2014-08-24

【乳酸菌はどのようにしてヒトの免疫機能を正常化するのか?】ー2.乳酸菌は人工物質によって衰弱した免疫機能を回復させているに過ぎない。

前回記事では、乳酸菌などによって癌やアレルギーが改善する事例を紹介しました。

巷ではそれを「免疫機能が高まる」と表現します。しかし、今回はあえてその表現を避け、「免疫機能を正常化する」としました。

その問題意識に触れておきたいと思います。

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現代社会では、利便性や収益性を高めるため、食品や農産物にさまざまな人工物質が使われています。農薬や抗生物質、保存料を中心とする食品添加物です。

それらの中心的な役割は、病原菌やカビなどを排除することです。それを食べ物とともに摂取することで、体内環境が破壊されます。

我々の身体には、それに対応できる防御機能として「免疫」が備わっています。

 

免疫機能には二段階あり、重要なのは粘膜などのバリア

免疫には大きく二つの関門があります。

・第一次関門は、繊毛や粘膜が、異物を身体表面に取り付くことを防止します。もし、取り付いたとしても、粘膜ごと洗い流すことで排除します。(例:タン)

・第二次関門は、免疫細胞による防御です。第一関門を通過し、体内に侵入してくる異物(菌やウィルス)を食べて消化したり、破壊したりします。また、一度、侵入してきた異物を排除する物質(抗体)を用意しておきます。

 

人工物質は免疫の第一関門=粘膜バリアを破壊する

・免疫の最前線は粘膜であり、そこに面する表皮です。異物に対してはそれらが、まずはバリアとして働くのですが、人工物質はそれを破壊します。

・先にも書いたとおり、人工物質は微生物を殺す機能を持っています。その中心は、微生物の細胞組織を破壊するところにあります。わかりやすいのは一般的な塩素系農薬です。塩素は細胞(膜)のたんぱく質や脂肪に結合し、元々の分子の持っている結合力を奪い、その組織をバラバラにしていきます。保存料の場合は、塩素ではなく、活性酸素がその役割を果たします。

・破壊されたとしても、バリアには修復機能があり、そう簡単に異物の侵入は許しません。しかし現代は、人工物質が氾濫し、何かを食べるたびに人工物質が大量に入ってくるため、対応し切れません。バリアの破壊が進み、異物が体内に侵入する結果、さまざまな症状が表れます。

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人工物質は腸内細菌を死滅させ、免疫機能を衰弱させている可能性もある

・前述のように人工物質は微生物を殺します。

・とくに家畜の肉や卵などを通じて入ってくる「抗生物質」は、微生物のたんぱく質合成機能を阻害するため、腸内細菌を機能不全に陥れます。

・ということは、抗生物質を摂取すれば腸内細菌をはじめ、体内の常在菌は死滅してしまいます。

・その結果、粘膜が薄くなると考えられます。というのも、体内に微生物を持たない無菌マウスは粘膜が薄いことがわかっているからです。

・粘膜が薄いということは、異物が入りやすく、免疫機能は衰弱します。

 

花粉症が緩和するのは?

アジュバントのついた花粉・花粉症は食物アレルギーと違った印象がありますが、農薬と同じ構造です。【農薬の塩素】が【排ガスの活性酸素】に変わり、抗原が【食物】から【花粉】に変わるだけです。(左の写真は排ガス成分が付着した花粉)

・乳酸菌を摂取することで粘膜が厚くなり、破壊されにくくなるのです。(腸内細菌と粘膜の厚さ関係は別に投稿します。)

 

本質は、衰弱した免疫を回復することより、衰弱の原因を取り除くこと

・このように、現代社会の食生活は、人工物質の摂取を通じて免疫機能の最前線である粘膜を破壊し、あるいは衰弱させているのです。

したがって、乳酸菌などの摂取により、癌やアレルギーが改善(緩和)するのは、人工物質によって衰弱した免疫機能を回復させているに過ぎません

・癌もアレルギーも“緩和”にとどまっており、健全な状態までの回復には程遠いのです。ましてや元々備わっている免疫機能が高度化しているわけではありません。(健全と不健全の定量的な検証は別に行いたいと考えています。)

・言ってみれば、日々我々は毒と薬を一緒に摂取し続けている状態です。これを続けた結果、身体は悲鳴を上げます。それが癌やアレルギーといった現代病の真の姿なのです。

・アレルギーという症状を見て、免疫機能がおかしいと捉えるのは間違いです。人工物質によって免疫の防御が破壊されているのです。

・本来ならば、地産地消を進め、自然のものだけで生活すれば免疫機能は破壊されず、かつ、健全になり、現代病は解消できるはずです。簡単に言えば、“現代”病は昔に戻れば無くなります。(江戸時代に癌やアレルギーは無い。)

 

追求の方向

・しかし、現代に生きている以上、それをすぐに実践できるヒトはまれです。

・そこで当面は、現代病の原因をなくしていくため、真の原因についての事実を明確にし、社会に対して共認形成を図っていきます。

・同時に、当面は自己防衛として、免疫力を改善する方策について追求し、発信していくことが重要だと考えています。

List    投稿者 kumana | 2014-08-24 | Posted in ⑤免疫機能の不思議, ⑩微生物の世界No Comments » 

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