2006-10-09

胎内保育機能の獲得

爬虫類から逃れて、寒冷地帯へと逃げ込んだ両生類は、その後どの様に哺乳類へと進化を遂げていったのでしょう?

寒冷地帯に逃げ込んだのはいいんだけれど、そこでは様々な壁(逆境)がありました。その中の一つが卵はどうするの?ってことです。

両生類は、熱帯地帯においては卵生(母体の体外に卵を産むこと)でも卵は孵るのですが、これが寒冷地だと卵はうまく孵りません。

 どうするっ!!!!
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 そこで、寒冷地に逃げた両生類は、寒くても卵をかえせる『卵胎生』→胎内保育へと生殖機能を進化させました。                                                               簡単に言うと、母体の中で卵を産み育てる機能を獲得して、寒冷化に適応していったのです。

これって、外圧(この場合は寒冷化)に適応するために、肉体改造を行ったってことだよね。生物ってホントすごい!!
Surprised

 ここでちょっとおさらい!!

生殖機能の違いは、漢字を見れば何となくわかると思いますが、もすこし詳しく分類してみます。↓

 『卵生』・・・受精卵が親の体外で発育して新個体となること。卵内の卵黄を養分として、卵膜中で発生が進み、ある段階に達すると孵化(ふか)する。単孔類(ハリモグラ・カモノハシ)を除く哺乳類以外の大部分の動物にみられる。

『卵胎生』・・・卵生の動物のうち新個体が卵でなく幼生の形で産まれること。卵が母体との組織的な連絡なしに母体中で発育・孵化(ふか)する点で、哺乳類の胎生とは区別される。マムシ・タニシ・グッピーなど。

『胎生』・・・子が母胎内で胎盤によって栄養や酸素の補給を受けながらある程度まで育ち、個体として生まれること。単孔類を除く哺乳類に主に見られる。

体の中である程度まで子供を育てる生殖機能「卵胎生→胎内保育(胎生)」の獲得は、その後の哺乳類への進化に欠かせない機能となります。

 ※ちなみに、約1億2千年前、初期哺乳類の段階で、さらに厳しくなる寒冷化の対応の一つとして、胎児の出生確率をより高める胎盤(母体と胎児を繋ぐ器官)を獲得します。胎児は、母親の栄養や酸素の補給を受けたり物質交換を行いながら、母体の中である程度まで育ち、個体として生まれてきます。

 ここまでの段階で、現在生存する哺乳類の基礎的機能をほぼ整えることになります。

この生殖機能を、「胎生」と呼びます。

ところで、寒冷化がさらに進んだ後、両生類はどんな場所で暮らしていたのでしょう?次回は、寒冷化に適応していった両生類の生息域についてフォーカスします!!

 


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以上やっさんがお送りしました。ニシ=3

List    投稿者 postgre | 2006-10-09 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類, ②シリーズ“祖先の物語”1 Comment » 

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コメント1件

 得丸公明 | 2007.04.07 19:30

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大変参考になりました
南アの洞窟の見学にいってみたくなりました

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