2022-05-08

人類って何?④ ~共通祖先とは何か?進化とは何か?~

人類はサルから進化したと俗に言われますが、現在の様なオランウータンやチンパンジーから直接進化したのではありません。

正確には、人類とオランウータンの共通祖先がおり、そこから分岐して各々が進化したのだと考えられます。

では、共通祖先とは何でしょうか?

今日のブログでは、人類とオランウータンの共通祖先について追求していきます。

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■共通祖先とは何か?

まず、共通祖先とは何なのか?を固定します。

生物は、外圧の変化に適応すべく、DNAが変異ないし、新たに発現することによって新種が登場します。

その新種が、既存種より劣勢であれば(適応度が低ければ)すぐに絶滅。逆に新種が優勢な場合、既存種は追いやられて滅亡するか、別のニッチに向かいそこで適応していきます。

従って、この場合既存種が共通祖先となりますが、その共通祖先は、現在ではすでに絶滅しているか、元の姿を変え別の(亜)種に生まれ代わっています。

つまり、共通祖先は元の姿をとどめません。これは新種が元の種(先祖)にとってかわったという風にもいえます。生き残ったこの新種も常に完ぺきではないのでより適応度を上げていき少しずつ変化してゆくのです。

これらから重要な事実を指摘できると思います。

通常、進化系統樹は、現存する種や過去長期にわたって存続した種だけを繋ぎ合わせて図化していますが、実はその一本一本の分岐点に無数の絶滅した種が存在するということです。つまり、決して進化は直線的ではないのです。

2点目にこれらの各生物の変異は、自然外圧の変化と、相互の種間圧力によってもたらされますが、自然外圧もそれに基づく種間圧力も常に変化しているので、同じ進化の再現は基本的にあり得ません。もちろん、現在のオランウータンから人類になることはあり得ないのです。

 

■人類の共通祖先の仮設

世間で主流なのは「チンパンジー説」ですが、本ブログでも扱ってきたようにチンパンジーと断定する根拠には整合性がありません。

※下記は本ブログでこれまで追求してきた内容です。

人類の祖先はゴリラ?オランウータン?チンパンジー?

チンパンジーと人類DNA99%一致説を検証する

むしろ、祖先として可能性が高いのは「オランウータン」です。オランウータンは、人類の体との類似点が28箇所もある(チンパンジーは2箇所)など、人類との共通祖先を持つ可能性が極めて高いと考えられます。

しかし「祖先はオランウータン」と仮説付けてしまうと、無意識に現生するオランウータンと人類が一直線につながるイメージをしてしまいますが、上述した通り「旧種(祖先)が現在もそのまま生き続けれられる」ということはあり得ません。

従って、人類とオランウータンの共通祖先はいるが、残ってはない。進化系統樹の中で、亜種に進化してきたからです。

進化は階段やはしご上ではなく、全てが枝分かれ。そして、今現存している種は、その枝分かれの最先端の適応態なのです。

 

では、人類とオランウータンの共通祖先がどんなサルだったか?がわかれば、私たち人類にもどんな機能が引き継がれているのか?がわかります。

そこで、私たちがここまでの追求を通して立てた仮説の系統樹が下記です。

 

人類とオランウータンの共通祖先として「原オランウータン」が存在し、その前には「大型テナガザル」が存在していたという系統樹です。

※いずれも、仮の名前であり、何かしらの共通祖先が存在していたことを意味しています。

 

まず、原オランウータンとはどういうサルなのか?

おそらく、オランウータンと人、どちらも共通して持っている機能を原オランウータンは持っていたと思われます。

では、大型テナガザルは?

おそらく、ゴリラ・チンパンジー・オランウータン・人が共通して持っている機能を持っており、少なくともチンパンジーと同じ160㎝くらい身長があったと思われます。大型化に伴い体制感覚もより高めているため、知能も進化していることが予測され、授乳期間は少なくとも2.5~3年は見込めます。後は、メス放逐で性収束を高めた結果、年中発情が可能になっていると思われます。

 

また、大型テナガザル・原オランウータンの化石分布を作成しました。

化石分布の資料によると、原オランウータンと大型テナガザルはかつてユーラシア大陸全体に分布していた、適応力の高い種だったと考えられます

 

以上です。今回の追求で重要なのは「進化系統樹は一直線ではなく、様々に枝分かれした中で、その一本一本の分岐点に無数の絶滅した種が存在するということ」です。

その分岐点をたどっていくことで、現生人類に残されている機能が「どのような進化をたどってきたのか?」を探索することができ、当時の外圧状況を明らかにすれば、そこで獲得した機能の役割が見えてくるのではないでしょうか。

 

List    投稿者 t-kenta | 2022-05-08 | Posted in 4)サルから人類へ…, 5)人類の拡散, ①進化・適応の原理No Comments » 

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