2011-06-23

今週の福島原発(6/15~6/21)~浄化設備故障続発、4号基付近で白煙と発光~

今週も福島原発の最新状況を報告します。

<今週の福島原発の動き> 東京電力福島第一原発事故関連ニュース福島第一原発の最新状況まとめ
6/15 4号基、夜間の白いガスと発光について
6/16 1号機カバー作業中止
6/17 汚染水処理システムの水漏れが発生し試運転中断
6/18 汚染水浄化を停止(想定より早く交換基準に達したため)
6/19 湿気低減のため、2号機原子炉建屋の扉を開放を発表
6/20 浄化装置の停止し、放射線量を調査
6/21 汚染水浄化装置、運転再開

作業員が作業中にマスクをはずしてタバコを吸い建屋カバーの設置作業が中止になったり、作業員が誤って弁を閉じ汚水処理装置から汚水があふれ出し処理が止まったり、ミスが爆発しているようです。一方で汚染水がどんどんたまりこのままでは地上や海に汚染水があふれ出す。本当に綱渡りの作業が続いていますね。
今週のポイントは、「汚染水除染装置の相次ぐトラブル」「4号基付近で白煙と発光」「地下水の汚染」です。最後のおまけに、大田区蒲田の放射線測定データの推移表も付けています。これは、今後も毎週発表していきます。
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◆汚染水除染装置の相次ぐトラブル
毎日500t程度発生する汚染水処理の切り札として期待されている汚染水除染装置は、稼動に向けてこの間相次ぐトラブルが続いています。
汚染水除染装置は、順調に稼動すれば1日1200tの汚染水を処理可能と言われています。
システムは、
(1)油分離装置(東芝)
(2)セシウム吸着装置(米キュリオン社)
(3)除染装置(アレバ社)
(4)淡水化装置(日立など)
の4つのシステムで構成されており、東芝製の油分離装置で油分を取り除き、米キュリオン社製のセシウム吸着装置、そして仏アレバ社製の除染装置と2段階で放射性物質を吸着・除去し、最後に日立などの淡水化装置で塩分を取り除き、一度処理水タンクに入れた上で冷却水として再利用するシステムとなっています。
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図は木走日記より引用
これまでのトラブルは以下の通りです。
6/10
セシウム吸着装置(米キュリオン社)において、ゼオライトなど3種類の吸着剤を詰めた24基の吸着塔に海水を入れ、水漏れ試験を行っていたところ、弁のパッキン部や配管接続部の10数カ所で漏洩。
そのほか、ポンプのコンピュータープログラム修正を行う。
6/11
セシウム吸着装置(米キュリオン社)において、一部系統に水が流れないトラブルが発生。12日の再試験では水が流れたため、流量調節弁の一時的な故障だった可能性が高い。
6/16
セシウム吸着装置(米キュリオン社)において、吸着装置内にある安全弁が破損し、汚染水は約6m3漏洩。作業ミスが要因。
6/17
セシウム吸着装置(米キュリオン社)において、吸着装置内のカートリッジが5時間で毎時4mSvという目安を越えたため一時停止。想定では1ケ月後に交換するはずだった。
6/21
除染装置(アレバ社)で、汚染水を流す主系統につながる薬液注入ラインのポンプが自動停止。
薬剤濃度を調節するために水を入れているポンプの流量が増えすぎたため。
トラブルが発生している要因として、異なるメーカーの機器を連結してシステムを構成している点、突貫工事による施工ミスが考えられます。
そして気になるのは、6/17に発生したカートリッジの交換時期があまりに早いという点です。
1ヶ月の交換期間を見込んでいたものが、わずか5時間で交換する必要があるということは、東電が想定しているより超高濃度の汚染水が地下ピットに溜まっているということである。ブログ「木走日記」によると、約144倍程度の汚染レベルの違いあるということです。

