2011-09-26

太陽系を探検しよう―3.太陽系惑星では、こんなにいろんなことが起きている!

みなさま、こんにちは~
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(上写真のヨコ一辺が約1km)        
突然ですが、砂漠に植物が群生しているようなこの奇妙な光景、
どこを撮影したものだと思いますか?

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(↑部分拡大写真)
実はこれ、火星の地表を撮影した写真なのです。
火星の表面は、主として玄武岩と安山岩(いずれも、地球上ではマグマが地表近くで固まり生成される岩石)からなっており、多くの場所が厚さ数メートル~それ以上の細かい塵で覆われています。
写真の、植物みたいな黒い筋は、丘や崖っぷちに積もった炭酸ガスや氷が、溶けて下にすべった跡で、黒い塵が筋状に残ったものと考えられています。

自然の為す業って不思議です.。 🙄

シリーズ・太陽系を探検しよう―2.太陽系はどうやってできたのか?では、太陽系惑星の中でも、なぜ、太陽からの距離によって、岩石惑星、ガス惑星、氷惑星といった性質の違いが生まれるのか?について、太陽系の成立過程を追って、追求してきました。
今日は、火星をはじめとする、太陽系惑星たちを、疑問点(→今後の追求課題)も挙げながら、簡単にご紹介していきます☆

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下の表は、太陽系惑星のデータ一覧です。過去の記事にアップした表の、塗り重ね版です。
今回、追加した項目は、黄色に塗ってあります。
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★拡大画像はこちら(この画面に戻る時はブラウザーの“戻る”をクリック )
太陽系惑星データ一覧
このデータは今後、回を追って追記・修正していきたいと思います。
それでは、太陽の近くを回っている順に、惑星を見ていきましょう☆

1.昼は灼熱、夜は極寒の星・・・水星

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水星は、太陽系惑星の中で一番太陽の近くに存在しています。
水星は、「大気が非常に希薄である」と言われます。
大気が希薄であることと、太陽に近いことから、水星の表面温度は、地球と比べ激しく変化します。昼間は450度、夜間は-180度くらいになります。

地球の自転・公転速度を基準に考えると、水星は88地球日で太陽の周りを1周し、1自転するのに59地球日かかります。これに基づいて水星の動きをイメージすると、水星の昼間の時間(水星のある地点に立ったとき、太陽が出ている時間)は、45地球日くらいになります。このように、昼と夜の状態がそれぞれ長く続くことも、水星の昼夜の温度差が大きい要因と言えます。

水星の内部組成は、核の半径が全体半径の3/4と大きく、その外側にケイ酸塩のマントルを持つと考えられています。また、水星は太陽系の他のどの天体よりもの存在比が大きい星として知られています。なぜ鉄を多く含むのでしょうか

2.濃硫酸の雲に覆われた星・・・金星

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金星は、地表温度が470℃と高く、火山が多く存在します。
なぜこんなに熱いのかというと、大気はその9割がCO2であり、その温室効果により地上の熱が外に逃げにくいのです。
(ちなみに、地球の大気に占めるCO2は0.038%程度)
金星の地表は90気圧=地球の90倍に相当します。そして地表を覆う雲は濃硫酸の液体の粒からできており、大気は100m/秒という高速で吹いています。

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金星の自転周期は243地球日と長く、赤道での自転速度は人が競歩するくらいのスピードです。 金星では、雲層が存在する高度60km付近を中心に、全ての場所で、大気が自転方向に100m/秒程の速さで流れ、約4地球日で金星の周りを1周しているのです。この自転の60倍もの速さで吹く風は、「スーパーローテーション」と呼ばれており、土星の衛星タイタンでも同様な高速の風が吹いていることが、近年明らかになってきていますが、そのメカニズムは未だ解明されていません。

3.豊かな水を湛えた星・・・地球

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地球は太陽から3番目に位置する惑星です。直径は約1万3,000km、赤道のまわりは約4万kmあります。地球はよく「水の惑星」と呼ばれ、太陽系の中でも地球にだけ表面に大量の水が存在します。太陽からの距離がほどよいため、水を液体に保っていられます。水を湛えた海は地球の表面の7割を占め、このおかげで生物が住みやすい環境ができています。今までの探査で分かっているかぎりでは、太陽系8つの惑星と160以上の衛星のなかでも、生物の存在が確認されているのは地球だけです。
大気は、約500kmの厚さがあります。体積比で全体の78%が窒素、21%が酸素、あとはアルゴンや二酸化炭素などで、酸素はほかの惑星に比べとても多くなっています。大気のおかげで太陽からの有害な紫外線やX線を通さず、また地上の熱を宇宙に逃がすことがありません。大気と水とが地上の適度な温度を保ち、生物が住みやすい環境をつくり上げていると言えます。

4.星全体規模の砂嵐が一年も続く・・・火星

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火星は、岩石型惑星の中で太陽から一番遠くを回る星です。
その表面温度は、太陽側が約27℃、裏側はー140℃、平均―23℃と、地球よりやや低めです。
僅かに酸素が存在し、1日の長さは地球とほぼ同じで、四季の変化も観測することができます。
公転周期は687地球日と長く、四季の長さは地球の2倍、ということになります。
火星の大きさは地球の約半分で、質量は地球の1/10しかありません。
地球と組成のよく似た岩石のマントルがあり、中心核は酸化鉄でできていると考えられています。上の写真を見て分かるように、火星表面は全体的に赤っぽい色をしています。これは、地表の岩石に酸化鉄(赤さび)を含んでいるためです。
表面にはクレーターや火山、峡谷などが見られ、水が流れた跡のような地形も数多く残されています。

