2009-02-24

A/G/T/C/Uの働き?

ヌクレオチドを構成する核酸塩基には、A/G/T/C/Uの5種類がありますが、その各々はどんな働きをしているのでしょうか?
今まで分かっているようであまり分かっていない事柄なので、ちょっと調べてみました。
167px-AMP_chemical_structure%5B1%5D.png
<5′-アデニル酸の共役塩基:ウィキペディアより>

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●核酸塩基の種類
核酸塩基 は核酸 (DNA, RNA) を構成する塩基成分で、主なものにアデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシルがあり、それぞれ A, G, T, C, U と略す。構造の骨格からプリン塩基 (A, G) とピリミジン塩基 (T, C, U) とに分けられる。
それらの核酸塩基からつくられるヌクレオチド一リン酸を各々次のように呼ぶ。
AMP(アデノシン一リン酸 )
GMP(グアノシン一リン酸 )
TMP(5-メチルウリジン一リン酸)
CMP (シチジン一リン酸)
UMP (ウリジン一リン酸)
同様に、ヌクレオチド二リン酸を各々次のように呼ぶ。
ADP(アデノシン二リン酸 )
GDP(グアノシン二リン酸 )
TDP(5-メチルウリジン二リン酸)
CDP (シチジン二リン酸)
UDP (ウリジン二リン酸)
同様に、ヌクレオチド三リン酸を各々次のように呼ぶ。
ATP(アデノシン三リン酸 )
GTP(グアノシン三リン酸 )
TTP(5-メチルウリジン三リン酸)
CTP (シチジン三リン酸)
UTP (ウリジン三リン酸)
※詳しくは、リンクの表を参照

●各々の働き
○アデニン(A)

・生物が運動するときのエネルギーの発生に関与している。
・ATP は生物体内で高エネルギーリン酸結合のエネルギーを利用して、様々な生合成や輸送、運動などの反応に用いられる。(エネルギーの通貨とも呼ばれている。)
>運動をするときにATPのリン酸が一つ外れエネルギーを発生する。一つはずれるとADPという物質になり、更に一つはずれるとAMPという物質になる。
>筋肉中のすべてのATPがこのAMPに分解してしまうと体は、運動を続けることができなくなる。
>分解されたADPやAMPは、安静時であれば再びリン酸基を受けて結合し、ATPに再合成されるが、運動時にはATPが不足するためあらかじめ筋肉中に含まれているクレアチンリン酸より、リン酸基を受け取って急速にATPが補充される。
リンクより>
>AMPは尿酸へと変換された形で体内から排出される。
>AMPは環状AMP(cAMP)としても存在することが知られている。cAMPは細胞内シグナル伝達で重要な役割を果たしている。
ウィキペディアより>

○グアニン(G)

>GTP は主として細胞内シグナル伝達やタンパク質の機能の調節に用いられる。
>GTP は生合成反応では RNA 合成やその他ヌクレオチドの合成に用いられる。多糖の生合成では中間産物である「GDP糖」の合成に用いられる。また動物のクエン酸回路ではリン酸供与体として機能する。
>GTP 結合タンパク質の働き
・タンパク質翻訳で働くいくつかの因子: 翻訳開始因子、翻訳伸長因子、翻訳終結因子。
・チューブリン: GTP 結合型が重合して微小管を形成する。GDP に加水分解すると脱重合する。
・シグナル伝達に関わるGタンパク質: GTP を結合した状態が活性型で下流にシグナルを伝達する。
>5′-GMPはシイタケの旨味成分であり工業的に生産されて、核酸系調味料として利用される。
ウィキペディアより>

○チミン(T)

>dTTPは4つのヌクレオチド三リン酸の一つで生体内DNA合成に利用される。またDNAリガーゼによって、細菌性プラスミドの突起端を閉じる際の”sticky ends”を形成する場面に利用される。
ウィキペディアより>

○シトシン(C)

>5′-シチジル酸は、食品添加物である。母乳中に含まれ、免疫力の向上、発育促進の効果がある事が分かっている。
>CTPは ATP,と同様に高エネルギー結合を持つがATPのような生体での際立った役割は持たない。CTPはエネルギー源として使用され、脂質合成やたんぱく質のグリコシル化などの代謝反応に際して担体や活性体として働いている。
ウィキペディアより>
・CTPはリン脂質合成に関与している。
> グリセロリン脂質では、まずアルコールがキナーゼとATP によってリン酸エステル化される。次にCTPと反応し、活性アルコールとなる。これが1,2-ジグリセリドと反応することによって、グリセロリン脂質が生成する。
ウィキペディアより>

○ウラシル(U)

>UTPのおもな役割は、転写のRNA合成の基質である。
>他にはUTPには、ATPのように代謝反応の基質となることでエネルギー源や活性化因子となる役割があるが、ATPの場合より特異性が高い。
UDPグルコースはグリコーゲン合成の出発点である。UTPはガラクトース代謝にも利用される。
ウィキペディアより>
>グリコーゲン合成は、グリコーゲン鎖にグルコース分子が付加していく過程である。
>グルコース-1-リン酸(G1P)からグリコーゲンを合成するのは熱力学的に不可能である。この反応を可能にするのが、UTPからUDP-グルコースを合成する発エルゴン反応
ウィキペディアより>

●考察
・大きくはアデニン(A)がエネルギー産生、グアニン(G)がシグナル伝達やタンパク質の連結・機能の調節、他ヌクレオチドの合成、シトシン(C)が脂質合成、ウラシル(U)が糖合成に関わっているのが主な働きのようです。(チミン(T)についてはよく分かりません。)
・一方で、アデニン(A)の他にもシトシン(C)やウラシル(U)がエネルギー源として使われてたり、グアニン(G)の他にもアデニン(A)がシグナル伝達に関わっていたり、(グアニン(G)の他にもチミン(T)が他ヌクレオチドの合成に関わっている?)、核酸塩基は相互に連関して働いていると思われる側面もあります。
・おそらくこれらの核酸塩基は、各々が固有の役割(存在理由)を持ちながら、相互に協働して働いているのだろうと思われます。(継続追求)

List    投稿者 fkmild | 2009-02-24 | Posted in ①進化・適応の原理1 Comment » 

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コメント1件

 tsuji1 | 2009.05.09 19:46

サルも水を飲む時が一番警戒する瞬間ですね。四足が均等ではなく、地上には適さない体形ですから。サルの仲間で地上に適応できたのは、長い四足を持ち時速55kmで走れる機能を持てたパタスモンキーくらいでしょうか。
ところで、クマはアフリカには生息していなかったのでは?人類がアフリカを脱出してからは敵になったとは思いますが…。

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