木走日記より引用

このシステムは本来なら一日1200トンですから、1ヶ月を30日として、36000トンの汚染水を1月で処理するわけで、セシウム吸着装置内の放射性物質を吸着する鉱物ゼオライトが入れられたカートリッジは、予定では36000トンの汚染水を処理する分の放射性物質がたまったら交換するというはずでした。
 今回稼働時間は5時間ですから、一日1200トンということは毎時50トンの処理能力ですから、5時間*50トン、わずか250トンの汚染水の処理で想定一ヶ月分の放射性物質がたまってしまった計算になります。
 36000トンの汚染水に含まれる放射性物質をためるカートリッジがわずか250トンで満たされてしまったとするならば、単純に濃度が144倍、2桁違ってきます。

◆4号機はどうなっている? 大丈夫なのか?
4号機は原子炉内に核燃料はないものの、震災後「使用済み核燃料プール」が傾いて危険な状態にあり、震度6~7の余震、または台風が来ると倒壊の恐れもあることが問題となっていました。
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※4号機フロア 東電 6/10
今日のニュースでは、「4号機プール支える支柱設置」 とあり、収束に向けて作業が進んでいることを信じたいのですが・・・
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4号機余震対策 東電 6/17公表資料  
気になっているのは、ネットでは大きな話題になっていますが、大マスコミでは全く報道されていない「大白煙」の件です。
6/14未明、福島第一原発4号機付近から、白いガス状のものが猛烈に吹き出し、発光していたことは皆さんご存じかと思います。
2011.06.14 00:00-01:00 / 福島原発ライブカメラ
実はこの日だけでなく、、、
6/19 今朝(19日深夜)の発光体と4号機からの白煙
6/21 21日深夜、4号機から大量の白煙 
政府、東電もこれについて全く発表していませんが、どうも何かが起こっているような。。。どういう現象だと考えたらよいのか?いくつかの見解を紹介します。

●京大、小出氏
6月17日 夜間の白いガスと発光について 小出裕章
 
(東電のライブカメラを見ていたら真夜中に白いガスが吹き出ていたが、水蒸気か?)私も見たが、不思議だと思った。正直なんだか分からない。かなり劇的に噴きだしており、光ってもいた。何かの反応が起きているはずだと思った。茨城の空間線量が上がったという情報もある。ひょっとすると放射能放出に結びつく現象があったかもしれない。マスコミが東電に確認すべきことだ。
・(吹き上げている様子をみると、放射性物質が出ていることは間違いない?)水蒸気だとしても含まれているはずで、それなりに出たことは間違いない。でもあのように光るという現象は何なのか私にも分からない。東電は当然知っているはずで、発表があってしかるべきだが、ない。マスコミも一切触れていない。本来マスコミが追及すべきだ。

どうも専門家でも理解できないような現象のようです。。。
白煙の件には全く触れていませんが、今週の4号機についての報道は下記。

●東電、マスコミ
4号機建屋機器から強い放射線か 水位低下、遮蔽されず
 
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東京電力福島第1原発4号機の原子炉建屋上部にあり、機器を水に漬けて保管している「ピット」という場所の水位が低下、水による放射線遮蔽効果がなくなり、露出した機器から強い放射線が出ている可能性が高いことが19日、分かった。
4号機は地震発生時に定期検査中だったが、地震と津波で冷却機能が失われ、使用済み燃料プールの水が燃料の熱で蒸発して水位が低下。プールにつながるピットの水位も低下したとみられる。
東電は「4号機の建屋周辺の放射線量は特に高くなく、外部への影響はない」とするが、今後、この付近で作業する場合に備えて水位を上げるため、19日から水の注入を始めた。

仮に、この発表を信じて解釈するならば、、、、
プールの水位が下がったことによって、使用済み燃料が一部剥きだしとなって高温化、プールの水が蒸発して吹き上がったという説も考えられますが、、、大白煙の映像にあるような現象、発光現象については説明できないように思われます。
ちょっと別の角度から。
アメリカのガンダーソン氏も「4号機建屋が倒壊すれば、破局が訪れる」と、その危険性を指摘しています。