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火星には薄い大気があり、砂嵐が起きます。ときには火星全球を覆うような砂嵐も発生します。
写真は火星が砂嵐に覆われる前後写真。本当に星全体が覆われてしまっています 。このように巨大な砂嵐は、長いときで1年くらい続くそうです。
なぜ火星の砂嵐はこんなに大規模になるのか ブラジルのある研究チームは、「砂の粒子が、風で舞い上げられた後、地球に比べて弱い重力環境(地球の約1/3)のために、地球の場合よりも長く空中に滞在できるのではないか?」という仮説を提起しています。
また別の説では、「昼夜の温度差が摂氏100度近くあり、日が昇るにつれて急速に上昇する地表温度によって、上昇気流が発生し、それにより地球上では考えられない程巨大な砂嵐になるのではないか?」加えて、「表面を覆っている砂の粒子が、地球のものと比べはるかに小さいことが、長時間にわたって空中を漂う要因の一つなのではないか?」ともいわれています。

5.縞模様の正体は?・・・木星

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木星は、太陽系の中で最も大きな惑星です。直径は地球の約11倍、体積は約1,300倍もあります。しかし、重さは地球の約318倍しかなく、大きさのわりには軽い惑星です。
木星は、赤道方向に平行に伸びる縞模様が特徴ですが、これらは大気中に浮かぶアンモニアの氷の粒でできた雲です。大気の厚さは約1,000km、成分の約9割が水素、残りのほとんどがヘリウムでできています。大気の下には液体水素の層が、さらにその下には液体金属水素の層が広がっています。液体金属水素とは、水素が高い圧力のために圧縮され液化し、電気を通すことができる状態の水素のことを言います。中心部には地球の質量の10倍弱ほどの、岩石と鉄・ニッケルなどの合金でできた核があると考えられています。

木星は自転周期が約10時間と、大きさのわりに非常に速く自転しています。そのため、木星は遠心力で赤道方向にややつぶれた形をしています。土星も同じ特徴を持っています。
なぜ、木星や土星の自転はそんなに速いのでしょうか

6.水に浮くほど軽い・・・土星

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太陽系では、木星の次に大きい惑星です。太陽を1mの球とすると、土星は野球ボールくらいの大きさになります。
土星は、質量は地球のおよそ95倍もありますが、中はスカスカで水よりも軽い星と言われています。
見た目はリングがオシャレだけど、中身は軽い・・・チャラ男みたいですね。
土星の内部は木星と似ています。中心に岩石の核があり、その上に液体金属水素の層、水素分子の層があり、様々な元素の氷も存在しています。
土星の大気は、水素96%、ヘリウム3%、そしてメタンとアンモニアが僅かな比率で存在しています。この成分も木星と似ており、生命が誕生する以前の地球大気の成分にも似ています。
土星の特徴であるこの環(わ)。この環は、最近の望遠鏡や性能のよい双眼鏡を使えば容易に観測することができます。環は土星の赤道から 6,630 km ~120,700 km の距離まで広がっており、シリカや酸化鉄、氷の粒子などで構成されています。粒子は細かい塵状のものから、小さな自動車程度の物まで様々です。
ちなみに、太陽系の岩石型惑星=水星・金星・地球・火星の4惑星は、環をもちませんが、太陽系に4つ存在するガス型惑星=木星・土星・天王星・海王星は、全て環を持ち、衛星の数も多いです。これはなぜなのでしょうか

7.青い星・・・天王星

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太陽系の惑星の中で木星・土星に次ぎ、3番目に大きい星です。
天王星は主にガスと多様な氷から成っている、氷型惑星です。大気には水素が約83%、ヘリウムが約15%、メタンが約2%含まれています。内部は重い元素に富み、岩石と氷からなる核のほか、水やメタン、アンモニアが含まれる氷からなるマントルで構成されていると推測されています。
木星・土星と同様、天王星の最も外側には、水素を主成分とするガスの層があります。この層はヘリウムとわずかな量のメタンを含んでいます。そのメタンが、赤い光を吸収するため、天王星は青みがかって見えるのです。

8.もっと青い星・・・海王星

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海王星は最も太陽から離れた位置で、165地球年もかけて公転しています。直径は地球の約4倍。天王星よりわずかに小さいですが、質量は天王星よりも大きいです。表面温度は摂氏マイナス220度近く、人間にとっては極寒の世界です。
海王星は天王星同様、最も外側には、水素を主成分とするガスの層、その下に水やメタン、アンモニアなどの氷でできたマントルの層、中心に岩石や氷、鉄とニッケルなどの合金でできた核、という構造になっていると考えられています。天王星よりもガスの層に含まれるメタンの量が多く、そのため青みがより強く、コバルトブルーに見えます。核が占める割合が天王星より大きく、そのため、木星型惑星と天王星型惑星の中では密度が最も大きい惑星です。
海王星で吹く風は、最大で風速500m/秒(!) にも達し、太陽系の中でも最速の部類に入ります。
太陽から受けるエネルギーも少ないにもかかわらず、海王星に吹く風は木星の3倍、地球の9倍も強いのです。これはなぜでしょうか

* * * * * * * * * * * 

長くなりましたが、いかがでしたか?
星によって、隣り合った星でも性状がぜんぜん違ったりするんですね。
こうして星ごとの環境を見ていくと、地球の環境がいかに奇跡的に調和しているかということに気づかされます。

最後までお読み頂き、ありがとうございます
引き続き、シリーズ記事をお楽しみに

List    投稿者 kanae | 2011-09-26 | Posted in ⑫宇宙を探求するNo Comments » 

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