2008-02-01

カモノハシの不思議?

T049934A.jpg
<カモノハシ 写真より引用 リンク
今回は、面白い動物を紹介します
それは、『カモノハシ』です
カモノハシは、(一応)哺乳類に分類されています
しかし、上のイラストでみてもらってもわかるように、姿形以外にも、他の哺乳類に見られない様々な特徴を持っているのです。
今回は、そんな変わった哺乳類、カモノハシについての記事を書いてみます
その前にいつものやつお願いします
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それでは、カモノハシの特徴を一つずつ見ていきましょう

【くちばし】
カモノハシを一目見て気づく特徴は、なんといってもくちばしがあることです。数ある哺乳類の中でも、くちばしを持っているのは、カモノハシくらいで、カモノハシの名前の由来も(カモのくちばし)からきているそうです
(18世紀にオーストラリアで発見されたカモノハシの標本が、大英博物館に初めて届けられたとき、あまりの奇妙さのため、別々の動物をつなぎあわせた偽物と考えられ、くちばしを取り外そうとしたらしい・・・)

【水かき】
アヒルやカモみたいなくちばしを持つカモノハシですが、足についても水鳥のような水かきがあります

【毒性】
一見、かわいい姿のカモノハシだが、意外にも毒を持っています
(ちなみに、毒を持つ哺乳類はカモノハシだけ)
では、毒をどこから出すのでしょうか
実は、後足の根元のところに、1.5cmくらいの蹴爪があり、ここからヘビの牙のように毒を出します。
毒を出すのは雄だけで、生まれたばかりの頃は、メスも毒を持っているが、1年くらいでなくなってしまいます
毒の強さはどれくらいかというと、猟犬を倒すことができるくらい強いものだそうです

【骨格】
肩の部分や頭の骨など、哺乳類より爬虫類に近いつくりをしています

【卵生】
カモノハシが他の哺乳類と最も異なるのは卵を産むってことです 🙄
人間含めた哺乳類は、 『胎生』といって、お腹の中で赤ちゃんを育て、子どもの姿(卵じゃない姿)で、赤ちゃんを産みます。
これに対して、カモノハシは、まるでヘビやトカゲなどの爬虫類のように、卵を産むのです

それでは、カモノハシは卵をどこでどのように生み、どのようにそだっていくのでしょうか カモノハシの一生を見てみましょう

カモノハシの巣には、大人用と子育て用と2種類あります。
より深く、作るのに骨の折れる子育て用の巣は、メスだけで作り、巣の中には葉が敷き詰められています
繁殖期である8~10月には、オス同士がメスを争ってよく喧嘩を行います。(=性闘争) 
後足にある突起物を使って喧嘩をするのです
メスは若い内に失いますが、オスの突起物は上述したように、有毒性突起物に発達します。
どうやら、オスは繁殖期にのみこの器官を使っている様です。

卵は、8・9月の交尾の1ヶ月後、粘着性ある殻の柔らかい(ブヨブヨの)卵を2個(稀に1個、3個)産卵します。

お腹の毛にくっついた卵から赤ちゃん達が産まれるまで約1週間、母親は巣の中でずっと待ちます。
カモノハシは乳線が発達してないので、当然乳首はありません。その代わり、母乳は腹部の皮膚から
染み出てきます(汗 )。

まだ目が見えず毛も生えてない、1インチサイズの孵化した赤ちゃんは、自分の体を母親のお腹の毛にくっつけ、溢れ出てきた乳を、乳で濡れて束になった毛から飲みます。

生後4ヶ月で毛が生えそろうと、巣を出てママから泳ぎを習得します。生後6ヶ月で独り立ちします。
この過程で命を落とす子供達は多いけれど、自分の住処を作るべく旅立ち、殆どの個体は異なる水域で巣作りをします。

寿命は15~20年


【単孔類】
カモノハシは、脊椎動物亜門 哺乳綱 単孔目 単孔類(一穴目ともいう)に分類される動物です。
単孔類は、現存するのはカモノハシ科とハリモグラ科のみで、両科を合わせてもわずか3属5種しかいません。オーストラリア区に広く分布しています