●Arnie Gundersen
4号機建屋が倒壊すれば、破局が訪れる
 
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Arnie Gundersen:
それに1つ心配なのが、これは4号機にも関係してくるんですが、余震の問題です。
原子炉に水を入れすぎると重くなりますが、原子炉というのは(水が満たされたような)重い状態で、余分な水が何十トンも入った状態で地震のような大きな揺れに耐えられる構造になっていません。
ですから、もしも大きな余震が来たら、3号機と4号機は非常に危険な状態になります。
スマトラ大地震を思い出してください。
3、4年前にマグニチュード9を超える地震があり、その最大の余震が来たのは3ヶ月後でした。
余震のマグニチュードは8.6です。
ということは、3.11の地震からすでに2ヶ月以上が過ぎているとはいえ、スマトラの例に照らせば、まだ大きな余震が起きる可能性はあるわけです。
Chris Martenson:
なるほど。
では4号機も同じ危険にさらされているわけですね? 
4号機では燃料棒は取り出されていてプールの水に浸かっていたと記憶しています。
現時点での4号機の問題とは何でしょうか。
Arnie Gundersen:
 おっしゃる通り、4号機では原子炉は運転されていませんでした。燃料はすべて取り出され、使用済み燃料プールに入れられていました。つまり、燃料が原子炉に格納されていなかった、ということです。使用済み燃料プールは外側から丸見えの状態です。
 上空にヘリコプターを飛ばして確認したところでは、吹き飛んだ建屋の隙間から使用済み燃料プールに入っている燃料が見えます。4号機が停止したのは昨年の11月だったので、使用済み燃料はまだかなり高い温度を保っています。プールにはまだ多量の崩壊熱が残っているのです。
 ニューヨーク州にあるブルックヘブン国立研究所が1997年に行った研究によれば、燃料プールの水が蒸発して火がつくと、187,000人の死者が出るおそれがあります。
これは非常に憂慮すべき事態であり、もしかしたら福島第一原発で一番恐れなければならない問題かもしれません。
最近、NRCの委員長が語ったところによれば、彼が事故後に在日アメリカ人に対して原発から50マイル[約80km]以上離れるように指示したのは、4号機に火がついて、むき出しの燃料プールからプルトニウムやウラン、セシウム、ストロンチウムが気化するのを恐れたからです。
ブルックヘブンの研究を信じるなら、10万人以上の死者が出てもおかしくなかったからです。

下記ブログは大胆な仮説ですが、4号機原子炉内部には核燃料はなかったという情報はウソなのではないかと指摘しています。

●Kazumoto Iguchi’s blog
福島第一4号機崩壊で日本終了の謎!?:米軍T?ホーク映像が語る4号機の内部崩壊!
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黄色の枠内に噴き上がる白煙が見える
緑の枠は燃料棒交換機
青い枠は使用済核燃料プール
赤い円は原子炉の位置を示す。
一番最後のものから考えると、私がこれまで何か赤い炎のようなものが見えたと言っていた部分は赤い丸の部分であった。つまり、原子炉からであったということですナ。したがって、この4号機原子炉内部には核燃料はなかったという情報はウソだろうということになる。何かが入っていたわけである。反応の早さからすると、プルトニウムか、プルトニウム入りのMOX燃料だろうと思う。
4号機の原子炉には黄色い蓋がついていないのだから、むき出しの核燃料の状況なのである。雨が降れば降るほど反応が進み溶融した核物質が一カ所に溜まる。そして臨界量を超えるほど集まると再臨界現象が起きて発光する。これを繰り返すというわけである。

★大白煙の原因はいまだよくわからないので、もう少し調べたいと思いますが、全く報道されないことも極めて不自然ですし、何か不都合な事実があるのではないかという疑念が消えません。

◆地下水汚染
放射性物質の大気や海への拡散は、一定みんなの目が届きつつありますが、地下水に注目している人は少ないでしょう。
現段階での地下水汚染について整理しておきます。

