2007-01-23

「清潔信仰」が自己免疫疾患を呼ぶ①

雅無乱です。またまた登場です。

路上で、“街行く人々の疑問になんでも答えちゃう”ってコンセプトの「なんで屋」をやってきて久しいが、よく出る人気お題に、「いい男って何?」とか「いい女って何?」なんてものがある。このお題の中で、街角アンケート的に「こういうのはダメ、って男はどうヤツ?」と聞くと、まず第一に「不潔な男」という答えが帰ってくることが多い。

「そんなの男にとって重要なことなのかよ!」なんて反論すると、「そりゃお前、自己正当化か?」なんて勘ぐられるので言わないが、正直「不潔がモテたっていいではないか」と思っている。…いや誤解しないでくれ^^;)私がそうだというわけでは決してない(苦しい…)。
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私が言いたいのは、近年の“除菌”だの“無菌”だのといった「清潔ブーム」は、度が過ぎてるんじゃないかということだ。っとちょっと飛躍したが、今回はこれを生物学的な観点から検証してみよう^^)

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実験用に無菌で飼育されている動物がいるが、彼らは免疫系の発達が遅れ、抗体濃度も低いというだけでなく、消化管そのものの発達が阻害されることが知られている。

現存する生物が発達過程において消化系の構造を作り出すには、腸などの消化管内に共生する微生物が必須であるということのようである。

進化において生物は、生命を脅かす異物は速やかに排除する免疫機能を発達させてきた。こちらばかりがクローズアップされがちだが、実際はその他多くの微生物を共存させて協同者とする柔軟な戦略をとった者が生き残り、適応進化してきたのである。

ちなみに、以前ここに書いたのだが、
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=79411

現在私たちの腸の中にも、なんと1キログラムにもおよぶ細菌類が住みつき、私たちの消化を助けたりその栄養を掠め取ったりしています。

人体に生息する細菌は、ざっと500種を超えます。その細胞数は合計で100兆以上。人体を構成する細胞の数が数十兆程度であることを考えると、実は、ヒト細胞は数の上ではヒトゲノムを持っていない細胞に余裕で負けているわけです。

というわけで、どんなベッピンさんであれイケメンであれ“100兆以上の細菌にまみれている”、というのが現実なんである^^;)

またも話が少し逸れるが、このページも読んでみて欲しい。
http://www.mitene.or.jp/~ryuzo/chotto/22fujita.htm

ここで講演されている藤田紘一郎 東京医科歯科大学教授は、「花粉症やアレルギーが’60年代から増えてきたのは、お腹に回虫を飼わなくなったのが主原因だ」、という珍説(?)を学会で発表して、当時としては研究者から総スカンをくらった、という名物先生だ。

当時は、花粉症やアトピー性皮膚炎の主原因は、排ガスなどの公害や食品添加物だとされていた。ところが、公害が減少し、食品添加物も厳しく規制されるようになったのに、アレルギー患者は一向に減る気配がないどころがどんどん増え続けている…。確かに原因は他にありそうだとは思うが、まさか寄生虫を飼わなくなったから、とは…

戦後すぐくらいには日本人の70パーセント以上に回虫は寄生していたそうだ。

敗戦後、GHQマッカーサーがやってきて、日本の野菜は寄生虫に汚染されている、「清潔な」野菜を食べるのが先進国のあるべき姿である、という考えを押しつけ、のみやしらみ、回虫や蟯虫たちは徹底的に駆除された(頭から粉状のDDTなど殺虫剤をかけられてる子供とか、今考えるとむちゃくちゃなことをしている映像を見たことがある)。結果、日本中から回虫が消え、行政は喜んだ。

ところが、それと平行するようにして、「花粉症」なるアレルギー患者が次々と増えていったという。

人類数百万年間にわたって続けてきた寄生虫との共生をこのわずか30年でいきなりすっぱりやめてしまった、ということだから、身体にも異常が起こるというものだ。

30少し前。当時、インドネシアのカリマンタン島では上質なラワン材が取れるということで、日本の商社が一攫千金を狙って一斉に入っていたそうだ(船一隻出すと何億円も儲かるという状況だったらしい)。ところが現地入りした日本人が,マラリアとかアメーバー赤痢なんかでばたばたと死んでいく。
そんな中で、いや、彼らよりもっと衛生条件の悪いところでイキイキとはしゃぎまわる子供たち。
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藤田先生が回虫がkeyなのでは?と着想したきっかけはそのはしゃぎまわる子供たちだったそうだ。上の写真はインドネシアのバリ島の女の子たちだが、かわいい彼女たちの腹の中にも…?(下に続く)

排便の流れる川で子どもたちが水遊びをし、その水で炊事や洗濯をしている。実際、調査すると全員が回虫にかかっている
ところがですよ、我々から見たら、そんなバイ菌だらけの汚い生活をしているにもかかわらず、子どもたちの表情はみんなはつらつとしていて、肌もつやつやと黒光りしている。その上、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなどのアレルギー疾患の人がどこを探してもひとりもいない
当時,日本の子どもたちにアレルギー疾患が増えだし、奇病として注目され始めた頃です。「これは回虫がアレルギー抑制に関係しているのでは」と直感的に思ったんです。虫の知らせとでもいいますか(笑)。
それで一生懸命に寄生虫をすりつぶしては研究をつづけました。結果,回虫のアレルギー抑制物質というのを解明したわけです。研究を初めて五年後の昭和五十二年のことです。
ところが「回虫が消えたからアレルギー疾患が増えた」なんて論文を書いても誰も認めてくれない。研究成果を発表してからも十五年間くらいは黙殺されました。学会が私の学説に対してアレルギーをもっていたんですね(笑)。
「そんなに寄生虫と共生しろと言うなら自分で飲んで見ろ」とも言われ、それならばとサナダムシを飲んでみたところ、花粉症にもならず、中性脂肪もコレストロールも大幅に落ち、至って健康になりました(笑)。
有史以前から人と共生してきた回虫ですから、横から栄養を横取りするだけで悪さはしません。むしろ人が元気でいっぱい食べてくれないと困るわけですから、宿主をアレルギーにもガンにもなりにくい体質に変化させてくれるわけです。効果抜群なのを見て取ってか、女房もサナダムシを飲みましたね(笑)。
この話をすると,必ずサナダムシの卵が欲しいとおっしゃる方がいますが,卵を飲んでも子どもは孵りません。サナダムシの卵をもつ人のうんちが川に流され,卵が孵化したときにミジンコに食べられ,そのミジンコをサケやマスが食べ,そのサケやマスを人間が食べないと人の体内には入らないんです。非常に遠大なロマンなんです。将来,中国や北朝鮮のトイレがすべて水洗化されるとサナダムシの絶滅は必至です。ぼくにとってはトキの絶滅よりつらいことです(笑)。

(藤田教授談http://www.j-n.co.jp/kyouiku/link/michi/23/no23.htmlより引用)

「サナダ虫ダイエット」というのまであるらしい。納豆ダイエットなんかより健康にいいかもよ^^;)
アトピーやアレルギーに悩んでおられる方、冗談抜きで“サナダ虫療法”試す価値ありかもしれません。
<②につづく>

List    投稿者 nanbanandeya | 2007-01-23 | Posted in ⑤免疫機能の不思議No Comments » 

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