2012-11-13

生き物ってすごい! トンボの羽から生まれた未来の風力発電「マイクロ・エコ風車」

皆さん、こんにちは。
%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%9C.bmp今日は、「生き物ってすごい!」と感心したトピック、トンボの羽の構造と飛ぶ仕組みから学んだ知恵を得て生まれた「マイクロ・エコ風車」をお届けします。
(右の写真はこちらからお借りしました。)
 
日本文理大学の小幡章教授が開発した「マイクロ・エコ風車」(下の写真)は、台風でも耐えうる強度を持ちつつも、微風でも安定した発電が可能なもので、エネルギー問題を解決しうる風力発電として期待されています。
 
image20121114002.gif
 
応援よろしく~

 にほんブログ村 科学ブログへ


では、開発者、小幡章教授のお話を伺いましょう。
(NBU日本文理大学工学部航空宇宙工学科のPICKUP PROJECTより。)

1 開発のきっかけ
 
風力発電を考える時、一番の問題となるのが台風などの強風に耐えることです。多くの技術者の努力で、大型風力発電機は性能を向上して普及しましたが、頑丈な構造が必要となり、多額の費用がかかります。
また、日本の大型風車の多くは、常に一定の速度で同じ方角から吹く風に対応した構造となっています。だからこそ、強弱、様々な方向から吹く風に対応できる低コストの新しい風車が求められているのです。

2 ヒントは自然界のトンボに
 
%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%8C%96%E6%B0%B4%E6%A7%BD.bmpマイクロ・エコ風車誕生の第一歩は、トンボの飛行メカニズムの解明でした。
トンボが飛ぶメカニズムを解明するため、小さな物体の周りの遅い流れを見ることができる世界唯一の回流式可視化水槽を開発。
可視化水槽を用いた実験を繰り返す中で、トンボのハネがどのような原理で揚力を発揮しているのかが分かりました。
 
トンボのハネの断面は、流線型をした航空機の翼と異なり、薄板を凸凹に折り曲げてつくったようなもの。
トンボはこの凸凹を利用して、先端からハネの上面に小さな渦を次々につくり出し、後ろに向かって流していたことと、このシャープペンの芯くらいの小さな渦の列を利用して空気の翼型を形づくり、その外側の空気を速やかに流していたことが分かりました。
 
さらにトンボの4枚ハネの他に、腹(通常の尻尾のこと)を加えることで、横風に対しても、大きく流れることなく、高度を落とさずに飛べることが判明したのです。
我々の想像をはるかに超えた巧妙な仕組みが、そこにはありました。

トンボ翼周りの流れ写真。
image20121113002.gif
 
翼上面に渦の列ができている。
image20121113004.jpg
(2枚の写真はこちらよりお借りしました。)

3 低速で発揮するハネの力を応用
 
%E9%A2%A8%E5%9C%A7%E3%82%92%E5%8F%97%E3%81%91%E6%B5%81%E3%81%99.jpgトンボのハネの研究をさらに進めると、低速では高性能ですが、高速になると低性能になることに気づきました。航空機用の翼型と全く逆の性質です。
高速化や高出力化を大きな目的として進歩してきた現代社会ですが、自然界には逆の、高速では使えないけれども低速だけで高性能を発揮する技術があったのです。
そこでたどり着いたのが、風力発電機のブレード(羽)への応用でした。
3~4年間の試行錯誤を重ね、完成したのがNBUのマイクロ・エコ風車です。

4 マイクロ・エコ風車の誕生の瞬間
 
トンボのハネは、メカ的な装置をつけなくても強風に耐えられる仕組みを持っています。何度も実験を繰り返しているうちに、ケント紙1枚でつくった風車でも台風に耐えられ、秒速30センチメートル程度の微風でも回転するようになりました。
トンボのハネの特性を利用することで、なびきながら回転することによって台風にも十分耐えられる上、かすかな風をもとらえて回り続ける紙製の風車をつくることができたのです。
 
安全、軽量、安価、微風でも回る、紙製でも台風に耐える、一定以上回転数が上がらない、遠心力や風圧負荷が小さい等々で、従来風車の持っていた弱点をほとんど解決できる優れものが完成しました。
しかも、大型風車で問題となっている低周波の騒音が発生しないという特徴も有しています。

5 そして、未来の風車発電へ
 
マイクロ・エコ風車単体では、災害時に必要となるコンパクトな発電装置や、携帯電話の充電などに十分役立つのではないかと考えています。
現在は、マイクロ・エコ風車に合った安価な発電機も開発中で、実現すれば、手軽に持ち運べる夢の風力発電の誕生となることでしょう。
また、トンボのハネの特徴を活かすために、風車の直径を1m以上にはできないのですが、数を揃えることにより、大出力の電気を発生することも可能です。
 
トンボのメカニズムに着目したように、次のステップは、群れをなして飛行する昆虫や蟻の分散効果なども工学技術に応用し、エネルギー課題を解決できる新しい風力発電のカタチを実現していきます。
今後も、自然の中に解決のヒントが隠されていると考え、学生たちとプロジェクトを推進していきます。

如何でしたか?トンボの羽ってすごいですね。
トンボは常に空中でエサを捕まえる唯一の昆虫で、台湾から海を渡って飛んでくる種類のものもあるそうで、並外れた飛行能力と体力温存の省エネとを両立させていたのですね。

List    投稿者 okamoto | 2012-11-13 | Posted in ⑨おもしろい生き物1 Comment » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2012/11/1343.html/trackback


コメント1件

 SANEIproperty.com | 2016.02.16 19:40

弊社は、EV自動車レンタカーを計画しています。車庫2000台規模の屋根に貴社開発中の風力発電機1基の発電出力等情報をお願い致します。

Comment



Comment


*