T594632A.gif
<哺乳類のメスの生殖器官より引用 リンク

哺乳類は、メスの生殖器官の違いにより、大きく3つのグループにわけられます

上述したように、カモノハシはもっとも原始的な単孔類に分類され、爬虫類と同様に生殖輪管と消化管とがあわさり外にむかって口を開く総排出腔をもち、胎盤をもたず卵を生みます。

カンガルーに代表される有袋類は二分された子宮をもち、オスも対となった交尾器官をもっています。
多くは卵黄嚢胎盤のため胎盤は不完全であり、妊娠途中で未熟な子をうみ、母体の育児嚢で育てます。

人間を含めたその他多くのの種は有胎盤類に分類され、胚の組織と母体の子宮内壁の組織が胎盤を形成し、その胎盤を通じて胚に必要な栄養分を供給したり、胚の老廃物をとりさることができます。

【摂食】
さて、水中をすいすいと泳いでエサを取るカモノハシですが、なんと、水にもぐるときには、目も耳も閉じ、鼻の穴もふさいでしまいます

どうやってエサを探すことができるのでしょうか

答えはくちばしを使っているのです。カモノハシのくちばしは、微弱な電気を感じるセンサーの機能を有しています

このセンサーどんな魚よりも巧妙にできていて、餌であるザリガニや川底の泥の中にいる蠕虫の神経や筋肉から放出される微量の電流をキャッチしているのです

また、前足は、足指よりも長い皮状の弁から成る櫂足になってて、他の水辺の動物とは違い、この前足で泳ぎます。
水掻きのある後足と尻尾は、舵取りと制動に使用し、尻尾は水が氷のように冷たくなる冬の寒さを凌ぐ為に必要な脂肪の貯蔵庫でもあります。
前足の鈎爪は川岸に巣を掘るには欠かせない道具となり、時には20メートルもの長いトンネルを掘ります。この巣の中で雌は産卵します。

【進化】
今まで見てきたように、カモノハシは、明らかにふつうの哺乳類とはちがいますが、やはり進化の系統がだいぶ違うと考えられています
はっきりとしたことは、まだ分かっていないのですが、哺乳類の歴史の初期にあたる中生代三畳紀のころから、ほかの種類の動物とはちがう道筋の進化を歩んできたようです

【性染色体】
哺乳類とも想えない特性を持つカモノハシですが、性染色体はどのようになっているのでしょうか 気になるところです

ちょっと調べてみました

卵を産む哺乳類であるカモノハシの性染色体は、5ペア(10本)あるのです。
・・・ X1Y1X2Y2X3Y3X4Y4X5Y5
・・・ X1X1X2X2X3X3X4X4X5X5

の性染色体を持っていると解釈されます

性染色体が5ペア10本というのは、哺乳類でこれまで見つかった中で最多だそうです

人間の染色体は23ペア(46本)であることは、よく知られていますが、カモノハシは26ペア(52本)の染色体を持っています。

そのうち、性染色体と呼ばれているのは、人間含めた殆どの哺乳類の場合は、XX:女、XY:男の1ペアですが、カモノハシは26ペアのうち5ペアが性染色体なのです。
さらに、5ペアの性染色体のうちのある1つは、ヒトの「XX/XY」型の要素に類似した構成を持ち、他の1つは鳥の「ZZ/ZW」型の要素に類似した構成を持っているそうです。 

カモノハシには何でそんなに沢山の性染色体が必要なのでしょうか  

今後の追求課題としていきます

しかし、カモノハシは調べれば調べるほど、ホントに哺乳類 って疑問がわいてくる生き物ですが、性染色体に着目してみると雄へテロ型ですので、雌へテロ型の爬虫類や鳥類とは異なるようですね

以上、やっさんがお送りしました~

List    投稿者 marlboro | 2008-02-01 | Posted in ①進化・適応の原理3 Comments » 

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コメント3件

 marijuan | 2008.03.08 23:05

ちょっと、素人の質問かもしれませんが教えてください。
>①空気中(水中ではない)→ウイルスが伝播しやすい
なんで、空気中のほうがウィルスが伝播しやすいのでしょうか?
よくプールで感染しやすいって聞くけど、空気中のほうが感染しやすいって実感が沸きません。
お願いします。

 tofu50 | 2008.12.24 22:39

乳腺の発生などに興味があって、トラックバックさせていただきました。ありがとうございます。

 くま | 2017.08.15 23:20

自由研究の参考として、とても役にたちました!!ありがとうございます!!

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