2015-05-22

動的平衡が作り出す波動の変化により、獲得形質は次世代に伝えられる?

渦巻き/貝

画像はこちらからお借りしました。

常に変化し続ける外圧に対して、生物は新たな適応システムを獲得し適応してきた。そのような新しい適応システムが、DNAに組み込まれるまでに、何百年もかかり、それをまっていては絶滅してしまう。しかし、生物は様々な外圧変化の中で進化してきたのだから、当然DNA以外にも、外圧変化や、その外圧に対して徐々に適応してきた過程を子孫に伝えていたはずである。そのようなDNAの配列変化によらない変化や次世代に伝える仕組みとはどんなものなのだろうか?

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人体は60兆個程度(一説には37兆個)の細胞から構成されているが、最初は一個の生殖細胞の分裂から始まる。初期段階の分裂は、幹細胞系の個数を増やすためにあり、機能分化はそのあとになる。

その際に、いきなり個々の細胞が別々に分化するわけではなく、あるグループの細胞群が、一定時間を置いて構造化され、くびれて切れることを繰り返すことで、体節や神経の機能集団が形成される。この反応を実現するためには、細胞分裂を時間的に制御するための一定のリズムが必要になる。

それは、緩やかの結合分解を繰り返す、相補的なタンパク質の合成による濃度上昇と、その分解による濃度下降の作り出すリズムが関与している。これを振動子(オシレーター)と呼び、細胞分裂などの制御に関わる体内時計としての機能を持っている。

これも動的平衡が作り出した生命機構の根本原理であり、通常の適応状態では、DNA→RNA→タンパク質の合成と、その分解または負のフィードバックによるタンパク質の生産中止いうプロセスを踏んで、緩やかで定常的な波動をもつ動的平衡状態を維持していく。

ところが、外圧は常に変化しているため、生物は適応の不完全さを孕む。このとき、生体分子のレベルで外圧との関係をみると、常に何らかの生体分子が外圧適応反応のための過剰消費による不足状態にあり、細胞はバランスの崩れた激しい波動=動的平衡の乱れを認識することになる。

これが、外圧適応不全からくる適応欠乏の認識であり、それをもとの緩やかな波動状態に戻すための一連の体内反応が、適応欠乏に貫かれた適応反応ということではないか?

そして、その適応反応は、新しい安定した波動を持つ平衡状態を作り出すことにあり、そのためには、相補性のある分子を高速で生産できるような新しい生産システムを構築するか、まったく新しいシステムで生体分子のバランスを再構築するかになる。

このような新しい反応が、DNAに組み込まれるまでには、何百万年もかかり、それをまっていては絶滅してしまう。しかし、生物は様々な外圧変化の中で進化してきたのだから、当然DNA以外にも、外圧変化や、その外圧に対して徐々に適応してきた過程を子孫に伝えていたはずである。

それこそが、動的平衡が作り出す、波動の変化(これを欠乏波動と呼ぶ)そのもので、体全体の細胞に伝わる欠乏波動や徐々に適応してきた新しい動的平衡→これを生殖細胞も共有→次世代に波動として伝達という経路で、外圧適応を実現してきたのではないか?つまり獲得形質は遺伝するというのが事実ではないか?

その後、その適応方法が完成に近づいたとき、初めてその機能はDNAに組み込まれて純粋な本能適応が出来るようになったのではないか。

List    投稿者 seibutusi | 2015-05-22 | Posted in ①進化・適応の原理No Comments » 

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