、繁殖していった結果、哺乳類の最強本能たる性闘争=縄張り闘争の本能が問題化してくるんです!
どういうことかというと・・・
この本能は、激しい個間闘争によって、敗退した大多数の成体が行き場を失って外敵に喰われ、あるいは餓死することを前提としています。
簡単に言えば、大多数が死んでくれることによって調和が保たれている本能です。
半地下(ほぼ地上)であれば縄張り(言わば土俵)から敵を追い出すのは簡単です。
しかし樹上には何本もの枝があり、降りれば地上があり、しかも縄張り内には何百本もの樹があります。この様な縄張り空間では、1匹の覇者が多数の敗者を縄張りから完全に追い出すことは不可能です。
たとえいったん追い出したとしても、追い出された者は樹上逃避できるので、外敵に喰われることなく大多数が生き残ります。
そして、生き残っている以上、彼らは常にどこかの覇者の縄張りを侵犯していることになります。縄張りを持つ覇者はメスの掠奪は許さないが、縄張り周辺でのエサの掠め取りまでは手が回りません。従って、彼らは概ね各縄張りの境界線上にたむろすることになります。しかし、そこでは充分な食糧を得ることができません(><)
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縄張り闘争に敗れても、樹の上にいれば餌はあるので死ぬことはない(><)
かといって縄張りはないので、自分の居場所をいつ侵されるか分からない…という不安と緊張が常に付き纏う(><)
かろうじて生きてはいけるものの、中途半端に生き残るという状態なんです!
これって、実は生物史史上なかったできごとなんです。
同じ性闘争本能を持つ肉食動物や草食動物がぶつかったのは本能の適応不足=限界であり、それは全ての生き物の本能が孕んでいる限界と同質のものであるが故に、彼らの限界も他の生物と同様に、無自覚のDNA変異によって克服されていっています。
しかし、原猿がぶつかったのは単なる本能の限界ではなく、絶えず生存の危機に晒され不全感覚が刺激され続けるという意識的な極限状態であり、しかも本能そのものが混濁するという本能の不全(縄張り闘争には勝てないのに、死なずに辛うじて生きている)故に、本能ではどうにもならない(従って本能を超え出るしかない)という未明課題だったのです!
ではでは、それをどう乗り越えていったのか?
それは次回、お楽しみに

List    投稿者 miwa | 2010-12-03 | Posted in ④脳と適応No Comments » 

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