2012-02-19

太陽系を探検しよう―8.惑星の素材(元素)はどこで生まれたのか

惑星の中心には鉄やニッケルがあると言われています。しかし、そのような重たい(大きな)元素は、宇宙の始まりの過程では生成されないとされています。
  
だとしたら、惑星をつくっている元素は、いつ、どこで生まれたのでしょうか。恒星の中か、それとも惑星の内部か。現在の定説では、恒星の中だと言われています。本当に恒星の中で鉄までが生成可能なのか。常識こだわらず、一から追求したいと思います。

 
まずは、元素が生成される条件は何かを考えます。宇宙の始まった段階は膨大なエネルギーが凝縮されていたと考えられますが、そこで元素は生成されなかったのでしょうか。 
 
 
宇宙の初期段階には水素とヘリウムまでが生成された
 
宇宙のはじまり年表(ビッグバン仮説に基づく)uchuuhajimari.JPG
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宇宙の初めは莫大なエネルギーの解放から始まったといわれています。途轍もない温度と密度(圧力)の塊が、膨張と共に温度を低下させながら、素粒子→陽子・中性子→原子核→原子が生成されます。
 
当初のエネルギー状態からすると、原子核が形成されるのは宇宙誕生から20分までの間です。この段階で生成されうる原子核は、水素(陽子1個)とヘリウム(陽子2個)がほとんどで、リチウム(陽子3個)やベリリウム(陽子4個)は僅かに生成される程度です。現に、現在の宇宙に在る元素のほとんどは水素(93.4%)とヘリウム(6.4%)です。(なぜ、重い元素が生成されないかについては、次の機会とします。)
 
宇宙の始まりから38万年後までに、当初1032K(ケルビン)もあった温度が数千度まで低下します。すると、飛び回っていた電子の勢いが衰え、原子核に捕獲されます。原子(陽子+電子)の誕生です。
 
現在宇宙空間にある水素やヘリウムの原子はこのとき誕生しました。しかし、それより重い元素はほとんど生まれませんでした。したがって、現在宇宙空間に存在するヘリウムより重い元素(原子)は、そのとき誕生した原子同士が融合(核融合)することによって生成したと考えられます。
 
では、核融合はどんな条件で起こるのか。恒星の内部なら起こりえるのでしょうか。
 
 
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陽子同士はその反発力を超えて近づけば、自然にくっつく 
    
原子の融合は原子核が融合できるかどうかにかかっています。電子は原子核の間すらも自由に動き回れるからです。原子核は、陽子と中性子で構成され(例外として典型水素は陽子のみ)、陽子があることによってプラスの電荷を持っています(中性子は電荷無し)。
  
したがって、原子核が融合するには、それぞれの陽子によるプラス電荷同士の電気的な反発力(クーロン力)を超える力(エネルギー)が必要になります。
 
この反発力を超えて近づくことができれば、核力(ヘリウムより重い原子で原子核をまとめている力)が働いて引き付けあい、融合・安定します。(下図参照)
  
核力模式図
kakuryoku.JPG
  
 
核融合には超高温が必要
 
原子核(陽子)同士を近づけるには、超高速で衝突させるような力=運動エネルギーが必要になります。
 
気体の粒子(分子)は、温度を上げるとそのエネルギーを受けて飛び回るスピードが速くなります(気体膨脹の正体)。それと同様に、原子核が飛び回る場が超高温であれば、原子核同士が反発力を超えて近づく可能性が出てきます。(尚、電子は超高温の中では原子核とは独立して飛び回っています。いわゆるプラズマ状態。)
  
反発力を超えてくっつくための加速度を得るには、必要な温度は約3億K(ケルビン)になります
  
 <計算方法>
 
電荷(陽子)の反発力は、U=Ke2/r
(K:比例定数9×109、e:1.6×10-19C、r:中心間距離(m))
 
プラズマ中の粒子の運動エネルギーはE=(3/2)kT
 (k:ボルツマン定数1.38×10-23J/K、T:絶対温度)
 
核力がクーロン力を超える最小距離は3.5×10-15mとして、E=Uの式を立てると、T=3.18×108K、つまり約3億Kが得られます。
  
恒星内部でこれ以上の温度が発生していれば、核融合により水素やヘリウムよりも重い元素ができると考えられます。
 
しかし、太陽の表面温度は6000Kしかない…。中心部はそんなに熱いのでしょうか
 
 
太陽の内部温度はどのくらい?
 
