2010-11-18

雌雄の役割分化6 ~雌雄分化の第三段階=躯体分化(特殊編)~

・今回は雌雄の役割分化シリーズの第6弾として、雌雄分化の第3段階(=躯体分化)の特殊編をお届けしたいと思います。
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・多細胞生物の進化系統と生殖様式の変遷は、大きな幹としては「原生動物→海綿動物→腔腸動物→棘皮動物→原索動物→脊椎動物(魚類→両生類→哺乳類)」という流れになります。本シリーズではこの流れに沿ったもので展開していますが、一方で特殊ケースというものは必ず存在します。
・今回の「特殊編」はその特殊ケースである『環形動物』『節足動物』『植物』といった所を見ていきます。
・その前に復習として、これまでの記事も併せて見ていって下さい。
【過去シリーズ記事】
雌雄の役割分化1 ~雌雄分化って何?~プロローグ
雌雄の役割分化2 ~単細胞生物の「接合」~
雌雄の役割分化3 ~雌雄分化の第一段階=殖産分化~
雌雄の役割分化4 ~雌雄分化の第二段階=精卵分化~
雌雄の役割分化5 ~雌雄分化の第三段階=雌雄躯体分化~
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○環形動物(ミミズ)
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・環形動物であるミミズは雌雄同体の生殖種です。雌雄分化の方向で生殖に特化して進んでいった進化系ではありません。
・ミミズというとイメージ的には虫(幼虫)に近いので、小さいし遅いので外敵圧力は大きいように思われますが、なぜ雌雄分化の方向で進化適応しなかったのか?疑問が残ります。
→ここで注目すべきは「再生能力」といった所でしょう。単純な体構成であるがゆえに再生(分裂)可能な能力を有し、また生殖細胞の特化がされていない為に、どこの体細胞でも生殖細胞化可能であるという特徴があります。
 これは、未発達であったが故に、雌雄躯体分化への舵を取らずに適応出来た特殊例と言えそうです。
○節足動物(ミツバチ)
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・節足動物であるミツバチに関わらず、昆虫はほとんどが群れで生活しています。また群れるのでコロニー(巣)を作る事例も多い。まるで、虫単体が一細胞であり、群れて多細胞化するかのように行動が規則的に見えます。そう捉えるとミツバチでは役割(3種類)が決まっており、虫単体にも「女王バチ」「働きバチ」「雄バチ」という名称が付けられるほど明解です。
・次に、ミツバチは有性生殖と単為生殖を行います。単為生殖では女王バチの産む卵(n)が未受精のまま発生し、雄(n)だけが生まれます。雄バチは生殖だけが役目で、女王バチと交尾すると死んでしまいます(※他には何もしない。餌も取らなければ食事もしない。普段巣の中で居るだけで、発生して10~15日で交尾して死ぬ)。有性生殖で生まれる働きバチは全て雌(2n)で働きバチには生殖能力はありません(※これは餌を取って来るのみの存在)。
→このような雌雄分化は動物系では無い特殊例と言えそうです。躯体分化していると言えばそうですが、役割的には「精子」となるだけのみに生まれた雄バチは、虫単体としてでは無く細胞の一つとして見ると生殖細胞そのものとも見えてきます。
 昆虫は、ほとんどが小さい存在であり、動物に比べると明らかに弱く、外敵圧力は大きい。この適応戦略として繁殖能力(=数的有利)に進化の舵を切り、雌雄分化への舵を切って進化した外圧適応態であると言えます。
○植物(コケ植物・シダ植物・種子植物)
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・植物の特徴はなんといっても光合成による栄養獲得であろうかと思われます。餌を取る能力や貧困外圧が低いと言っても良いでしょう(=その為運動能力は獲得せずに動かない戦略で良く、地球上に広く繁栄している)。そういう意味では雌雄躯体分化へはあまり発展しなかった事例と言えそうです。
・植物は大きくはコケ植物・シダ植物・種子植物に分けられ、それぞれ特徴があります。
・以下、①体制 ②鞭毛の有無 ③細胞壁を構成する物質 ④同化色素 ⑤無性生殖の有無と様式 ⑥有性生殖の有無と様式。について整理。
1)コケ植物:①葉状体・茎葉体 ②尾型 ③セルロース ④クロロフィルa,b・カロテン・キサントフィル ⑤無性芽・胞子 ⑥配偶子(卵細胞・精子)。
2)シダ植物:同上。
3)種子植物:同上+⑤大胞子と小胞子 ⑥配偶子(卵細胞・精子/精核)。
→植物は生殖方法を限定する方向へ(無性生殖から有性生殖へ)は外圧に対して適応していったが、躯体分化という生殖能までは進化しなかった(=必要無かった)と言えそうです。
【まとめ】
・動物(一般の多細胞生物)は生殖能を限定する方向で進化してきた(参照)。
・特殊事例(動植物)と言えども、生物は全て外圧適応態であり、外圧(環境)に応じて程度は違えど雌雄分化へ舵を切っている。

List    投稿者 h100p | 2010-11-18 | Posted in ③雌雄の役割分化1 Comment » 

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コメント1件

 JADA | 2011.08.18 20:51

カタツムリとナメクジって、殻が有るか無いかで、基本的には同じ種ですよね。
鳥の体内で消化されないために、ナメクジが殻を獲得してカタツムリに進化したとは考えられないでしょうか?

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