2009-05-05

インフルエンザ万能ワクチンって何?

これがインフルエンザウィルスの模式図です。
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新しい風<宮崎市郡医師会のブログ>さんからお借りしました)HAという部分で細胞に取り付き、細胞内に侵入し増殖し、NAという部分を使って細胞外に飛び出していきます。
新型の豚インフルエンザが世界に拡大しています。ようやくワクチンをつくろうという段階で、ワクチンが供給されるのは半年後です。
一方で現在、今後出現する新種のインフルエンザウィルスにも対応できるかもしれないワクチンを日本のチームが開発中です。実用化までは数年かかりますが…インフルエンザとの闘いはどうなるのか?
万能ワクチンはどんなものなのでしょうか?
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🙁 既存のワクチンは新型には効かない
ワクチンは、既存のウィルスを薄めて注射し、免疫系にウィルスの膜タンパク(図のHA)を認識させ抗体(ウィルスを攻撃するための分子や細胞など)を作らせます。ところが、膜タンパクは絶えず変異し、そのうち上皮細胞に取り付けるものが出現する。これが新型インフルエンザです。
たとえば、今回感染拡大している豚インフルエンザは、膜タンパクの型としてはH1N1=Aソ連型といわれていますが、既存のワクチンは無効です。複合型かもしれません。(ex.豚の体内で交雑。人工ウィルス?)
だから、新型のウィルスを使って新たにワクチンをつくる必要があります。
それだと発生から1年以上かかってしまいます。
そこで、膜タンパクより変異しにくいウィルス内部のタンパクを認識させて抗体を作らせるという新しい考え方のワクチンを開発しているようなのです。
万能ワクチンとは?
発表したのは、厚生労働省の研究班で、国立感染症研究所、北海道大学、埼玉医科大学、化学メーカーの日油の産学協同チームです。
新しいワクチンはリポサム※と呼ばれる脂肪を少量注射し、リポサムの表面に抗原を乗せて体内に運ばせる。このワクチンによって感染した細胞を免疫細胞が認識します。
※リポサム:ペプチド+リポソーム

研究班は、表面に比べて変異しにくいウイルス内部のたんぱく質を人工合成。それに特殊な脂質膜をくっつけてワクチンを作った。このワクチンを接種すると、免疫細胞が、ウイルスの感染した細胞を攻撃する。
実験では、新型インフルエンザウイルスに変異する可能性が高い高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1、Aソ連型、A香港型の3種共通の内部たんぱく質を調べ、ワクチンを作製。免疫に関与する人間の遺伝子を組み入れたマウスに接種した後、ウイルス3種をマウスに感染させても症状が表れず、増殖も抑えた。
ただ、これまでにないタイプのワクチンなので、人間に使って重い副作用が出ないか、慎重に確認する必要がある。同じ仕組みのワクチンを英オックスフォード大も研究中という。

リンク

 新ワクチンは、ウイルスの内部構造がほとんど変化しない点に着目し、「ウイルスの表面ではなく内側を攻撃する」と国立感染症研究所の内田哲也氏はAFPに語った。

リンク
これまでのワクチンの考え方は、増殖後のウィルスをその膜タンパクから直接認識して攻撃するものだったので、膜タンパクが変異すると無効になりました。そのしくみは、産生する抗体がウィルスの膜タンパクと結びついてその機能(細胞に取り付く能力)を無効化するやり方で主にB細胞という免疫細胞が活躍していると考えられます。
新しいワクチンの考え方は、ウイルスに感染した細胞を攻撃します。そのしくみは、免疫細胞の中のマクロファージや樹状細胞などがウィルスを分解して提示したウィルスの破片(=異物)を認識して攻撃する、すなわち死滅させるやりかたで、T細胞という免疫細胞が最前線ではたらくと思われます。
抗原が提示されると、これに反応する特定のT細胞が活性化して増殖します。感染細胞をやっつけた後は、一部が通常の数百倍の濃度で残り、次に同様のウィルスが侵入したときに備えます。将来、ワクチンではなく本当に感染した時には、このT細胞が再度活性化します。
ヒトとウィルスのいたちごっこは沈静化するのか?さらに加速するのか?
つまり多細胞生物が、細胞同士を連携させるために生み出していった膜タンパクの多様化(それはつきつめれば親和性の増強を招く)が細菌を招き入れていったのである。そして、そこから細菌自身も適応度を上げるために多様化を進めるという免疫細胞と細菌同士のいたちごっこというべき戦いが始まったのではないか。
5/25なんでや劇場レポート3~ 敵もさるもの、免疫進化を上回るウィルス進化にご用心!
いたちごっこはそう簡単に終わりそうもありません。
さらに、人工ウィルスという邪心 😈 も加わるわけです。
これはもう共認充足により集団として免疫力 を高めるしかない

List    投稿者 kumana | 2009-05-05 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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