2009-02-23

ATP⇔ADPと細胞膜

f1_02.jpg
画像はコチラから。
masamuneです 8) 。ATPはミトコンドリアでつくられますが、それはどのような方法でしょうか?
調べたので投稿します。
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>ATPの合成はその大部分を酸化的リン酸化と光合成に頼っている。
>酸化的リン酸化とは細胞における呼吸によるATP(アデノシン三リン酸)合成のこと。生物が食物からエネルギーを得る(すなわちATPを合成する)やり方には、2通りある。一つは、発酵であり、これには酸素(呼吸)はいらないが、得られるATPの量は少ない。もう一つは酸化的リン酸化であり、食物を完全に酸化(燃焼)してそのエネルギーでADP(アデノシン二リン酸)をリン酸化してATPを合成する。
>発酵や解糖は基質レベルリン酸化といわれ、エネルギー獲得のより原始的な形態であるが、光合成能のない動物や植物も含めて広く行われており、また酸化的リン酸化の前段階でもある。たとえば1分子のグルコースの分解によって、発酵では2分子、酸化的リン酸化では38分子のATPが生産される。
>酸化的リン酸化は、動植物、酵母やカビなどの真核細胞の場合は細胞の中のミトコンドリアの内膜で行われ、細菌の場合は細胞膜で行われる。
>食物中あるいは体内に貯蔵された糖や脂質が分解されると、炭素は炭酸ガスに、水素は水素運搬の低分子化合物に捕捉される。水素は電子伝達系で段階的に酸化される。この酸化は水の豊富な環境でおきるので、水素は容易にH+とe-(電子)に分離し、H+は水相に放たれて、水素に代わって電子が電子伝達系の諸成分に次々に受け渡されていき、最終的には四つの電子が酸素分子(O2)に渡されて(水相から得た四つのH+とともに)二つの水が生成する。この過程で、H+が膜の中から外に(濃度勾配(こうばい)に逆らって)輸送される。外側に蓄積したH+は、膜に存在するATP合成酵素(ATPアーゼ)の中を通ってまた内側に流れ込むことができるが、そのときに放出されるエネルギーでATPが合成される。ミトコンドリアが損傷して穴があいたり、脱共役剤(生体膜のH+透過性を上昇させる脂溶性の弱酸)とよばれるH+透過剤が存在していると、H+は膜を自由に透過するためにH+勾配は形成されず、酸化は進んでもリン酸化はおきない。
【Yahoo!百科事典→リンクリンク

引用が長すぎましたが、要約しますと、
①生物は酸化的リン酸化により大部分のATPを合成している。
②ATPの合成は真核生物ではミトコンドリアの膜、細菌の場合は細胞膜、すなわち「膜」で行われる。
③膜の内と外のH+とe-(電子)の濃度差がATP合成のカギ!(ミトコンドリアに穴が空くなど、内と外の濃度が一緒になるとATP合成ができない)
といったところです。
では、③にもっと突っ込んでみましょう。
生物学的に③を具体的に行うことを化学浸透圧説と呼んでいます。
以下にその方法を引用しますが、先に要約しておくと、ATPはミトコンドリアの膜の内側の合成酵素のタンパク質が回転して合成しているということです

>すべての生命は、ATPをエネルギーの通貨として使用しています。ATPを加水分解して得られるエネルギーをさまざまな仕事に利用しているので、例えばヒトは1日にほぼ体重と同じ重さのATPを合成しています。この莫大な量のATPを合成するのは、ATP合成酵素と呼ばれるタンパク質複合体で、呼吸や光合成によって生体膜の袋(細菌の細胞膜、ミトコンドリアの内膜、植物の葉緑体のチラコイド膜)の内側と外側の間に生じる水素イオン(プロトン)の濃度差をエネルギー源としてADPとリン酸から高エネルギー化合物であるATPを作り出す、いわばエネルギー形態の変換装置です。
【東工大資源研研究所 →リンク 回転してる動画が見れます!】

また【ATP合成酵素 - 回転するナノ分子モーター →リンク】さんでは、ATP⇔ADP+Pとなる過程や、どのような実験を経てこの事実がわかったかを詳しく紹介されていますので、是非読んでみてください。
その中でも重要なポイントを要約しておきますと、
この回転はATP無しでは起こらない。ATPの濃度を下げるに従い回転が遅くなり、ATPの濃度が1μM以下になると、回転はステップ状になる。
回転する部分(アクチン繊維)が立ち止まるところは120°毎にはっきり分布した。これは、120°毎にATPを1つ作っていることを示し、 1つのステップ状の回転から次の回転までの待ち時間は、ATPが結合するまでの待ち時間であると考えられる。
この回転を介してまわりの溶液に散逸されるエネルギーは他のモーター蛋白に比べてかなり大きく、生理的な条件でのATPの加水分解の自由エネルギーに近い値を持つ。おそらく、この値の一致は生理的条件で ATP合成反応を効率よく、かつ素早く行うために進化の過程で得られてきたものと考えられる。
といったところです。
たんぱく質を回転させてATPを合成してるなんて、おどろきですね
<追記>
「ATPになじみがな~い」なんて人のために「ATPの歌」というものを紹介しておきます。
これを聞いて、ATP好きになってもらえるとmasamune君は嬉しいです。→リンク

List    投稿者 MASAMUNE | 2009-02-23 | Posted in ①進化・適応の原理2 Comments » 

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コメント2件

 雅無乱 | 2009.05.09 21:12

ウィルスは感染しても発病しないケースもたくさんあるようですからね。
感染したから異物と認識して排除しようとするばかりでなく、取り込んで同化してしまうということで適応ししまうのかもしれません。
そもそも、パンデミックが起こるというのは、弱毒性である必要があります。強毒性で、感染した個体人が片っ端から死んでしまうと、広まらずにストップしますから。
そういう意味で、感染で広まって適応する生物(ウィルスや細菌)は、広まれば広まるほど宿主との相性の良さを進化させて、共生に持ち込むってことではないでしょうか?ちょっと乱暴ですか?

 yukie | 2009.05.13 18:51

これまでのワクチンが、ウィルスを取り巻く膜タンパクを認識→撃退していた。
新しいワクチンは、ウィルスが細胞に取り付くこと自体を防ぐってことでしょうか?

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