2009-06-23

インフルエンザウイルス感染と複製のメカニズム

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(一回のくしゃみで10万個のウイルスが飛沫します) http://56-snapshot.com/archives/271
先週に引き続きインフルエンザウイルスの追求をしていきたいと思います。追求すればするほど良くできたメカニズムだなぁーと感心するばかりですが、一方でそんなに警戒する代物ではないことがわかってきました。特に今回の新型インフルエンザは警戒するに値しないどころか、新型でもなんでもないことが判明。
今回はそのインフルエンザウイルスの感染までの流れと複製のメカニズムについて、図を使ながら追求していきたいと思います。少し複雑ですが一緒に追求していきましょう。
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インフルエンザウイルスの感染
(1)
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  インフルエンザウイルスは、感染者のせきやくしゃみによって飛沫(ひまつ)という形で空気中に放出されます。その数は、1回のせきで約5万個、1回のくしゃみで約10万個と言われ、やがて水分がぬけた飛沫核(ひまつかく)という形になって長時間空気中を漂うことになります。条件がよければ、この飛沫核は24時間感染性を維持すると言われています。
  ウイルス表面からは、HA(ヘマグルチニン)というタンパクとNA(ノイラミニダーゼ)というタンパクが、とげのように突き出しています。
(2)
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  これを呼吸によって吸い込むと、HAが、のどの上皮細胞にあるシアル酸という糖を認識して結合します。
(3)
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  すると、上皮細胞の扉を開けるスイッチが入り、細胞膜でウイルスを包み込みながら細胞の中に入れてしまいます。つまり、ウイルスのHAは細胞の扉を開けるカギで、細胞側のシアル酸はカギ穴となるのです。
(4)
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  ウイルスは、やがて細胞膜で完全に包み込まれて細胞内に取り込まれます。この膜で包まれた中をエンドソームといいます。
(5)
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  エンドソームの中のpHが下がる(酸性が強まる)と、A型ウイルスの場合はウイルス表面の膜(エンベロープといいます)に埋め込まれたM2というタンパクが変形して膜に小さい穴があき、ウイルス内部がだんだんと酸性になっていきます。そしてpH5.5くらいの酸性になると、エンベロープとエンドソームの膜が融合を起こします(B型およびC型ウイルスは、M2の代わりに別のタンパクが同じ働きをしていると考えられています)。
(6)
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  その結果、融合した膜に大きい穴があいてウイルスの遺伝子が細胞の中に送り込まれるのです(遺伝子の輸送には、エンベロープの内側を覆っているM1というタンパクが関与することが知られています)。
インフルエンザウイルスの複製
(7)
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  細胞内に送り込まれたインフルエンザウイルスの遺伝子は、感染細胞の核(人の細胞の設計図であるDNAが合成されるところ)へと運ばれます
  ウイルスを包んでいたエンドソームは、細胞膜に戻ってリサイクルされます。
(8)
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  すると、ウイルスの遺伝子に一緒にくっついてきた酵素の働きにより、核は間違えてウイルスの遺伝子を大量に作りだしてしまいます。そして、感染細胞はウイルス生産工場へと化してゆくのです。
(9)
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  工場の中では、ウイルス遺伝子は核の中で、またHAやNAなどのタンパクは核以外の組織でつくられます。
(10)
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  タンパクの一部と遺伝子は、やがて1つにまとまって、ウイルスコアとなります。ウイルス表面のトゲとなるHAやNAは細胞膜に移動し、結合します。
(11)
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  このようにして次々とつくられたウイルスコアは、HAやNAなどのタンパクが結合した細胞膜へと移動していきます。
(12)
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  そして最後の仕上げに、HAやNAが突き出している細胞膜を身にまとい(この膜が(5)と(6)に出てきたエンベロープとなる)、ウイルス粒子となって飛び出してゆくのです。NAはこの時、ウイルスと細胞の切り離しに使われます。ウイルス粒子は、1つの細胞から約1000個作り出されます
  このようにして作られた2代目ウイルスは、次なる工場となる細胞を見つけては同様の感染を繰り返し、結果的にほんの1個のウイルスから24時間後には約100万個ものウイルスが複製されることになるのです
一回の咳で10万個のウイルスが飛沫し、その内の1個のウイルスでも細胞に感染してしまえば1日で百万個にまで増殖してしまいます。考えるとゾッとしますね。
画像はこちらから借りました⇒http://www.iph.pref.hokkaido.jp/Top-Main.asp

List    投稿者 mizuguti | 2009-06-23 | Posted in ⑤免疫機能の不思議1 Comment » 

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コメント1件

 ayoan igokah | 2009.09.23 14:58

牛の免疫取得が初乳と言うのは面白いですね。北海道にいた時代の話ですが、子牛には母乳を飲ませず、脱脂粉乳で育てるという事を聞いたことがあります。飲ませると、搾乳が出来なくなるというのが理由でしたが、もし全く初乳をのませないというようなことをしていたら、子牛は感染症で早死にしてしまっていた訳ですね。
胎盤にもいろいろ種類があるのですね。考えてみれば、臓器移植が動物間で出来ないわけですから、動物の種類だけ、異なる臓器があることになりますね。

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