経済産業省原子力安全・保安院は(6月)12日、東京電力福島第1原発の敷地内で5月18日に採取した地下水から、放射性ストロンチウムを検出したと発表した。地下水からの検出は初めてで、事故で放出されたとみられる。
保安院によると、1号機の地下水でストロンチウム89が1立方センチ当たり0.078ベクレル、同90が0.022ベクレル。2号機で同89が19ベクレル、同90が6.3ベクレル。
1号機については空中や土壌から流れ込んだ可能性が高いが、比較的濃度の高い2号機のストロンチウムの由来は分からないという。
取水口付近の海水からも最大で濃度限度の240倍に上るストロンチウムが検出されており、保安院は海に漏れ出た高濃度汚染水の影響とみている。
参考:Earth Day Tokyo 2006

このように、地下水汚染については現在進行中のようです。
※このような重要事項を1ヶ月遅れで発表する原子力保安院の異常さは、ここでは棚上げにしておきます。
この対策として、
1.拡大の防止策・・・トレンチ立坑の閉鎖、ピットの閉鎖
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2.地下水の汚染拡大の防止策・・・地下水を汲み上げるサブドレンポンプの復旧
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3.地下水遮蔽・・・シュミレーションと遮蔽工事
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があります。
図:東京電力 HP 福島第一原発 課題別取り組み状況(写真・図面集)
特に3番はお金がかかるらしく東電の動きが鈍くなっています。

 筆者の手もとに、東電が政府に示した記者発表の対処方針と応答要領の写しがある。6月13日付で表題は「『地下バウンダリ』プレスについて」。バウンダリ(boundary)は境界壁、つまり地下ダムだ。プレスは記者発表をさしている。
 対処方針は5項目。要約すれば「馬淵補佐官ご指導の下、検討を進めているが、市場から債務超過と評価されたくないので詳細は内密に」だ。
 応答要領の中でも愚答の極みは「なぜ早く着工せぬ」という質問に対するもので、ぬけぬけとこう書いている。
 「地下水の流速は1日5センチメートルから10センチメートルなので、沿岸に達するまで1年以上の時間的猶予があると考えている」
 記者発表は14日のはずだったが、東電の株主総会(28日)の後へ先送りされた。
 福島原発の崩壊は続き、放射性物質による周辺の環境汚染が不気味に広がっている。株価の維持と汚染防止のどちらが大切か。その判断もつかない日本政財界の現状である。
毎日新聞 風知草:株価より汚染防止だ=山田孝男

お金がかかるからやらないというのは筋が違います。
東電および推進してきた官僚や学者、マスコミも総出でなんとしても資金を捻出し、これ以上の拡散防止につとめるべきです。速やかな対応を願うばかりです。

◆放射線量の推移
政府・官僚・御用学者やマスコミは断片的にしか報道せず、なにが事実かわからないので、当ブログチームで放射線を計測することにしました。6/1から6/20までの推移をまとめておきます。
測定場所:東京 蒲田
測定機器:COLIY 900+
測定位置:RC造ビル4F室内窓際(窓開放)、室内、屋外(地上50cm)、屋外の地表面(土の上)
測定方法:10分間の累積線量から1時間あたりの数値に換算。
(10分間の累積線量を6倍しています。)
測定時間:午後12時と午前12時の2回(グラフは午後12時の値)
測定放射線:α線+β線+γ線(自然放射線も含まれています)
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6/1~20までの地上50cmでの平均値は0.214となり、都道府県が発表している値より大きくなりますが、これには自然放射線量が0.1~0.15μSv/h含まれていると言われており、0.1ほど差し引けば0.114と発表値より若干高い値になります。仮にこの値で24時間365日過ごすと基準である1.0mSv/年となりますが、一日中外にいるわけではないので、通常の生活をしていれば基準を下回ると見てもらっていいと思います。健康被害も現段階では少ないと考えてもらっていいでしょう。
今後も継続的に報告していきますのでチェックしていただければ幸いです。

List    投稿者 nodayuji | 2011-06-23 | Posted in ⑪福島原発問題No Comments » 

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