2006-12-04

真猿の分化と進化過程

これまで原猿の進化過程を追求してきましたが、波動さんの投稿で、ついに原猿→真猿への進化過程が抑えられました。今後は本格的に真猿の進化過程の追求に入っていきます。今回は、真猿の分化とその進化過程についてです。
真猿は、大きく「広鼻猿類(広鼻下目)」と「狭鼻猿類(狭鼻下目)」の2種類に分類されます。
(正確には、この2種類のどちらにも属さない種として「メガネザル科」が存在します。メガネザル は真猿(=直鼻猿亜目)でありながら、原猿(=曲鼻猿亜目)の特徴を多くもっている両者の中間的な猿です。これについては、後日詳細に追求する予定。)
広鼻猿類(広鼻下目)」は、基本的に南米に住んでいることから「新世界猿」とも呼ばれ、クモザルやマーモセットなどがこれに属します。鼻の穴の間隔が広く、穴が外側に向いていることから”広鼻”と呼ばれます。
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尻尾を5本目の手として使うクモザル(環境促進事業団HPより)
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非常に小型のマーモセット科(ウィキペディアより)
これに対し、「狭鼻猿類(狭鼻下目)」は、アジア~アフリカに住んでおり、「旧世界猿」とも呼ばれます。
これには、マントヒヒや日本猿・マンドリルなどのオナガザル亜科とテングザルやハヌマンラングールなどのコロブス亜科が属しています。(まとめて「オナガザル上科」と呼ばれる)
「狭鼻猿類」のうち、人の仲間(ヒト科)・テナガザル科・オランウータン科なの大型類人猿は「ヒト上科」として、旧世界猿とは区別されます。
つまり「狭鼻猿類」は、大きく「旧世界猿(オナガザル上科)」と「ヒト上科」の2つに分類されると言うことで、私たち人類は、真猿類の「狭鼻猿類」・「ヒト上科」・「ヒト科」に属していると言うことになります。
(ヒト上科の分類は、現在様々な学説がありますが、ここでは伝統的な分類に則っています)
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大型で派手なマンドリル(ウィキペディアより)
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知能の発達したチンパンジー(生命の扉より)
「広鼻猿類」と「狭鼻猿類」は、サリさんの進化系統樹(11月21日記事)によると、真猿類の共通祖先「オモミス類」から始新世の終わり~漸新世の始まり3500~3000万年前前後に分かれています。
>最古の新世界ザルの化石は南米ボリビアの約2500万年前の地層から見つかっています。古生物学的な解析によると、この新世界ザル達は漸新世の頃にアフリカ大陸から大西洋を渡って南米大陸に侵入したと考えられています。当時の大西洋は現在の半分くらいの大きさで、最も狭いところでは500km程度だったと考えられていますが、それでもサル達が渡るには十分離れていたと思われます。おそらく海流に乗って島づたいに渡ってきたのでしょうが、信じられない話しです。(京都大学霊長類研究所 「霊長類の進化とその系統樹」 リンク より)
このように新世界猿は、アフリカから大西洋を渡って、南米大陸に進出し、広鼻猿と違う独自の進化を遂げたと考えられていますが、なぜ彼らは大西洋を渡る必要があったのでしょう?また、どのようにして大西洋を渡ったのでしょう?
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仮設を立てるために、狭鼻猿類と広鼻猿類の違いに着目します。一つの傾向として、狭鼻猿類と広鼻猿類では、狭鼻猿類の方が一般的に大型であり、狭鼻猿類の中では概ね進化するにつれて、大型化していく傾向が見られます つまり新世界猿<旧世界猿(オナガザル)<ヒト上科(テナガザル<チンパンジー・オランウータン等)となっています。
また、狭鼻猿類はヒト上科に代表されるように、知能が非常に発達した猿が多く存在します。
次に環境条件に着目します。
12月3日の波動さんの環境要因を組み込んだ進化系統樹によれば、オモミス類から狭鼻猿類と広鼻猿類が分かれる3000~3500万年前後は、約5000万年前から始まる急激な寒冷化・乾燥化 の最終段階の時期に該当し、最も激しい温度変化 が起こっている時期です。
以上のことから考えると、「狭鼻猿類」と「広鼻猿類」の分化過程は以下のように整理されます。
  

 ①南方の樹上という特権的世界(外敵がいない+餌が豊富)を独占したサル類は、
    主要な敵が異種のサルとなった
  ②3000~3500万年前の激しい寒冷乾燥化の中で、真猿間の種間闘争激化
  ③激しい種間闘争の中で、肉体を大型化する種が登場する。
  ④大型の新たな種が登場する度に従来の種がその場を追われ(又は淘汰され)
    追われた種は新天地を求めて、新たな環境に適応する。
  ⑤最も初期に主間闘争に敗れた広鼻猿類の祖先は、寒冷化・乾燥化の中で、
    新天地を求めて大幅に狭まった大西洋を島伝いに移動し、南米に到達。
  ⑥南米には広大なアマゾンの森林が広がっており、広鼻猿類の祖先は拡散。
    種間闘争も激化しなかった→小型種のまま独自に進化していく。
     (∴マーモセット等小型猿が存在する)
  ⑦一方、アフリカに残った狭鼻猿類の種間闘争は益々激化、淘汰適応の中で
    大型化と知能進化を遂げていき、遂にヒト上科が誕生する。

猿類の進化過程では、やはり同類間の種間闘争が決定的に重要であったことが解ってきました。
次回以降は特殊な「メガネザル」を抑えた上で、いよいよヒト上科≒類人猿の進化過程に迫っていきます。( ニシタニ)

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