内部温度は観測ではわからないので、理論的に(計算で)導く必要があります。
 
ここでは、内部の粒子にかかる重力と、その粒子が高温高圧エネルギーを得て外に飛び出そうとする力(拡散力)がつり合っていると考えてみます。
 
どういうことかというと…恒星誕生前夜、水素を中心とする星間物質が重力によって中心部へと集められ、核を形成していきます。引き寄せられた粒子は、次々と中心核に衝突し、中心部の温度は上昇していきます。この熱は放射され、周辺部の(これから引き寄せられようとする)粒子にエネルギを与えます(暖めます)。エネルギーを得た(暖められた)粒子は重力に反して動き回るようになります。
 
このように、重力による収縮力と熱エネルギーによる拡散力が釣り合っている状態が、現在の太陽の姿をつくっていると考えることができます。(高温により拡散しようとする粒子を重力が引き寄せ、封じ込めているという言い方もできます。)
 
 
太陽の内部温度は1500万K
 
太陽内部の粒子が持っている運動エネルギーと太陽の重力が釣り合っていると考え、このときの温度を算定します。
 
<計算方法>
 
運動エネルギーは、プラズマ中の温度と粒子(分子)の運動エネルギーを表した式(E=(3/2)kT:k:ボルツマン定数:1.38×10-23J/k)を使います。
 
重力は万有引力の式G・M・m/r2。Gは万有引力定数6.67×10-113・s2・㎏-1、Mは太陽の質量1.988×1030㎏、mHは粒子(水素原子)の質量1.674×10-27㎏。
 
上記の運動エネルギーと重力が釣り合うので、G・M・m/r2=(3/2)kT。
(上記式は粒子が1つの場合です。これを太陽全体に適用するためには、左辺のmに粒子数nを乗じて全質量とし、右辺を粒子の全エネルギーとするため粒子数nを乗じます。G・M・n・mH/r2=(3/2)nkT。両辺にnを乗じているので、両辺から除くと元の式に戻ります。)
 
これを解くと、T=1.5414×107K、つまり約1500万Kとなります。核融合が起きる温度は3億K。温度が足りません… 
 
  
低温で核融合が起こってる?
  
①一般的なトンネル効果説
 
江崎玲於奈さんはこの「トンネル効果」という現象を発見し1973年にノーベル物理学賞を受賞しています。但し、このとき対象としたのは半導体にける電子の絶縁と伝導の現象です。核融合ではありません。
 
一般的な解説では、陽子は波としても振舞い、“波だから回折する”とか、“壁の向こうに滲み出す”といった概念で語られます。
 
一般的なトンネル効果の概念図
tonnerukouka.JPG
 
あるいは次のような解説もあります。「ミクロな粒子の運動状態は波動関数によって表現されるが、これをポテンシャルの壁の表面で急にゼロにすることは、不確定性原理により運動エネルギーを無限に大きくすることに相当するため許されず、ある確率で壁のなかに潜り込む。壁の厚みが有限であれば、壁をすり抜けて反対側へ飛び出すこともできる。これがトンネル効果である。」(丸善『トンネル効果』栗原進編より)
 
これではさっぱりわかりません。「壁の表面で急にゼロになり得ない」と言っていますが、クーロン力により徐々に減速するのでは?(ex.重力に逆らって上空に投げられた物体)。
 
また、よく“壁”と表現されていますが、核融合の場合は物理的壁ではなく、エネルギーの壁です。どう理解したらいいのか…。(そこに原理が存在するのなら、その仕組みを概念的に説明してほしいのです。波動方程式を解かれても、それが正しいのか判別できません。これは素人のわがままでしょうか?)
 
