2011-03-24

雌雄の役割分化19~これからの男女関係はどうなる?

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この画像はこちらからお借りしました

前回は、性の衰弱の原因を探求しました。その流れをおさらいすると、次のようになります。

1.略奪闘争が世界中に広がり、本源集団が失われ、人類集団は私権集団に変わり、男女の性が私権獲得の対象に変質

2.市場の拡大に伴い、個人の私権獲得が第一義となり、私権集団も解体され、自由な性市場が登場。男女関係が完全に個人の私権にゆだねられる。

3.豊かさの実現により、私権獲得の活力が衰弱。それに合わせて、個人的な私権の対象でしかない性も衰弱。

4.社会不全が高まり、性=遊んでいる場合ではなくなり、性を封鎖して男女とも課題収束。

人類の性が衰弱した根本的な原因は、生命原理に根ざした本源集団が解体され、進化の課程で人類が獲得してきた、男女の役割規範と男女共認充足が解体されてしまったことでした。

生物にとって人類にとって、男女共認充足は最大の活力源であり、これを失うことは種の存続を左右する大きな問題です。どうしたら、男女共認充足を、さらには人類本来の本源集団を再生し、人類がさらに進化していくことができるのでしょうか。

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①新たな可能性は性の衰弱の中にある。

男女役割共認の再生に向けた突破口は、私権の性の衰弱と、性封鎖=課題収束といった最新の現象に見いだすことができます。

私権の性が衰弱し、性を封鎖し、課題収束した最先端の意識は、みんなの役に立つにはどうしたら良い、社会の役に立つにはどうしたら良いという方向に向かっています。これらの意識は、私権の性から本源の性へ、個人第一からみんな第一集団第一へ、意識が転換する可能性でもあります。

しかし、このような意識も個人がばらばらのままで、受け皿となる集団が存在しなければ何も実現できません。

②集団も私権収束から転換し始めている

これと平行して、私権獲得を第一義としてきた企業集団も、最大目標である私権の衰弱に伴い、その目標を私権獲得から社会の役立つことに大きく転換しつつあります。日本では、すでに企業の過半が、利益追求を半ば以上放棄する中から、直感的に「周りの役にたつ」方向へと頭を切り替えています。

また、利益追求を目的とせず、最初から社会貢献を目標にかかげる社会起業家などの新たな集団も登場し、今回の大地震でも多くのボランティアが活躍を始めています。

人類本来の男女役割共認や本源集団の再生に向けた可能性は、これらの集団の中にあります。

③身近な集団を本源集団に変えていく

婚姻制度は社会の最基底部にあり、その変革には長い時間を要することになると思われますが、婚姻制度が社会の最基底部にあるのは、哺乳類では雌雄の引力が最大の引力(活力)であるからです。

従って、私権社会から本源集団の再生という社会の大転換は、男女の引力を基盤にした社会変革というスタイルになるのでは無いでしょうか。言い換えると、男女の問題を捨象している政権交代や社会制度改革などとは次元の違う、根底的な変革になるということでしょう。

自分たちが所属する身近な集団の中で、課題を共有しながら、その課題を実現するために男女の役割をどのように分担したらよいのかをみんなで考え、より充足度の高い集団を作り出し、本源集団を再生していくことが、求められています。

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生物は単細胞の時代から、集団を作って互いに助け合い、やがて多細胞生物を産みだしました。そして種の保存を第一義的な課題とし、進化するに従ってより高度な集団や複雑な社会を形成してきました。本源集団の再生は生物原理から見ても重要な課題です。

④生物史から学んだ雄雌の役割分化が羅針盤

今回の変革の土台となるのは男女共認です。そして、男女共認の核となるのは、人類が進化の課程で獲得してきた男女の役割規範である、充足存在という女規範、闘争存在という男規範です。

今私たちが直面しているのは、私権時代や市場時代を通じて解体され失われてしまった、人類本来の男女役割規範を再生することです。このような変革の時代こそ、生物史の中で人類が獲得してきた機能がどのようなものであるのかという事実こそが、確かな羅針盤になるのではないでしょうか。

私たちが、ほ乳類、原猿、真猿、類人猿までさかのぼって、その本能や社会構造を解明しようとした理由もそこにあります。(実現論、前史、イ.可能性への収束=統合より)

次回の20回で雌雄の役割分化の個別の記事は最後でになり、その後に雌雄の役割分化の総まとめに入る予定です。例によって図解も準備していますので、楽しみにしてください。

List    投稿者 nodayuji | 2011-03-24 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 

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