2013-08-14

電流って何??~電流の伝わる速さは光速!~

 はじめまして。今回の記事から本ブログに参加させてもらうことになりました。もともとバリバリの理系人間で、参考書にどっぷりつかった勉強をしてきました。ブログを始めるに当って物理学に対してその公式などを切り口にした見方はやめて、計算式を極力用いることなく、体系的に理系の内容を理解していくことを目指します。なかなかわかりづらい部分もあるかと思いますが、よろしくお願いします。
 いつも応援ありがとうございます。
 
 さて素粒子をテーマにした本ブログでもたくさん取り上げられてきた「電子」に着目していきます。あまり今まで触れてこなかった「電気」に着目していき、電磁波と電気の関係について追求して行きます。
 今回は「電流」についてです。電流の伝わる仕組みについて見ていきます。スイッチを入れるとパッと電気がつく仕組みは、その伝わる速さにあります☆

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○電子の基礎知識
 1897年、アメリカ人のエリフ・トムソンが電子の存在を提唱し、「電気の運び手が電子である」と提唱して以来、それまで多くの謎を抱えていた電気の存在にメスを入れていくことになりました。発見された電子は、古代ギリシャの人たちに不思議な力が宿るとされた琥珀の名前、「エレクトロン」と名づけられました。
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 エリフ・トムソン
 
原子核の周りに電子があり、原子核中の陽子が引き合うことで電子を軌道に乗せている、というのが今の定説になっています。重力ではとても電子を原子核周囲に留めておくことは出来ません。電子と陽子の間に働く力は「電気力」と呼ばれます。
この電子や陽子のように、電荷の性質を持つ物質を「荷電粒子」と呼びますが、荷電粒子に取り付いている電荷の正体、電気力の実体は一体何なのか、これは未だに謎のままです
 
○電子と電流の関係
 さて、これが電気の基となる電子です。ここからは、「電気」の話に移りたいと思います。
 僕らが普段使っている電気といえば、いくらでもありますが、照明・エアコン、掃除機、洗濯機、、、何をとってもスイッチを入れた瞬間につきますよね。なぜでしょうか。上に書いた「電子」がすごいスピードで移動しているのでしょうか。実はそうではないのです。
 
 電流が流れるとき、電荷の運び手である電子と電子はクーロン力(静電気力)で反発するため直接ぶつかり合うことはありません。(同じマイナス同士が反発します。)
 
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しかしながら、電子が動き始めるとクーロン力の変化が隣の電子に伝わります。(∵クーロン力は距離依存しているため)
クーロン力の変化が伝わると隣の電子も動き始めます。
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上はイメージ図になります。それぞれの電子が互いに影響しあっていて、同体のような形になっています。
 このとき、電子から電子にクーロン力の変化を伝えているのは光子(電磁波)。これが連鎖して電気信号は概ね光速で伝わります。
 (※電磁力の正体は光子の交換にある、というのが今の定説になっています。)
 
○電子の速さ
 これにより、電流の中で伝わっているものは「電磁波」だと分かっていただけたと思います。では、電子はどのくらいで動いているの?という疑問が涌いてきます。
 
 結論から言うとすごく遅いです。電圧にもよりますが、普通の電圧の大きさであれば1秒間に1mmも動かないくらいです。
 一般的に僕らが普段使っている電源は交流電源のため、電流は行ったりきたりしています。(電圧の向きがころころ変わる。関東だと1秒で50回。関西だと1秒で60回。)
だとすると、イメージは電子たちがその場で振動している状態、になります。
 
○まとめ

 電流の伝播する仕組みは「電磁波」。電気量を担っているのは電子。
電磁波は光速でやり取りされるため、それによって電流は伝わっている。しかしながら、電荷を持っている電子の動きはきわめて遅くなっている。

ということになります。
 個々の電子がどうなっているか、というよりも導線内全体でどういった挙動がなされているのか、ということに目を向けることで得られた今回の発見でした。
そもそも、電流の仕組みを考える際に、どうしても公式から理解しようとしてしまいがちです。
 「電流は単位時間当たりに導線の断面積を通過する電子の数で計算する」というこの覚え方により電子に目が向いてしまい、視野を狭めているのかもしれませんね。
 次回はその電流を流すメカニズム、「電圧」に迫っていきたいと思います。お楽しみに!

List    投稿者 staff | 2013-08-14 | Posted in ⑬相対性理論・量子力学・素粒子1 Comment » 

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コメント1件

 匿名 | 2018.02.25 15:34

よかったよ

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