2011-03-17

雌雄の役割分化18~現代人の性が衰弱しているのはなんで?

生物は数億年もの間、安定と変異という軸上で雌雄の性の差別化をより推進してゆく方向で進化してきたました 😀 。
我々現代人も、その塗り重ね構造の先にいるわけですが、そうした自然の摂理に適っていないと思われる事例を前回の記事で3つ挙げました。
1.性の個人化、市場化
2.男女の役割の曖昧化、中性化
3.男女の吸引力の低下、性の衰弱(いわゆる草食化)
今回は、その分析を試みます 8) 。

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なぜ、このような現象が見られるのでしょうか?
生物史の視点から切開していきます 😀 。
1.性の個人化、市場化
始原人類は、本能上の武器を失い木に登れなくなった「カタワの猿」であり、共認機能を命綱として生活してきました。男は闘争役割、女は生殖役割という男女役割共認のもとに、闘争と生殖が一体になっている本源集団を形成し生活していました。
性は共認充足が得られ、最大の活力源になるので、集団を統合するために「みんな」の物として扱われていました。これが人類本来の「本源の性」です。
しかし、社会が私権→市場となる中で「みんな」の性が「個人」の物になっていきます。
この過程は2段階あると考えられます。

step1 性が私権の対象となる
私権時代はあらゆるものが私権の対象物になり、「性」に所有という概念が生まれます。
もともと本源集団は母系制でしたが、生産を遊牧に転換したことにより、空間把握に優れている男が優位となる父系制に転換します。これにより集団私権という考えが肥大し、結婚も集団の利益や道具になっていきます。
政略結婚などがいい例ですね。家父長が集団の利益を考え婚姻相手を決めるようになります。
さらに、遊牧から交易→略奪と生産様式が変わってくると、性が略奪の戦利品になり、ますます自我や私権の対象となっていきます。
このように、集団を充たし統合する「性」から、集団間の取引対象の「性」、略奪の対象の「性」に転換していきました。
※この間は私権圧力(=生存圧力)が強く働いており、男女の役割分化は集団適応に必要なため、当たり前のように認められていました。

step2 市場化の中で性が個人化していく
現在の市場は宮廷サロン(=自由な性市場)を基盤に、ものすごいスピードで世界を覆いつくしていきました。(実現論:ト.性市場→商品市場の発生と繁殖
市場が拡大すると、参加者も王侯貴族→中産階級→都市市民とどんどん増えていきます。皆に私権獲得の可能性が開かれ、私権に収束し始めると、私権を正当化する思想が求められます。これに応えるために登場したのが、「個人が私権獲得の主体である」という近代思想です。
個人の私権(性)の獲得が認められることにより集団が解体され、市場が拡大します。集団がなくなったことにより、役割意識が薄れ、性が中性化・曖昧化していくことになります。:-( 。

2.男女の役割の曖昧化、中性化
1970年になると生存圧力が低下が決定的になり、男女の役割規範が薄れ、曖昧化、中性化していきます。生存圧力が低下すると私権圧力も低下するので市場の縮小拡大もストップします。
これは市場推進派にとって死活問題なので男女同権論(”男女”である前に、まず”個人”)といった観念を推進し、男女の中性化に拍車をかけていきます。
また、大衆の側も圧力が下がったことにより、自我が肥大し、自我にとって都合がいい男女同権論といった肉体や本能と直結した共認充足に根ざしていない捻じ曲がった観念にも同調するようになります。
これにより、市場は一定拡大しましたが「自我の性」では男も女も充たされません。性はどんどん衰弱していきました。:-( 。

3.男女の吸引力の低下、性の衰弱(いわゆる草食化)
生物は性を適応の中核とし、より差別化したものが繁栄してきました。人類はさらにそれを塗り重ね、「充足」と「闘争」という役割や、性を活力源とすることで度重なる外圧に適応してきました。つまり、性が衰弱することは生物にとって適応を放棄することと同義であり、ありえないことです。しかし、1970年に豊かさを実現し、1990年代にバブルが消滅して以降、セックスレスの蔓延や2008年には草食男子が話題になるなど、性が衰弱し始めました。
これはなぜでしょうか?
これは3つの位相で性に対する意識が変化したと考えられます。
豊かさが実現したことで生存圧力が衰弱したと同時に私権圧力も衰弱し、私権活力が衰弱してしまった。
集団が解体されたことにより、男女の役割規範がなくなる。特に男は私権獲得の役割が大きかったが、私権衰弱したことにより男の役割不全が増大し、性活力が衰弱
さらに、昨今の特権階級の暴走から収束不全を強め、本能(無意識)の次元で秩序を探索し始め、男女ともに性を棚上げ
このような過程で、現代人は性を衰弱させていったと考えられます。

まとめ
人類の最先端機能は観念であり、観念で共認や本能の部分を押さえつけ統合することが可能な動物です。集団を解体する私権や自我を肥大させた結果、生存圧力は下がりましたが、肉体的・本能的な共認充足に根ざさない、捻じ曲がった観念で統合される状態になってしまいました
これが原因で様々な問題が噴出しています。
この状況を転換させていくためにはどうすればいいのでしょうか?
次回は、その方法を考えていきます 🙄 。

List    投稿者 MASAMUNE | 2011-03-17 | Posted in ③雌雄の役割分化No Comments » 

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