2009-05-09

「反省だけならサルでも出来る」・・・はず・・・②

前回の「反省だけならサルでも出来る」・・・はず・・・①で動物は、反省できるが分りました。
では次は問題のサルです。
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サルの大脳機能の特徴は一般哺乳類(例えば猫)に比べて

①新皮質が厚く、神経細胞数が飛躍的に増加している
②大脳の各領域を繋ぐ連合繊維(中心は脳梁)が太く、かつ本数が遥かに多い。
③それらは前頭連合野に集約されるが、この各情報を統合する前頭連合野が著しく発達している。(例えば一般哺乳類の大脳に占める前頭連合野は3.5%で、サルは11.5%です)

という3点が挙げられます。
これらはるいネットでも言われている、「共認機能」の発達の結果であるわけですが、これらから逆に共認機能の本質が見えてきます。
神経細胞数が飛躍的に増加するのは、一般哺乳類が自然環境や異種の動物を主要に認識対象にしているのに対し、サルは認識対象の中心が同類に移行していることに起因します。
共認機能とは仲間の表情や仕草から、相手の心情を読み取りそれに同化し、(ある行動に対する仲間の評価がプラスかマイナスかを読み取ることで)行動の羅針盤にしていく、サル人類に固有の機能です。この同類の表情や仕草を読み取るためには、その微細な変化を知る必要から遥かに多くの情報処理が脳に課せられます。
そのためには、それらの微細な情報の差異のそれぞれをつき合わせ総合化し判断する必要があるわけで、そのために連合繊維や前頭連合野を飛躍的に発達する必要に迫られたのです。
つまり
共認機能とは(同類の評価審判を羅針盤にした)組み替え再統合の機能
なのです。
かつ、これは本能の持つ統合機能に塗り重ねられた、新しい統合機能であることは言うまでもありません。
つまり動物は個体の経験を元に反省できますが、
サルは集団全員の経験、つまり集団の成員の各経験を基にそれらの全てを付き合わせることで反省している
のです。
状況の変化に応じた行動の組み換え、みんなの評価を羅針盤にした行動の組み換え、このように動物やサルたちはある意味では知能を発達させ、反省することで行動を高度化し、更に知能を進化させてきたといってもいいでしょう。
さて、人間は動物やサルよりは大脳を発達させてきたはずです。
実際大脳新皮質は、飛躍的に大きく、大脳に占める連合野の比率は、サルの2.5倍以上の30%を占めるなどの事実が観察されています。
でもその傍らで昨今懲りない人々、反省しない人々がどんどん増えてきている気がします 👿
上手く行っていないのに、なお従来の行動に固執する人たち。
社会がこれほど行き詰まっているのに、旧態依然とした施策を繰り返している末期的な社会現象。
これってどういうこと???
ここまで見てきたように、動物もサルも反省に加えて行動の組み換えを行うという機能を持っています。
しかし、現代人は・・・?「反省だけならサルにもできる」はずだったのでは・・・?。
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List    投稿者 staff | 2009-05-09 | Posted in ④脳と適応1 Comment » 

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コメント1件

 blogger0 | 2009.07.11 20:41

胎生の動物って、単に卵を体内で孵しているだけでなく、成長させ出産させるまでに様々な仕組みがあるのですね。
逆に、卵生の卵というのは、そうした仕組みまで内在させているわけで、そちらの方にも興味が湧きました。

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