他にも玉突き的にエネルギーが伝達されるとの説明もあります。
 
玉突き説の模式図
naminodenpa.JPG
 
しかし、陽子Bが陽子Aに衝突(融合)しようとするとき、陽子Aの側に陽子Bのエネルギーを受け取るB´の存在が必要になります。しかし、そのような陽子は存在できません。(B´はAからの反発力を超えてどうやってそこに来られたのでしょうか?)
 
 
②波の合成説
 
もっと簡単なしくみで説明できないものでしょうか。そこで波の合成という現象で考えてみました。
 
陽子は波としても振舞います。無数の陽子が飛び回っており、波として振舞っているのなら、波が干渉する部分では増幅したり、打ち消しあったりするはずです。2つの波が干渉する場所では、振幅(エネルギー)は0から最大2倍になります。粒子が無数にあり波が無数に重なるならば、増幅部分では何倍、何十倍というエネルギー増幅が可能になります。
 
波の合成を表した模式図 
naminogousei.bmp
 
1500万Kから3億Kレベルへの増幅は20倍です。このような点が生じるためには、陽子がある程度集中する場があり、そこで相当数の陽子が干渉点を生じさせ、その中に増幅的な干渉が生じる場合です。
 
それは、無数の陽子が飛び回る中でなら、極々偶然に起こり得ます。起こらないとは云えないというレベルの偶然ですが。しかし、これならトンネル効果の頻度といい勝負です。
 
 
③中性子衝突説
 
発想を大きく変えてみます。陽子同士がくっつくと考えるので、難しくなります。中性子ならば、電気的には中性で、陽子の電磁場に影響されず陽子にくっつくことができます。さらに、中性子は陽子と相互に変換され得ます(β崩壊)。
 
手順は次のようになります。
 
水素(正確には原子核)に中性子がくっつき、重水素になります。さらに中性子がくっつき三重水素になります。さらに中性子がくっつくと中性子過剰により中性子ひとつが陽子に転換(β崩壊)します。このとき出るエネルギー(1粒子当たり0.78MeV)が太陽のエネルギー源になっていると考えます。
(理論式:三重水素3H(p+・n・n・3e-)+n→ヘリウム4He(p+・p+・n・n・4e-)+0.78MeV)
 
★しかし、中性子はどこで生成されるのでしょうか。中性子は単体では短時間で陽子+αに変化消滅してしまいます。中性子が凝縮されて恒星を形成されたとは考えにくいのです。
  
 
④素粒子起源説
 
元々中性子がなかったのなら、恒星内部で中性子が生成されたとは考えられないでしょうか。恒星の材料は素粒子(クォーク)が主成分で、それが結合して中性子が生成されたと考えられないでしょうか。
 
材料の起源は、代表的には超新星の爆発によるかけらです。その爆発エネルギーが物質を素粒子まで分解し、それが次の恒星形成の主成分になるという考えです。すでに中性子まで分解される現象は確認されているので(ex.中性子星)、さらに分解される可能性は十分あると思われます。
 
その素粒子が凝縮され、陽子や中性子を生成します。陽子と中性子ができると、中性子はすぐに陽子に取り込まれます。陽子と中性子が結合していくと③で説明した過程が出現し、エネルギーが放出されます。
 
 
③と④はトンデモかもしれませんが、補足・指摘があればコメントをお願いします。
原子核形成のエネルギーなど。
 
今回は、核融合が起こり得るというところまで。
次回は、元素の存在を量的な観点から検証します。
 

List    投稿者 kumana | 2012-02-19 | Posted in ⑫宇宙を探求するNo Comments » 

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