2007-06-26

膜タンパクこそ最初の認識機能 膜タンパクの様々な働き

初めまして!新しく参加させて頂いた ないとう です。
細胞膜(生体膜)は、細胞を形作っているだけでなく、真核細胞の各小器官(ミトコンドリア、リボゾームなど)を包み込んでおり、各小器官同士でのエネルギーや情報の授受に大きな役割を果たしています。
この生体膜は、膜そのもの作るリン脂質の中に、タンパク質が埋め込まれたような構造をしています。リン脂質の部分は水や疎水性分子は通しますが、生体維持に必ず必要となる糖類やアミノ酸、イオンは通る事はできません。この糖類、アミノ酸、イオンの通り道がタンパク質(膜タンパク/担体)です。


この生体膜、その中でも膜タンパクが持つ『選択的透過性』が、人間の意識にも繋がる「認識機能」の原点と言えます。


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原核単細胞生物⇒真核単細胞生物⇒真核多細胞生物という進化の流れの中で、膜タンパクも高度な認識機能を持ったと考えられます。
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生体膜の膜タンパクは、栄養源の取り込み、エネルギー源の取り込み、外界状況の認識、(多細胞生物の)細胞間の情報のやりとり、のために、アミノ酸、糖類、イオン、(化学伝達物質→)イオンを取り込みます。
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◆アミノ酸の取り込み
原核単細胞生物にとって、体を維持する上で必要になるのが、アミノ酸です。このアミノ酸が無ければ、タンパク質を作り出すこともできません。特定のアミノ酸と結合した膜タンパクは、形を変形させ細胞膜の内側にアミノ酸を運びます(担体によるユニポート)。アミノ酸を運び終わった膜タンパクは再び形を変形させ、最初の状態に戻ります。
この時、細胞膜の内と外では、外の方がこのアミノ酸の濃度が高く、膜タンパクを通じて、濃度が高い方から低い方へアミノ酸が流れるので、受動輸送/促進拡散とも言われます。
◆糖類(グルコースなど)の取り込み
真核単細胞生物は原核単細胞生物と違い、糖類(グルコースなど)を選択的にエネルギー源としています。糖類の取り入れ方は基本的に、上記のアミノ酸と同様ですが、Naイオンと共に取り込む膜タンパクがあることが分かっています。代表的なものは、小腸におけるグルコースの吸収です。
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小腸吸収上皮細胞の膜タンパクは、Naイオンとグルコースが結合すると形を変化させ、細胞内にNaイオンとグルコースを取り込みます。この時、グルコースは内外の濃度差とは無関係ですが、Naイオンは濃度の高い方から低い方へ流れています。細胞質内部よりも細胞膜外部の方がNaイオンの濃度が高いのは、別の膜タンパクでNaイオンを外に吐きだしているからです。つまり複数の膜タンパクが協働しながら、イオンの濃度差を利用して糖類を取り込みます。
細胞膜を通しての物質の輸送
細胞内外の輸送
◆イオン濃度の調整
ナトリウムイオンやカルシウムイオンを取り込んだり吐きだす膜タンパクも存在します。(イオンチャンネル、イオンポンプ)。イオンは、細胞内の小器官同士の情報伝達に使われていると考えられます。
細胞内の小器官同士の情報伝達で代表的なものはカルシウムイオンです。細胞膜とミトコンドリア、小胞体は、(細胞膜及びミトコンドリアの生体膜の膜タンパクが)カルシウムイオンや膜リン質の分解産物などの濃度を調節しながら、協働しています。(かなり複雑な仕組みです。)
イオンチャンネル
◆(多細胞生物)細胞間での情報のやり取り
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多細胞生物の細胞間情報伝達においては、分泌した化学伝達物質によって離れた細胞に間接的に伝えることがあります。この化学伝達物質は、ホルモン、神経伝達物質、局所ホルモン(オータコイド)の3種類に分けられます。ある膜タンパクがこれらの伝達物質を受け取ると、細胞内にカルシウムイオンや膜リン質の分解産物が作られ、その細胞が”働き”ます。同時に、次の細胞への化学伝達物質を放出します。
多細胞生物では、外界のさまざまな情報を生体表面にある感覚器で受用し、これらの情報を細胞間で受け渡して行きます。細胞間では上記の化学伝達物質を受け渡し、細胞内ではイオン濃度を調節します。イオン濃度の調整により、膜電位が変化するので、電気シグナルが細胞内を伝わっているように観察されます。
細胞間の情報伝達
◆糖鎖の秘密
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細胞膜
生体膜の脂質やタンパク質(膜タンパク)の中には複雑な構造の糖鎖を持つ物があります。この糖鎖は生物の個体ごと、また細胞の分化状態によっても違っています。この糖鎖の構造によって分化した細胞の”位置”が決められると考えられています。
また免疫における拒絶反応も同様の原理によっていて、自己ではない細胞の表面抗原を認識して免疫系が活性化され、組織の拒絶が起きます。
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有名なのは、『血液型』です。ABO式血液型は赤血球膜表面に存在する糖鎖の抗原反応を利用した判別法です
バイオメディカルエレクトロニクス
Jabion::進展する糖鎖研究
糖鎖と血液型の関係について
糖鎖研究の最先端で
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List    投稿者 tnaito | 2007-06-26 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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