2018-03-06

外圧適応の意志が遺伝子のスイッチを作動させる


画像はこちらからお借りしました。

20世紀中ごろにDNAの二重らせん構造が発見されました。研究が進む中で、生物はDNAという設計図とそこに記載されている遺伝情報(遺伝子)に規定され、「遺伝子がすべてを支配する(=遺伝子決定主義)」という考え方が主流となりました。

遺伝子が生物を形作る上で重要な役割を担っているのは確かですが、遺伝子がすべてを支配しているのではありません。生命体が外部環境(の変化)を察知して、適応しようとすることで、遺伝子群の作用の仕方が決まってくると捉える方が、事実と整合することがわかってきています。

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幹細胞生物学者のブルース・リプトン博士(Bruce Lipton, Ph.D.)は、人体を動かすものは遺伝子ではなく、思考であると主張する。「実際は、我々の思考が遺伝子や行為を決めているのです」

~中略~

リプトン氏は、人間は環境によって変化し、その人物の信じる力や思考が身体の構造に決定的な役割を果たすと主張する。
以下は、リプトン氏の仮説である。

1.細胞はDNAの支配を受けない
細胞は身体のように呼吸し、消化し、繁殖する。その中心にある細胞核が遺伝子を含み、それが細胞をコントロールしていると考えられてきた。

しかし細胞は、その細胞核が取り除かれても、一カ月、あるいはそれ以上生き延びることができ、毒素や栄養を見分けることもできることが分かっている。従って、細胞は核に含まれているDNAに関係なく、独自に機能しているとリプトン氏は指摘する。

50年前、科学者たちは遺伝子が生物をコントロールしているという仮説を立てた。しかし、「その仮説は正しくなかったようです」とリプトン氏は言う。

2.DNAは環境によって左右される
タンパク質は生命の基本的な成分であり、DNAがタンパク質の働きや機能を決定していると考えられてきた。

しかし、リプトン氏は異なる仮説を提案する。細胞膜と接触した環境からの刺激が受容タンパク質によって感知されると、それが連鎖反応を起こし、他のタンパク質に伝えられ、細胞が動いていくというのだ。DNAはタンパク質の膜で覆われているが、環境からの刺激がタンパク質に作用して細胞の扉を開き、その環境に反応するのに必要な遺伝子が活発化するという仕組みだ。

従って、基本的に、連鎖反応はDNAが起こさせるのではなく、細胞の受容体が環境を感知して始まるのだ。

もし、細胞が環境を感知しなければ、DNAも活動しない。「遺伝子は、それ自身が活動を始めたり、止めたりすることはない…。それは、自分自身をコントロールすることができない」とリプトン氏は話す。「生命とは、細胞がどのように環境に反応するのかにかかっている」

3.環境を感知しても、それは必ずしも実際の環境ではない
リプトン氏は、1988年にネイチャーに発表されたJohn Cairns氏の論文 『The Origin of Mutants』の説を取り上げた。ケアンズ氏の仮説によれば、DNAの変異はランダムに起こるのではなく、環境からのストレスによって、予定されていたように起きるという。

「私たちのすべての細胞には、必要に応じて情報を書き換えたり、適応させたりする機能を持っています」とリプトン氏は説明する。ケアンズ氏は論文の中で、実際に環境が発する「信号」は、生命が感知する環境の「信号」と別のものであると指摘する。

つまり、「生命が環境を感知する」というのは、実際の環境の状態を、人体が生物学的な反応を示すフィルターを通して感じることである。リプトン氏は、人体が環境を知覚し、「知覚が、遺伝子を書き換えるのです」と指摘する。

4.人間の思考が、環境を知覚することを選択する
細胞がタンパク質受容体を通して外の環境を知覚するのと同様に、人間にも五感がある。この五感が、与えられた環境の中で、どの遺伝子が作用するかを決めているという。

リプトン氏は、遺伝子をコンピューターのディスクに例えて話す。彼によれば、このプログラムは二つのレベルに分けられる。一つ目は成長や繁殖に関するもので、二つ目は防御に関するものだという。

細胞の場合、栄養と接触すると、成長の遺伝子が作用する。一方、細胞が毒素と接触すると、防御の遺伝子が働く。同様に、人間が愛を感じると、成長の遺伝子が活発になる。反対に、恐怖を感じると、防御の遺伝子が働くだろう。

人によっては、とても恵まれた環境にいたとしても、それを否定的に、あるいは消極的にとらえることもあるかもしれない。もしその人物が与えられた環境を否定的に捉えれば、防御の遺伝子が働き、身体は「戦うか、逃げるか」といった反応を示すとリプトン氏は説明する。

5.闘争か、逃走か
人間にストレスがかかると、血流が激しくなって血液は臓器よりも離れた手足へと流れ、闘争あるいは逃走への準備が整う。従って、ある人物が、自分が置かれた環境をネガティブに捉えると、その人の身体は免疫機能を低下させ、重要な臓器の働きも悪くなるだろう。更に、ストレスは人間の理性を鈍らせる。人は「闘争か、逃走か」モードに入ると、脳の反射神経の部分が活発になる一方、記憶や精神活動の部分は働かなくなる。

一方、人は愛情のあるリラックスした環境にいると、発達遺伝子が作用し、身体は養われる。

リプトン氏は、東ヨーロッパの孤児たちを例に挙げて説明する。彼らは十分な食事を与えられていたが、愛情をかけられなかった。このような孤児院で育った子供たちに共通していたのは、身長や学習能力などにおいて、発達に遅れが見られたことである。また、自閉症の子供も多数存在した。リプトン氏は、これは防御の遺伝子が活発化したため、心に壁を作ってしまったからだと説明している。

「思考は、実際の環境と自分の身体の間のフィルターの役割を果たしている」と彼は言う。従って、人間には、思考によって自分の身体を変える力を持っていると主張する。正しい思考と信じる力があれば、環境からの刺激に対して、人間は身体の中の正しい遺伝子を活発化させることができるのだ。

「人間は、遺伝子の被害者ではありません…あなたは、どのような思考をもって自分の遺伝子を選択しますか?」とリプトン氏は問いかける。

◇科学者リプトン氏:人間はDNAに支配されない 自分で遺伝子を選択できる<大紀元>より

生物は、安定性保持のために遺伝子そのものの変異は抑えつつ、遺伝子スイッチの組合せ多様化による外圧変化への適応可能性を高めてきました。
人類は、本能→共認→探求→観念機能を駆使し、より広く外圧を察知することで、新たな遺伝子作動スイッチが顕在化するかもしれません。

List    投稿者 seibutusi | 2018-03-06 | Posted in ⑧科学ニュースよりNo Comments » 

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